SOREMA -それ、魔!- 24

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SOREMA -それ、魔!- 24


「無音」

 

~~~~~~~~~~~

 

★ロスト・フロンティア編 現在の戦況★


〇メインストリート

麗美 vs 1000体のロボット


〇こどものへや

幸二〇 vs SAME●


〇死のリングの塔

はるか〇 vs WANI●


〇幻夢の森

莉茉〇 vs HATO●


〇地下道

ジャスティン vs HACHI , KANI , USHI

ジャスティン瀕死状態。


〇カジノの間

三太郎、先へ移動中。


〇廃工場

一善 vs TORA

美波が移動中。


〇LF近海

安西、犬飼らが潜水艦にて待機。


〇その他

榊、奥へ

ゼクシーザは地下に眠る。起動まであと2時間。

 

~~~~~~~~~~~

 

────

 

第203話 「善人」


《廃工場》

TORA「...」

一善「...(こいつ...恐らくかなり強い...つのキングが召喚できるまでまだ時間がかかる...!)」


TORA「お前は、善人か?悪人か?」

一善「...?!」

TORA「答えろ。若人」

一善「...!」


TORA「そんなことも分からぬか。まぁいいだろう。教えてやる。簡単な話だ。弱者は悪。強者が善だ」

一善「...!」

TORA「どうだ?」

一善「...それは違う...!」

TORA「?」

一善「人は誰しも弱者だ」

TORA「...?」


一善「どんなに力を持っていても、一人では生きられない。この世に本当の意味での強者など存在しない」

TORA「...」

一善「力の強さで善悪は決まらない」

TORA「ならばどう定める。善か、悪か」

一善「...俺は、自分を根っからの善人だなんて思わない。誰かに言わせれば、悪人かもしれない。だから、俺は毎日、自分の信念と真摯に向き合い、常日頃から己が”善”だと思うこと、誰かの為になることを積み重ねる...!そうして俺が死ぬ時、俺の生き様で証明されるもの...それが本当の善だ!」


TORA「...」

一善「だから、生きてる内に善だ悪だ決めつけるのは愚行だ」


TORA「...そうか」

一善「...!」

TORA「だがお前がここで死ねばそれは”悪”だな」

一善「!!!」


TORA「仲間を一人も助けることが出来ず、街ではお前たちが守るべきだった人間達が死ぬ。役立たずとしてお前は死んでいくのだ。俺に言わせれば、弱い時点で悪だがな」

一善「...!!!」

TORA「証明して見せろ、その拳で...!」

一善「...!」


TORA「アタックコマンド...!舞乱虎(ぶらんこ)!!」ゴォォォォ...!!

一善「守護...!」ガチン!!


バコーーン!!


一善は飛ばされる。


TORA「アタックコマンド!!刃羅太虎(はらだいこ)!!!」ボォォォォン!!!

一善「うわぁぁぁぁ!!!」


TORA「確実に仕留める。アタックコマンド!魅迅虎(みじんこ)!!!」スパスパスパ...!!!

一善「...緑のエレメント!草枕!!」シャキシャキシャキ...!


カキンカキンカキンカキン!!!


TORAと一善は高速で刃をぶつけ合う。


TORA「いつまでもつかな...?」

一善「...!!!」カキィン!!!


一善は距離を取る。

一善「(こいつは恐らく近距離型...!距離を取れば...!)」


TORA「アタックコマンド!!風螺面虎(ふらめんこ)!!!」ズザザザザァァァ!


TORAは、手から衝撃波のようなものを飛ばした。

一善「...!!緑のエレメント!蜘蛛の糸!!」


パリィィン!!


TORAの衝撃波は、一善の技を破る!!


一善「くっ...!!守護!!!」カィン!!

TORA「...」

一善「(なんだこいつ...!遠距離技もこの威力...!隙がない...!)」

 

────


第204話 「悪人」

 

────


《廃工場》

一善は、TORAの猛攻撃に何とか耐えている。

TORA「舞乱虎!!」ガゴォン!

一善「伽羅枕!!」グサッッ!!


スタッ


TORA「口ほどにもないようだな」

一善「ハァ...ハァ...」

TORA「アタックコマンド...!血里面邪虎(ちりめんじゃこ)!!」

TORAは足で空を斬ると、地面を這った衝撃波が一善の足を襲う...!!

一善「いっ...!!!」ジャキィーーーン!!


一善の足から血が流れる。


一善「(くそっ...思うように立てない...!つのキングが出せれば...!)」

一善は、膝をつき、地面に目を落とす。


???「イメージしろ!」


一善「!!!(つのキング!まだ実体は出せないけど、声が聞こえる...!)」

つのキング「俺が君を守る!」

一善「!!!」


グシャッ!!

すると、TORAが、片手で一善の首を掴んで高く持ち上げた。


一善「ぐっ...はな...せ...!」

TORA「戦闘中に俯くとはいい度胸だな」

一善「...ぐっ...!」

TORA「アタックコマンド...」

一善「!!」


TORA「首羅吸虎(しゅらすこ)!!!」


バクシュシューーーーーーン!!!


一善「!!!!」  ガコン...!!

 

────

 

《メインストリート》

麗美は、ロボットの残党と戦闘中。


麗美「(くっそ...!500体は壊したはず...!でもあと半分もいるの?!流石に1人じゃ持たないわよ...!)」

ロボット「ハイジョ!」「ハイジョ!」

麗美「(ディスコードも効かなくなってる...?いや違う、私のマヂカラが切れかけてる...!やばい!でもこのままだと、こいつらが向こうに...!私が止めないと...!)」

 

────

 

《地下道》

三太郎は一足先に地下道へ進んでいた。まだ誰とも合流していない。


三太郎「ジャスさーーん!!いるかー??」


ブーーーー!ブーーーー!ブーーーー!


三太郎「この音!まじうるさ!!!音が聞こえづらい!」

 

────

 

《廃工場》

美波は、一善のいる廃工場にやってくるが、人の気配はなく、シーンとしている。


美波「一善くん!工場まで来たよ!いる?」


ザザザザ...


美波のイヤホンにはノイズがはいる。


美波「一善くん?」


『TORA : これで話しているのか』


美波「?!?!」


『TORA : お前の探している人間は恐らく近くに落ちてるぞ?』


美波「?!」


美波は、廃工場の中を走り、一善を探した。すると美波は、TORAと、その足元で気絶して倒れた一善を見つけた!


美波「!!!一善くん!!!!」

TORA「残念だが、この人間は”悪人”だったよ」ドン!

 

────


第205話 「狩人」

 

────


《廃工場》

美波は、TORAを気にもとめずに、一善に駆け寄った。


美波「一善くん?起きて!大丈夫?!」

一善は反応しない。

TORAは、真横でその様子を見つめる。

TORA「安心しろ。死んではいない。半殺しで連れて帰るのが我々の任務だからな」

TORAは、つま先で一善をコツンと蹴った。

美波「一善くん!今治す!」

美波は、回復魔法を一善に施そうとした。


TORA「おい小娘、俺がじっとしているとでも思っているのか」

美波「!!!」

TORA「風螺面虎!!」

美波「(やばい...!)キャーーーー!!」

 

パッ!

 

攻撃が炸裂しようとした瞬間、TORAの前から美波と一善は消えた。


TORA「(消えた...?まさか?)」


その様子を、一人の男が上から見ていた。


TORA「お前の仕業か...百目鬼

百目鬼「やぁ」


百目鬼は自身の能力で、美波と一善を逃がしたのだった。

TORA「なんのつもりだ?」

百目鬼「ごめん。見てたらつい、手が滑った」

TORA「これは反逆ということでいいんだな」

百目鬼「いや笑ちがうちがう。誤解だよ。手が滑っただけだって!」

TORA「お前はこの場で殺してもいいんだぞ...?」バキバキバキ...!

百目鬼「うわっこわ。ま、そんな遠くに飛ばしてないし、早く行かないと逃げられちゃうよ?」

TORA「なぜお前は奴らを助けた?」

百目鬼「さぁ。あ、でも、裏にいるから、早く行くといいよ〜」


TORA「...!」


TORAは一善らを追っていく。


百目鬼「(ま、もう少し足掻いてみてよ)」

 

《廃工場裏・砂漠》


美波と一善は、百目鬼によって裏の砂漠に飛ばされた。

美波「え?私、さっきまで工場にいたよね?で、あの変な人に攻撃されて...ってもしかして、私、死んじゃった?これって、死後の世界?」


・・・


美波「って!!よく見たら、一善くん!!大丈夫?!?!」

一善「.........」

美波「これが現実でも幻でも、まずは一善君を助けないと...!」ポワワワワァン...!


美波は、一善の胸元に両手をかざし、目を閉じた。


美波「一善君に力を、一善君の体を癒して...!」


ポワワワワァン...!


美波「療!!回復魔法・極楽!」

 

ガッシャーーーーーーーン!!!

そこへ大きな物音と共に、TORAが現れる。


美波「?!」


TORA「さっきは思わぬ邪魔が入ったが、ここで2人まとめて捉えるとしよう」

美波「...!!(さっきのやつ...!)」


TORA「狩りの時間だ」ドン!

 

────


第206話 「大混戦」

 

────


《東京タワー》

ザーーーーーーーー...

一善らがロスト・フロンティアに上陸したのと同刻、東京では強い雨が降り始めた。


善能寺「...」

鬼屋敷「少し心配よねぇ」

善能寺「あなたはどう思う?」

鬼屋敷「多分大丈夫よ。万が一がなければね」

善能寺「生きて帰って貰わないと困るわ」

鬼屋敷「そうねぇ」


善能寺「そういえば一つ、あなたに伝えておくことがあるわ」

鬼屋敷「なんでしょう?」


善能寺「”あの子”の親族の正体について...だいたい繋がったわ...!」ドン!

鬼屋敷「...?」

 

────

 

《ロスト・フロンティア/地下道》


ブーーーー!ブーーーー!ブーーーー!


ジャ「...!!」

ジャスティンは、身体にかなりの傷を負いながら、来た道を引き返して、敵から逃げていた。

KANI「おいおい!見損なったぜ!どこまで逃げるんだぁ?」

USHI「もう疲れたよ...」

HACHI「逃げても無駄だ!大人しく観念しろ!」

ジャ「いやだね!」


キキィ...

PETSは足を止めた。ジャスティンは振り返る。


ジャ「(ん?とまった?)」

HACHI「!!!おい!お前ら!WANIがやられたぞ!」

USHI「HEBIに続いてWANIまで...」

KANI「HATOもやられてる?!どうなってんだ?」

HACHI「SAMEもだ」

USHI「半分もやられるなんて...」


ジャ「...?(こいつら、お互いの生存状況を共有してるのか...ってことは少なくとも4体は誰かが...!そしてこいつらと同程度の敵はあと4体...!)」


HACHI「侵入者が奥へ進むと危険だ。私は様子を見てくるとする」

KANI「おいおい!この兄ちゃんはどーすんだ?」

HACHI「お前ら2人で何とかなるだろう」

USHI「...まぁ」

KANI「けどよぉ」

ジャ「(なかなかになめられてるな...)」


HACHI「いいか、半殺しだ。息の根は止めるんじゃないぞ?」

KANI「しつけーよ!わーってるって!」

USHI「早くマスターの所へ連れていかないと...」


HACHI「私は別のルートから回り込む!」

ジャ「ま、俺は逃げさせてもらうわ」

KANI「まてまてまてまてぇい!!」

USHI「早く捕まってよ...」


HACHI「...(SAMEを加えて3人もやられてる...!ここは男一人に人員を割くべきではない...!急がねば!)」


KANIとUSHIは、ジャスティンを追いかけ、HACHIは別ルートの封じ込めに動く。

 

────

 

《メインストリート》


麗美、孤軍奮闘中。


ロボット「ハイジョ!」 「ハイジョ!」 「ハイジョ!」


麗美「ハァ...(こいつらなんなの?ゾンビかよ!壊しても壊しても、マヂカラが流れる限り動き続けるって訳?少し休まないと私も術が使えなくなる...!でも誰かに来てもらう余裕はない...!)」


ロボット「ハイジョ!」 「ハイジョ!」 「ハイジョ!」


麗美「くっ......!」

 

そこへ、何者かの”横槍”が入る...!
???「伸!!!!」


グシヤァッッッッ!!!


???「ラキラキ!!!」

???「ワォーーーーーーン」


バキッッッッッ!!!


麗美「!!!?!?!」

 

次々と破壊されるロボット。

そこに現れたのは──────?!

 

────


第207話 「恵みの雨」

 

────


《メインストリート》


麗美「あ、アンタら?!」


九頭龍坂「あら、こんな所で玩具(おもちゃ)と戯れてはるの?」

虎走「ぎゃは!一人じゃしんどそうじゃん?」

村松「...」

伊藤「私たち第1支部、加勢しに来ました...!」ドン!


麗美「...!」


虎走「あっちは大雨。姐さん一人入れば大丈夫っしょってことで」

伊藤「私たちも、五百旗頭さんを連れ戻すお手伝いを!」

九頭龍坂「勘違いせんといてな。私たちが加勢するのは、なにも仲間やからとちゃう。あの人は魔裁組にとって必要な人だからや」

虎走「ぶっちゃけ困るもんね!居ないと」

村松「...!」


麗美「...!!」


伊藤「ここは私達に任せて、麗美さんはマヂカラを回復させてください」

虎走「なんか地下にヤバいのがあるんでしょ?止めてもらわないと困るし!」

九頭龍坂「ほら、早う行き!ウチら以外に負けたら承知せぇへんで!!!」


麗美「...!負けるわけあるかァ」


虎走「...笑」

村松「...」


麗美は、彼女らを背に、地下をめざして、壁の向こうへ向かって走る!


途中で、麗美は振り返る。

麗美「あ、ありがとう。恩に着る」


伊藤「はい!!!!頑張って!!!」

九頭龍坂「ほんま、可愛くないなぁ」


ロボット「ハイジョ」 「ハイジョ」 「ハイジョ」


虎走「こいつら、爆破しちゃっておけ?」

村松「行くよ...ラキラキ!」

ラキラキ「ワォーーーーーーン!!」

伊藤「新しい魔具の力、ここで試す...!」

九頭龍坂「早う片付けましょか」


ロボット「ハイジョーーー!!!!!」


虎走「三十四章、爆裂ノ一...」

虎走の両手にオレンジ色のオーラが宿る...!

虎走「菊!!!」

ドッカーーーーーーン!!!


ラキラキ「ワォーーーーーーン!!」

ラキラキは、ロボットと群れを高速で切り刻む...!

村松「必殺...獣嵐斬(けものらんざん)!!」

シャキシャキシャキシャキーーーーーーン!!


伊藤「運!」

伊藤は、大きな黒い鎌を出した。

伊藤「大業魔具(おおわざのまぐ)...滅魔の鎌”光秀”...!!」

ジュラキィィィィーーーーーン!!!


九頭龍坂「私の視界から消えなさい...!」

九頭龍坂の周辺の地面数カ所が、鞭状に高く伸び、しなってロボットの群れを連続で叩きつける...!

九頭龍坂「秘技...天地輝夜(あめつちかぐや)!!!」

バンバンバンバンバン!!!


4人は、ロボットの群れを追い詰める...!!

 

────

 

《幻夢の森》


麗美はマヂカラの消費を抑えつつ、地下へ向かう...!

麗美「(とりあえず助かった...!マヂカラも徐々に戻り始めてる...!この森にはマヂカラ反応はない。先へ進もう...!)」


そして、麗美は森を抜けた。


麗美「(右と左...!2つとも下に進む階段?どっちに行くか...?)」


麗美は、左の階段を下へ進んだ。

 

────


第208話 「なんとしてでも」

 

────


《地下道 / 幸二サイド》

幸二「(ちっ...!地下まで来たは良いが、道が多すぎてどこに行けば正解なのか分からない...!ジャスティンさん、五百旗頭さんは無事か...?)」


ロボット「ハイジョ!」 「ハイジョ!」


幸二「ちっ!またロボットか!青のエレメントッ!」


《地下道 / はるかサイド》

はるか「(みんな無事なのか?無線もしばらく返事がない...!戦闘中か?いや、今は無事を信じるしかない...!)」


《地下道 / 莉茉サイド》

莉茉「(ゼクシーザはどこ?なんかロボットは追ってくるし、サイレンがうるさいしで、自由に行動出来ない!さっきの階段、左が正解だったかしら...!もう!)」


《地下道 / 三太郎サイド》

三太郎「(なんかずっと同じところを回ってるかと思ってたけど、めちゃくちゃヤバめな気配がしてきたぜ...!あの扉の奥だな?)」


警備員「お、おい!!とまるんだ!」

三太郎「うるせぇー!!!!どけぇ!!!!」

警備員「ひひぃ!!」


三太郎は、鉄の扉を蹴破った!

ドゴォーーーーーーーン!


三太郎「!!!!!!!」

 

────

 

その頃...

 

ゼクシーザ制御室》

カタカタカタカタカタカタ...


五百旗頭「私が絶対にゼクシーザを止める...!」ドン!

 

────回想─────

 

五百旗頭が、牢獄で百目鬼と話した時のこと。


百目鬼「3時間。これは俺から貴方へのプレゼント。好きにすると良い...」

五百旗頭「ちょ、ちょっと!!!どういうこと?!?!」


百目鬼は、五百旗頭を自由の身にし、その場を去った。


五百旗頭「...!」


五百旗頭は、牢獄を出て、地下道へ向かう。


警備員「おいお前!何者だ!ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!」

五百旗頭「(見つかった!いや、なら...!)」

警備員「答えろ!」

五百旗頭「私は五百旗頭渚、知っているでしょ?科学者よ」

警備員「い、五百旗頭渚?」

五百旗頭「私は貴方達の協力者よ。ゼクシーザのシステムを管理する部屋に案内しなさい」

警備員「で、でも...榊さんの命令がないと...」


五百旗頭「これは榊の命令よ!早くしなさい!いいの?人間国宝の力が借りられなくなっても?」

警備員「は、はっ!」

 

────

 

ゼクシーザ制御室》

警備員は、五百旗頭を制御室の扉の前まで連れてきた。

五百旗頭「鍵を寄越しなさい」

警備員「(本当にいいのか...?)」

五百旗頭「何してるの、早くしなさい」

警備員「はっ!」


警備員は、五百旗頭に鍵を渡した。

ガチャッ


五百旗頭「この作業は誰かに見られたら大変なの。だから誰も来ないようにそこで見張ってて」

警備員「はっ!」


五百旗頭は、榊のパソコンを開く。4桁の数字のパスワードを求められる。

五百旗頭「どうせ佐久間くんの命日とかでしょ」カタカタ...


\ヨウコソ!/


五百旗頭「(マジだった...)」

五百旗頭は、そこから2時間弱、ゼクシーザについて調べあげた。

 

────


第209話 「リベンジ」

 

────


────回想続き─────


ゼクシーザ制御室》

五百旗頭「(なるほど...ゼクシーザを無力化する方法は2つ。1つはゼクシーザの原動力である榊の人工マヂカラを無力化する、もう1つはゼクシーザそのものを破壊する。ゼクシーザにはいくつか脆いポイントがあり、そこを刺激すれば破壊できる可能性がある...そして、ゼクシーザに流れるマヂカラを止めるにはここで制御するしかないってか...しかも結構大変そうね。でも何となくわかったわ。もし当日私がここに入り込めたら、ゼクシーザを無力化出来るかもしれない...!)」

 

────


ガチャッ

そして、五百旗頭は外へ出る。


警備員「もう終わりでいいんだな」

五百旗頭「ええ」

警備員「榊さんが帰ったら報告させてもらうぞ」

五百旗頭「あ、さっきの話、あれ嘘よ」

警備員「は?!」

五百旗頭「だからあなたも共犯よ。黙ってないと、私はともかくあなたは榊に殺されるわよ?」

警備員「...!!」


五百旗頭「他に知ってる人間は?」

警備員「...私だけだ」

五百旗頭「なら、2人だけの秘密にしましょ♥」

警備員「...!」

 

────回想終わり────

 

ゼクシーザ制御室》

カタカタカタカタカタカタ...


五百旗頭「(皆...どうか無事でいて...!)」

 

────


《ロスト・フロンティア内大広間》


コツ  コツ  コツ...


榊「フッフ。時は来た!」ド   ン   !


榊は、体中に装備を施し、体内に特殊な薬剤を注入。髪の毛の色が白髪になっていた。


榊「まさかアイツらが半分も削れるとは予想外だったがまぁいいさ。PETSはともかく、ゼクシーザの前では人間などあまりに無力...絶望を思い知らせてやろう」


榊は地下へ向かって歩き出す。

 

────

 

《廃工場裏砂漠》


TORAとの戦いに敗北し気絶した一善と、その手当をする美波に向かって、TORAは攻撃を仕掛ける...!


TORA「舞乱虎!!!」ドカン!!

美波「守護...!!」カキィン!


TORA「なぜ庇う...?そいつはもう虫の息」

美波「...友達だからに決まってるじゃん!」


ドカーーン!!


美波「わぁぁぁぁ!!」

美波は吹き飛ばされる。

TORA「お前も捕縛対象だ。アタックコマンド!雄神虎(おしんこ)!!!」ドゥルルル!!

美波「紫のエレメント...!サイドキャッチ...!」ガシッ!


美波は、TORAの攻撃を食い止める。


美波「くっ...!!」

TORA「その程度で受けられたつもりか?」

美波「...!!」

TORA「吹き飛べ!!」ドカーーーーン!!


美波「きゃぁぁぉぁぁ!!」


ズサァァァ...

美波は、地面に倒れ込む。


TORA「もう終わりか」

美波は、目を閉じて動かない。


TORAは、倒れた美波を掴もうと手を伸ばす。

 

ガシッ!!!

 

TORA「?」

すると、TORAが伸ばした腕を、正面から一善が掴んでいた。


一善「やめろよ。友達なんだよ」

TORA「!!貴様...」

美波「一...善...くん...」

TORA「まだ立ち上がるか」

一善「今度こそお前を倒す...!」ドン!

TORA「問題ない。何度でも敗北を味わわせてやろう」ドン!

 

────


第210話 「地下トンネル」

 

────


《地下道・地下トンネル》


麗美がたどり着いたのは、地下にある巨大なトンネルである。

麗美「(なんだここ...?トンネル?)」


その時だった。


バシューーーン!!!


麗美「!!!」


麗美に向かって何者かが攻撃を仕掛けた!麗美は攻撃を直前で躱す!


麗美「...何よ、アンタ」

HACHI「お前こそ、そこで何をしている。侵入者は排除する」


麗美「(人造人間か...?)望むところよ...!その体みたいに、蜂の巣にしてやるわ」

HACHI「アタックコマンド!喰流蜂(グルービー)!!」

麗美「!!!」サッ!


HACHI「避けたつもりか?アタックコマンド!重蜂(へびー)!」ゴォン!

麗美「ぐはっ!」ブシャッ


麗美は腹に一撃喰らう。


麗美「...効かないねぇ」

HACHI「生意気な...!アタックコマンド!餓威蜂!」

麗美「守護...!!」カキン!


HACHI「...」

麗美サウンドアルファ DISCORD!」ギィィィン!

HACHI「...!(うっ...!上手く立てない...!)」

麗美「(効いてる...!)サウンドツー ROCK!!」

HACHI「ぐはっ!!!」ジャカジャカーーーン!!


HACHI「ハァ...ハァ...」

麗美「...」

HACHI「効かないな」

麗美「嘘つけ」


HACHI「私が本気を出せば、お前のような女一人簡単に殺せるが、ここでは生け捕りだ。覚悟しろ?」

麗美「なるほど、別に大丈夫よ。私はアンタ殺すから」

HACHI「くくっ。人間風情が、私に勝てるとでも?」

麗美「うん。おかしい?」

HACHI「ちゃんちゃらおかしいな。我々はマスターの手によって生み出された究極生命体。感情に支配されることなく、ただ任務を遂行する...それが私に与えられた使命であり、存在理由だ」

麗美「...」

HACHI「戦闘能力は通常の人間を遥かに凌ぐ。どんな犠牲も厭わず、完璧な仕事をこなす。まさにお前たち人間の完全なる上位の存在だ」

麗美「...」


HACHI「仲間を助けに来た?笑わせるな。そのようなぬるいことを言っているから人間は弱いのだ。人間の歩みを邪魔をするのはいつだって自身の感情だ。私たちはそのような感情を持たない。そして身体能力、頭脳、なにもかも人間を上回っている。お前は自らよりも優れている存在に刃向かえるのか?」

麗美「...」

HACHI「くくくっ。正論過ぎて口もきけなくなったか...!」

 

麗美「くっだらな。アンタ、人間コンプレックス?笑」

HACHI「...あ゛?」

 

────


第211話 「無音」

 

────


《地下トンネル》


麗美「黙って聞いてあげてたんだけど、なんか馬鹿みたいだなーって」ニコニコ

HACHI「...もう一回言ってみろ」

麗美「で、マウント大会おわった?」

HACHI「てめぇ...!」


麗美「言いたいだけ言いなよ、言いたいこと。最後まで聞いてあげるから」

HACHI「...!」

 

麗美「本当は中身なんてないくせに」


HACHI「なんだと?人間の分際で!!」

麗美「さっきもそれ言ってたよ?あれもう終わり?案外頭の回転は遅いんだね」


HACHI「馬鹿にするのもいい加減にしろ!!」

麗美「感情剥き出しじゃん。人間様が羨ましいんだろ?羨ましいって素直に言えば?」

HACHI「は?!?!」


麗美「言えないかー底意地曲がってそうなアンタには。私、アンタの何も羨ましくないわ」

HACHI「!」ブチィ!

麗美「ふふっ。かわいい」


HACHI「わかった。もういい。ここでお前を始末する。もう二度と口を開けないようにしてやろう...!」

麗美「生け捕りじゃなくていいの?まともに任務とやらもこなせないのかよ」

HACHI「...!!」


麗美「アンタ、生まれてきた意味ないじゃん。笑」


HACHI「!!!!!」ブチィ!!!!

HACHIは、激怒した。

麗美「...!」

HACHI「この一撃で終わらせる...!アタックコマンド...アルティメットウェポン...!」

麗美「...(来る!)」


HACHI「蜂主人(ビースト)!!!!!!」


ドギュシュジューーーーン!!!!

HACHIの凄まじい威力の攻撃が麗美を襲う!


HACHI「消し飛べ...!!!!」

麗美「...」

 

麗美は腕を振り、空を切った。そして、手を結び、拳を作る。まるで、オーケストラの指揮者のように。

 

シャッ...!!

 

シーーーーーーーーン

すると、HACHIが放ったはずの攻撃は、全て霧散した。


HACHI「...?(何が起こった...?)」

麗美「...ふっ」

HACHI「(いや、何も起こってない...?)」


麗美サウンドベータ...MUTE」

HACHI「...?!」


この技は、空見麗美が独自に考え出した技。相手のマヂカラによる攻撃(波動、光線等、物理的ダメージのないものに限る)と同量のマヂカラを一度に消費することで、一回に限り攻撃を無効化する。


麗美「ハァ...」

HACHI「(最大威力の攻撃が、完全に防がれただと...?)」


麗美「口ほどにもないわ」

HACHI「...!だが、お前ももう限界なんだろう?」

麗美「...!!」

麗美は口から血を流していた。

麗美「(まずい...今のでマヂカラがほぼゼロに...!)」

HACHI「図星だな。覚悟は出来たか?」

麗美「...」


その時だった!!


ピキ...!ピキピキ...!


HACHI「!!!」

麗美「...?」


HACHI「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」バキバキバキィ!!!

突如、HACHIの体が破裂し始めた。

麗美「(何だ...?)」


HACHI「あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!」


ドッカーーーーーーン!!


シュウウゥ...


麗美「...!」


HACHIは、爆発四散した。そして、その場には小さな蜂が1匹飛び回っているのであった。


麗美「(DISCORDで狂わせた体内のマヂカラがさっきの大技で暴走したか...?ま、いいや、ラッキー)」

 

 

麗美、勝利──────!

 

SOREMA -それ、魔!- 25へ続く。

 

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第203話 「善人」

第204話 「悪人」

第205話 「狩人」

第206話 「大混戦」

第207話 「恵みの雨」

第208話 「なんとしてでも」

第209話 「リベンジ」

第210話 「地下トンネル」

第211話 「無音」