SOREMA -それ、魔!- 65

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SOREMA -それ、魔!- 65

 

 

 

 

 

 

 

激情

 

 

 

 

 

 

 


ノベルウォー編 ここまでのあらすじ

 


白鶯蓮源(シェイクスピア)率いるノベルは、東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野の各地点に魔導結界を展開、そして東京全域に10000万体を超える魔者を解き放ち、魔裁組に対する全面戦争を仕掛けた。

 


死者こそ出したが、それぞれの結界は魔裁組によって全て解除され、魔者も全て消滅。

残る戦力はノベルのボス・白鶯のみとなった。

 


魔裁組の残ったメンバーは、白鶯の暴走を止めるべく、決戦の舞台となっている九段下周辺に集まり出す...!

 

 

 

 

 

 

 


第521話 「耐え難き侮辱」

 


《九段下付近・日本武道館前》

 


ジャスティン vs 白鶯

 


バッ!ガンッ!キッ!シュッ!ドカッ!ゴンッ!!

 


ジャスティンと白鶯は高速で拳をぶつけ合う!

 


白鶯「成程。少しはやるようだな」

ジャ「...!」

白鶯「渋谷の結界を解いたのはお前だな。まさかサドが人っ子一人にやられるとは...!」

ジャ「...!!」

 


ガンッッッッ...!!!

 


白鶯とジャスティンは距離をとる。

 


白鶯「他人に期待しない俺ですら驚愕したぞ」

ジャ「安心しろ、お前もそいつと同じ道を辿ることになるさ」

白鶯「成程な。それは結構なことだ」

ジャ「白のエレメント...!スノウジェム!!!」

キィィン!!

白鶯は攻撃を躱す!

 


白鶯「分からんな」

ジャ「?」

白鶯「それ程魔法に造詣が深いお前達が、なぜ魔法の封印に固執しているのか、その理由が」

ジャ「...」

白鶯「お前程度の実力者ならば、俺が描く魔法の理想郷の一員にしてやってもいい。不死の生命も与えよう」

ジャ「...」

白鶯「どうだ?お前も分かっているだろう。魔法という力の素晴らしさを。この力があればなんだって出来る。こんな小さな星など、簡単に手の内に収められる。お前達がちまちまと集めたその魔導書(ちから)があればな」

ジャ「...」

白鶯「燃やすなど、それこそ頭の狂った人間のすることだ。自ら力を手放して偽善者気取りか?実にくだらない...」

ジャ「!」

 


白鶯「死ねば人間はそこで終わる。くだらない存在だと思わないか?」

ジャ「...!!」ゴゴゴゴゴ...!

ジャスティンは怒りに震える。

 


白鶯「力を手に取れ。そして永遠の命と共に、この世の春を謳歌しよう。なぁ、魔法使いよ」

 


ジャ「くだらない...だと...?」

白鶯「?」

ジャ「死んでいった人達は、くだらなくなんかない」

白鶯「はァ?」

 


ジャ「お前には分からないだろうな。死んだ人への唾のかけ方しか知らないんだから」

白鶯「?」

ジャ「今日に至るまで、沢山の人が死んだ。俺の周りで」

白鶯「...」

ジャ「でも皆、俺の心の中で永遠に生き続ける」

白鶯「フッ...なんだ、そんなことか。まさかこの期に及んで、そのような戯言を妄信している輩がいるとはな」

ジャ「嘘じゃないさ。俺は死んだ友や仲間の想いを背に、今日まで生きてきた」

白鶯「...」

ジャ「ここまで来れたのは、死んでいった人達が残した思いがあったからだ」

 


ジャスティンは、かつての仲間や友を思い浮かべる。

 


ジャ「仲間の声、言葉、表情...その全てを今でも鮮明に思い出すことが出来る。そしてそれらは、俺たちを強く導く。背中を押してくれる」

白鶯「...」

ジャ「くだらない存在だと?最後まで逞しく生き抜いた仲間に、醜く生き続けることに固執するゴミのようなお前が、そんなことを言える資格はない!」

白鶯「...そうか。交渉決裂だな」

ジャ「...」

白鶯「俺をゴミ呼ばわりか...面白い。ならば」

ジャ「...!」

 


ビュンッ!

 


白鶯はジャスティンの目前に現れる!

 


白鶯「ゴミのように死ね...!」

 


ドゴーーーーーン!!!

 


ジャスティン、吹き飛ばされる!

 

 

 

 

 

 

 


第522話 「猛虎」

 


《武道館前》

 


吹き飛ばされたジャスティン。

辺り一面に煙が立つ。

 


白鶯「口ほどにもなかったか」

ジャ「まだ終わってねぇよ」

白鶯「...ほう」

 


ジャスティンは、白鶯の攻撃を受け止めていた。

 


ジャ「こんなもんじゃ、まだ死ねねぇ」

白鶯「なるほど、ならば」

 


白鶯は、手のひらにマヂカラを貯める...!

白鶯「これはどうだ?」

 


白鶯は、シャボンの様な物体をジャスティンに放つ!

ジャ「...!白のエレメント!アイシクルゾーン!」

ジャスティンはシャボンを凍結させて破壊した!

 


ジャ「...(恐らく催眠の書の能力だ...こいつ、いくつ魔導書を宿してやがる...!)」

白鶯「見事だな。白い魔法使いよ」

ジャ「白のファンタジスタだ」

白鶯「どちらだっていい」

 


ビュッ!!

 


白鶯はジャスティンの後ろに高速で回り込む!

ジャ「(油断した...!)」

白鶯「ならお前から、”白”を奪ってやる」

 


ポンッ!

 


白鶯は、ジャスティンの背中に触れた。

ジャ「...?」

白鶯「”封印(ロック)”」

ドクンッ!

 


ジャスティンはダメージこそないが、体に何か違和感を感じた。

ジャ「...?!何だ?!」

白鶯「...」ニヤリ

 


ジャ「(迷ってたって仕方ない...!白のエレメント...!白日の雹...!!)」

 


...

 


ジャスティンの技は不発に終わる。

 


ジャ「...?!技が出ない?!」

白鶯「フハッハッ!おい?!どうした?!」ドカッ!

 


白鶯はジャスティンを蹴り飛ばす!

 


ジャ「...?!タイミングを外されたか...?それとも?」

白鶯「ほら、打ってこい。お前のとっておきの魔法を!」

ジャ「...!白のエレメント!...!突羅辛螺!」

 


シーン...

 


ジャ「...?!(あいつの能力か...!)」

白鶯「察しがいいようだな。お前はもう”白”を出せない...!」

ジャ「...!」

白鶯「さぁて始めようか。一方的な虐殺を...!」

ジャ「...!」

 


白鶯は手からマヂカラを放出しジャスティンに攻撃を放つ!ジャスティンはそれから逃げ回る!

 


ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

 


白鶯「ほら、どうしたどうしたァ!」

ジャ「...!(考えろ...!対処法を...!そうだ、魔具があれば!)」

 


ジャスティンは魔法陣を展開し、魔具を取り出そうとする。

 


しかし、魔法陣は消えてまう。

 


白鶯「フハッ。上出来だ」

ジャ「...?!」

白鶯「これはかつて俺が重宝してた人間の能力だが、ほんの少し改良させてもらった」

ジャ「...?!(そうか、千巣さんのレポートにあった、マヂカラを封印する能力か...?)」

白鶯「お前はマヂカラを一切使えない...!」

ジャ「...?!」

 


白鶯は攻撃を続ける!

 


ドゴォン!ドゴォン!

 


ジャスティンは逃げ回りながら考える。

ジャ「(千巣さんのレポートには、技を出せばそのチャネルから放出されたマヂカラが使えなくなるものだった...だが俺のは違う...エレメントだけではなく基礎魔法まで封じられてる...しかも1回の封印で...封印が解けるとしたら、何か方法があるのか...?!他の仲間が来るまでに解決しないと...!)」

 


白鶯「さっきまでの威勢が嘘のようだなァ」

 


ドゴォン!ドゴォン!

 


そして、白鶯はジャスティンに近づく!

ジャ「...!」

白鶯「...眠れ」

白鶯は、シャボン玉の様なものを手にまとい、ジャスティンの顔にぶつけようとした、その時!

 


虎走「やめなさいよー!!!!!」

 


ドガァン!!!!!

 


白鶯の顔面が急に爆発した!!!

 

 

 

 

 

 

 


第523話 「原動力」

 


《武道館前》

 


ドガァン!!!

 


ジャ「...!この能力は!」

虎走「お待たせしましたぁ!」

ジャ「...!」

 


虎走が合流した。

 


ふらつきながらも、白鶯は体勢を戻す。

 


虎走「ぎゃっ、効いてない?!」

ジャ「葉月ちゃん、聞いてくれ、あいつに触れられたらダメだ、触れられると、、」

すると、白鶯が虎走に近づく!!

白鶯「女がいい度胸だなァ!!消し去ってやる!」

虎走「!!!」

ジャ「...!!」

間一髪のその時!

 


ズズズ...!

 


ジャスティンの力に再びマヂカラが宿った!

ジャ「この感覚...!マヂカラが戻った!!」

ジャスティン、虎走に攻撃を仕掛ける白鶯に横から攻撃する!

 


ジャ「白のエレメント!!一貫ピック!!!」

 

 

 

グ      サッ      !!!!!!!

 


白鶯は動きを止める!

 


ジャ「永久凍土にしてやる」

白鶯「...!」

 


カチカチカチカチカチィ...!!!

 


ジャスティンは、白鶯の周りにエレメントを展開し、白鶯を氷結させた!(実際に氷漬けになっているわけではなく、そう見えるだけ)

 


虎走「ナイス!ジャスティンさん!爆裂ノ一!!菊!!」

 


ドガァァァァン!!!!!

 


白鶯は吹き飛んだ!!

 


ジャ「ハァ...ハァ...」

虎走「ねぇ、小町は?最初ここにいたって聞いたけど」

ジャ「小町と岩田さんは医療班が保護した」

虎走「...!それって...!」

ジャ「命は無事だと信じたいがまずは...」

虎走「...!」

ジャ「あの”化け物”を倒すことが先決だ...!」

 


白鶯は再び起き上がった。

 


虎走「...だね(小町、無事でいてくれ...!)」

ジャスティンは息を切らしながら白鶯を睨みつける。

 


白鶯「少し効いたぞ」

ジャ「...!(まだピンピンしてやがる...!)」

虎走「ちょっと、ショック!」

ジャ「あいつに触れられるとマヂカラが使えなくなる。恐らく時間経過かダメージを与えると解除される。俺がそうだった。その辺の仕組みはよく分からんが、とりあえず触れられるな」

虎走「はい」

ジャ「あとシャボン玉みたいな攻撃もうけるな。眠らされる」

虎走「は、はい」

ジャ「あとあいつは不死身だ。何をしてもしなない。まずは魔導書を全て引きずり出すことだ」

虎走「多い!だけど、はい!」

 


ジャスティンは、短刀の様な魔具を取り出す。

ジャ「非常用のナイフが役に立ちそうだな」

虎走は斧の様な魔具を手に持つ。

虎走「...!集中、私!」

 


”私は、何か悲しい理由で魔法使いになったんじゃない...”

 


虎走「(私も葉月も、子供の頃に魔導書を読んじゃって、鬼屋敷さんの元で保護されてた...18の頃から魔具の訓練をさせられて、しれっと魔法使いになってた。それより前からプライベートで小さな魔者が出たら退治してたっけ。流石に強そうなのは無理だったけど)」

 


虎走は白鶯に視線を向ける。

 


虎走「(私は、皆と過ごす時間が楽しくて、正直それが魔法使いを続けた一番の理由だった。魔法はなくなって欲しいけど、皆で過ごせる何気ない時間はなくなって欲しくなかった。第2支部の皆は、特に辛い思いを胸に戦ってる人が多くて、会う度に胸がキュッてなってた。小町はわからないけど笑)」

 


虎走はジャスティンに目を向ける。

 


虎走「(こんなに強そうな敵が目の前にいて、ジャスティンさんだってもうボロボロなのに、目が生きてる。絶対にやってやるって、そんな気持ちがこっちにまでビリビリ伝わってくる。ずっと思ってた、この人達と私では覚悟が違うって。こんなにマジになれないって...)」

 


虎走は斧を握りしめる。

 


虎走「(でも今は違う...!私の大切な家族(なかま)を奪った憎い奴が目の前にいる。マジになれるかなれないかじゃない...体中の細胞がこいつを倒したがってる...!)」

 


虎走の顔に血管が浮き出る。

 


”絶対にやってやる...!”

 

 

 

 

 

 

 


第524話 「ジャスティン、墜つ」

 


《武道館前》

 


ジャスティンと虎走はコンビネーションで白鶯に攻撃を仕掛ける!

 


白鶯はシャボン玉や波動砲を放つも、2人はそれを躱す!

 


ジャ「白のエレメント...!スノウジェム!」

虎走「爆裂ノニ 牡丹!」

 


シャキーーーーン!!

ドッカーーーーン!!!

 


2人の攻撃が炸裂した...!

......ように見えた。

 


シーン

 


ジャ「いない?!」

虎走「?!」

 


すると、次の瞬間、2人は壁に激突して血を流していた!!

 


ジャ「...?!(ぐはっ...何が起きた?)」

虎走「...?!(何も見えなかった...痛い!!)」

 


白鶯「どうだ?お前達の”師匠”の味だぞ」

虎走「...!そうか、鬼屋敷(姐さん)の...!」

ジャ「時間の書か...!クソ...!」

白鶯「ふはっ...何が人間国宝だ、あんな老いぼれには勿体ない能力だな」

虎走「姐さんを馬鹿にするな!」

白鶯「ふはっ...」

白鶯が続けようとしたその時...

 


ド     ク      ン!!!!

 


すると、白鶯に衝撃が走る!

 


白鶯「...?!(何だ...意識が朦朧とする...!)」

ジャ「?」

虎走「?」

ジャスティンはボロボロになった体を無理やり起こして立ち向かう!

ジャ「(動きが膠着してる!今がチャンスだ!)」

虎走「(なんだか分からないけど、動け自分!)」

 


虎走も後を追う!

 


ジャ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ジャスティンは、白鶯に攻撃を仕掛ける!

 


白鶯「ぐぉぉぉぉ!!!」

ジャスティンが白鶯に攻撃をヒットさせた直後、白鶯は咆哮をあげ、辺り一面のものを吹き飛ばした!!!

 

 

 

ドゴーーーーーン!!!!!!!!!!

 

 

 

ジャ「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

虎走「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

2人は遠くまで飛ばされる!

 


白鶯「ハァ...ハァ...終わりか」

 


白鶯はその場に立ち尽くす。

 

 

 

虎走は、体を起こして、ジャスティンを探す。

 


虎走「ハァ...ジャスティンさん...無事かな...」

すると、遠くにジャスティンが倒れているのが見えた!

 


虎走「ジャスティンさん!」

 


虎走がジャスティンの所へ行くと、ジャスティンは意識を失っていた。

虎走「ジャスティンさん!ジャスティンさん!」

ジャスティンからの返答はない。

虎走「そんな...!」

虎走が応急処置をしようとすると、ジャスティンの手に何かが握りしめられているのがわかった。

 


虎走「...?!これ!」

 


それは、白鶯から攻撃をくらう寸前で奪った催眠の書だった!

 

 

 

 

 

 

 


第525話 「泥棒猫」

 


《武道館前》

 


虎走「これは...!魔導書!」

ジャ「...」

虎走「(そうか、白鶯は沢山魔導書を履術しているからマヂカラの枯渇と比例して魔導書が奪いやすくなるのかもしれない...それにいくつも履術すると白鶯とはいえ体への負荷はかなりあるはず...!追い詰めていけば魔導書を全て奪えるかも!)」

 


虎走はジャスティンをかかえて、少し安全な場所へ運ぼうとする。

虎走「救急班がもうすぐここに集まる。その時まで少しでも遠くに...!」

すると、背後から声がする。

 


白鶯「おい、どこへ持っていくつもりだ?」

虎走「...!!」

白鶯「魔導書を返せ」

虎走「これはジャスティンさんが死にもの狂いで奪ったものよ!絶対に渡さない!」

白鶯「おいおい。とんだ泥棒猫だな」

虎走「最初に泥棒したのはアンタでしょ!アンタだけには言われたくないわ!」

白鶯「...なるほどな。褒美に生かしてやろうと思ったが了解した。死ね」

虎走「魔導書には手を出させない!アンタの相手は私よ!」

 

 

 

《品川付近》

 


幸二と三太郎は唯と合流を図る。

 


幸二「あ!東海林さん!」

唯「幸二くん!三太郎くん!」

三太郎「おつかれっす...」

 


唯「2人とも結界を解除したんだね!無事でよかった!」ギュッ!

幸二「あっ...はい///」

三太郎「唯さんも...おつかれっす...!///」

 


唯「で、三太郎君の腕だよね!見せて!」

三太郎はぐにゃぐにゃになった腕を見せる。

三太郎「力が入らなくて...」

唯「ちょっと時間がかかるかもしれないけど、最速で治療するから待っててね!」

三太郎「ありがとうございます!」

幸二「ありがとうございます。治療が終わり次第、九段下へ行きましょう」

 

 

 

《武道館前》

 


虎走は白鶯と戦うも、防戦一方となってしまう。

虎走は傷だらけになりながらも、白鶯に果敢に立ち向かう。

 


虎走「...(必ず誰か来る...!それまで少しでも削るんだ!私がダメになっても!)」

 


ドッカーーーーン!!!

 


白鶯「ふはっ。攻撃のキレがなくなってきているぞ」

虎走「ハァ...ハァ...」

白鶯は虎走の首を掴んで持ち上げる。

虎走「!!」

白鶯「よくやったよ。”雑兵”にしてはな」ポポポポ...

白鶯は、右手の平にマヂカラを貯める!

 


白鶯「終わりだ」

虎走「...!!(終わった...!ごめんね皆...!)」

 


ガォォォォォォォン!!!!

 


白鶯の攻撃は、虎走諸共、辺りの建物一式を焼き尽くした。しかし白鶯はある異変に気がつく。

 


白鶯「?」

 


白鶯が掴んでいた筈の虎走はその場から消えていた。

 


白鶯「...焼き消えたか」

 


白鶯は再び立ち尽くす。

白鶯「退屈だな...誰も来ねぇなら壊すぞ」

 


???「おい、シェイクスピア

白鶯「?」

 


百目鬼「お前がシェイクスピアだろ?部下の顔ぐらいちゃんと把握しておくんだな」

白鶯「お前は...?!」

百目鬼「俺はアラン。寂しそうだから来てやったぜ...!お前を弔いにな!」

 


美波「...!」ドン!

村松「...!」ドン!

TORA「お前がノベルのボスだな...!」ドン!

 


百目鬼、美波、村松、TORAが現れた!

 

 

 

 

 

 

 


第526話 「激情」

 


《武道館前》

 


百目鬼らは、白鶯と対峙する。

 


白鶯「丁度いいウォーミングアップが終わった所だ。いくらでも相手になろう」

美波はジャスティンの元へ駆け寄る。

美波「ジャスティンさん!」

ジャスティンの返答はない。美波は応急処置を開始する。

 


虎走「...あ」

百目鬼の能力で遠くにいた虎走が目を開けると、そこには百目鬼らが到着していた。

 


虎走「...生き...てる...?」

バタン...

村松は、虎走に駆け寄り、治療を施す。

村松「...(葉月ちゃん...!)」

ラキラキ「ワォーーーーーン!」

 


白鶯「アラン。何故歯向かう?お前はノベルの一員だった筈だ」

百目鬼「最初からこのつもりさ。ご対面出来て嬉しいよ。シェイクスピア様」

白鶯「...ガキが」

 


TORA「お前がノベルの手先だったとはな、百目鬼

百目鬼「久しぶりだねぇ。まさかあんたがその”実体”を保ててるとはなぁ。”マスター”の呪いかな?」

TORA「どうだっていい。どちらにせよ、今は再び結託する手段をとった方が、プロジェクトが成功する可能性が高い。マスターの夢を俺は叶える。その為にここにいる...!」

百目鬼「ま、好きにしなよ」

TORA「...」

白鶯「...(妙な気配の奴がいるな、感じたことの無いマヂカラだ)」

TORAは白鶯を睨みつける。

 


パッ!

 


すると、白鶯の後ろに一瞬にして人影が現れる!

 


白鶯「!!」

百目鬼「...」ニヤッ

???「白鶯ォ!!!!」

 

 

 

ドゴォォォォォォォン!!!!!!!

 

 

 

白鶯は強烈なパンチを食らって吹き飛ぶ!!!!

 

 

 

白鶯「...中々効いたぞこれは」グハッ

白鶯は首の位置を調整しながら立ち上がる。

 


はるか「フゥーーーフゥーーー」ゴゴゴゴ...!

 


そこには全神経が逆立った様な殺気のはるかが立っていた...!

 


はるか「お前が奪った命...全部返せよ」

白鶯「...」

はるか「全部、返せよ...!」

白鶯「...!」

はるか「あんだけ命を奪って生きてるなんてこたぁなぁ...」バチバチバチィ...!

白鶯「...!」

百目鬼「ふっ」

 


パッ!

 


はるかは白鶯の目の前に瞬間移動する!

 


はるか「許されねぇんだよォ!!」

 


ドゴォォォォォォォォン!!!!

 


はるかの攻撃は白鶯のみぞおちに炸裂する!

白鶯「!!!!」グハァッ...!!

 


吹き飛んだ白鶯にはるかは近づいていく。

 


はるか「...」ゴゴゴゴ...!!

白鶯「...!!」

はるか「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 


ガ   ン    !!!!!

 


はるかの立つ地面に亀裂が入る!!

辺りの建物は倒壊を始める!!

 


ゴォォォォォォォォォ!!!!

 


TORA「...(なんていうマヂカラの出力量だ...!)」

百目鬼「...(こっちまで巻き込まれそうだ...!)」

 


はるか「...」ゴゴゴゴ!

 


はるかは怒りにのまれ、意識をほとんど失っていた。しかし、この時のはるかは、己の限界を遥かに超えた存在と化していた。

 

 

 

 

 

 

 


第527話 「虎の尾」

 


《九段下(武道館はほぼ倒壊)》

 


はるかは我を忘れた勢いで白鶯に攻撃を食らわせる!

白鶯ははるかに攻撃を浴びせるも、はるかは、それを諸共せずに突進する!!

 


はるか「...!!!」

 


ドゴォォォォォォォォン!!

 


ドゴォォォォォォォォン!!!

 


ドゴォォォォォォォォン!!!!!

 


白鶯「...!!!(この女...どうなってやがる!攻撃が効かん!)」グハァッ...!!!

 


はるかの強烈な一撃が白鶯に何度もヒットする!

 


百目鬼「(まずは武智の攻撃を当てるべく、位置を調整せねば!)」

TORA「(俺はあの道着の少女と百目鬼のサポートをしながら隙を見て魔導書を取り込む!)」

 


はるかの攻撃の隙間を縫い、TORAと百目鬼で白鶯を挟む!

白鶯「ちょこまかと鬱陶しいなァ...!!」

 


バリバリバリバリバリィ...!!!!!

 


白鶯は周囲に衝撃波を放った!!

 


はるか「...!!!」ドゴォン!

TORA「ぐはっ!!」ドゴォン!

百目鬼「ちっ!(もう少しで近付けそうだが、中々近付けねぇ!!)」ドゴォン!

 


はるかは吹き飛ばされながらも、立ち上がり、再び白鶯に迫る!!

 


百目鬼らは重い体を起こしながらはるかの背後から攻撃を仕掛ける!

百目鬼「(あいつ...すげぇマヂカラ量だ...だが問題は、いつまで持つか...)」

TORA「(どこかで一旦落ち着けないと、マヂカラが枯渇して、その後はどうなるか分からんぞ...!)」

 


はるか「黄のエレメント...!獄殲(ごくせん)...!!!!」

 


はるかの強烈な一撃が白鶯に炸裂する!!!

ドゴォォォォォォォォン!!!!!!!

 


白鶯「ぐわぁぁぁ!!!」ギリギリギリィ...!!!!

はるか「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

はるかは白鶯の腹を貫通させる勢いで拳を押し込む、

百目鬼「...!!(なんつう歯ぎしりだ!魔導書を奪うチャンスだが、動けねぇ!)」

TORA「...!!」

 


すると、白鶯が口の中にマヂカラを貯め始める!

ポポポポ...!!

 


TORA「おい女!退け!」

百目鬼ははるかを転送しようとするが、強いマヂカラ波の妨害を受け、上手く転送出来ない!

 


白鶯「...!!」ポポポポ...!!

はるか「...!!!」

百目鬼「武智!逃げろ!!」

白鶯が今にも光線を放とうしたその時...!

 


ワオーーーーーン!!

 


遠吠えと共に、ラキラキが現れ、はるかをさらって逃げた!!

 

 

 

ドゴォォォォォォォォン!!!!!!!

 

 

 

白鶯の攻撃は、辺り一面を焼き尽くした!

 


百目鬼「...(医療班が到着したのか...!)」

TORA「...(おかげで犬飼いの女が戦線に復帰出来るという訳か...!)」

 


医療班が到着、村松とラキラキが戦線に復帰した!

村松「...!」

ラキラキ「ワォーーーーーン!!」

 


美波「はるかちゃん...気を失ってる...大丈夫かな?」

はるかは、ラキラキによって美波の元に運ばれる。

はるか「...」

美波「(ジャスティンさんの応急処置は終わった、助かるかは正直五分五分...今ははるかちゃんを助けないと...!)」

 


美波ははるかを治療する。

 


白鶯は再び百目鬼らに対峙する。

 


百目鬼「ちっ。化け物め...!」

TORA「じきに援軍も駆けつけるだろう。それまでの辛抱だ」

村松「...!」

ラキラキ「ワォーーーーーン!」

 


白鶯「もっと楽しもうじゃないか...魔法使い共...!」