SOREMA -それ、魔!- 28

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SOREMA -それ、魔!- 28


「Let's sing!」

 

────


第236話 「戦いが終わって」

 

────


ロスト・フロンティアの激闘から数日。

魔裁組の面々は、日常生活に戻った。

五百旗頭渚は、榊の脅迫行為に加担した罪で一週間の謹慎処分になった。その一週間の間に、五百旗頭は検査入院し、受けた傷の精密検査を行った。実働班のメンバーで動ける者はかわるがわるお見舞いに顔を出した。

 


一週間後、五百旗頭渚は業務に復帰。

 


ロスト・フロンティア島は、戦いによって地図から姿を消した。勤務していた研究員、警備員総勢26名は命に別状なく、送検された。魔法協会によって一ヶ月に渡る現場の海域の鑑識、探索が行われたが、人間の遺体は発見されなかった。そのため榊天慈は生死不明として処理された。

 

────


《第2支部 / 実働班ルーム》

三太郎「幸二が履術者になるなんてなーいいなー」

一善「新しい幸二がまた見れそうだね」

幸二「まだコントロールが上手くできないから、これからもっと練習しないと」

三太郎「なぁ!ちょっとここでやってみろよ!」

幸二「嫌だわ!」

一善「…笑」


《第2支部 / 研究室》

美波「やっぱり白衣が似合うね。渚ちゃんは」

五百旗頭「あら、ありがとう。今日はどうしたの?悪い所でも?」

美波「ううん。ちょっと話したいことがあってね」

五百旗頭「何かしら?」

美波「まぁ、正確には、”話したかった”ことかな」

五百旗頭「?」


美波「私ね、あの戦いが終わったら、実働班を辞めて、研究班に入れてもらえないかな?って思ってたの」

五百旗頭「!」

美波「ほら、私、戦いとか怖いし、力もみんなみたいに強くないし…」

五百旗頭「そうなの」

美波「でも、あの戦いで、少し皆の役に立てたかな…って思って、もう少し続けようかなって思ったの」

五百旗頭「なるほどね」

美波「で、でも!もし嫌になったら、その時は、研究班に、入れてくれる…?」

五百旗頭「ま、考えとくわ。遅刻癖が治ればね」

美波「さ、最近は遅刻してないもーん!」

五百旗頭「ふふっ。冗談よ。ありがとうね。本当に」

美波は微笑む。

 

────

 

《第2支部 / 実働班ルーム》

ジャスティンが白い紙袋を持ってやってくる。

ジャ「お!野郎どもおそろいで!」

幸二「お疲れ様です」

一善「任務帰りですか?」

三太郎「ジャスさん!何持ってんの?」

ジャ「質問が多いな!そう!任務帰り。魔導書のドロップはなかったけどね。そしてこれは…」


ジャスティンが紙袋の中から白い箱を取り出す。


ジャ「じゃじゃーん!ケーキでぇす!」

三太郎「お!!うまそーー!!」

三太郎が手を伸ばす。ジャスティンはその手をはたく。

パシッ

ジャ「ダメだよ!これは俺へのご褒美なんだから!今日一日頑張ったから!」

三太郎「ケチ!」

幸二「ケーキと言えば、もうすぐクリスマスですね」

一善「クリスマス…」

ジャ「…!」

 

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第237話 「人たらし」

 

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《第2支部 / 実働班ルーム》

幸二「そう言えば…クリスマスだったな、去年の…」

一善「うん…」


一善は、去年のクリスマスを思い出す。


三太郎「あれから一年経つのか…」


ジャ「今でも忘れないよ。あの時の一善の顔を」

一善「あの時はもう…」

幸二「…」

三太郎「俺も忘れないぜ!幸二の生意気なスカし顔な!」

幸二「だってお前うるさかったもん」

三太郎「俺は興奮してたんだよ!」

ジャ「ま、もうすぐ2人は魔法使い一周年ってわけだ。おめでとう」

幸二「…」フンッ

三太郎「あぁ!これからも俺は魔者を狩って狩って狩りまくるぞ〜!!」

一善「ありがとうございます。僕も頑張ります」

三太郎「一善は相変わらず薄味だなぁ!」

幸二「お前が濃すぎる。これくらいでちょうどいい」

ジャ「ま!今年のクリスマスはさ、パーっとやろうぜ!パーっと!」

三太郎「お!ジャスさんなんか企画してよ!」

ジャ「実はもう声掛けてるぜ…!」ニヤッ

 

────

 

《第2支部 / 研究室》

美波「そう言えば渚ちゃんはさ、クリスマスパーティ来る?」

五百旗頭「クリスマスパーティ?」

美波「あれ、ジャスティンさんから聞いてない?クリスマスパーティやるんだって」

五百旗頭「研究班でも集まる予定だから、夕方くらいまではそっちに行くけど」

美波「あ、そうなんだ!こっちは夜からだけど、なんか楽しい事やるらしいから、終わったら来なよ!」

五百旗頭「気が向いたらね」

 

 

そして、クリスマス当日────

 


《第2支部 / 実働班ルーム》

一善は、スマホでゲームをしていた。


ガチャッ!


はるか「お!一善!早いな!まだクリパまで結構あるぞ?」

一善「まぁ、どうせ暇なんで」

はるか「彼女居ないのか!一善意外とモテそうだなら長く付き合ってる彼女とかいそうだと思ってたけどな!」

一善「そういうはるかちゃんは何してんの?」

はるか「ヒマなんだよ!!でも街でボッチで歩いてみろ!?寂しいだろ?今日もスカイツリーカップルだらけ!マジで無理!TinderでもPairsでもマッチングしねぇしよ!マジで彼氏欲しいーーー!!」

一善「は、はぁ…」

はるか「なぁ!!おい!!一善!!私の何が悪いんだよぉ!!教えてくれよぉ!!!」ユラユラ

一善「…!とりあえず、落ち着いて…!ね!」

はるか「…わりぃ」


一善「別に悪いところなんてないよ。正義感強いし、逞しいし。だからそのままで自分が正しいと思うように生きていれば、きっとはるかちゃんの良さに気付いてくれる人が現れるよ。ね?」

はるか「…!///」ポワッ…

一善「…?」


はるか「ほ、褒められても嬉しくねーぞ!この人たらしがー!!!」


バタッ!!


はるかは去っていった。


一善「(何か悪いこと言ったかな…?)」

 

────


第238話 「女の子達」

 

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《第2支部 / 実働班ルーム》

一善は、スマホのゲームを続ける。


ガチャッ!


莉茉「やぁ。一善くん」

一善「莉茉さん!」

莉茉「ここいい?」

莉茉は指でトントンと、一善の向かいの席を指す。

一善「…はい」


莉茉は、席につくと、両手で頬ずえをついてじーっと一善を見つめる。


一善「な、なんですか?」

莉茉「彼女とかいないの?今日クリスマスだけど」

一善「いませんけど」

莉茉「なーんだ。ま、ここでツムツムやってるくらいだからそりゃそっか。若いのに勿体ない」

一善「お母さんみたいなこと言いますね」

莉茉「一善くんも私のことお母さん扱いする訳ー?!聞いてよ!あの生意気三人娘は私のことを本当にお母さんだと思ってるのよ!洗濯してよとか、朝起こしてとかさ!なんなのよ!はるかは洗濯してもシワが残ってるとか文句つけてくるし、美波はいくらモニコしても起きないしさ!なんなの!本当!」

一善「それ、莉茉さんが優しすぎるだけですよ」

莉茉「あら、褒めてくれるの?嬉しい♥」

一善「そういう莉茉さんは、彼氏とかは?」

莉茉「私?私恋愛とか向いてないのよ。なんか、自分がダメになっちゃう気がしてね」

一善「もったいないですね」

莉茉「ははっ。返された」

 


ガチャッ!

 


美波「あ…!」

莉茉「あ、あ…!」

一善「美波ちゃん」


莉茉はスっと立ち上がった。


一善「どっか行くんですか?」

莉茉「ちょっとコンビニ行ってくるね」

美波「あわあわ…」

莉茉は、その場を去った。


一善「…?」

美波「一善くん…何してるの?」

一善「ツムツムだよ」

美波「ツムツム!昔私もやってた!ハート送ったりするやつね!懐かしい!」

そう言いながら、美波は莉茉が座っていた席に座る。

 

一善「そうなんだ!皆やめちゃったからなー確かに」

美波「一善くんは…その…彼女とかいないの?」

美波は、真っ直ぐ一善を見つめる。


一善「いや、いないよ?」

美波「そ、そうなんだ…」

一善「うん…」

美波「好きな人とかは…?」

一善「うーん。いないかなぁ」

美波「そうなんだ…」


・・・


一善「そ、そういえば!俺が倒れてる時、何回も助けてくれてありがとね。いつも感謝してる!」

美波「い、いや!それくらいしか私には出来ないから…!」

一善「凄いよね。俺も教わりたいくらい」

美波「一善くんならすぐ出来ると思うよ…!」

一善「いやでも美波ちゃんはずば抜けてるって!」

美波「そうかな…」


プルルル…! プルルル…!


美波「あ!お母さんから電話だ!」


美波は席を外す。

 

────


第239話 「家族」

 

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《第2支部 / 魔裁組》

美波「大丈夫だって!1人じゃないし!終電までには帰るって…!」


美波は、母と電話をしながら支部を出た。


ガチャッ!

 

そこへやってきたのは、ヒメだ。
一善「!!」

ヒメ「あ、一善くん」

一善「ヒメちゃん!久しぶり!」

ヒメ「久しぶり!なんか大変だったみたいだけれど…」

一善「うん。ありがとう。ヒメちゃんは今日は仕事?」

ヒメ「なんか善能寺さんに言われて来たの…ジャスティンさん?って人が呼んでるって」

一善「え?ジャスティンさんが?(ってことは…!)」

ヒメ「でも早く来すぎたわ…ちょっとコーヒーでも飲もうかな」

一善「あ、コーヒーの入れ方分かる?向こうに機械あるから!」

一善は、立って、ヒメにコーヒーを入れる。

ヒメ「ありがとう」

一善「砂糖とミルクは?」

ヒメ「ブラックでいいかな」


2人はコーヒーをすする。


ヒメ「聞いたわ。一善くん、今日で魔法使いになって1年なんだってね」

一善「まぁね。魔法が使えるようになったのは”あの日”からだけど」

ヒメ「私今でも覚えてる。泥だらけのシャツでお母さん〜って叫ぶ一善くん笑」

一善「恥ずかしいなぁ」

ヒメ「あの時、人に慣れてなくて…今でも同世代の友達居ないから、あんまり変わってないんだけど」

一善「あの時は親切にしてくれてありがとう。あそこに住んでたの?」

ヒメ「今もあそこに住んでるわ。ほら、あそこ安心じゃない?海が近いから、魔者も出ないのよ」

一善「そうだね」

ヒメ「私の親がそこに住まわせたらしいんだけど、私は親戚のお姉さんに育てられたから親の記憶はないんだけどね」

一善「そうなんだ!」


ヒメ「てかごめんね。私の話ばっかりして。一善くんのお母さんは、どんな人だったの?」

一善「全然いいよ!俺のお母さんは優しくて、強いお母さんだったな。少し抜けてるとこもあったけど。大事なことを忘れてたり笑」

ヒメ「そうなんだ笑きっといいお母さんだったんだろうな…」

一善「俺はお母さんの事大好きだったからなぁ…」

ヒメ「もしかして…マザk」

一善「それ以上言わないで!」

ヒメ「ふふふっ笑」

一善「…笑」

 

────


第240話 「クリスマスパーティ」

 

────


《第2支部 / 実働班ルーム》


そして、夜になった。


ジャ「うぇーーい!!みんな集まってるかーい!?」

三太郎「いえーーーい!!!クリパ!!!クリパ!!!」

はるか「肉食おうぜ!肉!」

幸二「……」

一善「あはは笑」

莉茉「楽しみね」

美波「うん!」


ヒメ「…」

はるか「あのさ、さっきからそこにいるその可愛い子、誰だ?」

ヒメ「…!」

ジャ「紹介します!!!久品ヒメちゃんです!!!」

ヒメ「皆さん…初めまして…久品ヒメです…」

莉茉「新入りの子?」

ヒメ「あ、いえ、私は…」

一善「ヒメちゃんは、追憶調査を手伝ってくれてる履術者で、僕達魔裁組を陰からいつも支えてくれてたんだ」

幸二「……!」

美波「そうなんだ…!」

三太郎「俺!三太郎!!!よろしく!!!」

三太郎は、右手を出した。


ヒメ「よ、よろしくお願いします」

三太郎「(かっかわいい…手がすごく綺麗だ…///)」

一善「皆にはタメ語でいいよ」

三太郎「んだんだ!」

ヒメ「うん…ありがと」

ジャ「一善とは同い年なんだよね!」

一善「そうです!」

はるか「じゃ私たちともタメか!」

ジャ「みんな、仲良くしてあげてね!」

莉茉「よろしくね、ヒメちゃん!」

ヒメ「よろしくお願いします」


ジャ「よし、じゃあ行くか!」

はるか「え、行くって?」

三太郎「これからクリパじゃねぇの?」

ジャ「そうだけど、会場はここじゃない。ちゃんと会場は決めてあるのさ」ドヤ!

 

────

 

《渋谷 / 松濤》

麗美「(おっせーな。皆何してんの…!?)」

 

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第241話「豪邸」

 

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《第2支部 / 実働班ルーム》

ヒメ「あの…私も行って良いんでしょうか?」

ジャ「当たり前じゃない!そのために呼んだんだから!」

ヒメ「は、はぁ…」

一善「ヒメちゃんは嫌じゃない?そうじゃなければ行こうよ!」

美波「…」

ヒメ「私は…友達とかあんまいなかったから…ちょっと行ってみたいかも…です」

一善「決まりだね!」

三太郎「皆で楽しもーぜ!」

ヒメ「はい…!」


莉茉「そういえば麗美は?」

はるか「まさかアイツだけ抜け駆けかァ…?!」ゴゴゴ…

ジャ「あいつは先に”会場”にいるから」

莉茉「ふーん」


そして、一同は、魔法協会が手配した車に乗り込む。


1号車(助手席 ジャ 後部 は三幸)

ジャ「場所わかる?」

運転手「はい。何度も訪れていますから」

ジャ「だよね」


はるか「おいおい、どこへ行くんだろうな」コソコソ

三太郎「分からねぇ。まさか、この期に及んで特訓とか言わねぇだろうな?」コソコソ

はるか「それだったら私帰るぞ?」

三太郎「俺も帰るわ!」

幸二「…(狭い…)」


2号車(助手席 一善 後部 美ヒ莉)


莉茉「ヒメちゃんは、いつから履術者なの?」

ヒメ「5歳のときです」

美波「そんなに昔からなんだ!すごいね!」

ヒメ「でもあんまりその時のこと、覚えてないですね」

莉茉「タメでいいよ?本当に」

ヒメ「なれたら、徐々に…笑」

一善「…笑」


そして車は、閑静な住宅街に入って止まった。


《渋谷 / 松濤》


バタッ


一同は車を降りる。すると、巨大な家が一同の目に入る。


三太郎「こ、これは!!!」

はるか「豪  &  邸!!!!」


ヒメ「お洒落…」

一善「凄いお家だな。でもなんでここに?」

ジャ「ここが会場だよ」

一善「え!でも家ですよねここ?」


莉茉「ん?表札にSORAMIって…」

美波「もしかしてここって…」


ガチャ!


麗美「遅い…!どれだけ待たせるの!」

ジャ「いや、5分しか遅れてないけど?」

麗美「いいから早く入って」


三太郎「え、ここって!」

一同「麗美の家ーーーー?!?!」

 

────


第242話 「宴の始まり」

 

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麗美の家》


一同「お邪魔しまーーーーーーーーす!」


莉茉「すごい!お城みたい!」

美波「家具がお洒落…!」

三太郎「わーピアノだ!弾いていいか!」

麗美「まず手を洗え。向こうで」

はるか「え、三太郎ピアノ弾けるのか?」

三太郎「ちょっとだけ!」

はるか「ギャップやん」


ジャ「へぇ〜めっちゃ広いじゃん」

幸二「初めてですか?」

ジャ「俺はね。幸二はあれか」

幸二「何回か来たことあります」


ヒメ「麗美ちゃん!」

麗美「あ!ヒメちゃん!!」

一善「え、2人は知り合い?」

麗美「私の家、魔法教会と強いパイプがあってさ。善能寺さん繋がりでね、子供の頃に何回か会ったことあって」

ヒメ「久しぶりだね!元気そうでよかった!お邪魔します!」

麗美「会えてよかった〜今日は楽しも!」

ヒメ「うん!」

 

一同は客間に案内される。


三太郎「めっちゃ広い!!!」

はるか「チキン!!!!チキン!!!!」

ジャ「お!カラオケもある」

三太郎「マジか!!!!」

莉茉「すっごい部屋だね」

美波「ご飯全部美味しそう…」


一善「これ、全部麗美ちゃんが?」

麗美「そんな訳笑。雇ってるシェフがほとんど作った」

一善「シェフ!!」

ヒメ「チキンにサラダにお寿司まで…!」

三太郎「クンクン…あとカレーの匂いもするな!全部食ったろ!!」

麗美「アンタは肉でも食ってろ!!」


一同は席に着く。


召使い「麗美お嬢様。お食事の準備は全て終わっておりますが、シャンパンをお持ちしてよろしいでしょうか?」

麗美「うん。お願い」


美波「美味しそうーーー!」

はるか「まだ食べちゃだめか?」

三太郎「俺も早くくいてぇー!」

幸二「まぁ落ち着け!」

一善「(ウインナーある)」

ジャ「さぁ、楽しいパーチーの始まりだぜ!」

 

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第243話 「乾杯」

 

────


麗美の家》

シュワシュワシュワ…


召使い「こちらフランスはシャンパーニュ地方原産のローラン・ペリエ グラン シエクルでございます」

一善「ありがとうございます」

召使いは、シャンパンを注いで回った。

ジャ「あ、俺は少しでいいです」

一善「ジャスティンさん下戸ですか?」

ジャ「いやさ、魔者が出たら行かないとだし」

一善「あぁ…確かに」

ジャ「ここは空見家、魔者が出たら連絡くれると思うし、ヘリあるからいつでも行けるし」

一善「ヘリ!」

ジャ「ま、外雪だし、大丈夫だとは思うけどね。皆は気軽に楽しんでよ!俺と姐さんがやるからさ」

一善「ありがとうございます」

はるか「え、雪ふってんの?!」

三太郎「確かにさっきまでは降ってなかったぞ?」

ジャ「ホワイトクリスマスってことだね」

 

《第1支部 / 鬼屋敷の部屋》


そのころ、鬼屋敷はNetflixで韓流ドラマを見ていた。

鬼屋敷「ハッハッハッ!この子おっかしぃわね〜ハッハッハッハッ!」

 

────

 

麗美の家》

麗美「みんなグラス持った〜?」

莉茉「うん!」

三太郎「乾杯しようぜ!!!」

はるか「ジャスティン!音頭音頭!」

ジャ「ん゛ん゛ん。えー皆さん、今年1年お疲れ様!そしてメリークリスマス!乾杯!!」


一同「かんぱーーーーーーい!!!」


グラスの当たる音が響き渡った。


莉茉「麗美も家貸してくれてありがとうー!」

三太郎「ありがとな!」

麗美「いいっていいって」


ヒメ「素敵な人達ね。最初、怖い人達なのかなって思ってたけど」

一善「そうなの?」

ヒメ「いい意味で、素朴って言うか、普通の年頃の男の子と女の子って感じ」

一善「あはは。そうだね」


はるか「麗美檸檬堂ないの?」

美波「私ほろよい!」

麗美「ここはコンビニか!」

三太郎「俺ビール!幸二は?」

幸二「……」

三太郎「ぷはっ!!www幸二、顔赤!!!」

はるか「幸二酒弱かったっけ?」

幸二「…赤くなるだけだ!俺氷結あれば…!」

麗美「ハァ…お嬢様の家にそんな飲み物あると思ってんのかね」

はるか「確かに」

三太郎「ないのか?じゃあコンビニで買ってくるか?」

麗美「買っといたわよ!」

一同「有能!!」

 

────


第244話 「追加メンバー①」

 

────


麗美の家》

プハーーーー!

それから、一同は飲み食い続け、2時間が経とうとしていた。


三太郎「がぁぁぁぁうんめぇなぁぁ」

ジャ「さんたよう!!のめのめぇ!」

一善「(結局飲んでんじゃねぇか…)」トホホ

幸二「…………トイレ!」バタッ!

はるか「うめぇ!うめぇ!肉うめぇ!」バクバク!

 

莉茉「そしたらさ、もうやってけないって」

麗美「いやそれは半分莉茉っちが悪いよ。言わないとわからんでしょ」

莉茉「でもさぁおかしくない?普通そっちが正すだろ。自分のことくらい自分でやれや!」

麗美「まーまーまー。お代わりいる?」トプトプトプ…

莉茉「今日は飲むぞー。てか麗美は?今どんな感じなの?」

召使い「お嬢様、ちょっとよろしいでしょうか

麗美「ん、あ、ごめん莉茉っち。ちょっと」

麗美は席を立った。

 

────


美波「うー一善くんーーちょっと酔っ払っちゃったかも…うーー」

ヒメ「美波さん、大丈夫ですか?吐き気とかない?」サスサス…

一善「大丈夫?ちょっと、水貰ってくるね!」

美波「……」

 

────

 

麗美「どうしたの?」

召使い「3名ほどお連れ様が」

麗美「!!」ドキッ…!


麗美は、外を覗いた。

麗美「あ、入れて」ホッ

召使い「承知しました」

麗美「よろしくー」

召使い「あ!あと!」

麗美「?」

召使い「お嬢様がお作りになったカレーがもう無くなってしまいまして」ゴニョゴニョ…

麗美「ハァ〜〜〜?!」

 

────


ガチャ…


五百旗頭「やっほー」

安西「研究班のパーティ終わったから来ちゃいました!お邪魔します!」

犬飼「すっげえ家だな〜!」

はるか「あ!!なぎちん!!あじゅちゃん!!」

三太郎「2人とも!!!」

犬飼「俺もいんだけど?!」

ジャ「あは〜みんなぁ〜」

五百旗頭「出来上がってるわね」

安西「あ、あははは」

犬飼「俺たちもう食ってきちゃったけど、大丈夫か?」

はるか「じゃあさ!皆でカラオケしない?!」

莉茉「カラオケ!やりたい!!」

犬飼「カラオケ!!!ありだな!!!」

麗美「じゃあセット持ってくるから待ってて」

 


三太郎「いやっほーーー!!!カラオケだぁ!!!」

 

────


第245話 「Let's sing!」

 

────


麗美の家》

三太郎「でもよーー、カラオケっつったってどうせあれだろ?あんま最近の曲ないやつ」

はるか「わかるわかる!なんか本から数字探して入れるヤツな!」

美波「あれはあれで面白いけどね」

麗美「は?なめんなし」


ドン!


麗美は、DAMデンモクを5つと、人数分のマイクを見せつけた。

一同「ガチ!!!」


一善「1曲目歌う人ー」

犬飼「俺歌いたい!!」

三太郎「バカヤロー俺に決まってんだろ!!」

犬飼「うるせぇ」ピッ

三太郎「あ!」


犬飼はマイクを握った。

犬飼「夢な〜らば。ど〜れ〜ほど〜」    ピッ

一善「あ」

安西「(止まった)」

犬飼「っておい!!誰だよ止めたやつ!!!」

三太郎「俺はこれっと」 ポチッ

莉茉「あ!この歌好き!」


三太郎「これから歌う曲の内容は〜僕の頭の中〜の〜こと〜♪」


はるか「え?三太郎上手くね?」

美波「上手!!」

犬飼「(くそ…!無駄に上手くてみんな聴き入ってる!止めたら殺されそうで止められない!)」


麗美「なぎちんなんか飲む?」

五百旗頭「そうね。冷酒とか?」

麗美「そうこなくっちゃ」


はるか「次は私入れるぜ!誰か一緒に歌おうぜ!」 ピッ

莉茉「あ!これ私も歌いたい!!」


はるか・莉茉「強く〜なれる〜理由を知った〜♪」

美波「さよならはあなたから言ったそれなのに〜♪」

安西「あ〜〜〜テトラポット登って〜♪」

犬飼「夢な〜らば。ど〜れ〜ほど〜」  ピッ 「おい!」

ジャ「別にき〜みを求めてないけドゥ♪」


一善「ヒメちゃんは、なんか歌わないの?」

ヒメ「私あんまり音楽聞かないから…聞いてるだけでいいわ。楽しいし」

一善「そっか。あ、麗美ちゃんは?さっきから色々運んでて大変そうだし、変わろうか?」

麗美「私はちゃんと歌うわよ後で。一善くんこそ歌いなよ」

一善「そ、そっか。ありがとう」


三太郎「はい、次お前の番だろ」

一善「あ、ありがとう…」

 

────


第246話 「歌姫」

 

────


麗美の家》

一善「何にしようかな…」

一善は、月間ランキングから曲を決める。

一善「これでいいや」 ピッ

はるか「お!いいねぇ!」


一善「あ〜い〜たいと思う回数が あえな〜いと痛いこのむ〜ねが〜♪」


それから、一同は歌い明かした。


莉茉「い〜いこ〜とば〜かり〜じゃな〜いか〜らさ〜♪」

犬飼「好きだよと〜伝えればいいのに〜♪」

はるか「ほ〜ら!あ〜な〜たに〜だ〜け と〜どいて〜ほ〜し〜い♪」

五百旗頭「きゃんゆせれぶれ〜い きゃんゆきすみ〜とぅなぁい♪」


幸二「バァ…!」

突っ伏していた幸二がむくっと赤い顔を上げた。

三太郎「あ、お前も歌うか?」

幸二「マイク貸せ!」バシッ

一善「お」


幸二「な つ が は じ マ⤴︎︎っ タ ハ イ ず が し たァ〜♪」

一同「(めっちゃ下手くそ!)」


麗美「そろそろ歌おうかしら」

はるか「お!本命登場!」

五百旗頭「なに、空見さん上手いの?」

美波「麗美ちゃんすごい上手だよ!」

はるか「ねぇねぇ!これ歌ってくれよ!」ピッ

麗美「はいはい」

三太郎「え?これめっちゃムズいぞ?」


麗美「沈むように〜溶けていくように〜♪」


一同「おぉぉぉぉぉ!」

三太郎「うっっっま!!」

一善「上手だなあ」

莉茉「麗美が歌うと全部麗美の曲に聞こえてくるのよねー」

一善「ですね」


麗美「ふぅ…」

一同「ヒューヒュー!」パチパチ

ジャ「よ!魔裁組の歌姫!!」

はるか「後であれ歌ってくれよ!後あれと、あれと…!」

三太郎「後でデュエットしようぜ!!!」

麗美「はいはい」


召使い「お嬢様。またお連れの方が」

麗美「…!」ドキッ

 

SOREMA -それ、魔!- 29へ続く。

 

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クリスマスパーティーはまだまだ続くよ★

 

第236話 「戦いが終わって」

第237話 「人たらし」

第238話 「女の子達」

第239話 「家族」

第240話 「クリスマスパーティ」

第241話 「豪邸」

第242話 「宴の始まり」

第243話 「乾杯」

第244話 「追加メンバー①」

第245話 「Let's sing!」

第246話 「歌姫」