SOREMA -それ、魔!- 14

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SOREMA -それ、魔!- 14


「悪いのは」

 

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第119話 「操天」

 

────


《折紙山/山奥》

恵太「まずは、お前からだな」

恵太は、京に狙いを定めた。

恵太「三十六章 操天の書...!」

恵太の手のひらに、小さな竜巻が発生した。


恵太「強い風にご注意ください...!!」

京「?!」


恵太「操天 竜巻!!」


恵太は、思いっきり、竜巻を投げつけた。すると、竜巻は大きくなり京を飲み込んだ。

京「...!」

幸二「...」

亭「ありャ、ヤバいね」


恵太「まだまだァ!」

恵太は、両手を組み、上から思いっきり振り落とした、すると、京に落雷が落ちた。

京「...!!!!」


亭は傍からその様子を見ていた。

亭「わァお」

そこは、ジャスティンが攻撃を仕掛ける!

ジャ「余所見すんなよ…!白のエレメント!氷結のアリア!」

亭「うッとうしいなァ、ちョッと逃げよか!」

ジャ「!」


亭「紙片ノ六 紙馬ァ!」


亭は、馬のような折紙に跨った。

はるか「馬?」

亭「逃げろー!!」

パカラッパカラッパカラッ!

亭は、その場から逃げ、更に森の奥へ逃げた!

伊藤「あ!逃げた!」

はるか「待てー!!」

ジャ「(女子2人だけに追わせては危険だ...だが兄の方は、幸二達に任せて大丈夫か?まぁいい、行くぞ!)」

ジャスティンは、はるかと伊藤と共に、亭を追う。


京「...なかなか痛いな」

恵太「お前も頑丈だな」


幸二「とにかくこの魔者を倒す。アンタとの話はそれからだ!」

恵太「お前と話すことなんて、あったかな!!」

恵太は、虚空を手で払った。

恵太「操天 砂嵐!!!」

京を砂塵が襲う!!

ザザザザザ!


恵太「決まったなぁ?」


シュゥゥゥ...


恵太「...?」

京「紙片ノ五...紙風船


幸二「...おい、アンタの攻撃防がれてるぞ?」

恵太「お前の攻撃も見せてみろよ、幸二」


幸二「ちっ!見せてやるさ!青のエレメント!ハート・THE・トリガー!!!」

 

────

 

第120話 「結果」

 

────


《折紙山/幸二サイド》

ガチッ!!キィィィン!


京は、幸二の攻撃を紙風船で防ぐ。


京「…」

恵太「防がれてるな」

幸二「うるせぇ」

恵太「まぁもう一度やってみろ、次は結果が変わるかもしれないぞ」

幸二「は?」

恵太「いいからやれ」

京「...何度来ても同じことだと思うが?」


幸二「やりゃいいんだろ...?青のエレメント!ハート・THE・トリガー!」

恵太「操天!豪雨!」

恵太は、手のひらから黒雲を出し、天に放り投げる。

京は、紙風船を発動。


すると、黒雲から、凄まじい量の豪雨が、紙風船に降り注ぐ!

京「...!(雨か!)」

幸二「(なるほど!)もう1発!トリガー!!」


すると、紙風船が徐々に溶け始め、生身の京に、幸二の弾丸が当たった!


バァン!


京「!なんだと?」

ひるんだ京の懐へ、恵太が走り込む。

恵太「だから言っただろ!幸二ぃ!」

幸二「...!」

恵太「操天!雷(いかづち)!」


ゴロゴロピッカドッカーーーーン!!!


京「...!!!!!」


《折紙山/ジャスティンサイド》

パカラッ パカラッ パカラッ…!


はるか「黄のエレメントォ!素手喧嘩(ステゴロ)ォ!!!!」

ヒュン!

亭「こッわ!でも、当たんないと意味無いよねェ」

はるか「ちっ!」


伊藤「これなら!”運”!猛魔チェーン!」

伊藤は、チェーン型の魔具を投げつけた。

ヒュン!

亭「だからァ!当てないと意味無いッてェ」

伊藤「それはどうかしら?」


すると、伊藤の投げたチェーンの先の錘が、木と木にぶつかり反射し、亭の足に巻きついた。

亭「(足をとられた!)」

伊藤「観念しなさいっ!!!」

伊藤は、チェーンを引っ張り、亭は紙馬から落ちた。そしてそのまま、地面に思いっきり亭をたたきつけた。

亭「ぐはッ!!!」


ジャ「あばよ!魔者の弟!白のエレメント!イエティの鉄槌!!」

ドガーーーーーン!!!

亭「あはァー!!!!!」

ジャスティンの攻撃がヒットした!


はるか「ジャスティン避けて!」

ジャ「!」

はるかが、上空に飛ぶ。

はるか「今度は当ててやるよ!黄のエレメントォ!メリケンジョー!!!!」

ボガーーーーン!!!

はるかの攻撃もヒット!

亭「あががががが!!!」ピクッピクッ


ジャ「お前、弱いな」


ガラガラ...

亭「ゲホゲホッ。なるほどねェ。今まで殺してきた奴らより強いねェ君たちは」

ジャ「...」

はるか「クソ野郎。ここでぶっ倒してやる」

伊藤「...!」

亭「あははッ。やッてみなよ!」

 

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第121話 「あめふらし

 

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《折紙山/幸二サイド》

幸二「青のエレメント!ミリタリー・THE・アサシン」バァン!

恵太「操天 豪雨!」ザーーーー!

ヒュン!

京は攻撃を避ける。

京「...(あの男の雨降らしは厄介だ...)」

幸二「そのままやり続けろ!」

恵太「言われなくてもなァ!」

バァン!ザーーーー!!

ヒュン!

バァン!ザーーーー!!

ヒュン!

バァン!ザーーーー!!

ヒュン!

幸二「今だ!青のエレメント!チェック・THE・メイト!!」


シュバーーーーン!


京「...!」

幸二は、京の右腕を吹き飛ばした!


恵太「ははっ。これくらい当たり前に出来てくれないとな。天堂家の人間は」

幸二「アンタに天堂家を語る資格はない」


スタッ…

幸二は、ジャスティンが持っていた包帯で、京の取れた右腕を巻く。


京「...腕を集めて何になる」グゥウィィーーーン!

京の右腕は再生した。


幸二は、腕を持ちながら言った。

幸二「プレゼントありがとよ。もう跡形もなく消えていいぞ。容赦はしない」

京「ほう...」

 

《折紙山/ジャスティンサイド》

ジャ「白のエレメント!スノウジェム!」

はるか「黄のエレメント!獅子拳!」

亭「ふッ。紙風船!」バァン!


はるか「ちっ!硬ぇ!」

ジャ「厄介だ...!」

亭「これは流石に破れないでしョ」

伊藤「ならこれでどうですか!吸魔の札!」

伊藤は、弓矢でを使って御札のような物を紙風船に向かって撃った。


ピタッ


はるか「これは?」

ジャ「吸魔の札か...!微量だが、相手のマヂカラを吸い取る。持続技には効果的だ」

亭「...?」

伊藤「はるかさん!ジャスティンさん!」

はるか「おう!難しいことはわかんねぇけど!とっととくたばれぇい!!黄のエレメント!!天上天下唯我独尊!!!」

はるかは、額にエレメントを集中させ、頭突きをした。


すると、紙風船は割れ、中から亭が現れる。

亭「...(え、なんで?)」

ジャ「行け!」

はるか「もう1発!くらいやがれ!!!」

はるかは、思いっきり、亭に頭突きをかました!


ドガーーーーーン!!


亭「.......!!」プルプル…


ジャ「あっけなかったな、白のエレメント!ジ・エターナル」パチンッ!


亭「(まさか...負ける...?!)」


ドッカーーーーーン!!!

 

────

 

第122話 「久寿玉」

 

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《折紙山/幸二サイド》

京「容赦しないというならば、こちらも容赦しない...」

恵太「なんか、幸二、アイツ怒らせてね?」

幸二「知るか、アンタも集中しろ」


京「...!」ゴゴゴゴゴ!!!

すると、3人のいる地面から、めくれる様に沢山の紙が浮かび上がり、3人を包み込む。


恵太「なんだ?これ」

幸二「...?!」

ズズズズズズズズ...!!


幸二と恵太は、京の作りだした紙の空間に囚われた。


京「紙片ノ九...久寿玉」ド   ン    !!!!


その空間は、外から見ると、幾何学的な形の多面体のようになっていた。


幸二「どうやら閉じ込められたみたいだ...!」

恵太「なんか気まづいから早く出たいなー」

幸二「それはこっちのセリフだ」


京「ここは俺が作り出した結界だ...内からこじ開けることはほぼ不可能」

恵太「お前を殺せば?」

京「...」

恵太「開きそうだな」

幸二「ならとっとと退治してやる」


京「ところでお前達は、兄弟だと言っていたな」

幸二「?」

恵太「あぁ。そうだけど?」

幸二「...!?」ピキッ

京「...俺はお前達を本当の兄弟とは認めない」


恵太「は?」

幸二「いきなりなんだ」


京「兄弟というのは、常に共にあり、互いを支え合うもの。兄は弟を守り、弟は兄を慕う。川が川上から川下に流れるが如く、当然の摂理なのだ」

幸二「...」

恵太「何言ってんだお前?」ハナホジ

京「お前達は見るに耐えない争いごとばっかりだ。見ていて失望する。同じく”兄弟”の片割れとして実に恥ずかしい。極めて不快、気持ちが悪いものだ。そうだ、半端なお前たちにいい提案をしよう」


幸二「あ?」

恵太「?」


京「ここで共に死に、あの世で和解の時を持つといい」


幸二「?!」

 

────


第123話 「兄弟だった日」

 

────


《折紙山/幸二サイド》

恵太「...嫌だなぁ!誤解だよ。俺は幸二を愛してるぜ?たった1人の弟だ」

幸二「アンタに弟と呼ばれる筋合いはもうない」

恵太「...笑」

京「...醜いな」


幸二「おい魔者兄、別に俺たち兄弟でも何でもない。お前の提案は蹴らせてもらうよ。お前にとやかく言われる筋合いはないから、とっとと消し去ってやる...!」

京「…!」

恵太「...そんな悲しいこと、言うなよな!」


幸二と、恵太は、同時に京に襲いかかる!

幸二・恵太「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

京「!!!」

幸二「(俺だって、昔は、アンタのことを慕ってたよ────)」

 

【~回想~】

 

《魔裁組支部

幸二「天堂幸二!10歳です!今日からよろしくお願いします!」

職員「おう!よろしくな!」

恵太「とうとう来たな!幸二!」

幸二「うん!お兄ちゃん!」

恵太「俺がこの2年間で教わったことを、お前にもとことん教えこんでやるからな!」

幸二「うん!────」


幸二は、10歳で魔裁組に入部。2歳上の恵太と共に魔裁組で、魔法使い”見習い”として、特訓をしていた。

 

職員「恵太くん!すごいじゃないか!魔導書の魔者を退治したんだって?」

恵太「はい!でも、先輩と一緒にですけどね!」

幸二「やっぱお兄ちゃんは凄いや。俺もお兄ちゃんみたいになりたいな」

恵太「お前ならなれるさ。いつか俺を超える魔法使いに」

幸二「でも俺は、魔導書の力は使えないんだろ?そんなの、勝てっこないよ…」

恵太「お前には戦局を見抜くセンスがある。それに魔具の扱いも上手だ。だから必ず、すごい魔法使いになれるさ」

幸二「そう…かな──────」


特訓中

幸二「お兄ちゃんー晴れにしてよー天気変えられるんだから」

恵太「晴れなんて、攻撃には何も使えないだろ?だから、戦う時は悪天候が基本だ」

幸二「つまんないの」

恵太「あっはっは。お前昔から晴れの日が大好きだもんな!」

幸二「雨の日が好きなやつなんているのかよ────」

 

~1年後~


幸二は、恵太と違って履術者ではないが、魔具を駆使する、かなり有望な魔法使い見習いとなっていた。

幸二「お兄ちゃん!俺、強くなったかな?」

恵太「幸二!お前、凄いよ!このままだったら、俺も抜かされそうだな!」

幸二「いつかお兄ちゃんぐらい強くなって、一緒に悪いやつを退治するんだ!ね!」

恵太「あぁ!────」


職員A「おい、聞いたか?天堂恵太の弟、履術者でもないのに、かなり凄いらしいぞ?」

職員B「恵太くんも凄いんだけど、才能だけだったら、弟くんの方が上かも、ね」

職員A「弟が履術者だったら、将来すごい魔法使いになったのにな」

恵太は、そのような会話をいつも隠れて耳にしていた。

恵太「...笑」


~そして、2年後、幸二12歳~


幸二「お兄ちゃん。俺も履術者になりたい!」

恵太「幸二、それはダメだ。危ない。最悪お前も死んじゃうんだぞ?」

幸二「でも、俺もお兄ちゃんみたいに強い技使いたいし」

恵太「...(この力が最初からお前のものだったらな...)」

幸二「だからね、見て!宝庫から盗んできちゃった!」

幸二の手には、四十二章と書かれた魔導書が握られていた!


恵太「...お前!!!!」

 

────


第124話 「兄と弟」

 

────


《魔裁組(回想)》

恵太「お前、なんでそれを!」

幸二「俺もお兄ちゃんみたいになりたいんだよ!ダメ?」

恵太「ダメに決まってるだろ!こんなの誰かにバレてみろ!どうなるか分からないぞ!早く戻してこい!」

幸二「へへっ中身読んじゃえばこっちのもんだよ」

幸二は、魔導書の封を剥がし始めた。

恵太「幸二!やめろ!しかもそんなに大きな数字の魔導書!履術なんて無理だ!死ぬか魔者になるかだ!手を出すな!」

幸二「俺、お兄ちゃんと同じくらい強いし、大丈夫だよ」

恵太「幸二!!!」バッ!!

幸二「!!!」


恵太は、幸二の持っていた魔導書を奪い、走り去った。幸二は追いかける。


幸二「お兄ちゃん!返せよ!」

恵太「(こんなの盗んだのがバレたら、お前はおしまいだ!早く戻さないと!)」

恵太は本を服の中に隠し、金庫へ走る!


幸二「お兄ちゃん!」

恵太「(そこを曲がれば金庫だ!)」ダッダッダッ


鬼屋敷「あら、恵太。どうしたの?」バッタリ

恵太「!!」ビクッ!

鬼屋敷「?」

恵太「...なんでもないです」

恵太は、またあさっての方向へ走り出した。

幸二「待ってよー!!!」


そして、恵太は、立ち入り禁止の焼却炉へ逃げ込んだ。


幸二「ハァ...ハァ...お兄ちゃん。それ、返せよ!」

恵太「ハァ...だめだ!ちゃんと返さないと!」

幸二「なんでだよ!」

恵太「お前には渡せない」


すると、外から大人の声が聞こえた。

大人の声は徐々に近づき、今にもこちらへやってくる気配だった。

恵太「...!(見つかったら確実にバレる!ヤバい!)」

幸二「(お兄ちゃん!早く!)」


恵太「幸二...お前は何も言うな」


幸二「?」

 

 

恵太は、魔導書を、焼却炉に投げた。

 

 

ゴォォォォォォ...!


幸二「?!!?!?!」


魔導書は燃え尽きた。


幸二「お兄ちゃん!?!!何やってんだよ!!こんなことしたら!!また魔導書がどっかに現れて大変なことになるかもしれないんだぞ!!俺が履術したかったのに!!なんで邪魔したんだよ!!」

恵太「...…」


幸二「俺に追いつかれたくなかったのか...?」


恵太「...?」

幸二「そうなんだろ!俺が履術者になったら、お兄ちゃんは抜かれると思って!それが嫌だったんだろ!だからこんなこと!」

恵太「...ちがう」

幸二「嘘だ!じゃないとこんなことしない!なんて事してくれるんだ!お兄ちゃんのバカヤロー!」


ガチャ!


職員「おい、ここは立ち入り禁止だぞ。何をしてる」

恵太「!!」

幸二「!!」


チラッ


鬼屋敷「あら、アンタたち。何してるのこんなところで、そう言えば、宝庫入った?魔導書の位置が微妙にズレてて...」

 

────


第125話 「悪いのは」

 

────


《魔裁組(回想)》

幸二「...!」

恵太「...俺がやりました」

幸二「お兄ちゃん...?」


恵太「全部俺がやりました。魔導書を盗んで燃やしました」

幸二「…!!!」

 

その後、恵太には処分が下り、永久に魔裁組を追放となった。

鬼屋敷「残念だわ。貴方という才能を失って」

恵太「弟をよろしく頼みます」

恵太は、魔裁組を去った。


恵太の去り際、幸二が追いかける

幸二「なんで、あそこまでするんだよ...」

恵太「...」

幸二「魔導書を燃やすなんて!」

恵太「お前が盗むからだ」

幸二「魔導書を燃やすってことは、また魔者を野に放つってことだぞ?お兄ちゃんそれがわかってたのか?」

恵太「...」

幸二「弟に抜かれるのがそんなに嫌?」

恵太「...」

幸二「この犯罪者が」

恵太「...!──────」


恵太は、魔裁組だけでなく、天堂家からも姿を消した。その日を最後に、幸二と恵太は顔を合わせることは1度もなかった。


【回想終わり】


《折紙山/幸二サイド》


幸二は、恵太と共に京と戦闘中。

幸二「...(昔のことを少し思い出した)」ドガァン!

京「...!」ドガァン!

恵太「...!」ボガァン!


幸二「(あの時は幼く、兄へのジェラシーか、ただただ履術者である兄に嫉妬していた。俺も兄みたいになりたかったのだ。そして気が動転し、冷静に物事を考えずに今日まで生きてきてしまったことに気がつく。あの時兄は、なぜ魔導書を燃やしたのか。確かではないが、理由は幾つかある。ただ1つ確実に言えることは...)」ドガァン!!

恵太「...幸二!!」

京「...!」グサッ!!!


ド     ン     !

幸二「(悪いのは、俺だった)」ブシャーーー!!

京の攻撃が、幸二の脇腹に刺さった。


京「...紙片ノ一 紙剣...」

恵太「幸二!!!!」


幸二「グハッ!」

京「油断大敵」

恵太「しっかりしろ!幸二!」


京「ほら見ろ。兄は弟を守ってやらないとなぁ...」

恵太「...!」


幸二「(いや、違う。俺は今日まで守られていたんだ...この人に、兄貴に)」


恵太「大丈夫か?幸二」


幸二「もう大丈夫だよ。兄貴」

恵太「?幸二?」


幸二「とにかくこの魔者を倒す。話はそれからだ!”兄貴”」

恵太「...笑」

京「ほう...」

 

────


第126話 「蝶の巣」

 

────


《折紙山/ジャスティンサイド》

シュゥゥゥ...


ジャ「...」

はるか「やったか?」

伊藤「どうですかね?」


亭は、地面にめり込み、消滅し始めた。


ジャ「あ!こいつの身体の一部取っておかないと!」

はるか「やっべ!忘れてた!」

伊藤「これ!さっき投げた時に、取っておきました!」


伊藤は、チェーンを巻き付けた足首から下を渡した。

はるか「おお!でかした!サンキュ!」

ジャ「お手柄だ!早く包帯を巻かないと...」


そして、亭は、完全に消滅した。


ジャ「ふぅ。終わったな」

はるか「あとは魔者兄だな」

伊藤「あの二人、大丈夫かな」

ジャ「とりあえず戻ろう」


バババ…!


3人が、幸二らの様子を見に行こうとすると、紙の蝶のようなものが地面から数百体現れ、宙に舞った。


ジャ「...これは?!」

伊藤「何かの術?」

はるか「綺麗...」


ジャ「もしや、こいつの術か?!」

はるか「え、さっき消滅したじゃん?!」


蝶の群れはその場でただ飛んでいる。


伊藤が触れようとすると、蝶の群れは、パッと離れ、群をなして1つの方向に飛び去っていった。


伊藤「!!」

はるか「あ!どっか行った!」

ジャ「そっちの方向は、動いてなければ幸二らがいるはず!後を追おう!」

伊藤「はい!!」

ジャ「(確かにさっき1度魔者弟は消滅したはず。だが、術はまだ死んでいない...?兄の術か?とにかく後を追うぞ!)」


《折紙山/幸二サイド》

幸二「青のエレメント!ニードル・THE・ショット」

恵太「操天 霰!」

京「(なるほど、霰か。魔者にとっては雨も雪も天敵...!)」

バキューーーン!!!

恵太「攻撃が届く!」

幸二「(これなら!こいつを追い詰められる!)」


京「ぐはっ」

幸二「...」

京「少しは、兄弟の顔つきになってきたな」

恵太「だから、俺はこいつを愛してるっつうの」

幸二「...」


京「ならば守り抜いてみせよ!!」ド  ン  !


《折紙山/ジャスティンサイド》

3人は、蝶の群れを追いかける。

ジャ「もうすぐ幸二達がいるはずだ!」

はるか「この蝶々どこ向かってるんだ?」

伊藤「待ちなさい!」


すると、蝶の群れは、幾何学的な多面体にたどり着いた。


ジャ「?!なんだこれは?!」

はるか「何これ?」

伊藤「!!」


蝶の群れは、多面体を覆うように止まり始めた。


ジャ「何が起こっているんだ?!」

 

SOREMA -それ、魔!- 15へ続く。

 

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第119話 「操天」

第120話 「結果」

第121話 「あめふらし

第122話 「久寿玉」

第123話 「兄弟だった日」

第124話 「兄と弟」

第125話 「悪いのは」

第126話 「蝶の巣」