SOREMA -それ、魔!- 29
SOREMA -それ、魔!- 29
「扉」
────
第247話 「追加メンバー②」
────
《麗美の家 / 玄関》
伊藤と千巣が麗美の家にやってきた。
伊藤「連れてきました!遅くなってすみません!」
麗美「ごめんごめん!歌っててLINE見れてなかった!」
千巣「こいつがうるさいんでな。ついてきた。そして腹減った」
麗美「どうせ暇なんだから大人しく来いよ」
千巣「暇じゃねえよ忙しかったんだよ」
伊藤「暇そうでした!」
千巣「おい」
────
伊藤「お邪魔しマース!」
千巣「邪魔するぞーカレーとかあるか?」
麗美「…ねーよ」
千巣「ま、クリスマスまでカレー食わねぇか。余りもんくうわ。ここの飯はだいたい美味いからなー」
千巣は、奥へ入っていった。
麗美「…」
伊藤「どうしました?」
麗美「あ、ううん?私達もいこ!」
《客間》
千巣「邪魔するぞー」
伊藤「お邪魔します!!」
三太郎「あ!!!アニキ!!!」
ジャ「千巣さぁぁぁぁぁん」ギュッ!
千巣「お前くっつくな!デケェし暑いから!そして酒くせぇ!」
莉茉「伊藤ちゃんも!!!」
伊藤「お誘いありがとうございます!第1支部のみんなは予定があるって言ってて、私達は何も無かったので…」
千巣「俺は忙しかったんだけどな」
麗美「どうせゲームだろ」
三太郎「ねぇ!ひえりちゃんは?」
犬飼「トイプードル!!あくえりは?!?!」
千巣「仕事」
三太郎・犬飼「(ショボーン)」
一善「(あからさまにガッカリしてるゥ!)」
千巣「あれ、家族は?」
麗美「みんなクリスマス旅行でニューヨークだと。寒いのに」
千巣「なるほど。会いたかったなぁシドララ」
はるか「今カラオケしてるけど、2人も歌おうぜー!」
伊藤「ありがとうございます!」
千巣「とりあえず腹減ったわ。飯と酒ある?」
麗美「ビールね。伊藤ちゃんは?」
伊藤「私はギリ未成年なんで、オレンジジュースで…」
麗美「そっか!了解ー」
────
五百旗頭「あの時はありがとう。第1支部の皆にもちゃんと感謝を伝えないと」
千巣「いえ、俺たちは出された任務を遂行しただけなので。無事でよかったです」
五百旗頭「ありがとう」
千巣「とりあえず乾杯」
五百旗頭「乾杯」
一同はカラオケを続ける。
────
第248話 「そして彼らは、夜を歌い続ける」
────
《麗美の家》
三太郎「グッバイ!君の〜運命の人〜は僕じゃない〜♪」
千巣「(上手いな…)」モグモグ
幸二「ただナァいてぇ⤴︎︎ワらってぇ〜過ごすひぃびに〜♪」
千巣「(下手くそ!)」ボフッ
はるか「ジャスティン!これ歌おうぜ!」
ジャ「お〜いいねぇ」
はるか・ジャ「パッと光って咲いた〜花火をみて〜た〜♪」
五百旗頭・安西「思いきり〜抱き寄せられると心〜あなたでよ〜かった〜とうたうの〜」
一善「見えないものを見ようとして〜望遠鏡を覗き込んだ〜♪」
美波・莉茉「ねぇ〜もう一度〜だけ〜を〜何回も〜やろ〜♪」
犬飼「人生一度き!り!dreamつか〜みたいのなら〜♪」ooh ooh say!
伊藤「私も、いいですかね!」
莉茉「歌いなよ!」
ジャ「好きな歌うたいなぁよぉ」
伊藤「ya。レペゼンはアフロディーテギャング、日本、ジャパン。ン゙ン゙。ya…」
千巣「(チョイス!)」
ヒメ「あ、私これはわかる〜」
千巣「(なんで!)」
千巣の前にマイクが置かれた。
麗美「はい」コトッ
千巣「???なに?」
麗美「歌え」ピッ
千巣「ちょ、パス。まだ食ってんだよ」
音楽が流れ始める。
伊藤「キャー!これ好き!!」
はるか「おい、始まっちまうぞ!」
三太郎「アニキ!」
千巣「゛〜〜〜〜!!」
千巣はマイクを握った。
千巣「夕焼けが燃えてこの街ごと〜♪」
伊藤「!!」
安西「!!」
はるか「お!なんかいい感じじゃん!」
莉茉「うん!」
美波「この歌好きー」
ジャ「いいねぇ〜」スチャ
麗美「…」
千巣「僕はまた〜幸せで〜♪」
三太郎「ヨ!アニキ!」
伊藤「先輩すごい!歌も歌えるんですね!」
一善「上手ですね」
千巣「そうか?」
幸二「まだ三太郎の方が上手いな」
千巣「オマエにだけは言われたくないッ!!!」
────
第249話 「宴もたけなわ」
────
《麗美の家》
三太郎「最後にもう一度〜♪ちから〜を〜か〜し〜て♪」
伊藤「不安や不満を〜とば〜す〜た〜め窓開けたハイウェイ〜♪」ブンブン!
はるか「どんな〜みらいが〜こちらを覗いてるかな〜♪」
莉茉・安西「少し背の高い〜あなたの耳によせたおでこ〜♪」
麗美「手を伸ばし〜抱きとめた〜激しいひ〜かり〜の束〜♪」
五百旗頭「あわなめいきゅーはぴあーもー!わらあてほしっ⤴い〜♪」ハピハピ
美波「一善くん…これ、わかる?」
一善「うん。分かるよ?」
美波・一善「はるの〜か〜ぜ〜を〜待つあのはな〜のように〜」
三太郎「声よ轟け〜夜よその向こうへ〜♪」
麗美「原キーえぐ」
犬飼「僕ら〜肩並べ手取り合っておな〜じ〜そ〜ら〜♪」
幸二「い〜レぇぇぇ⤴︎ぎゅらぁぁぁァ〜♪」
ジャ「ぐっないすりーぴーおはようのことばをかんがえてはただゆめをみて〜♪」
はるか「この歌いいなぁ!名前なんだっけ!」
ジャ「白のエレメント…スノウジャムさ」
はるか「くだらな」
麗美「今なんじゃないっ♪めらっめっら〜と〜た〜ぎ〜る♪」
三太郎「袋につめられったっナッツのようなっ♪」
莉茉「あたしヴァンパイアっ⤴︎ ♪」
幸二「き〜み〜を〜わ〜す〜れ〜〜ら〜〜れんなぁァァァァ♪」
ヒメ「なんか、いい雰囲気ね」
一善「そうだね」
────
そして、大盛況の末、クリスマスパーティは終わった。
ジャ「皆、最寄りまで送ってくれるらしいけど、一番遠いのは誰だ?」
莉茉「私すぐ!なんなら歩いてでも帰れる!」
美波「私は少し遠いかも(お母さんに怒られそう…)」
はるか「私じゃね?一番遠いの」
三太郎「俺も割と遠いぜ!」
一善「俺は支部に帰ります」
ヒメ「私も今日は、支部に泊まらせてもらおうかな。朝まで」
五百旗頭「私達も明日早いから支部に帰るわ」
────
ヒメ「麗美ちゃんありがとね。楽しかった」
麗美「私も!また来てね!」
幸二「うぅ………」
ジャ「俺はこの後用事あるから、一人で帰るわ」
はるか「この後って、今もう0時過ぎだぜ?」
莉茉「もしかしてぇ〜?」
麗美「女ですか?」
ジャ「内緒〜!!!」
千巣「伊藤は?支部に帰るか?」
伊藤「家に帰ります。一人暮らし始めたんで」
千巣「そうなのか」
伊藤「千巣先輩は?」
千巣「俺は家に帰る。妹が仕事終わって待ってるのでな」
三太郎「運転手さん俺の家豊洲です!」
千巣「嘘つけェ!」
それぞれいくつかの送迎車に別れて、麗美の家を後にした。
────
第250話 「それぞれのクリスマス①」
────
《第2支部》
五百旗頭「じゃあおやすみなさい」
一善「おやすみなさい」
ヒメ「おやすみなさい」
犬飼「じゃあな柴犬とヒメちゃん。ドーベルマンよろしくな」
一善「はい」
安西「(幸二くん…お腹壊してないかな…気持ち悪くないかな…)」
幸二「うぅ………」
バタンッ
一善「…(幸二、大丈夫か?)」
ヒメ「お水飲ませた方がいいかも…」
一善「そうだね…」
────
《研究室寮》
犬飼「じゃあ、お先に失礼するっす!おやすみなさい!五百旗頭さん!安西も!」
五百旗頭「おやすみ〜」
安西「明日起きれそう?」
犬飼「大丈夫です。俺朝早いんで。筋肉痛だけが心配ですけど」
五百旗頭「なんかそういえば踊ってわよね」
犬飼「はい!楽しかったなぁ!」
五百旗頭「正直に言うけど、気持ち悪かったわ」
犬飼「え゙」グサッ
安西「(直球!)」
犬飼「そ、そんな…あ…」
安西「で、でもさ!上手かったよ!上手かった上手かった!」
五百旗頭「上手だったわよ。ただ、普段見せない生き生きとした表情が気持ち悪かったわ」
犬飼「え゙」グサグサッ!
安西「(か、可哀想!)」
犬飼「すみません…もう二度と踊りません」
安西「渚!犬飼くん傷ついちゃってるじゃん!可哀想だよ!」
五百旗頭「ごめんなさいね」
犬飼「いえ…もう大丈夫です…」ドヨーン
五百旗頭「明日からも、ああいう表情で働いてくれるといいのだけれど」
犬飼「!!!」パァ…!
安西「!!」
犬飼「はい!!喜んで!!!」
────
《莉茉の家》
ガチャ…!
パチッ!
灯りをつける。
莉茉「ふぅ〜ってあ!風呂場の電気つけっぱなしで出ちゃった!!」
莉茉は、着替えて、冷蔵庫から前の日に買ったプリンを出して食べた。そして、棚の上に飾ってある、魔者になった父親の生前の写真を見ながら語りかける。
莉茉「お父さん。楽しかったよ。メリークリスマス!」
莉茉は、プリンを食べる。
莉茉「ん〜うっま〜〜♥」
そして、莉茉はインスタグラムを開く。
莉茉「あれ、千巣さんが今日の動画上げてる…」
@Sennos_ban
”俺の魂の歌を聴いてくれ…!”
#猫
2件のいいね
莉茉「これ、本当に本人があげてるのかな…?」
────
第251話 「それぞれのクリスマス②」
────
《送迎車 / 埼玉方面》
はるかと三太郎は同じ車で実家へ向かう。
三太郎「そっかー。魔裁組で彼氏いる子いないのかー」
はるか「逆もね。三太郎彼女いないだろ?」
三太郎「あぁ。いない」
はるか「だよな」
三太郎「はぁ?なんだよ!だよなって!」
はるか「だって居なそうなんだもん」
三太郎「居なそうってなんだよ!逆に居そうってあるのか?」
はるか「あるある。モテそーな奴とか」
三太郎「なぁなぁ!魔裁組でモテそうなの、誰?」
はるか「少なくとも三太郎ではない」
三太郎「ガビーン」
はるか「んー」ホワホワホワ…(´-`).。oO(
はるか「(ジャスティン=チャラそう=×。幸二=つまらなそう=×。犬飼=犬飼=×。千巣さん=謎=△。一善…)」
三太郎「…?」
はるかは一善とのやり取りを思い出す。
はるか「あ゙ーーーーーー!!!」
三太郎「なんだーーーーーー!!!」
────
運転手「三太郎様、最寄りは何駅でしょうか?」
三太郎「大宮でお願いします!」
はるか「は?お前家大宮なの?!敵じゃん!」
三太郎「え、はるかは?」
はるか「浦和だよ!」
三太郎「は?!浦和だったのかよ?!」
はるか「同じ埼玉でもまさかの大宮かよ…センスな」
三太郎「センスってなんだよ!!俺は昔から大宮に住んでて、大宮が好きなんだよ!!もちろん根っからのアルディージャサポーターだぜ!?」
はるか「アルディージャ?!埼玉にサッカーチームは1つで十分だろうが!!We are REDS×2!!」
三太郎「いいや俺はアルディージャが好きだ!!レッズは千葉辺りにでも移っとけ」
はるか「はぁ?!それじゃあ意味ねぇから!」
三太郎「あれか?レッズがなくなった浦和なんてなんも無いからか?」
はるか「あ・る・わ!!!それにな!!浦和には東西南北それぞれの駅があるんだぞ!!デカい街なんだよ!!大宮とはそこがちげぇ!!」
三太郎「はぁ?!大宮には新幹線通ってんだよ一緒にすんなや!!!」
はるか「新幹線っつったって大阪にも福岡にも行けねぇやつだろうが!!いつ使うんだよ!!」
三太郎「金沢行く時使うだろ!!」
はるか「へっ!金沢なんて行く機会あるかよ」
三太郎「言ったな?!お前ぜっっったい金沢行くなよ?今すげえんだぞ?!ぜっっったい行くなよ??!」
2人の仁義なき戦いは、片方が車を降りるまで続いた。
────
《美波の家》
美波「…!」スタタタタ…!
美波は、家に入った途端、高速で階段を登る。
バタッ!
美波母「ちょっと美波?!遅いじゃない?!終電もう終わってるわよね?!どうやって帰ってきたの?!ねぇ!!美波!!」
美波「おやすみなさい」バタッ!
美波母「んもー。美波ったら…」
美波は部屋のベッドに倒れ込む。
美波「……」
10分間ほど静止した。
美波「は!そうだ!」
美波は、YouTubeを開く。
美波「今日はクリスマス!!!デレボの新作発表の日だった!!!マコト様ーーーー!!!!!!」
────
第252話 「それぞれのクリスマス③」
────
《伊藤の家》
伊藤は、風呂から上がり、辛ラーメンを食べる。
ズルズル…
伊藤「失敗したァ…また汗かいちゃう…」
そして、スマートフォンを眺め、撮った写真を見返す。
伊藤「楽しかったなぁ。また集まれるといいな」
そして、ホーム画面に戻ると、亡くなった姉・凛とのツーショットが目に飛び込む。
伊藤「お姉ちゃん。私も凛姉さん見たいになれてる?立派な魔法使いになれてるかな?」
伊藤は涙ぐむ。
伊藤「私が絶対に姉さんの仇を取る…!どんな手を使ってでも。私、負けないから…!」
────
《麗美の家》
麗美「はぁ…なんか、一気に人が居なくなると変な感じするね」
召使い「賑やかな方々でしたね」
麗美「うん」
召使い「お嬢様。お風呂の準備をしてもよろしいでしょうか?」
麗美「私も片付け手伝うよ。今日人少ないでしょ。夜も遅いし」
召使い「それが仕事ですから。麗美お嬢様はゆっくり休んでいただくのが一番です」
麗美「じゃあ皿洗いだけやったらお風呂入るね」
召使い「まぁ…お嬢様がそうおっしゃるなら…」
麗美は、食器を洗った。そして、空になったカレーの鍋を無言で洗う。
麗美「…」
召使い「お嬢様、食器類はこれで運び終わりました」
麗美「ありがとう。洗うね。あと、カラオケ片付けちゃった?」
召使い「いえ、これからですが…」
麗美「ちょっと使うから…残しておいて」
召使い「…?かしこまりました」
2人は食器を洗う。
麗美「…」
召使い「いいお友達が沢山出来ましたね。家主様にも報告せねば」
麗美「やめてよ。恥ずかしい」
召使い「お二人共さぞ、喜ばれると思いますが」
麗美「…よし!洗い物おーわり!あとはお願いー」
召使い「承知しました…笑」
そして、麗美は客間に戻る。
麗美「エ…エ……あった」ピッ
麗美は1曲、暗くなった客間で歌った。
♪♪〜
召使い「(お嬢様は立派になられました。素敵なお友達も出来たようで…もう心配はいりません。お嬢様はしっかり成長しておられますよ…!)」
麗美「…ふぅ」
麗美は視線をカラオケの画面から離さない。
麗美「………」
────
第253話 「それぞれのクリスマス④」
────
《堆家》
千巣「ただいま〜」
ひえり「あ〜!お兄ちゃん遅い〜!」
千巣「ちょっと長引いちゃってな」
ひえり「てか、声なんか枯れてない?飲みすぎた?」
千巣「カラオケだったんだよ」
ひえり「カラオケ?!私も行きたかったなぁ」
千巣「絶対にダメだ。悪い男たちに襲われたら大変だ(”あいつ”とか、”あいつ”とか)」
ひえり「シスコン?」
千巣「それは甘んじて認めよう」
ひえり「ちゃんとケーキも買ってあるんだから。もう待ちくたびれたよ〜。やっと食べられる」
千巣「悪い悪い」
ひえりは、冷蔵庫からケーキを取りだした。
ひえり「じゃーーん!」
千巣「おー。うまそう」
ひえり「あのさぁ。ケーキを出した時、「うまそう」じゃなくて、「かわいい」って言った方が、女子的にポイント高いんだよ?」
千巣「そのポイントって、Tポイントより価値ある?」
ひえり「あーそういうのいいですいいです。早く食べよ」
千巣「っなんだよ」
ひえり「じゃあ改めて!メリークリスマス!」
千巣「メリークリスマス。仕事お疲れさん」
ひえり「うん!いっただっきまーす!」
《とある家》
ジャスティンは、クリスマスパーティ終了後、その足でとあるマンションの一室に来た。そこには誰もおらず、表札には神野の文字が記されていた。
ジャ「ただいま」
パチッ
ジャスティンは、部屋の電気を付ける。部屋には誰もいない。
ジャ「今日は飲みすぎちゃったなぁ…歌いすぎて喉もガッサガサ…」
辺りには静寂が流れる。
ジャ「プレゼントもちゃんと買ってきたよ。今年は時計だよー。欲しがってた気がしたから」
・・・
ジャ「って…返事がくるわけ無いよな。なにやってんだか」
そして、ジャスティンは、ジャスティンと女性が2人で映った写真の入った写真立ての前に座った。
ジャ「楽しかったね…スターリーランド」
ジャスティンは、涙を流す。
ジャ「メリークリスマス。朱里」
────
第254話 「扉」
────
《第2支部》
机に横たわる幸二を横目に、一善とヒメは缶ジュースで乾杯する。
ヒメ「楽しかったなぁ…また皆であんな風に遊びたいな」
一善「ヒメちゃんは魔裁組には入らないの?」
ヒメ「私戦えないし…研究も出来ないし…でもいつかは、サポートとして皆のチームに入りたいなって思ってる」
一善「ヒメちゃんが来てくれたらみんな喜ぶよ」
ヒメ「まぁあったとしてもまだ先の話だけどね」
一善「そっか」
ヒメ「皆が歌ってた曲、どれもよかったなぁ」
一善「AppleMusicとかやってる?あれ入れると最近の流行りとかも割とわかるよ」
ヒメ「そうなの?ちょっと教えて?」
一善は、ヒメのスマホを操作した。そして、二人は、AppleMusicでフォローしあった。
ヒメ「すごい…!こんなに沢山の曲が聴き放題なんて!」
一善「友達を追加すると、その人が聞いてる曲も分かるようになるんだ!」
ヒメ「へぇ。すごい!」
そして、二人は談笑した。
一善「もう1年経つのか…1年前の俺は、気持ちの整理がついてなくて、どうやって生きていけばいいか分からなかった…お母さんを失って」
ヒメ「…」
一善「でも、ここで皆と出会えてさ、今楽しいんだ。辛いこともあるけど…生きてることを実感する。本当、周りの皆のおかげだ。それと…」
ヒメ「…?」
ボンッ…!
一善「こいつのおかげだ。いつも俺と一緒にいてくれた、俺の相棒」
つのキング「ウォーーーーーー!」
ヒメ「また大きくなった?笑」
一善「そうかな…?成長するのか?お前も?」
つのキング「ウォーーーーーー!!」
ヒメ「ふふっ。かわいい」
一善「これからもよろしく頼むぞ?俺の相棒!」
つのキング「ウォーーーーーー!!!」
幸二「うぅ……」
一善「あ、起きた」
ヒメ「大丈夫?」
幸二「ここ…は…??」
一善「支部だよ。幸二水飲む?」
幸二「あぁ、さんきゅ」グビグビ
一善「幸二、記憶ある?」
幸二「ぷはーーーっ。ハァ…え…?ないけど…」
一善「笑笑」
ヒメ「笑笑」
幸二「おい…なんだよぉ!2人して!」
一善「いや笑なんでもないよ笑ね?」
ヒメ「うん笑」
幸二「………寝ます」zzz...
一善「あー面白笑」
ヒメ「笑」
一善「(魔法使いになって1年…大変なことや辛いことばかりだった。でも、信頼出来る仲間との出会い、戦いを通じて得た成長、そのどれもがかけがえのないもので、とても密度の濃い1年だった。お母さん。今の俺はどうかな?前を向けてるかな?こう見えて、俺はずっと寂しいんだ。だから、この寂しさを糧にして、俺は戦いたいと思う。一日一善。いつか胸を張って、お母さんの所に報告に行くから。その時まで、俺を見守っててね。約束だよ…!)」
数々の出会いと別れを経て、成長した若き魔法使い達。今後彼らを待ち受けているものは、果たして…
そして、時は1年後へと進む────!
第1章、完結!!!
まだまだ続くよ!!!
この後SOREMA本編は、SOREMA -それ、魔!- 30へと続いていくのですが、その前に、SOREMAの外伝作品として”其魔外伝 久品和義英雄譚”を投稿致します。
前後編の2部作品で、本編にも大きく関わるお話なので、是非ご一読ください...!