SOREMA -それ、魔!- 27

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SOREMA -それ、魔!- 27

 

「笑おう」

 

────


第228話 「最終手段」

 

────


ゼクシーザの間》

榊「はぁ...なんてことだ...私の最高傑作がこんな目に...可哀想に...」

ジャ「榊天慈」

三太郎「お前もタダじゃおかねぇぞ」

幸二「...!」


榊「もうこうなったら...誰がどうなろうと知ったことではない...!!」


榊は、腕のモニタのドクロマークのボタンを押した。


ピッ!

 

ゼクシーザ制御室》


ピーーーーポーーーー! ピーーーーポーーーー!

デストロイモード!デストロイモード!


五百旗頭「!!!!」

一善「これは...?!」

五百旗頭「まずい...まずいわ!!!」

一善「なにか、あったんでしょうか...?」

五百旗頭「恐らく榊が、ゼクシーザのリミッターを解除したんだわ!このままだと、ここにいる全員が、ゼクシーザの犠牲になってしまう...!」

一善「!!!」

 

ゼクシーザの間》


半身のゼクシーザから、不気味な赤いオーラが出始めた。

ジャ「これは...?」

榊「”デストロイモード”に入った...!これで誰も逃がさないぞ」

幸二「デストロイモード...?!」

榊「ゼクシーザが破壊の準備を始めたのさ...もうここにいる人間は誰一人助からない...!」

はるか「見ろ皆!再生スピードが上がってる!」

幸二「ちっ!あんなに削ったのに...!」

三太郎「ゾンビかよ!あー腹立つ!!」


ドゴォン!  ドゴォン!


麗美「なんか、周りから爆発音聞こえない...?」

莉茉「確かに...!」

榊「お前達がここまで壊してくれたからな、ゼクシーザを動かすマヂカラが足りなくなってしまった。だから、周囲から強制的にマヂカラを集めている。この島の至る所に宿っているマヂカラが今、ゼクシーザに注がれているのさ...!」

ジャ「耐えきれなくなった建物が爆発しているのか...!」

 

フワァーーーーー!!


三太郎「お、おい!俺なんか、光ってね?」

三太郎が赤く照らされだした。

榊「フッフッ」

幸二「どうなってる?!」

ジャ「三太郎!多分罠だ!」

三太郎「え?!」

榊「(終わりだな...!)」

三太郎「おい!動けないぞ!どうすれば!」

一同「!!?!」


パッ!!


三太郎は、少し離れた場所へ瞬間移動した!


幸二「...?!」

ジャ「何が起きた...?」

三太郎「この能力...!まさか?」

百目鬼「...」

 

百目鬼が現れる。

 

美波「あれ、誰?」

百目鬼「その光に長時間当たるとお前ら、平和の礎とやらになってしまうぞ」

三太郎「は?」

ジャ「(なるほど...恐らく、あの光を浴びることで、ゼクシーザに魂を吸われるんだ...!)」

幸二「君は?」

百目鬼「誰だっていいじゃん」

はるか「敵か?味方か?」

百目鬼「いや、放っておけなくてね。誰かさん達が、友達の命をその手から零す所を見ていると。いたたまれないでしょ?」

榊「百目鬼...何の真似だ?」

百目鬼「よく言うよ。俺まで巻き込もうとしたろ、今」

榊「なるほどな、俺に楯突く訳だ...なら全員ここで命を頂戴してやろうか!!!やれ!ゼクシーザ!!!」

ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!!」

 

────


第229話 「頑固者」

 

────


《ロスト・フロンティア近海 / 潜水艦》


犬飼「おい安西!みろよ!島がどんどん爆発してる!」

安西「え!!なにあれ!みんな無事なのかな?渚とは会えたみたいだけど...」


犬飼は、首のマイクから全員のイヤホンに呼びかける!

犬飼「おい!お前ら!島が爆発して崩壊しそうだぞ!全員大丈夫か?!」

 

────

 

ゼクシーザ制御室》

五百旗頭「...!」カタカタカタカタカタ...!

一善「どうですか?」

五百旗頭「今ゼクシーザのデストロイモードを解除するためのシステムに入り込んだわ。時間があれば解除出来ると思うけど、マヂカラが全部ゼクシーザに吸い取られてて、このコンピュータにも電波障害が発生してる...!」


ドゴォン!!

部屋の一部がショートし爆発した!


一善「!」

五百旗頭「...このままだとまずいわね」

一善「俺達も逃げた方が」

五百旗頭「あなたは逃げなさい。このままだと、私たち全員が焼け死ぬわ。ゼクシーザと戦闘中の皆にも伝えて。地上の子達には研究所内部の人間を避難させるよう伝えて」

一善「はい。だいたい了解です」

五百旗頭「?!」


ピッ!

一善「犬飼さん!僕と五百旗頭さんは無事です!ゼクシーザをコントロールする部屋にいます!今お手隙な方いませんか!」

『伊藤 : はい!私と第1支部の3人です!』

一善「(来てくれたのか...!)ありがとうございます!すみませんが、研究所内にいる人々を避難させるのを手伝ってもらいたいです!もうすぐこの島は崩壊しますので!」

『伊藤 : はい!了解です!』

一善「皆さんも気をつけてください!」


五百旗頭「ありがとう。じゃああなたも」

一善「僕は逃げませんよ」

五百旗頭「...?」

一善「逃げるなら、五百旗頭さんも一緒にです」

五百旗頭「あなた、この状況分かってる?私たち

かなり奥にいるのよ?逃げ遅れたら死ぬわよ?」

一善「死なせません。僕が」

五百旗頭「ダメよ。あなたも、皆も、死んで欲しくない。それは私のためにも、榊のためにもよ。あなた達が生きて帰ってくれないと、私の気が収まらない」


一善「僕たちも、あなたと同じなんです」

五百旗頭「...?」


ドゴォン!


部屋が炎に包まれていく...!


五百旗頭「まずいわ、早く解除しないと...!」


パシッ


一善「...」

一善は、五百旗頭の手を掴んだ。


一善「逃げましょう」

五百旗頭「...!」

一善「みんなの思いは一つ。あなたに生きていて欲しい。それが全てです」

五百旗頭「!!!」

 

────


第230話 「弾丸」

 

────


ゼクシーザの間》

百目鬼「...(なんかもうヤバそうだから、俺は先におさらばさせてもらうよ。あとは頑張りたまえ)」


パッ!


千巣「皆!左胸を中心に狙うんだ!あそこがあいつのウィークポイントだ!」

三太郎「おうよ!アニキ!」


全員総出で、ゼクシーザの左胸を攻撃する!


幸二「ゼクシーザがマヂカラを吸収し切る前に止めるんだ!!」

莉茉「うん!」

榊「フッフッ。ゼクシーザに殺されるか、島ごと沈んで死ぬか。皆してこんなに危険な橋を渡るとは、魔裁組も愚かだな。反吐が出る」

ジャ「危険な橋を渡ることは間違いじゃねぇ。その橋を渡る覚悟があっただけだ」

榊「何?」

ジャ「危険な橋を渡らねぇと、会えない人がいたもんでね...!」


榊「フッ。ならば三途の川を渡ればいいさ、あの女も、お前たちも...!やれ!」

ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!」


フワァーーーーー!!


赤い光がはるかと麗美を包む...!


はるか「ちっ...!」

麗美「光が...!」

はるか「くそ!動きが遅くなって上手く動けない...!」

麗美「...!」

三太郎「はるか!麗美!」

榊「フッフッ。まずは2人...!」

 

バァン!!

 

幸二「...」

幸二は、はるかと麗美にエレメントの弾を放った...!2人は光の外に弾き飛ばされた。

はるかと麗美はそれぞれ腕から流血した。


三太郎「!!!!」

ジャ「幸二...!」

美波「へ?!」

莉茉「...!」


幸二「悪い...!」

幸二は、2人を傷つけながらも、ゼクシーザの赤い光から2人を守ったのだった。


はるか「へっへっ...痛くねぇよ。サンキュ」

麗美「跡にならないといいけど。ありがと」


ジャ「(あの光の中に入ると恐らくスピードが遅まる。故に外から誰かが運びだそうとしても、その人まで遅くなる。だから、外から間接的に攻撃して光から2人を無理やり弾き出したのか...!)」


ピピッ!


『伊藤 : 全員避難準備出来ました!』

『一善 : では皆さんは先に退避してください!』

『伊藤 : はい!潜水艦一つ使って海域を出ます!』

幸二「一善!そっちは大丈夫なのか?」

『一善 : なんとか!』

 

 

 

ゼクシーザ制御室》

一善「もう炎がそこまで迫ってます!早くしないと!」

五百旗頭「これだけ...!これが出来れば、ゼクシーザの能力を全て無力化出来る...!」

一善「...!」

五百旗頭「だから皆に、早く逃げるように伝えないと...!」

 

────


第231話 「もういい」

 

────


ゼクシーザの間》


榊「お前たち!!もう諦めろ!!お前たちも私が望む平和の礎になれ...!!その命をゼクシーザに捧げるんだ...!」

はるか「やなこったー!」

莉茉「絶対にやるものか!」

榊「お前たちに勝ち目はないだろう!!フハハハハ!!!なのに何故諦めない?!」

幸二「まだ退けない理由があるからだ...!」

麗美「お前の野望はここで食い止める!」

三太郎「そしてなぎちんと帰るんだ!!!」


榊「あの女も、お前たちも、自身が望んでいる平和の犠牲となれるんだぞ?戦いは終わるんだ!これから起こる死は、尊い犠牲なのだよ!!」

ジャ「犠牲って言葉は、殺しの免罪符じゃねえぞ」

千巣「...!」

榊「...ガキがァ!」

ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!!」

 

『五百旗頭 : 皆!逃げて!』

 

一同「?!」

三太郎「なぎちん!!!」

ジャ「どうしたの?!」


『五百旗頭 : 今、ゼクシーザのプログラムを一部破壊したわ。もうこのゼクシーザは、魔法を封印できないただの殺戮兵器よ。でも、デストロイモードは解除できなかったから、このゼクシーザは数分後にマヂカラの供給に耐えきれず自爆するわ。だから!早く逃げて!』


はるか「ってことは...?」

莉茉「人はもう?」

美波「死なない!」

麗美「私たちは?」

三太郎「助かる!!!!!」


一同「やったーーーーー!!!!」


榊「!!!!(あの女...!!!!!!)」


ジャ「榊、お前の野望も潰えたな」

榊「...!!ふざけるな!!お前ら!!!!これでまた魔法の犠牲者が街に溢れる!!平和な時代がすぐそこまで来ていたというのに!!!お前たちはそれを邪魔するのか?!?!この人殺し共めが!!!」

三太郎「確かにな。平和な時代はまだ先かもな」

幸二「だが、お前が作ろうとしていた平和は偽りの平和だ。俺達は、平和な時代がやってくるまで、少しでも人々が悲しまないように、これからも戦う」

榊「そんなの綺麗事だ!!!また、善良な人間が恐怖の中で魔法に殺されるんだ!!!」

幸二「だから、お前にも善良な人間を殺させない...!」

ジャ「それにこいつらは、どんな綺麗事からも逃げないよ」

榊「...!!!」


すると、榊の前に幻影が見える...!


榊「...お前は...?」

佐久間 ”榊...もういいんだ”

榊「...?!」

 


”もういいんだ”

 


佐久間は優しく笑いかけた。

榊「...佐久間...お前...!」


ジャ「よし!皆!逃げるぞ!」

一同「了解!」

『安西 : 地下の入口付近に潜水艦つけてあるから!待ってるね!』

ジャ「あーどっちだっけ」

幸二「こっちですよ!」

三太郎「ちょっと待てよ」

一同「...?」


魔裁組一同は、ロスト・フロンティアからの脱出を図る...!!

 

────


第232話 「炎の中で」

 

────


ゼクシーザの間》

はるか「どうした三太郎!早くしねぇと!」

美波「皆死んじゃうよ...」

三太郎「1発でいい...あいつ殴らせろ」


ビュン!!!

榊「!!!」


バッコォーーーーーーン!!!


三太郎は、榊を殴り飛ばした!!

三太郎「...」

麗美「...」

莉茉「...」


三太郎「悪い...!待たせた!」

 

 

────

 

 

 


ボガァン!ボガァン!ボガァン!ボガァン!

 

 

 


ゼクシーザは、動きを止め、体の節々から爆発が始まっていく!

榊「俺は...間違っていたのか...?佐久間...?」

榊は、壊れていくゼクシーザと、燃え盛る風景を目に焼き付けながら立ち竦んでいた。


榊「もう終わりだ...」


榊は、炎の中へ消えていった。

 

《地下道》

一善と五百旗頭は、つのキングに乗って燃え盛る地下道を逃げ回っていた...!

一善「五百旗頭さん!捕まってください!」

五百旗頭「...!」


一善「つのキング!外への道、分かるか?」

つのキング「...」

一善「(無理もない...炎で右も左も分からない...!それに途中で柱が倒れていたりで上手く進めない...!)」


『安西 : 一善くん!渚!どこ?!返事して!』

『三太郎 : もう全員潜水艦に乗ったぞ!』

『幸二 : あとは2人だけだ!もう島ごと吹き飛んじまうぞ!』

『安西 : つけられるのはもって後5分!お願い!早く来て!』

一善「俺達はつのキングで脱出出来るので!先に行っててください!五百旗頭さんと必ず逃げます!」

『ジャ : 一善!!大丈夫か?!』

『三太郎 : わかってるよな!全員で必ず生きて帰るんだぞ!』

一善「大丈夫。必ず帰る...!」


ザザザザア...ブチッ


一善「(暑さでイヤホンが壊れた!早く逃げないと...!皆に心配かける...!)」

すると、五百旗頭が前方の影に気がつく。

五百旗頭「一善くん!前!」

一善「!!!」

つのキング「!!!」


そこには、ボロボロになった榊の姿があった。


五百旗頭「榊...!」

榊「ハァ...五百旗頭...」

一善「...」


榊「俺は間違っていたのか...?」

五百旗頭「...」

榊「ハァ...俺はお前と違って、ずっと独りでここまでやってきたんだ...」

五百旗頭「...」

一善「...」

榊「俺はただ...平和な未来を夢見てた善良な科学者だったはずなんだ...はずなんだよ...!」

五百旗頭「...」

一善「...」

榊「決めた...俺はここで死ぬ。お前たちもここで死ぬんだ」

五百旗頭「!!!」

一善「!!!」

榊「文句あるか...?」

五百旗頭「なら私だけ殺しなさい。私も共犯としてここで死んであげてもいいわ。でもこの子は逃がして。いいわね、榊」

一善「いえ、俺が良くないです」

榊「ハァ...この女はそう言ってるが...?小僧」

一善「させるわけないでしょ」

五百旗頭「あなたも頑固ね...」

一善「みんな頑固です」

榊「なら、俺とお前、勝った方がその女を好きにするってことで、どうだ?」

五百旗頭「...!」

一善「わかったよ。やるよ」

榊「フッフッ。そう来なくっちゃな...!」


一善は、エレメントの剣を構えた。

榊は、小さなナイフを震える手で握りしめ、一善に向かって走って襲いかかる...!

榊「ここで死ねぇ!!!」

一善「...!!」

 

ジ      ャ       キ       ッ      !!

 

一善は、一撃で榊を倒した。

一善「...!」

榊「...うん」

五百旗頭「(榊、あなた...)」

 


バタッ

 

────


第233話 「固唾」

 

────


《地下道》

バタッ


榊は、床に仰向けに倒れた。

五百旗頭「...!」

一善「...」

榊「フッ。フハハハハ...」

五百旗頭「...」

榊「最後の褒美をやろう...」

一善「?」

五百旗頭「?」


ピッ!


ドゴォン!


小規模の爆発により、一善らの後方の天井に穴が空いた。そこにはうっすらと日が差していた。

一善「これは...!」

五百旗頭「あなた...」

榊「早く行かないと...塞がるぞ」

一善「...!」

五百旗頭「あなたは...?」


すると、榊の真上の天井にヒビが入り始める。


榊「さよならの時間だな」

一善「!!」

五百旗頭「!!!」


ドゴォン!

ガーーーーーーン!!!

 

さっきまで榊がいた場所は、今はただ、瓦礫が積み上がっているだけだ。


五百旗頭「人間って...あっけないのね...」

一善「...俺達も急ぎましょう」

 

《潜水艦》

一同は、潜水艦背中のカメラから、崩壊していくロスト・フロンティアを見ていた。


ボガァン......! ボガァン......!


安西「...」

麗美「なぎちん...」

莉茉「一善くん...」

はるか「おいおい...もうやべえんじゃねぇの

...?」

美波「...!!」

千巣「...」

幸二「(五百旗頭さん...一善...頼む!出てきてくれ...!)」

三太郎は、首のマイクに呼びかける。

三太郎「一善!!なぎちん!!早く出てこいよ!!!皆、皆待ってんだよ!!!」

ジャ「...」


三太郎「全員で逃げるって決めただろ!!これじゃ、俺達笑えねぇよ!!!!!」


ボガァン......! ボガァン......!


犬飼「柴犬!!!!!五百旗頭さんを守ってくれ...!!!頼む...!!!」

安西「(渚...渚がいないと...私...!)」


全員固唾を飲んで沈んでいく島の映像を見ていた。


その時...!


ヒュルルルルゥゥゥ...!!


島の1箇所から、ロケットのように、空に向かって7色の煙が高速であがる...!


犬飼「何だ...!あれ...!」

ジャ「...!」

三太郎「おい!!!あれ!!見ろよ!!」

 

────


第234話 「ダイヤモンドの絆」

 

────


《潜水艦》

三太郎「おい!!!あれ!見ろよ!!」

幸二「!!!」

莉茉「あれ!七色玉の煙じゃない?!」

はるか「こっちに飛んでくるぞ...!」

麗美「一善くん...?」

美波「...!!!」

ジャ「ふっ。勝ったな」ニヤッ


『一善 : (ザザッ...)今、外に出ました...!五百旗頭さんも一緒です...!』


莉茉「!!」

麗美「!!」

はるか「!!」

幸二「!!」

三太郎「!!」

ジャ「...!」

美波「私たち...!」

 

 

一同「勝ったーーーーーーー!!!!!!」

 

 

《上空 / つのキングの上》

五百旗頭は、一善の後ろで、一善の腰に手を回し、周りを見る。

五百旗頭「...!風が強いわ」

一善「空を飛ぶのは?」

五百旗頭「初めてよ。こんな風にはね」

つのキング「ウォーーーーー!」

一善「悪くないですよね...」

一善は笑った。


五百旗頭「(綺麗な空...綺麗な海...)」

一善「やばい...!もうすぐマヂカラが切れます...!近くの島に降ります...!」

五百旗頭「うん。一善くんちょっといいかしら」

一善「はい...?」

五百旗頭は、一善の首のマイクを180度回して、一善のうなじに話しかけた。

一善「...!(くすぐったい...!///)」

 

ピッ!

五百旗頭「皆。ありがとう。本当に...ありがとう!」

 

五百旗頭は、首に飾った、ダイヤモンドのネックレスを片手で握りながら、そう言った。

 

《潜水艦》

はるか「なぎちーーーーーん!」

麗美「なぎちーーーーーん!」

莉茉「五百旗頭さん!!!!」

犬飼「五百旗頭さーーーーーーん!!!!!」

美波「これでまた、渚ちゃんと一緒にいられるんだね...!」

幸二「よかった...」

三太郎「なぎちん!!!!!!いいってことよ!!!!俺たち、仲間だしな!!!」

麗美「なんか...仲間って違和感ある」

はるか「おい三太郎!そりゃマンガの中の奴が言うことだぜ?!」

三太郎「いいじゃねぇか!じゃあ俺たちはなんだよー!」

ジャ「同居人とか?」

莉茉「ウケるw」

麗美「住んでんの男だけじゃん」

幸二「仕事仲間だろ」

三太郎「つまり仲間じゃん!!!」

幸二「いや仕事仲間と仲間は違うだろ」

美波「ま、まぁまぁ...」

『一善 : あのー誰かのマイクオンになってんだけど。丸聞こえ』

三太郎「おい一善!お前は俺たちなんだと思う?」

 

────


第235話 「笑おう」

 

────


《潜水艦────上空》

一善「うーん...普通に友達じゃん?」


三太郎「んーなんかお前普通だなー。俺たちはなんかこうさ、、死線をくぐり抜けた絆で結ばれてる訳じゃん?!」


一善「戦友とかは?!」

ジャ「ま、妥当なとこだね」

はるか「アリじゃね?」


三太郎「いや、俺たちは!!仲間だ!!」

幸二「はいはい...」


犬飼「なんかいいなぁ。俺もお前らみたいに戦いが出来ればなぁ...」

幸二「別に俺たちだけが仲間じゃないですよ」

ジャ「皆のサポートがないと勝てなかったしな!なぁ!犬飼!」

犬飼「うぅ...泣かせるじゃねえかお前ら...!って!!!犬飼”さん”だろうが!!!クソダルメシアン!!!」

一同笑う。


麗美「あれ、亜珠ちゃんは?」

犬飼「!!安西?!」

ジャ「あじゅにゃーん!!」

幸二「あ、あっちにいますよ」


安西は、隅っこで泣いていた。


はるか「どーしたんだよ!」

美波「亜珠さん...?」


亜珠「よかった...!無事でいてくれてよかった...!」

亜珠は涙を流した。


その手にはダイヤモンドのネックレスが握られていた。

 

《上空》

五百旗頭「さぁて。ここからの私は罪人よ。どんな裁きが待っているのかしら」

一善「大したことないと思いますよ?」

五百旗頭「でも、魔法協会を混乱させたのは私だから」

一善「でも僕は信じてませんでした」

五百旗頭「?!」

一善「事情が事情ですし、みんな分かってます。大きな罪にはならないかと。それに…」

五百旗頭「?」


一善「せっかく日常が帰ってきたのに、それを壊そうとする人がどこにいましょうか…?」

五百旗頭「…」

一善「胸を張って帰りましょう。みんな五百旗頭さんを待ってます」

五百旗頭渚「…」

一善「結果は変わらないんですから、今くらい、笑いましょう」

五百旗頭「ふっ…一善くん、なんかお兄さん見たい」

一善「!!僕が?!老けてるって意味でしょうか?僕はまだ20歳のピチピチボーイですよ?!」

五百旗頭「ふふふっ。なんか、掴めないわ。君」

一善「…笑」

 

SOREMA -それ、魔!- 28へ続く。

 

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第228話 「最終手段」

第229話 「頑固者」

第230話 「弾丸」

第231話 「もういい」

第232話 「炎の中で」

第233話 「固唾」

第234話 「ダイヤモンドの絆」

第235話 「笑おう」