SOREMA -それ、魔!- 25
SOREMA -それ、魔!- 25
「片翼の悪魔」
~~~~~~~~~~~
★ロスト・フロンティア編 現在の戦況★
〇メインストリート
伊藤、村松、九頭龍坂、虎走
vs 1000体のロボット
〇地下道
ジャスティン vs KANI , USHI
ジャスティン逃亡(?)中
三太郎、幸二、莉茉、はるか、麗美、移動中。
〇廃工場
一善 vs TORA
美波、戦闘不能。
〇LF近海
安西、犬飼らが潜水艦にて待機。
〇その他
榊、覚醒。ゼクシーザの元へ
ゼクシーザは地下に眠る。起動まであと1時間。
~~~~~~~~~~~
────
第212話 「可能性」
────
《地下道》
ジャスティン、KANI、USHIの追撃から逃走中。狭い地下道を3人は高速で進む…!
KANI「おい!!俺たち残り3人になっちまった!!」
USHI「(HACHIもやられたか...!)」
KANI「どうする?俺達も別れるか…?」
USHI「いや、あいつを1人で殺れるか不安だ…せめてあいつを倒してから」
KANI「俺なら1人で殺れるぜぇ!」
USHI「いや、あいつ、まだ何か隠してる…!」
KANI「ごちゃごちゃ言うな!お前は向こう行ってろ!!片付けてやるぜぇ!」
キキィ…!!
ジャスティンは急停止する!
KANI「!!」
USHI「!!」
ジャ「仲間割れかな?」
USHI「ちっ!アタックコマンド…!」
ジャ「遅いな…!」 パチン!
ジャスティンは、指を鳴らした。
すると、ジャスティンが通ってきた道筋をなぞって、エレメントの光が乱反射した!!
KANI「うわぁぁぁ!!!」
USHI「!!!!!」
ジャ「白のエレメント…スノウジェム。スペシャルバージョン」
KANI「くっ…な、なんだ?」
USHI「!!カメラだ!」
ジャ「ほほう。気がついたか」
USHI「…!(おそらくこの男は、道を通る時にカメラにマヂカラが反射するよう細工をしてたんだ…!そして、その筋通りに攻撃を放った…!)」
ジャ「ま、本当は追手対策だったんだけどねぇ…君たちが強くて驚いたよ…まさか敗北を喫することにはなるとはねぇ」
KANI「ははっ!兄ちゃんが大したこと無かっただけじゃね?!」
ジャ「言ってくれるね。結構ハートブレイク気味なんだけど」
USHI「てかさ、なんでそんなに負けて余裕そうなんだよ…」
ジャ「これから勝つから」
USHI「やっぱりこいつ…危険だよ…」
KANI「どーせ口だけだろ!ま!楽しければなんでもいいけどよ!!」
USHI「アタックコマンド…憂薙牛(うなぎゅう)…!!!」
USHIは、片手をキャノン砲に変化させ、光線を放つ…!!
USHI「ぶっ飛べ!!!」
ドッガーーーーーーーーーーン!!!!
KANI「勝った!勝ったぞ!!!」
シュウゥゥゥ…
USHI「いや…まだだ…」
ジャ「こういう感じね」
USHI「(どうしよう…!あの技が防がれた…!)」ガタガタ…!
KANI「おいお前!狼狽えるな…!大丈夫大丈夫!」
ジャ「ふっ。そうかな?」
KANI「あん?!」
ジャ「(俺は...気づいてしまったようだぜ...己の可能性に...!)」
USHI「...!」ガタガタ...
ジャ「さっきまではだらしなくて悪かったよ。でも今の俺は…3人でも4人でも倒せそうだ…!」
USHI「?!」
KANI「?!」
ジャ「見せてやるよ…”エレメントの覚醒”を」
ボワァァァァァ!
────
第213話 「嘘から出たまこと」
────
────回想、5年前────
《第2支部 / 実験室》
黒髪のジャスティンと五百旗頭。
テーブルには空になった注射器が置かれている。
ジャ「五百旗頭さん。僕はなれたんでしょうか?魔法使いに…」
五百旗頭「ジャスティンくん。正直に言うと────」
ジャ「そ、そんな…!」
五百旗頭「ごめんなさい…私の実力不足で」
ジャ「悔しいですけど…自分で志願したことですから」
五百旗頭「私も悔しい…!」
五百旗頭は涙を流した。
ジャ「五百旗頭さん!僕!」
五百旗頭「…?」
ジャ「僕、もう少し足掻いてみます。可能性は0じゃないんですよね?なら、魔法使いになった自分をイメージし続けます!五百旗頭さんの研究を無駄にはしない…!」
五百旗頭「…!」
ジャ「想像(イメージ)をやめてしまったら、死ぬのを待つだけだ。そんな人生、僕は嫌だから…!」
────回想終わり────
《地下道》
ジャ「(白のエレメント…ははっ。そんなのただの”ハッタリ”なんだよ…だけどね…俺のイメージは、現実を変えられる…!)」
USHI「な、なんだ。体全体から白い閃光が…!」
ジャスティンの周りに、白く迸る光が顕現した!
KANI「なはっ。面白そうだな」
USHI「油断するな…!」
ジャ「なぎちん…どうやら俺は、”成ってしまった”みたいだよ?なぎちんの最高傑作に…!」
KANIが殴り掛かる!
KANI「アタックコマンド!情熱愛蟹(ドラマチックラブ)!!」ドゴォン!!
バッッッッッ!!!!
ジャスティンは、KANIの攻撃を片手で払った…!
USHI「(か、片手で…!)」
ジャ「君もやってみなよ」
USHI「くっ!!アタックコマンド…殻牛(からぎゅう)!!!」バババババ!!
USHIは、手のキャノンから、ガトリング砲を繰り出した!
ジャ「!!!」
ジャスティンは、右足を思いっきり上にあげた!
USHI「…?!」
バ キ ッ !!!
ジャスティンが、足を地面に振り下ろすと、地面からオーラが放出され、USHIの攻撃を防いだ…!
USHI「(防がれた…!あいつ、マヂカラをあんなに使っているのに…!まだ余力があるのか…!)」
ジャ「俺は覚醒の扉を開けたのさ…エレメントを使い切りかけた時、体はマヂカラを渇望する…それがトリガーだ。その0.1秒にも満たないサインと併せて、体全体の扉を開く…すると、普段では制御出来ない程のエレメントが体に憑依する。湧き出ると言った方が正しいのかな?人間の体ってのは、ピンチの時にこそ真価を発揮するように出来てるのさ…!」
KANI「ごちゃごちゃわからんわ!!」
USHI「この男の現時点でのマヂカラの量は、戦闘開始時よりも遥かに大きい!まずい…!ここで仕留めなければ…!」
KANI「アタックコマンド!!残虐愛蟹(サディスティックラブ)!!」ドゴォン!!
ジャ「白のエレメント…!白日の雹…!!」
ザザザザザ…!!!
KANI「ぐわぁぁぁ!!!」
USHI「うわぁぁぁぁ!!!」
────
第214話 「鎮魂歌(レクイエム)」
────
《地下道》
ジャスティンは、覚醒したエレメントの能力によって、KANIとUSHIを追い詰める!
ジャ「白のエレメント…!イエティの鉄槌!!」
KANI「ディフェンスコマンドォ!家屋愛蟹(ドメスティックラブ)!!!」ガチン!!!
ビリビリィ!!!
KANI「俺の殻は破れねぇ!!」バチバチィ!!!
ジャ「さて、どうかな」バチバチバチィ!!!
USHI「アタックコマンド…!!」
ジャ「邪魔をするなァァァァ!!!」
ボワァァァァァーーーーーーーーン!!!!!!
ジャスティンを中心に、強いオーラが迸る…!!!
USHI「うわぁぁぁぁ!!!」ドッガーーーーーーーーーーン!
KANI「!!!」ピキピキッ!!
オーラによって、前後左右の壁は耐えきれず大破、爆発が爆発を呼び、辺りは地獄絵図と化した…!
ジャ「貫け!!!鉄槌!!!!!」
グシャッッッッッ!!!
ドッガーーーーーーーーーーン!!!!!
KANI「あ゛ぁぁぁぁ」!!!
KANIは、地面に陥没した。
KANI「あ…あぁ…あぁ…」
ジャ「よし、一匹駆除った」
KANIは一匹の蟹となってのびていた。
USHI「(やばい…どうしよう…僕一人だ…!)」
コツ…コツ…
ジャスティンはUSHIに迫り歩く。
USHI「来るな!こっちに来るな…!」
ジャ「...うーん。さっきのやつ、狙って出せるもんじゃないな。でも慣れれば、千巣さんの”唐紅”みたいに使えそうだ…」ブツブツ…
ジャスティンは、独り言を言いながらUSHIに近づく。
ジャ「技名はそうだな…”月白”とか良くない?笑」
USHI「やめて…」
USHIは、後ずさる。
ジャ「おいおい。君も楽にしてあげるからさ、こっちにおいでよ。一瞬だから…」
USHIは、尻を地面について、慟哭した。
USHI「やめて…!!!やめてくれ…!!」
ジャ「可哀想な子牛だ。狩る側から、狩られる側に回るなんて...そして飼い主にはもっと痛い目に見せてあげないとな」
USHI「…!!」
ジャ「今ならどんな技でも使い放題なんだ。だから…」
USHI「…!」
ジャ「最大火力で、葬ってやる」
USHI「!!!!」
ジャ「白のエレメント…!!」
USHI「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ジャ「天獄のレクイエム!!!!!!」
ドッッッッッ ガァーーーーーーーーーーン!!!!
────
───
──
《地下道 / 三太郎サイド》
ドゴォーーーーーーーン!
三太郎は扉を蹴破り、大きな地下室へとたどり着く!
三太郎「!!!!!!!」
すると、三太郎の目の前には、巨大な繭の様な物体と、1人の男の姿が見えた。
三太郎「あ!!!アニキ!!!」
千巣「あ!三太郎!今やべえんだ。助太刀してくれないか?」ドン!!
────
第215話 「破壊の繭」
────
《ゼクシーザの間》
三太郎「アニキ、なんだよ!このバカデカい部屋と、その不気味な塊は!」
千巣「これが恐らく奴らが言う破壊兵器だ。マヂカラの量が尋常じゃない」
三太郎「確かに、プンプンする!」
千巣「三太郎、こいつになるだけダメージを与えるんだ。塊の上部を見てみろ…!」
三太郎は、赤黒い繭の様な塊の上の部分を見た。
千巣「恐らく、この塊は本体じゃない。上の部分からは中の本体が少し見えてる。さっきから少しずつ殻を破り始めてるから、もうすぐ覚醒するかもな」
三太郎「って!覚醒したらどうするんだよ!」
千巣「さぁな。おれもこんなデカブツ相手にしたことないからな」
三太郎「...!やるしかないか!」
千巣「赤のエレメント!!遊火!!!」ボッ!
三太郎「黄のエレメント!!ジャスティス・THE・ハンド!!」ドン!
2人は、次々と塊上部に攻撃を放つ。
千巣「赤のエレメント!!雄叫火!!!」バッ!
三太郎「(やっぱ赤いエレメントかっけぇな...!)」
千巣「ハァ...なかなか手強い」
三太郎「俺だって!”赤”のエレメント!バーニングバズーカ!!!」ドォン!!!
千巣「(黄色じゃねえか...)」
三太郎「ハァ...ハァ...」
千巣「少しは効いてるのか?バケモンさんよぉ」
メキ...メキメキ...!!!
三太郎「?!」
千巣「...!」
バッッッッッ!!!!
すると、赤黒い繭の上部から、紫色の骨ばった翼のような物が飛び出した!
千巣「羽...?」
三太郎「なんだ!でけぇ!」
そして次の瞬間、繭は激しい光に包まれた!!
バァァァァァァァァァン!!!!!!!
千巣「...!!」
三太郎「!!!」
2人が目を開けると、不気味な2つの翼、後ろに伸びた長い触覚、骨組みのような紫の体、大きく空いた口、巨大な三つ又の尾を持った、この世のものではないモンスターが姿を現していた!!!
三太郎「な、なんだ?!これ!!」
千巣「これが、ゼクシーザ...!」ゴゴゴゴ...!
ゼクシーザ「ギュルァァァォァァ!!!」
三太郎「...!!!何だこのオーラ!!!」
千巣「耳がちぎれそうだ...!!」
バコォン!!!
部屋の扉が1つ蹴破られた。
幸二「ハァ...なんだこれは!」
三太郎「お!生きてたか!!」
幸二「三太郎!って、千巣さん?!」
千巣「おう」
バコォン!
はるか「誰だよデケェ音出しやがって!うるせぇよ!」
バコォン!
莉茉「五百旗頭さん!どこ!」
バコォン!
麗美「うわ!なにこれ!キモ!」
三太郎「皆!!!やっほーーーー!!!」
はるか「おう!!三太郎!!!」
麗美「やっほーっていう状況ではないダロ!」
莉茉「みんな!無事でよかった!」
魔裁組、続々と集結────!!
────
第216話 「千紫万紅」
────
《ゼクシーザの間》
幸二「ジャスティンさんはこっちに向かってるって!でも」
三太郎「一善と美波ちゃんは?」
幸二「そうなんだ。連絡がつかない」
三太郎「俺、さっきなぎちん見たんだよ!でも変な男がどっかに飛ばしちまってよ!」
莉茉「飛ばした?!」
ザザザァ...
『美波 : 皆!美波だよ!今、渚ちゃんといる!』
幸二「!!!」
はるか「美波!!」
三太郎「よかった!!」
────
《ゼクシーザ制御室》
美波「今、渚ちゃんが、ゼクシーザを止める為に人口マヂカラのシステム内部に潜入してる!」
『三太郎 : そうか!無事なんだな!』
『幸二 : 俺達は一善以外こっちに集まる予定だ!ゼクシーザを破壊しようと思う!』
五百旗頭は、美波の首元に話しかける。
五百旗頭「ゼクシーザのウィークポイントはパーツの結合部よ!そこを狙えば全体的なマヂカラの流れを一時的に制御できる!」
『莉茉 : 結合部!』
『はるか : おっしゃ!任せろ!』
五百旗頭「でも、完全に破壊するのは不可能に近いわ。私がこっちでゼクシーザの動きを止めるから、それまで踏ん張って!」
『三太郎 : おう!』
『幸二 : 南野、一善はどうした?』
美波「一善くんは、まだ戦ってるの...!私は敵の目を盗んで渚ちゃんを探してたから...!」
『三太郎 : さっきこのイヤホンで話してた奴か!』
美波「一応回復はしたから、戦えてはいるんだけど、私には「渚ちゃんを探すように、敵は一人で頑張るから」って言うから...」
『幸二 : 無理してないだろうな...!』
『麗美 : 一善くん!聞こえてるなら返事して!』
『三太郎 : 一善!』
・・・
《ゼクシーザの間》
千巣「一善の応答はあったか?」
幸二「いや、ありません」
千巣「参ったな...これじゃ一善の安否が分からない...」
三太郎「あいつなら、勝ってますよ」
一同「!!!」
三太郎「アニキは知らないかもだけど、皆は見たろ?あいつの、この戦いにかける思いを」
幸二「...」
三太郎「美波ちゃんも一善を助けてくれた。一善の勝利を信じたから動いてくれたんだ。多分、大丈夫!俺達はまず、この化け物を破壊しよう」
幸二「そうだな...!」
ゼクシーザ「ギュルァァァォァァ!!!」
千巣「結合部が弱点なんだってな」
麗美「そうだってよ」
千巣「分かった。これだけ味方が増えれば...」チャキ...!
千巣は、妖刀・夜叉の柄を握る。
麗美「...!」
幸二「...!」
千巣「ちょっと、一瞬皆離れて」
三太郎「アニキ...?離れてる場合じゃ...!」
麗美と幸二は、ゼクシーザに真っ直ぐ目を向けながら、前に進まんとする三太郎の両肩を後ろに引っ張る。
三太郎「?!」
はるか「なんだ?」
千巣「千紫万紅流居合...!」
一同「...!!」
千巣「紅・鳳凰(ごう・ほうおう)!!!!!!!!」
ズ バ ッ !!!!!!!!
一同「!!!!!」
片翼堕つ────!!!
────
第217話 「片翼の悪魔」
────
《ゼクシーザの間》
ゼクシーザ「ギュルァァァァァァァァ!!!」
辺りに暴風が吹き荒れる...!!
三太郎「マジ...かよ...!!!」
はるか「あんなにデケェ怪物の翼を...!」
莉茉「一撃で斬り落とした...!」
千巣「ハァ...ちょっと、休憩...」パタン
麗美「(千紫万紅流...万くんが考えた名ばかりの剣技の流派。ちゃんとした剣士の剣術じゃないから色々デタラメだけど、あの妖刀・夜叉の力も相まって、破滅的に強い...)」
幸二「(妖刀・夜叉。六尺を超える長刀。魔具として作られたわけではないが、魔具の階級換算では大業魔具はくだらない代物...そしてその妖刀の一振に、赤のエレメントを混ぜた”紅(ごう)”の型。強力だが、マヂカラ消費が激しい諸刃の剣)」
千巣は地面に横たわった。
千巣「第2支部の諸君...ちょっとの間繋いでくれるか」
麗美「繋ぐ?寝てる間に破壊しておいてやるわよ」
幸二「後は俺たちに任せて、ゆっくりお休み下さい」
三太郎「やってやるぜ!」
千巣「ほほう。頼もしいな」
???「何を破壊するって?」
一同「!!!」
榊「これはこれは...!魔裁組の皆さん...私のペット達を押しのけてここまでこられたことは賞賛に値する。コングラッチュレイション...!」
榊は、全身を武装した状態で、魔裁組の前に現れた。そして、榊はここに来たことを称えて拍手した。
はるか「榊...!」
幸二「五百旗頭さんはどk、」
幸二が話そうとしたその時、三太郎が榊を殴り飛ばした...!
三太郎「...!!!!」ピキッ!
ドッカーーン!!
榊はよろつきながら立ち上がった。
榊「ははっ。会った途端に殴り掛かるなんて...とんだ非行少年だな」
三太郎「なぎちんをどうするつもりだ。言わねぇとマジ殺すぞ」ポキ ポキ
榊「さぁ。今頃俺の腹心の元で絶望しているんじゃないか?だが、私の野望が叶えばそれは希望だ...!」
幸二「(腹心...?)」
三太郎「...!(なるほどな...こいつ、なぎちんが今何してるか気付いてないのか?)」
榊「殴られたって痛くないさ...なぜならば、もうすぐ俺の夢は叶うんだからなぁ...!!」
莉茉「...!」
はるか「...!」
幸二「させるわけないだろう」
榊「まぁいいさ。少しはゼクシーザ相手に善戦しているかも知れぬが、そもそも人間が立ち向かおうとするものでは無い。その恐ろしさをとくと思い知るがいい...!!」 ビュゥン!!!
榊は、背中の装置で、空中へ飛んだ。
幸二「青のエレメント...!ハート・THE・トリガー!」バァン!
莉茉「青のエレメント...!ドルフィンスプラッシュ!」バァン!
榊「フッフッフッ!当たらないと意味が無いぞ...?!」
榊は、ゼクシーザの背中に飛び乗った。
榊「片翼堕ちようとも、いずれ再生する。こいつは人間の力ではそうは倒せない。ここにいる全員、平和の礎となるが良い...!!」
ゼクシーザ「ギュルァァァァァァァァ!!!」
────
第218話 「疎通」
────
《ロスト・フロンティア / 砂漠》
一善は、TORAと交戦中。
一善「緑のエレメント...!虞美人草!」ビューー!!
TORA「(なるほど...手に溜めたマヂカラを球状にして放出...シンプルだがなかなかの威力!ならば...!)」
一善「つのキング!右から、」
TORA「遅い...!アタックコマンド!打奪虎(だだっこ)!!」バババババ!!
一善「(くっ...!高速での連撃パンチ!)」
TORA「アタックコマンド!飛六虎(とろっこ)!!」グワッ!!!
頭上から、六体の虎のオーラが一善を襲う...!
つのキング「(上だ!)」
一善「!!!」 バッ!!
一善は、攻撃を躱す。
TORA「ほほう...」
一善「つのキング!正面から持ちあげろ!」
つのキング「ウォーーーー!!」
つのキングが、TORAに迫る...!!
ガチッ!
一善「...!!」
TORAは、つのキングを片手一つで止めた!
TORA「来るとわかっている攻撃で、俺を倒せると思うか?」
一善「...!!」
つのキング「ウォーーーー!!」
TORA「首羅吸虎(しゅらすこ)!!!」
ボワァァァァァ!!!
つのキング「ウォーーーー!!」ドガァン!!
一善「つのキング!!!」
つのキング「(心配するな...!俺が君を守る...!)」
一善「!!!」
つのキング「(よく聞け...そして考えろ...!俺と君は一心同体だ...!)」
一善「!!!」
つのキング「(強くイメージするんだ...!俺を信じろ!)」
一善「強く...イメージ!!!」
TORAは、つのキングを投げ捨てた。
TORA「あんなガラクタ、足でまといだろう」
一善「...!」ピキッ
TORA「ほら、”命令してみろよ”。次はどこから攻撃をさせるんだ...?」
一善「...!(そうか、俺は今まで、つのキングを、それは犬のように思っていたのかもしれない...!俺の指示に忠実に従う犬...でも違う...!俺とつのキングは、一心同体!)」
TORA「...?」
一善「(強く...イメージする。そして伝えろ!考えろ!もっと、ダイレクトに...!!!)」
TORA「何もしないならお前からだ」ポキ ポキ
一善「!!!!」
TORA「アタックコm」ガッ!!!!!!!!!
一善「!!!」
TORAが攻撃を仕掛けようとした瞬間、つのキングがTORAを横から高速で攫った!
TORA「(何...?!指示は出ていない...!この虫にも意思があるのか...?!)」
つのキング「ウォーーーー!」
つのキングは、TORAを空中まで持ちあげ、角で地面に叩きつけた!そして、空中から地面にめり込んだTORAに、渾身のプレスを食らわせる...!
TORA「ぐはぁぁ!!!」ブシャッ!
つのキングは、何度も何度もTORAを叩き潰す...!!
ドゴン!!ドゴン!!ドゴンドゴン!!ドゴンドゴンドゴンドゴン!!!
TORA「!!」「!!」「!!」
つのキングは攻撃を止め、一善の元へ戻る。
一善「(伝わった...?これが、疎通...?)」
TORA「ハァ...ハァ...」
一善「(これが、魔導書の本当の力...?)」
TORA「ハァ...」プッ!
TORAは、唾を吐き捨てる。
一善「(これなら...こいつに勝てる...!!)」
SOREMA -それ、魔!- 26へ続く。
第212話 「可能性」
第213話 「嘘から出たまこと」
第214話 「鎮魂歌(レクイエム)」
第215話 「破壊の繭」
第216話 「千紫万紅」
第217話 「片翼の悪魔」
第218話 「疎通」