SOREMA -それ、魔!- 59
SOREMA -それ、魔!- 59
「HOPE」
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第478話 「芸術家」
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《魔導結界・霧》
東海林ら、反撃開始。
東海林は考える。
東海林「(さっきは相手が油断してたから当たったけど...この霧の中はやっぱり視界が悪い...それに)」
東海林は倒れる百目鬼と目が合う。
東海林「(どめきんが”アレ”を使う気でいるなら、まずはこの視界をなんとかしないと...!)」
百目鬼「...?」
ズボッ!
ユゴー「ウップス...はぁ...やってくれんじゃねぇかぁ」
東海林「!」
ユゴーは刺さった剣を抜いた。
ユゴー「...姉ちゃん...ただですむとおもぅなァよ?ウップス」
東海林「思ってないけど」
ユゴー「ウップス」
東海林「...やってみるか」
ユゴー「...?」
東海林は両手を胸に当て目を閉じた。
シャイニィィィィィィン...!!!!!!
ユゴー「うぅ?」
百目鬼「わーお」
少し前かがみになった東海林の背中から白く輝く羽が生えた。
その姿は、さながら天使の様に美しい。
東海林「...」
ユゴー「ウップス...俺...死んだかァ?」
東海林「かもね」
東海林は一瞬にして空へ飛び、羽を大きく広げる!!!
東海林の後ろには眩い後光が指す!
百目鬼「...どっちが芸術かわかんねぇな」
ユゴー「ウップス」
すると、暴風が辺りに吹き荒れる!!!
百目鬼「...!!」
ユゴー「ウップス...!!」
ゴォォォォォォォォォ!!!!!
東海林「...(お願い!上手くいって!)」
パ ァ ァ ァ ァ ン !!!
東海林が大きく羽を広げると、暴風は収まり、辺り一面を覆っていた霧は全て霧散した!
ユゴー「!!!」
百目鬼「成程な」
東海林「出来た!」
辺りには、霧に隠れていた、上野の廃れた風景が現れた。
東海林「こんなに街がボロボロに...」
百目鬼「いや違う。これはまだ結界の中だ!こいつを倒さないと結界の外には出られない筈だ!」
東海林「そっか!じゃあこれは嘘の景色って事ね!」
百目鬼「そうだ」
東海林「ありがとう!どめきん!」
百目鬼「...」
ユゴー「あのガキ...何故ここまで知っている...?ウップス。まぁいいかァ」
東海林は落ちた剣を広い、切っ先をユゴーに向ける。
東海林「さぁ。一騎打ちと行きましょう」
ユゴー「楽しみだなァ...ウップス」
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第479話 「ぺろり」
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《ユゴーの魔導結界》
東海林はユゴーに斬り掛かる!
東海林「はぁぁぁぁ!!!」
ユゴー「ウップス」
ビュンッ!シュンッ!パッ!シュイン!サッ!バッ!!
2人は目にも止まらぬ攻防を繰り広げる!!
百目鬼「...(ちっ。速すぎて目で追えねえよ...!ちゃんと見ろ!俺!)」
回想──────
数分前
戦闘中、2人は作戦会議をしていた。
東海林「多分あの術はマヂカラの消費が大きい。だから乱発はしてこない。それに、その術を出す時...」
東海林は百目鬼の頬に顔を近づける。
百目鬼「...?!」ドキッ
東海林「あいつは自分の影を出す方向に舌を出す!」
百目鬼「...!」
東海林「”その瞬間”を見逃さなければ...」
百目鬼「攻撃を当てられる...!」
東海林「うん...!」
百目鬼「よし、やってやる...!」
回想終──────
百目鬼は寝転がりながら、2人の戦いをみる。
百目鬼「...(あれだけ速いと一瞬ペースを崩されるだけで命取りになる。あの人が負けたら俺たちは終わりだ...!だが相手もマヂカラの消費が大きいからか術を殆ど出してこない...!次に出してくる時に!こっちも座標をずらせれば...!)」
百目鬼は震える手に力を込めた。
ユゴーは即席で作った魚の絵や、ドラゴンの絵を東海林にぶつける!
ガバッ!!シュィンンン!!!
東海林「...!!」キンキンキン!
ユゴー「ウップス。怯んでる暇はねぇぞ」キンキンキン!
東海林「くっ...!」キンキンキン!
ユゴーの波状攻撃が東海林を襲う!!
ユゴー「俺の芸術をみろぉ...!”サーカス”!」
東海林は、2本の剣で攻撃を捌く!
ユゴー「...!」
その時、ユゴーに一瞬の隙が生まれる!
東海林「...(隙が出来た!ここで決める!)」
東海林は2本の剣を勢いよく突きさす!
ユゴー「...ウップス」
百目鬼「!!!」
ペロッ
東海林はユゴーに剣を突き刺す!だが、剣はユゴーを突きぬけ、ユゴーの”影”は消える!
東海林「しまった!!」
ユゴー「決まったぜ...俺の”トリック”が...!」
ユゴーは大きな鎌を取りだし、東海林の背後に現れる!!!
ユゴー「終わりだあ!お姉ちゃん!!」
ザ バ ッ !!!!!
ユゴーは大きく空間を凪いだ!!!
その場にいたはずの東海林が姿を消した!
ユゴー「?!?!」
東海林は上空に飛んでいた!
ユゴーは空を見上げる
ユゴー「...(ちっ!あの男の能力か...!!)」
百目鬼「...間に合ったぜ...」
東海林「...(ん!!私、空にいる!!どめきん!!ありがとう、助かった!!この千載一遇のチャンス!絶対に逃さない!!!これが私の”新しい”力...!!!)」
ユゴー「...!」
東海林は下にいるユゴーに標的を定める!!
東海林「覚悟なさい!!!」
ユゴー「...!!!」
東海林は巨大な翼を4枚生やし、突風を突き刺す!!!
辺りは過剰なほどに眩しい光に包まれる!!!
東海林「緑のエレメント!!!奥義・天司風(あまつかぜ)!!!!!!」
ユゴー「!!!!!」
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第480話 「天を司る風」
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《ユゴーの魔導結界》
東海林「奥義!!!天司風(あまつかぜ)!!!!!!」
ユゴー「!!!!!」
まるで、天から罰が下ったかの様に、ユゴーは空からの光と風に飲まれる!!!!!
周囲の地面は抉られ、百目鬼の周りにも強く風が吹く!!
百目鬼「...!!(神々しすぎかよ...!!)」
光は容赦なくユゴーに降り注ぎ続ける!!!
ユゴー「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
光が収まると、ユゴーはうつ伏せに倒れていた。
東海林「やばい...やりすぎたかな」
東海林は地面に降り立つ。すると、東海林はよろ着き、バランスを崩す。
東海林「しまった...マヂカラを使いすぎちゃった...早く回復しないと...」
すると、ユゴーはボロボロになって立ち上がる。
ユゴー「ウップス...酒は...酒はどこだァ!!!」
ユゴーは狼狽え、暴れ回る。
東海林「...!」
ユゴー「はァ...まだ終わらんぞ...まだ潰れてねェからなぁ...ウップス」
東海林「しつこい...!」
ユゴー「ぐへへへ。ウップス」
ユゴーは筆を取りだし、再び東海林に攻撃を仕掛けようとする。
ユゴー「見せてやるぅ。俺の最高の作品をなァ...!!」
東海林「...!!!」
ズボッ!!!!!!
ユゴー「?!?!?!」グハッ
ユゴーが自分の腹部を見ると、青い手が腹部を貫いていた!!!
百目鬼「通り過ぎたか」
東海林「どめきん!!!」
ユゴー「...なんだァ?!」
ズボズボズボ...
百目鬼は徐々に手を引っこめる。
ゴソゴソゴソ...
ユゴー「ウップス...お前、何してやがる!!」
ユゴーは筆を握り、動こうとする!
百目鬼「あった」
ズボッ!!!!!!!!
百目鬼は思い切り手を引っこ抜いた!!手には魔導書が握られている!!!
百目鬼「最高の作品だっけ?それはあの世でどうぞ」
ユゴー「...!!!まさか!!!魔導書が!!!」
ユゴーの体は徐々に消え始める。
ユゴー「ウップス...まぁいい...あの世で待ってるぞ...どうせ...すぐこっちに来るんだからなァ...ウップス」
百目鬼「一生待ってろ」
ユゴー、完全消失。
結界が解けた。
百目鬼「ゴボッ...!」
百目鬼は吐血し、地面に手をつく!
東海林「...!どめきん...!」
東海林も体を引きずりながら、百目鬼に近づく。
東海林「ありがとうどめきん。間違えて倒しちゃったらどうしようって...」
百目鬼「相手がタフで助かったな」
東海林「どめきんも助けてくれてありがとう」
東海林は微笑む。
百目鬼「あんたが負けたら困るんでな...でも、約束は守ったぞ...」
百目鬼は1本指を立てる。
東海林「ギリギリまで...無茶するんだから...!いま回復するね...!」
百目鬼「あんたもギリギリだろうが」
そこへ美波がやってくる!
美波「着いた上野!!結界はどこ?!?!」
百目鬼「お、あいつは」
東海林「あ!美波ちゃん!!」
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第481話 「HOPE」
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《上野・上野公園》
東海林と百目鬼は木の麓に座り込む。
美波は2人を治癒する。
美波「ごめんなさい...着くのが遅くなって...」
東海林「いや、むしろ助かった。回復できる人が全滅したら困るし」
美波「はい...」
美波は百目鬼の治療を終える。
百目鬼「よし。体軽くなったぜ、次の結界行くか」
東海林「ダメだよ!無理しちゃ!」
美波「普通の傷は完治してないからね!これは応急処置だから!」
百目鬼「でも戦える奴が行かねぇと」
東海林「それはそうだけど」
百目鬼「力を出し惜しんで勝てる相手じゃないぞ。ノベルは」
百目鬼は立ち上がり首を鳴らす。
百目鬼「よし。2分休んだら次行く」
美波「!」
東海林「ほんと、無理しない方が」
百目鬼「あんたらはここで休んでな。俺は何となく結界の場所に目星がついてるんでな。雑魚い魔者狩りながら次に行かせてもらうぜ」
東海林「どめきん!」
百目鬼「大丈夫でしょ。あんたらと違って俺は雑兵。居ても居なくても変わらん戦力だ。いた方が少しばかりマシってくらいだろ」
美波「そんな事ない!」
百目鬼「ま、体は案外大丈夫そうなんで行くわ。これ預けとく」
百目鬼は魔導書を東海林に渡す。
百目鬼「じゃあ。生きてまた会えたらいいな」
東海林「どめきん!」
美波「百目鬼君!」
百目鬼は歩いて行ってしまった。
東海林「死んじゃダメだよ!!!どめきん!!!」
百目鬼は振り向かず、右手で返事して歩いていった。
美波「百目鬼君...大丈夫かな」
東海林「...」
すると東海林は、百目鬼に渡された魔導書を美波に渡す。
美波「?」
東海林「これ、使える?」
美波「え?」
美波は戸惑う。
東海林「美波ちゃん。履術者じゃないよね」
美波「え、違いますけど。え?えー!ダメですよね!え、何考えてます?」
東海林「ニコニコニコ」
美波「私、履術者にはなりませんよ!」
東海林「えー。ぴったりの能力だと思うけどなぁー」
美波「いやいや。ダメじゃないですか。許可のない履術は」
東海林「私が許可します!!!」
美波「そういう問題じゃ!」
東海林は美波の手を握る!
東海林「出来るよ。美波ちゃんなら」
美波「いやでも、もし上手く行かなくて、魔者になっちゃったら」
東海林「ならない。美波ちゃん。才能あるもん」
美波「いや...でも...」
すると2人を何者かによる攻撃が襲う!
東海林「!!」
美波「!!」
美波はエレメントの盾で東海林を守る!
魔者「ギェェェェェェ!!」
魔者が3体現れた!
東海林「この魔導書に引き寄せられて現れたのね...!」
美波「...唯さん、動けますか?」
東海林「...逃げるくらいなら、なんとか」
美波「こいつらは私がやります。唯さんは逃げてください!」
東海林「...いいの?」
美波「これくらいなら余裕です。でも数が多いので、少し時間がかかるかも」
東海林「私もやr、」
美波「ダメです!!!唯さんは皆の希望なんです!こんな所で無駄に力を使わないで!」
東海林「...わかった。気をつけてね」
東海林は立ち上がる。
美波「はい!出来るだけ遠くに逃げてください!」
東海林「うん...(マヂカラの消費を抑えたい。ここは陸路で逃げよう)」
美波「早く!」
東海林「ありがとう!魔導書よろしくね!」
美波「はい!」
東海林は走って行く。途中振り返り、美波に呼びかける。
東海林「希望なのは、美波ちゃんもだからね!!!」
美波「...!!」
そこへ魔者がまた2体現れる。
美波「次から次に...!!」
魔者「ギェェェェェェ!!!」
美波「5体まとめてやってやる...臆病な私はもういない!!」
ズズズズ...!!!
美波の背中から、悪魔の姿をしたオーラが立つ!
美波「紫のエレメント...!クイーン・ザ・サタン!」
魔者「ピタッ」
5体の魔者は動きを止めた!
美波「怖気付いた時にはもう終わりよ」
魔者は歪む空間にひねり潰され、消えた!
美波「はぁ...(この技...便利だけど消耗が...でも長く戦いっぱなしよりは省エネになる!)」
そして美波は手に持った魔導書を見つめる。
美波「あんな魔者が何体も...」
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第482話 「君のイメージ」
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《上野・上野公園(入口)》
美波は高台から街を見る。
所々煙や火が上がっている。町中からサイレンや悲鳴が聴こえる。
美波「私に出来ることは...皆のサポート...皆のサポート...」
美波は魔導書を見る。
美波「でも私に力があれば...」
美波は戦う仲間を思い浮かべる。
美波「でも、上手く使えなかったら?」
美波は葛藤する。
君なら、どうする?一善君。
美波はかつての一善を思い浮かべる。
一善”イメージしよう”
美波「...!」
一善”イメージだよ。俺達が、敵を倒して、五百旗頭さんとまたここで任務に励む日々を、頭に浮かべるんだ”
一善”突破口が見えないなら、イメージすればいい。後はそこへ向かって進むだけだから”
美波「...君なら、やるね」
美波は魔導書を握りしめる。
美波「イメージ...イメージ...イメージ...」
美波は目を閉じる。
すると、誰かの叫びがこだまする。
助けてくれ...!!
助けて...!!
お願い...助けて...!!!!
美波は目を開ける。
美波「一か八か...いや、確実にこの力を...役に立てるんだ...!!!」
美波は、魔導書の表紙に手をかけた...!!!!!
美波は眩い光に包まれる!!!!
美波「!!!!」
そして、気がついた時には、魔導書は消えていた。
美波は空になった手の平を見る。
美波「...これなら...!」
ピピッ
そこに通信が入る
『東海林 : 今私とどめきんで上野の結界解除しました!私は安全なところにいます!』
『ひえり : 唯さん!』
『虎走 : 私は今神宮球場の入口!!魔者と変な魔導師2人を追ってます!!』
『九頭龍坂 : こっちは岩田はんと皇居の南や!魔者が多すぎて太刀打ち出来ひん!』
『ひえり : 皆さん!まずは目の前の魔者を皆さんお願いします!!こっちの想像以上に数が多いので!!すみません!!』
『九頭龍坂 : 死ぬ気でやっとるけど、やったらやったで何体も何体もキリあらへん!心折れそうや...』
『岩田 : やるしかないだろう!九頭龍坂殿!あっ』バシュッ
『九頭龍坂 : 背中取られとるで』
『岩田 : 済まない!恩に着る!』
美波「皆、色んなところで必死に戦ってる...こんな時...皆の希望があれば...」
!!!
美波は閃いた!
美波「筆!」
ボンッ!!
美波は筆を取りだし、空中に'そ'の'能'力'で”あるもの”を描き始めた。
美波「もっと、もっと細くなれないの?!」
筆「ボンッ」
美波「よし!」
カキカキカキカキ...
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第483話 「ホクロ」
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《上野公園》
美波「あれ...'ホ'ク'ロどっちだっけ...まあいっか...」
美波は空中にとある人物の絵を描き終えた!!
美波「上手くいくといいけど...どうかな」
パ ァ ァ ッ !
強い光が美波を包んだ!!!
美波「眩しい!」
美波は腕で目を覆った。
そして、光が収まると、そこに現れたのは、あの男(?)だった!!
美波「...お久しぶりです」
???「俺は...強い」
ドン!!!
千巣?「俺は...”強い”!!!!!」
《上空基地》
ひえりは上野に強いマヂカラ反応を確認する。
ひえり「ん?上野ってもう結界は解除したのでは?」
ひえりは上野方面を見る。
ひえり「...?!?!?!あれって?!?!?!」
五百旗頭「どうしたの?」
ひえり「お兄ちゃん...?」
五百旗頭「え?」
ひえり「いや、美波さんと...お兄ちゃんっぽい人が...」
五百旗頭「まさか」
ひえり「いやでも...人間の気配じゃないって言うか」
ひえりは目を擦り、再び2人を見る。
五百旗頭「疲れているのかしら。無理もないわ。少し休んだら?」
ひえり「いえ...まだ休めせん...」
五百旗頭「...」
ひえり「...(まさか...お兄ちゃんが生きてるわけ...ないよね。うん。でもきっと、お兄ちゃんも守ってくれてるんだね。ありがとう。少し、元気でたよ...!)」
《上野》
蒼魔導書第四十五章 描写の書 の能力
この能力で実在の人物を書くと、それを書いた人物が持つ、書かれた人物に対する人物像が具現化し、独立して現れてしまう。現れた像は自我を持ち、一定時間動き回る。
今、美波の前に現れたのは、美波がイメージする千巣万之助。
もちろん、本物の千巣ではない。あくまで美波のイメージの千巣なので、実際の千巣の人物とは異なってくる。
美波「あ、あの...」
千巣?「久しぶりだな。美波」
美波「会話...出来るんですね」
千巣?「会話。まぁな」
美波「あの、お願いがあって...」
千巣「お願い?」
美波「皆を...守ってください...!!」
千巣?「?」
美波「今魔者が沢山人を襲ってて、仲間は結界に閉じ込められたり、魔者と戦ったり、皆ボロボロなんです...だから千巣さんの力が必要なんです...」
千巣?「...」
美波「お願いします...」
そこへ、魔者が現れる!!!
魔者「ギェェェェェェ!!」
美波「!!!」
ズ バ ッ !
魔者は千巣?の攻撃により一刀両断された!
この攻撃も、美波の想像の中の千巣を具現化したものである。
千巣「...了解」
美波「!!」
ピュゥゥゥゥゥゥン!!!!!!
千巣?は一瞬で目の前から消えた!!
美波「...!※速すぎる...!!」
※美波は千巣はこのくらい速く移動すると思っている。
美波「とにかく...これで...大丈夫かな?私も皆に加勢しないと...!」
美波は歩き出した。
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第484話 「最速の女」
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《池袋 / 魔導結界・煙》
結界の中
莉茉 vs クリスティ
結界の外
はるか
莉茉はクリスティと対峙する。
莉茉「...(こいつも何かの魔導書の履術者...)」
クリスティ「むふ♥」
莉茉「...(残念ながら結界内で履術者はアイツだけ...魔導書ゲッターは使えない)」
クリスティ「あら、考え事?♥」
莉茉「...(仕方ない...魔導書が奴らの手に戻るとしても、ここはアイツを倒す以外、助かる手はない...!)」
ビュッッッ!
莉茉は凄まじい速度で消えた!!
クリスティ「...!!速い!!残像が見えたわ」
ガッッッッッ...!!!!
莉茉は、クリスティの背後に現れ、クリスティの顔面に強烈な蹴りを食らわせた!!!!
クリスティは顔面から吹っ飛ばされた!!
クリスティ「...やるわねぇ...」
クリスティは蹴られた部分に手をやる。
莉茉「連撃注意よ」
クリスティ「?!」
バァン!バァン!!
莉茉はクリスティの眼球目掛けて高速のエレメントの球を飛ばした!!!!
クリスティ「ぐはっ!!!!」
クリスティは攻撃を受けながらも、立ち上がる。
クリスティ「てかさっきから、頬がジンジン痛いわね」
莉茉「ただの打撃じゃないのよ」
クリスティ「じゃあ何よ」
莉茉「自分で考えたら?」
ド カ ッ !!!!!!
莉茉は高速でクリスティのみぞおちに蹴りを食らわせた!!!
クリスティ「...!!(なんつう蹴り...!!!)」
クリスティはまた吹き飛ばされる!!
クリスティ「...蹴られた部分が痛み続ける...成程...!!」
ガァァンンン!!!!
クリスティ「!!!!」
莉茉のかかと落としがクリスティを襲う!!!
クリスティ「グハッッ...!!!(速すぎんのよ...!!)」
莉茉「...!!!」
ドカッ!!
莉茉はクリスティを蹴り飛ばした。
莉茉「...(私の弱点だった近接戦...少しは克服できたかな...?)」
莉茉は斧の形をした魔具を取り出す...!!
莉茉「...(青のエレメントを使った遠距離攻撃だと、マヂカラの消費が少し大きい...!でも近接と魔具なら、消費を抑えて戦える...!!)」
クリスティ「ぐへ?」
莉茉「はぁぁぁ!!!!」
ザァン!!!!!!
莉茉は斧でクリスティを斬りつける!!!!
クリスティ「ぐはぁぁぁっ!!!!」
クリスティは血飛沫を上げて仰け反った。
莉茉「...(桃のエレメントでじわじわ削ってるはずだけど...流石にしぶといわね)」
クリスティ「はぁ...あなた...やるわね...」ポタポタ...
莉茉「...」
クリスティは疼く傷口に手を当てて呟く。
クリスティ「この感触...成程、間違いないわ」
莉茉「...?」
クリスティ「どうやら、私たち、似た者同士の様ね♥」
莉茉「?!」