SOREMA -それ、魔!- 19
SOREMA -それ、魔!- 19
「イメージ」
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第163話 「作戦会議①」
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《第2支部/実働班ルーム》
一善「まずは作戦を立てましょう。その上で、皆さんの戦力的な特徴を把握したいです」
はるか「確かに、特に新入りの2人はあんま知らねえか」
幸二「お互いの戦闘スタイルを頭に入れておくことは大事だな」
三太郎「こん中で1番つえーのって誰なんだ?」
莉茉「ま、ジャスティンさんでしょうね」
美波「私もそう思う...」
ジャ「あ、ほんと?!サンキュー!」
幸二「ジャスティンさんから見て、他のメンバーの戦闘はどんな感じに分析出来ますか?」
一同「...」ゴクリ...
ジャ「ま、まぁまぁ、一概に誰が上とか下とかは分からないよ。けど一人一人あげていくならば」
幸二「...」
一善「...」
ジャ「莉茉っちはスピードタイプ。恐らく第2支部では1番早い。それと、青と桃の二色使いってこと」
三太郎「二色使えんのか?!」
ジャ「そう。だから牽制には長けているし、割と器用にたたかえる。そうだな?」
莉茉「そ、そうかな笑」
ジャ「とはいえパワーよりも手数で攻めるタイプだから、相手も俊敏だとパワー差で押し負ける可能性がある」
莉茉「確かにそうですね」
ジャ「麗美は唯一の非エレメント使いで、履術者だ。音波による見えない波状攻撃が得意技。一撃の威力もそれなりに高い」
麗美「てへ」
ジャ「だが、一撃が重い代わりにマヂカラ消費が激しく、連発はかなり体力を削る。短期決戦に向いているタイプだよね?」
麗美「そうかも」
ジャ「美波は紫のエレメント使い。トリッキーな攻撃で相手に意表を突くタイプ。サポートに回ると力を発揮するな」
美波「ありがとう...」
ジャ「美波のストロングポイントは、躱す力と回復魔法だ。美波は相手の攻撃を見る目に長けているから、攻撃に当たりにくい。また、回復魔法を用いて周りをサポートしながらも戦えるタフネスファイターだと言える」
美波「タフネス...かぁ」
はるか「てかジャスティン。みんなのことまぁまぁ分析してんだな」
ジャ「ま、一応リーダーなんでね」
幸二「…(そうだっけ?)」
ジャ「そんなはるかは黄のエレメント使い。肉弾戦闘が得意で、パワーで殴り勝つタイプ。エレメントもタイトに発動できて、割と万能だと思う。でも、相手に見境なく突っ込んでいく節があるから、頭脳派や、距離を取られるとその強さを発揮できないことがあるんだよね?」
はるか「はーい。注意しマース」
一善「(治す気無し!)」
ジャ「幸二は、青のエレメント使い。距離を取った戦いが主だが、近距離も弱い訳では無い。幸二は頭がキレるから、戦況を把握するのが早く、チーム戦にはかなり向いている。でもサシだと、相性によってはパワー差で負ける時があるのは、やはり青の宿命かもしれないな」
幸二「その通りです」
ジャ「ま、こんな感じだ。あとの二人は幸二、お前が一番一緒に戦ってるから、幸二が一番詳しいよね。なにか、分かることがあったら言ってくれ」
一善「...」
三太郎「こいつに評価されるのかよ...」
幸二は考えた...
幸二「三太郎は────」
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第164話 「作戦会議②」
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《第2支部》
幸二「三太郎は馬鹿です」
三太郎「は?!」
はるか「wwwウケる」
麗美「直球ワロタwww」
莉茉「言い方がひどい笑」
三太郎「お前!もっといい事言えよ!」
幸二「でもパワーはかなりあります。恐らく、パワーだけならこの中で1番かと」
ジャ「ほう...」
幸二「エレメントは黄なので、近距離戦闘をやらせたらそれなりに活躍します。一応エレメントを飛ばすことも出来ます」
三太郎「うんうん」
幸二「まぁ足りないですが、それなりに考える頭もあるので、不完全な脳筋です」
はるか「待ってツボるwww」
一善「笑」
三太郎「褒めてんのか?貶してんのか?」
幸二「後は三太郎が大技を出す時は射程に巻き込まれないことですかね。こいつ、貯める時に唇を”んー”ってやる癖があるので」
三太郎「俺そんなことやってるか?」
幸二「やってるな。”んー”って」
美波「笑」
はるか「ウケるwww」
麗美「一善くんは?」
幸二「一善は緑のエレメントと魔導書のハイブリッドです。一善、ちょっと見せてくれないか?」
一善「あ、うん」
一善は、つのキングを召喚した。
ボンッ!
つのキング「ウォーーーーー!」
はるか「うわデカ!」
莉茉「金ピカ」
麗美「カブトムシ?」
一善「これが、俺の相棒のつのキングです」
はるか「つのキングー?!?!wwwwww」
麗美「ネーミングセンスwwwwww」
美波「かわいい笑」
莉茉「ちょっとダサい笑」
一善「い、いいじゃないですか!」
幸二「このつのキング(笑)と、緑のエレメントを組みあわせて戦う。つのキングは独立して動き、基本的に体当たりが主な攻撃手段だ。本人はエレメントを用いた多様な攻撃技で戦うが、どちらかと言えば近距離から中距離が得意。遠距離はつのキングを用いて、と言った感じだ」
一善「一応つのキングに乗れば空も飛べます」
はるか「マジか!後で乗っけてくれよ!」
莉茉「私も乗りたい!」
幸二「(お気楽モードすぎなんだよなぁ...)」
一善「でも、つのキングとエレメントの両立はマヂカラの消費が激しくて、つのキングは一定の時間が経つと消えてしまいます。一度消えると直ぐには召喚出来ません」
麗美「ふーん」
ジャ「ま、お互いのことが少し分かったかな?」
はるか「少しは!」
一善「ありがとうございます皆さん。(だいたい分かった...後はこれを当日に生かせるか...!)」
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第165話 「前夜」
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《第2支部/会議室》
プロジェクターには、とある施設の写真が映し出されていた。
三太郎「これは?」
ジャ「Goopleマップのストリートビューさ」
幸二「ここはどこですか?」
ジャ「敵陣。ロスト・フロンティアさ」
三太郎「え?!Goopleマップで見れんの?!」
三太郎は、自分のスマホでGoopleマップを開いた。
ジャ「見れないよ。このデバイスだけ特別に許可が降りて見えてるんだ」
一善「どうやって許可を取ったんですか?」
ジャ「善能寺さんが、Goopleに許可をとって来てくれた」
一善「スゴイ!」
はるか「やっぱあの人ヤベエ人なんじゃね?」
幸二「場所は東京から北西の方向か...」
三太郎「てかこれ、島だよな?どうやって行くんだ?」
ジャ「ま、空か海か、どっちかになるよな」
三太郎「そうだよな」
それから、作戦決行当日まで、8人は作戦会議と特訓を続けた。
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《ロスト・フロンティア/牢獄》
五百旗頭は、手足を鎖で繋がれている。
榊「いよいよ明日。ゼクシーザが目覚める...俺達の戦いも終わるな」
五百旗頭「もう一度聞くけど、本当にやるつもりなの?」
榊「勿論さ。何のために俺がここまでやって来たか」
五百旗頭「...」
榊「心配するな。お前の仲間は誰も傷つけない」
五百旗頭「...」
榊「”何も無ければ”、だが」
五百旗頭「...?」
榊「じゃあ、良い夢を見るんだな...」
榊は牢獄を去った。
五百旗頭「...」
《ロスト・フロンティア/とある部屋》
何も無い部屋。榊は百目鬼と二人で話している。
榊「百目鬼、”あれ”の様子は?」
百目鬼「明日の内には目覚めるかと」
榊「...ゼクシーザ?」
百目鬼「そうですが?」
榊「そっちじゃない。”俺のペット達”の方だよ」
百目鬼「そちらでしたか。変わらずですが、何か?」
榊「そうか、なら良かったよ」
百目鬼「...?!」
榊「念の為、”エサ”を与えておいてくれ。多目に」
百目鬼「...承知」
百目鬼は、不敵な笑みを浮かべ、奥の部屋へ向かった。
榊「フッフッフッ...!!明日、全てが終わる!!絶望しろ!!五百旗頭渚ァ!!!!」
ゴロゴロドッカーーーン!!!
外では豪雨と雷が降り注いだ。
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第166話 「イメージ」
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《第2支部/会議室》
実働班メンバーは、作戦決行前最後の作戦会議をしていた。
ジャ「ま、後はもうアドリブでやるしかないね」
はるか「うわぁーマジで、考えれば考えるほどやべぇよ」
麗美「相手が何をしてくるかわからないからね」
幸二「厳しい戦いになるだろう」
ジャ「今回は、”青木葉事件”以来のでかい山になりそうだ」
三太郎「あおきばじけん?」
幸二「青木葉事件。青木葉閻魔と名乗る魔導師が起こした事件だ。浅草で500人もの人間がその場で殺された」
一善「ひどい事件ですね。犯人はどうなったんですか?」
ジャ「もちろんその男は極刑だ。だが殺せない理由があった」
一善「殺せない理由って?」
ジャ「誰も”殺せなかった”んだ。何故かって?それは蒼魔導書第”五十一”章 その名も、”不死の書” の履術者だったから」
三太郎「不死の書?!」
ジャ「そう。文字通り死なない」
三太郎「なにそれ、最強じゃん」
ジャ「そうだよ。なんせ、魔導書最後の章だからね」
三太郎「そいつ、どうやって倒したんだよ!」
ジャ「倒したというか、捕まえたって感じ」
幸二「青木葉に立ち向かったのが、久品和義という男。通称”英雄”。彼が青木葉を倒した」
一善「(久品...?)」
ジャ「まぁその話はもう解決済みさ」
幸二「その不死の書を巡っては、まだ色々あるんだけどな」
一善「ふーん」
ジャ「...」
三太郎「ってことはさ、なぎちん取り戻して東京の危機を救ったら、俺達、”英雄”になれんじゃね?」
幸二「そういうの好きだよなお前」
三太郎「英雄って英語でなんて言うか知ってるか?ヒーローだぜ!!!!」
はるか「ヒーロー病だな」
三太郎「何が悪いんだよ!」
ジャ「ま、今回ばかりはなるしかないんじゃない?英雄に」
三太郎「お!ジャスさんナイスゥー!」
麗美「でも、正直勝てるかわかんないよね」
莉茉「流石にノーデータ過ぎて」
幸二「勝算は何パーセントだ...?」
三太郎「...暗くなってんなよ!明るく行こうぜ明るく!」
美波「...でも、私達にできるかな...」
はるか「少し不安かも」
ジャ「...」
不穏なムードが彼らを包む。その時、一善が口を開く。
一善「イメージしよう」
一同「!」
一善「イメージだよ。俺達が、敵を倒して、五百旗頭さんとまたここで任務に励む日々を、頭に浮かべるんだ」
幸二「...!」
一善「突破口が見えないなら、イメージすればいい。後はそこへ向かって進むだけだから」
ジャ”イメージは時に、現実を超える────”
はるか「へへっ。一善の言う通りだな。イメージって基本じゃん?私達が魔法使いになって、初めにやった事」
美波「そうだね...なんか、大事なこと、思い出した」
莉茉「後ろ向きになってても、仕方ないからね」
麗美「いいこと言うじゃん。新入りのくせに」
一善「あははは」
ジャ「(一丁前にカッコつけやがって...でも、その通りだ。脱帽だよ、一善)」
幸二「いよいよ明日だな」
三太郎「あぁ。一度はどうなるかと思ったけど、今、俺達の心は一つだ」
一善「五百旗頭さんを、取り戻す」
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第167話 「それぞれの思惑」
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《東京タワー/展望台》
千巣「...いよいよ明日か」
ジャ「はい」
千巣「厳しい戦いになりそうか...?」
ジャ「正直...そうですね」
千巣「明日の天気は五分。俺達はここに残らないといけなそうだ」
ジャ「すみません無理言って」
千巣「多分大丈夫だろ。こっちは俺たちに任せて、しっかり戦ってこい」
ジャ「ありがとうございます」
千巣「...全員、生きて帰ってこいよ」
ジャ「!」
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《ロスト・フロンティア/牢獄》
榊「(フッ。いよいよだ。俺は今日という日を待っていた...)」
百目鬼「...」
ガオー ガオー!
ギャー!
カサカサカサカサカサ
ブーーーーーーーーーン!
榊は、動物達が飼育されている小屋の前へやってきた。
榊「お前達...今日が第2の誕生日だ。おめでとう」
百目鬼「...?」
ブシュッ!!
榊は、動物達に謎の注射をした。
ガオーーーーーー!
その後榊は、五百旗頭の元を訪れた。
五百旗頭「聞こえたわよ。ペットの趣味も悪いのね」
榊「かわいいだろう。おい、百目鬼」
百目鬼は、五百旗頭の足の錠を外した。
五百旗頭「?」
榊「お前も見届けたまえ。私の野望の達成を」
五百旗頭「...」
五百旗頭はよろつきながら立ち上がった。
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《第2支部》
そして、迎えた作戦決行当日。第2支部実働班のメンバーは、研究班に見送られ、戦場へ赴かんとしていた。
一善「今日...必ず五百旗頭さんを連れ戻す...そして、人々の命を守るんだ...!!」
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第168話 「雪解け」
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《第2支部》
三太郎「やっと来たな!」
幸二「...!」
はるか「待ってろなぎちん!!!」
麗美「やってやるわよ」
莉茉「頑張れ!私!」
美波「渚ちゃん...」
ジャ「みんな、調子は?」
三太郎「バッチリすぎるぜ!!!」
はるか「私もー!!!」
莉茉「相変わらず元気だね」
美波「なんか、いつもと変わらないみたい...」
一善「(俺に出来ること、イメージするんだ!)」
安西「皆!これ!」
安西は、全員に首輪のような物を渡した。お守りのようなものが着いている。
はるか「何これ?」
麗美「お守り?」
安西「これはただのお守りじゃないよ!首につけて話すと、声を拾って会話ができるスグレモノ!犬飼達と作ったんだ!」
犬飼「後これ、耳につけるんだ」
犬飼は、AirPodsのようなものを全員に渡した。
三太郎「あ!あ!あ!すげー!」
幸二「馬鹿!声がデカすぎる!鼓膜破れるわ!」
はるか「これ凄い!超使える!」
犬飼「だろ?他にも俺様が考えた凄い機能がt」
ジャ「ありがとう皆!」
犬飼「って最後まで言わせろやァ!」
安西「私達は行けないけど、よろしくお願いします」
犬飼「俺達の思いも一つだ。五百旗頭さんを助けて欲しい」
莉茉「任せてください!」
幸二「無事に帰って来れるよう努力します」
安西「あ、このセット予備100個くらいあるからb」
一同「用意周到ッ!」
三太郎「...おい、幸二」
幸二「...?」
三太郎は、幸二に右手を差し出した。
三太郎「その...あれだ、なんかなーなーになっちまったけど...」
幸二「...?」
三太郎「仲直り」
幸二「...」
パシィン!!
幸二が右手を払うと、甲高い音が鳴った。2人は少し口角を緩めた。
一善「(よかった)」
幸二「向こうで足引っ張ったら承知しないぞ」
三太郎「お前も、べそかくんじゃねぇぞ?」
幸二「当たり前だ」
ジャ「よし。俺達は行こう」
一善「...はい!」
こうして、一行は、決戦の地、ロスト・フロンティアへ向かった。
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《ロスト・フロンティア/城壁》
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ロスト・フロンティアには、島を真っ二つに横断する巨大な城壁がそびえ立っている。
榊は、五百旗頭を連れて、城壁の上部へやってきた。五百旗頭は手の錠をつけたまま、膝をついて座らされた。
風が強く吹いている。
榊「絶景だな」
五百旗頭「...」
榊「五百旗頭、見えるか?遠くの空が」
五百旗頭「...」
榊「ゼクシーザは今日、この遠い空を超えて、東京で革命を起こす。もう誰も涙する人間はいない」
五百旗頭「...」
百目鬼「6時間程度かと」
榊「わかった」
五百旗頭「...」
榊「ここで見ているといい、もうすぐ面白いものが見えてくるぞ」
五百旗頭「...?」
百目鬼「...?」
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第169話 「PETS」
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《ロスト・フロンティア/城壁》
ゾロゾロゾロ....
城壁にて海を眺める榊、百目鬼、そして五百旗頭の元へ、謎の集団が現れる。
五百旗頭「...何...これ?」
榊「紹介するよ。俺のペット達さ」
WANI「ハッハ!くそいい眺めだなァ!!」
USHI「高いところ...怖い...」
KANI「おいおい、もっとテンアゲしてこうぜぃ?」
SAME「お前はもう少し落ち着いたらどうだ」
HEBI「はやく面白いものがみたいわ♥」
HATO「まさに、天にも登る心地で御座います」
HACHI「油断は禁物だ。私達の手で、確実に任務を遂行するぞ」
五百旗頭「(何...?こいつら、人間?)」
スタッ スタッ
TORA「お前達。わかっているな?力こそ正義。我々はそれを証明する為に存在する」
WANI「ハハッ」
SAME「...」
HATO「フッ」
五百旗頭「これが、ペットだとでも言うの?」
榊「そう。これは私が研究した人造人間さ。その名も、”PETS”」
五百旗頭「ペッツ...?」
彼らは、榊が長い年月をかけて開発した動物由来の人造人間、通称、PETS(Prodigious Eight Terrific Soldiers)。一般の動物に榊が研究した特殊なマヂカラの液体を注射することによって、”人間の体”を持ち、並外れた頭脳と身体能力を備え、究極生命体となった生物。
榊「彼らは私の眷属。故に、私の意思に忠実に任務を遂行する」
五百旗頭「それはよかったわね。で、これを使って何をするつもりなの...?!」
榊「だから、空を見ろ。今にわかるだろう...」
五百旗頭「...?」
すると、遠くからジェット音が聞こえる。
五百旗頭「...!!!!」
五百旗頭の目には、魔法協会のプライベートジェット数機が、こちらに飛んできているのが見えた。
五百旗頭「!!!」
榊「フッ。来たな」
五百旗頭「あれは、まさか...?」
榊「お前のお仲間が迎えに来てくれたみたいだな」
五百旗頭「...?!なんで、なんでよ?!どうしてここが分かるの?」
榊「私が教えた」
五百旗頭「!!」
榊「お前ら、見せてみろ」
KANI「よっし!やってやるぜマスター!」
USHI「当たるかな...」
HACHI「絶対に当てろ。そして、我々の野望を達成するのだ」
TORA「全員準備しろ。あの飛行隊を全て撃墜する」
五百旗頭「!!!!」
榊「フッフッフッ。それでいい」
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第170話 「卑怯者のメゾット」
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《魔裁組サイド》
実働班のメンバーは、ロスト・フロンティアに向かって移動している。
一善「五百旗頭さん...!」
三太郎「絶対に連れて帰る!」
幸二「敵の好きにはさせない」
莉茉「五百旗頭さんがいない魔裁組なんて嫌だ!」
麗美「なぎちん...待ってて!」
はるか「全部ぶっ潰してやる!」
美波「(これが終わったら...渚ちゃんに言わないといけないことがあるんだ...!)」
プライベートジェットが、榊らに見える程度の距離まで近づく。
ジャ「!!!相手が攻撃してくるぞ!!全員覚悟しろ!!!」
一同「はい!!!」
《ロスト・フロンティア/城壁》
榊「やれ」
一同「イエス、マスター」
PETSは、迎撃体制を整えた。
五百旗頭「ちょっと!!!話が違うじゃない!!!私は...私は皆が無事でいられることを条件に貴方の提案を受けいれたの!!約束を破るつもり?!ふざけるな!!!!」
榊「確かに...私はお前の仲間に手は出さないと約束した...だが、”邪魔をすると言うなら”話は別だ」
五百旗頭「あなた、まさかその為にこの場所を彼らに...?」
榊「さぁ?」
五百旗頭「!!!...あなた最初から?」
榊はほくそ笑んだ。
五百旗頭「この卑怯者!!!!」
榊「フッ。どんなに切れ者でも、他人を質に取られると少し馬鹿になるな。お前を見てるとよく分かる...」
WANI「ハッハ。笑えるなァ」
HATO「真理ですね」
五百旗頭「!!!!!糞!!!!」
ドカッ!!!
榊は五百旗頭を蹴り飛ばした。
榊「...少し黙れ」
HEBI「あら、可哀想...」
五百旗頭「...(痛い...)」
魔裁組の飛行隊は、さらに近づく。
榊「お前たち」
TORA「イエス、マスター」
ポポポポポポ...!
PETSは、それぞれ手、口、胸部等にレーザーの光を充填した。
五百旗頭「...お願い!!やめて!!!」
榊「覚えているぞ。お前は確か...”仲間が欲しい”から研究者をしていたんだったな...」
五百旗頭「!!」
榊「今、お前から全て奪ってやる」
五百旗頭「やめろ!!!!」
榊「やれ」
TORA「了解」
バビューーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!
バビューーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!
バビューーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!
8体からそれぞれ強大なレーザーが、飛行隊に向かって発射された!!!
五百旗頭「...おね...がい...やめて...」
ドッカーーーーーーーーーン!!!!
レーザー光線は、飛行隊に直撃した!
パラパラ...
飛行隊は、煙とともに、跡形もなく大破した。
五百旗頭「......!!!」
榊「早くも、ゲームオーバーのようだな」
TORA「任務完了」
WANI「ハッハ!ちょろ」
KANI「なんか、つまらないなー」
SAME「生存確率凡そ0%」
HACHI「死亡を確認するまで油断するな」
榊「フハハハハハハハァ!!!!!だが流石にあれを受ければ生きてはいれまい!!!」
五百旗頭「あ...あぁ.........!」
飛行隊は、海の藻屑となって、消えた。
SOREMA -それ、魔!- 20 へ続く。
第163話 「作戦会議①」
第164話 「作戦会議②」
第165話 「前夜」
第164話 「イメージ」
第167話 「それぞれの思惑」
第168話 「雪解け」
第169話 「PETS」
第170話 「卑怯者のメゾット」