SOREMA -それ、魔!- 21

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SOREMA -それ、魔!- 21

 

「ロスト・フロンティア」

 

────


第179話 「死なせたくない」

 

────


《正門────城壁》


ゴォォォォォォ....


強く風が吹く。


五百旗頭「あなた達...自分の命が惜しくないの?」


一善「...」

三太郎「...」

幸二「...」


五百旗頭「これは遊びじゃないの!死ぬってことがどういうことかわかってる?私はあなた達を死なせたくない。あなた達の自由を奪いたくないのよ!だから...お願い...わかってよ...」


莉茉「...」

麗美「...」

はるか「...」

美波「...渚ちゃん」


ジャ「...」


一同は物言いたげに黙り込んだ。


五百旗頭「...」


三太郎「ごめん。わからん」


五百旗頭「?」


三太郎「俺達馬鹿だから…なぎちんみたいに頭良くねぇから、そういうのわからね」


五百旗頭「!?」


三太郎「さっきからさ、死ぬとかさ、自由を奪うとかさ、怖ぇこというの、もうやめてくれよ」


五百旗頭「...」


スゥゥゥ...!

三太郎は、息を勢いよく吸い込んだ。

 

三太郎「死なせたくないのは!!俺達も同じだぞ!!!!!」

 

莉茉「...!」

美波「...!」

はるか「へっ...!」

麗美「馬鹿ではないけどね!」

幸二「...!」

一善「...!」


五百旗頭「!!!!」

一筋の涙が五百旗頭の頬を伝う。


一善「それに、誰も死ぬつもりで来てませんから」


五百旗頭「...!」


一善「五百旗頭さんの願いも、俺達の願いも、どっちも叶えます」

五百旗頭「皆...!」


ジャ「青春だねぇ...!」


五百旗頭「...」

百目鬼「面白くなってきたね」


そこで、榊が口を開く。

榊「友情ごっこは終わったか?」


五百旗頭「!」


榊「茶番だな。寒すぎる。ならば俺は、お前達の友情を永遠のものとしてやろう...”死”という名のなァ!」


一善「望む所だ...!」

 

五百旗頭「ゼクシーザは地下に眠ってるわ...」


榊「...!!」


五百旗頭「…わかった...もう何も望まない...私にはどうすることも出来ないから...ただ、一つだけ...一つだけ望むことが許されるなら...」


一同「...」

 

五百旗頭「あなた達であって欲しい...最後に笑っているのは」


一同「!!!」


三太郎はウォーミングアップを始める。

三太郎「なら、俺たちが笑う為には」

幸二「やることは一つ」

一善「決まりだね」


ジャ「俺たちの任務は...」


一同「”全員”で、生きてここを出る!!!!」

 

────

 

第180話 「いざ参る」

 

────


魔裁組第2支部の実働班メンバーは、五百旗頭渚を科学者・榊の手から取り戻す、また、榊の野望を食い止めるべく、榊らの拠点、ロスト・フロンティアに乗り込んだ。


《潜水艦内部 / ロスト・フロンティア近海》

潜水艦の中には、安西と犬飼が、イヤホンから一善らの会話を聞いていた。


犬飼「ウォンウォン...お前ら、泣かせるなよ...!」

安西「泣いてばっかいないでよ!なんか落ち着かなくてついてきちゃったけど、私達も命の危機なんだからね!」

犬飼「ウォン...俺たち、死ぬつもりはないので」ドヤッ


安西「即真似すな!」


犬飼「よーーーし!!!いけぇーーー!!お前らーーーーー!!頑張れーーーー!!」

安西「(私達も...気持ちは同じ...!お願いします...渚を救ってください...皆...!)」


《正門────城壁》


一善「その為には、まず、奴らの野望を食い止める...!」


榊「フッフッ。まぁ、やれるだけやってみればいいさ、お前らはもうじき死を受け入れるのだからな...!」

WANI「ハッ!うずうずしてきたぜェ!」

SAME「勝利確率、99.9%」

HEBI「早く遊びたいわ♥」ペロリ

HATO「宴の始まりですねぇ」

TORA「力は正義...勝利は我々の手にあり」


麗美「早く黙らせたい」

はるか「ま、そろそろ始めるか?」

莉茉「分からせるよ。正義が勝つって!」

美波「これが終わったら...渚ちゃんに言わないと...!」


幸二「進むか」

三太郎「待ってろなぎちん!!!」

三太郎は、一目散に走り出した。

一善「三太郎!」

幸二「あのバカ!」

莉茉「本当、元気なんだから」

三太郎「いくぜいくぜいくぜぇ!!!!」


三太郎は、正門目の前のメインストリートを前へ進む。その時だった!


ジジッ!

三太郎「!!!なんだ!」


三太郎の足元に、謎のレーザーが放たれた!三太郎は間一髪で躱す。


幸二「!!」

一善「三太郎!!」


すると、建物の陰から、一体のロボットが現れた。


ウィィィィン…


ロボA「シンニュウシャ、ハイジョ、ハイジョ」

三太郎「ロボット?」

 

《地下道》

ブーーーーー!ブーーーーー!ブーーーーー!


ジャスティンは、赤く照らされた地下道を進み続ける。


ジャ「(どこだ…?ゼクシーザは?)」


すると、ジャスティンの目前に、3つの影が現れた!


バコーーーン!!

シュゥィィィィン!!!

ビュンッッッッッ!!


ジャ「!!!」


KANI「お!強そうな兄ちゃんはっけーん!」

HACHI「侵入者だな。捕縛する」

USHI「…!」


ジャ「(なんだ?こいつら…!魔者…なのか?!)」

 

────


第181話 「攻略法」

 

────


《城壁裏》

百目鬼「素敵な友達がいてくれて幸せ者だね」

五百旗頭「…」

五百旗頭は、涙をすすりながら壁に手を当てる。

百目鬼「…ほら、こっちだよ」


百目鬼は、五百旗頭を連れて地下へ降りる。


《メインストリート》

三太郎「なんだ?!このロボット!」


榊「フハハハ!それだけではないぞ!周りを見てみろ!」


三太郎「!?」


三太郎らが周りを見渡すと、建物の陰から、数え切れないほどのロボットが現れた。


ウィィィィン…!


ロボットズ「シンニュウシャ、ハイジョ!」 「ハイジョ!」 「ハイジョ!」


幸二「なんだ?!この数…!」

一善「パッと見ただけでも」

莉茉「100体は居る…!」


榊「このロボットは、私が開発した人工マヂカラによって動く破壊兵器だ…!その数は、1000体を超える…!」


はるか「1000体?!」

美波「そんなに…!」

幸二「こいつらを相手にしてたらキリがないぞ」

三太郎「はやくなぎちんのところに行きたいのに!」

莉茉「虱潰しに壊していくしかないのかな」

一善「いや、何人かで相手して、残りの人は先へ進んだ方がいいかと。多分一体一体はそんなに強くない。それに、恐らく相手の戦力はこれだけじゃない…!」


一善らは、城壁上の榊らを見た。


一善「無人機を攻撃したのは多分あいつらだ。あいつらも倒さないと…五百旗頭さんは取り戻せない!」

はるか「あれ魔者か?!人間か?!」

幸二「俺も一善に賛成だ。問題は誰がこのロボットの相手をするかだが…」


麗美「私にやらせて」


莉茉「麗美?」

美波「大丈夫?」


麗美「少し考えがある…やらせて欲しい」


幸二「わかった。じゃあ空見に頼もう」

麗美「うん」

一善「俺はつのキングで空を飛べるから、全体をサポートするよ」

幸二「了解。残りのメンバーは各々別れて進もう。各自敵の情報がわかったらシェアしよう」

一同「了解!」


三太郎「任せたぞ」

麗美「うん」


麗美はその場に残り、一善は空中へ。残りのメンバーはロボットの攻撃を避けながら、真っ直ぐ進む!


《メインストリート中盤》

メインストリートを進むは5人。城壁に向かって走る!

はるか「私達はどうする?」

幸二「城壁の向こうへの入口を探すんだ!それぞれ右と左に別れよう!」

莉茉「了解!」

三太郎「やってやるぜ!」

美波「…!」

 

────

 

《城壁》


榊「TORA。私も少し準備をする。ついてこい。その他はそれぞれの持ち場でラインを守れ」

TORA「イエス、マスター」

WANI「ハッハッ!殺しちゃったらごめんな!」

HATO「少し手加減してあげないとねぇ」

SAME「迎撃成功確率、99.9%」

HEBI「ふふっ♥」


ヒュン!     ヒュン!     ヒュン!    ヒュン!


PETSらは、それぞれの持ち場へ飛んだ。


榊は壁から下を見下ろした。

榊「(まぁ、そう長くは続くまい…)」


TORA「挨拶がわりだ」ポポポポポポッ…!

 

────


第182話 「不協和音」

 

────


《メインストリート》


ウィィィィン… ウィィィィン… ウィィィィン…!

ロボット「ハイジョ!」「ハイジョ!」「ハイジョ!」


一善は、麗美に向かって進軍するロボットの群れを空から見た。

一善「(麗美ちゃん…何をするつもりなんだ…?)」

 

麗美「なぎちんは絶対に渡さない…!」


ポポポポポポッ!

ロボット達が、一斉に目にレーザーの光を溜め始めた!


麗美「人工だろうがなんだろうが、マヂカラが流れているなら全部同じ…!これは、魔導書には書いてない、”私だけの技”!」


一善「!!!」


ポポポポポポッ!


麗美「一善くん!ノイキャンして!」

一善「?!」

一善は、イヤホンをノイズキャンセルモードにした。

 

麗美「シックスティーン!サウンドアルファ!!DISCORD!!」

 

ビヨヨヨヨヨォォォォォン!

 

麗美を中心に、特殊な音波が波及した。

この技は、不協和音のように調律の狂ったマヂカラの周波を流すことで、対象に流れるマヂカラの流れを狂わせる。これによって、対象は思うように術が繰り出せなくなる…ことがある。

 

ガガギゴガギガゴ…!


すると、ロボットのいくつかはショートし、いくつかは暴発し、いくつかはロボットに向けて光線を繰り出した!


一善「(なんだ?!ロボット達が壊れ始めた…?)」


麗美「(上手くいった…!でもこのままでは、時間が経てば元通り…本体を全部壊さないと…!)一善君!今のうちにロボットを破壊するから手伝って!」


一善「う、うん!!緑のエレメント!蜘蛛の糸!!」

つのキング「ウォーーー!!」ペッ!ペッ!


ボゴォン!   ボゴォン!  ボゴォン!


一善は、空からエレメントを両手から降らせた。

 


麗美サウンドフォー!METAL!」


ジュドドドドドドォォーーーーン!


一善は空から、麗美は地上からそれぞれロボット達を破壊する。


ロボット「ハイj...ヨ..hイ...」ビリビリ…!


麗美「早くこいつら片付けて前線に加勢しないと…!」

一善「この調子ならいける…!」

 

2対1000の攻防──────!!

 

────


第183話 「アンダーグラウンド

 

────


《メインストリート中盤》

5人は前をめざして走る。

すると、そこへ城壁の上からレーザー光線が飛んだ!


ジジジッ!!!!  ドッカーーーン!!


幸二「!!」

三太郎「避けろ!!」


5人はそれぞれ左右に飛んだ。レーザー光線は、メインストリートの真ん中を焦がした。


TORAは、城壁上からその様子を見た。

TORA「…」


莉茉「このまま別れよう!」

美波「うん!」

幸二「敵に出くわしたら共有しよう!どんな敵か知っておきたい!」

はるか「わかった!」

三太郎「おう!」


サッ!!   サッ!!   サッ!!


5人はそれぞれ真ん中を避け、散らばった。


TORA「…」

 

────

 

《地下道》


ジャスティンは、3体のPETSと鉢合わせる。


ジャ「(男が2人...女が1人...)君たちはなんだい?」


HACHI「侵入者に答える義理はない」

USHI「倒す…!」

KANI「へっへ、せいぜい楽しませてくれよ…?」


ジャ「なるほどな、まともに取り合っては…」


シュウウウッッ…!


HACHIが、鞭のような攻撃を仕掛ける…!


ジャ「くれなそうだなっ!!!」  ドゴォン!!


ジャスティンは、後ろに飛んで避ける。


HACHI「…!」

KANI「はぇぇな!」パキ  ポキ

USHI「アタックコマンド!血牛!!」ピピピッ!


ドォォォーーーン!!


USHIは、手からキャノンを放つ!


ジャ「守護」カキーーン


USHIの攻撃をジャスティンは後ずさりしながら受け止める…!


ジャ「くっ…!」

USHI「…!」


パァァァァン!

ジャスティンは攻撃を防ぎきった。


ジャ「(エレメントの様な人工マヂカラか?なんという出力の強さだ…!)」

USHI「ハァ…ハァ…」

HACHI「波状攻撃だ!アタックコマンド!餓威蜂(ウェイビー)!!」シュウウウッッ!!


ジャ「白のエレメント!アイスティネイル!」


カッキーーーーン!!


KANI「アタックコマンドォ!自動愛蟹(オートマチックラブ)!」 グゥゥゥン!!

ジャ「白のエレメント!硬金氷鬼!!!」

USHI「ディフェンスコマンド。牛面戸(モーメント)!」

ジャ「白のエレメント!突羅辛螺(つらつらら)!!」


ドガァァァァァァン!!!!


ズサッッッ…


ジャ「ハァ…(こいつら…なかなか強い…!榊の用心棒だな…?)」

ジャスティンは、額の汗を拭った。


USHI「半殺しにして捉えればいいんだよね?」

HACHI「そうだ。後はマスターが処して下さる」

KANI「ちぇっ、本当は殺っちまいたいのにナ!」


ヒュン!!!


KANI「ボケっとすんなァー!アタックコマンドォ!幻影愛蟹(プラトニックラブ)!!!」


ゴォォォォォォ…!!!!


ジャ「……!!!!!」

 

ジャスティン対3匹の”ペット”────!!

 

────


第184話 「ロスト・フロンティア」

 

────


《カジノの間 / ロスト・フロンティア》


4人と別れた幸二は、建物内に侵入。


幸二「(なんだここは…?ルーレットやダーツがある…)」


幸二がたどり着いた部屋は、薄暗く、赤い絨毯の敷かれたカジノのような部屋だった。


幸二「!!」

幸二の背後に何者かが斬り掛かる!


シャキーーーーン


幸二は、振り返り、攻撃を後ろに躱す。


幸二「…!!」

SAME「侵入者発見」


スタッ


幸二「何者だ」

SAME「聞きたいのはこちらの方だが」

幸二「五百旗頭さんはどこだ」

SAME「教えないと言ったら?」

幸二「ここで倒す」


幸二は身構えた。


SAME「結構。だが、お前が私に勝つ確率は、わずか3%」ドン!

幸二「それだけありゃ十分だ」ドン!


そこへ、はるかから通信が入る。

『はるか : 皆!敵に出くわした!』


幸二「!!!」

 

────

 

《幻夢の森 / ロスト・フロンティア》

はるかが辿り着いたのは、光が遮られている暗い森のような場所だった。植物がピンクや緑に不気味に発光している。


はるか「…!」

HATO「ホッホッ。お嬢さん。それで私に勝つつもり、とは言わないでしょうねぇ…?」

はるか「(このオカマ野郎…どこから攻撃を仕掛けてやがる…!近づけないから攻撃が出来ない…!)」

HATO「アタックコマンド。幻影の翼…!」

はるかの背後から、不気味に輝く翼がはるかを襲う!


はるか「(…後ろか!)」


サッッッ!!


HATO「上手く避けましたね…」

はるか「こいつ…!」

 

────

 

《死のリング / ロスト・フロンティア》


莉茉がやってきたのは、ボクシングのリングのような部屋だった。


莉茉「ボクシング?」


そこへ、上から大きな衝撃がリング中央に走る!!

 

ズドーーーーーーーン!!!!


辺り一面に爆風が吹く…!!!


莉茉「(…何?!)」


スゥゥゥ…


WANI「ハッハッ。女じゃねぇか…!」

莉茉「敵だ!」

 

────

 

《こどものへや / ロスト・フロンティア》


ここは、巨大なおもちゃが立ち並ぶ部屋。上から三日月のような物に腰掛けた生物が、美波を見ている。


美波「…降りてきなよ」

HEBI「上から見下ろす方が可愛いのよ…女の子って♥」


ザザザッ…

『莉茉 : 敵に見つかった!かなりのパワーがあるわ!』

『幸二 : 俺も交戦中だ!刀を持ってる!』

『はるか : 私は森にいる!なんか分からん術の敵がいる!』


HEBI「お仲間ちゃん達、元気そうじゃない、ま、1人として勝てるとは思わないけど…」ペロリ

美波「私は、私たちは、絶対に渚ちゃんを助けるんだ!」ドン!

HEBI「険しい顔は可愛くないわよ?ふふっ。女の子同士、仲良くしましょう...?」ドン!

 

────


第185話 「飛び交う殺意」

 

────


《メインストリート》

麗美サウンドワン!ポップ!」ドカァン!

一善「蜘蛛の糸!」ドォン!


一善と麗美は、ロボット相手に善戦中。


麗美「ちっ雑魚が!数多すぎんのよ!」

一善「皆も敵と遭遇し始めてる。早く行かないと…!」

 

────

 

《幻夢の森》

はるか「黄色のエレメント!猛禽!!」

HATO「ディフェンスコマンド…蜃気楼の翼」モワァン


はるかの拳は空を切った。


はるか「あーーもう!!どこへ消えやがった!!」

HATO「ここですよ。アタックコマンド、幽玄の翼」バサバサ!


はるか「うわぁぁぁ!」

 

────

 

《カジノの間》

SAME「アタックコマンド。獲鮫(えしゃく)」シャキン!

幸二「ちっ!」ヒュン!


SAME「…」

幸二「(距離を取ろう…!)青のエレメント!ハート・THE・トリガー!」バシューーン!


SAME「…!」キィン!

SAMEは、幸二の攻撃を払った。


SAME「距離をとってもお前が勝つ確率は上がらない。アタックコマンド。飛鮫(ひしゃく)」ズバァン!


SAMEは飛ぶ斬撃を幸二に放つ。


幸二「守護!」キィン!

SAME「…」

幸二「(遠距離でもこの威力…!)」

 

────

 

《死のリング》

WANI「おいおいお姉ちゃん。こっち来いよォ!」

莉茉「嫌よ!(あのリングにあがったらきっとあいつの思うつぼだ!距離をとって攻撃!)」

WANI「ならば…」

莉茉「青のエレメント!箒星!」

WANIは空中でジャンプしながら、攻撃を交わし続ける。そして、莉茉へ迫る!


莉茉「…!(速い…!!)」

WANI「迎えに来てやったぜ!」

WANIは、莉茉の体をがっちり掴んで後ろ向きに素早く回転した。


莉茉「…!(まずい!)」グルグルグル!

WANI「アタックコマンド!!アマゾンドライバー!!!」グルグルグル!


ドォォォン!!


莉茉「ぐはっ…!」


WANIは莉茉を背中からリング中央に叩きつけた。

 

────

 

《こどものへや》

HEBI「アタックコマンド、目線蛇(メッセンジャー)!」


ピュン!  ピュン!


HEBIは、美波の頭上から光線を飛ばす!


美波「紫のエレメント!トランポリンアーチ!」

美波は、自身の頭上にエレメントで膜を貼り、光線を受けた。光線は、膜を突き破る勢いで、膜にめり込んでいる。


HEBI「ふふっ。破けちゃいそうね」ペロリ

美波「今だ!」


ビュンッッッ!!!


美波は、膜を思い切り張らせて、光線を全て跳ね返した!


HEBI「!!!」


ドゴォォォォン!!!

 

────


第186話 「一進一退」

 

────


《こどものへや》


シュゥゥゥ…


HEBI「…可愛くないわね」ピキッ

美波「早く降りてこないと、またやっちゃうよ?」

 

────

 

《カジノの間》


SAME「…」

幸二「…」


すると、対峙する2人のいる地面が強く揺れた。

ドゴォォォォン…!


SAME「…?」

幸二「下…か?」

 

────

 

《メインストリート》


麗美「一善くん!皆のこと見える?」ドカン!ドカン!

一善「少し距離が遠い!」

麗美「なら私たちごと少し壁側に移動しよ!一善くんは、ロボットを引き寄せつつ、皆の動向を探って!こいつらは私ができるだけ倒す!」

一善「了解!(皆は散らばって敵と戦ってるはずだ…!強いマヂカラ反応がある所が皆のいる場所の筈だから、ある程度場所は特定出来るはず!)」


麗美「こいつらは私が…!」

一善「つのキング!壁の方向へ飛ぶんだ!」

つのキング「ウォーーー!!」

一善とつのキングは、壁側に飛んだ。


ロボット「ターgッt…ゼンポウへ イドゥ…ハiジョ…!」

ロボット達は、一善を追って、壁側へ移動した。

麗美サウンドなんとか!EDM!」ドゥンドゥン!!


一善「!!」

麗美「こんな技ないけどね…!」

 

────

 

《死のリング》

莉茉は、WANIの攻撃をもろに受け、リングから立ち上がれなくなっていた。

莉茉「…!」

WANI「もう終わりかよ…!姉ちゃん」


莉茉「くっ…!(ダメだ、多分”私じゃ”勝てない!)」

WANI「なら連れてくか…」

莉茉「…はっ!」

莉茉は、ポケットから煙玉を投げつけた。

プシュゥゥゥゥ…!


すると一面に7色の煙がたった。

これは、魔裁組特製”七色玉”。主に敵襲の際に使う。

WANI「ゴホゴホッ!前が見えねぇ!何の真似だ?姉ちゃん?」

莉茉「(今のうちに…!)」


莉茉は、物陰の後ろに隠れた。


莉茉「(こいつを倒す必要は無い…!でも、こいつを倒さないと先へ進めない…!)」

 

────

 

《謎の部屋》


三太郎「…」


三太郎は、とある部屋にやってきた。そこには何も無く、黒い床と真っ白い空間が広がっているだけだった。


三太郎「なんだここ?ま、先に進むか」


三太郎が、前方の扉へ向かおうとしたその時、扉からとある人物がやってきた。


三太郎「?」

百目鬼「やぁ。魔裁組の人だね」

三太郎「人間だな。なんだお前は」

すると、続けて1人の人間が入ってくる…!


三太郎「あ!!!!」

 

そこへ現れたのはあの──────!!

 

SOREMA -それ、魔!- 22 へ続く。

 

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第179話 「死なせたくない」

第180話 「いざ参る」

第181話 「攻略法」

第182話 「不協和音」

第183話 「アンダーグラウンド

第184話 「ロスト・フロンティア」

第185話 「飛び交う殺意」

第186話 「一進一退」