SOREMA -それ、魔!- 61

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SOREMA -それ、魔!- 61

 

 

 

 

 

 

 


右腕

 

 

 

 

 

 

 


【ノベルウォー現在の動向】

・渋谷

ジャスティン〇 vs サド●

 


・池袋(結界・煙)

莉茉● vs クリスティ●

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東海林・百目鬼〇 vs ユゴー

東海林、百目鬼は単独行動中

美波、描写の書の履術者に

千巣?、上野→池袋→後楽園方面に移動中

 


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虎走 vs アール・カルマ & 魔者数体

 


・皇居周辺

九頭龍坂・岩田 vs 魔者

 


・上空基地

五百旗頭・ひえり

ヒメ、外へ

 

 

 

 

 

 

 


第492話 「マイヒーロー」

 


回想──────

 


三太郎は、幸二に飛ぶ打撃の特訓をつけてもらう。

 


三太郎「ちっ...!もう1回!!赤のエレメント!!」

幸二「黄色だろ」

三太郎「うりゃぁぁぁ!!!!」

三太郎は何度も試行回数を重ねる。

 


幸二「俺がエレメントを飛ばす時は、弾を遠くに飛ばすイメージでやってるが、黄のエレメントだとエレメントを遠距離で弾き飛ばすのは難しいかもな」

三太郎「あぁ。ジャスティス・THE・ハンドでも、威力を保ったままだと中距離が限界だ」

幸二「発想を変えないと、頭打ちかもな」

三太郎「じゃあどうすりゃいいんだぁー?!?!」クシャクシャ

幸二「逆に、自分を大きくイメージするのはどうだ?」

三太郎「ん?」

幸二「俺はお前とは反対に、自分の近くでエレメントを操作するイメージをしてないから、なるべく遠くに遠くにって、自分を小さくイメージしてるんだ」

三太郎「おん」

幸二「お前の黄のエレメントの特性を活かしながら攻撃範囲を拡げたいなら、逆にお前自信を過剰に大きくイメージして、巨人になったようなイメージで攻撃すれば、今までと同じ感覚で距離も伸びるんじゃないか?お前はマヂカラを腕で練る癖があるから、腕からエネルギーの核を動かさない方がいいと思う」

三太郎「...なるほど、ひょっとしてお主天才か?」

幸二「いや、俺が前にやってダメだったから、お前なら出来るんじゃないかって思って」

三太郎「ふーん、照れちゃうなァ」

幸二「バカ。黙ってやれ」

 


三太郎「なるほどな、アニキに近づくイメージが湧いたぜ!!」

幸二「(千巣先輩が亡くなって長く経ってないが)お前が目指してるのはヒーローじゃなかったのか?」

三太郎「まぁな。でも周りの皆のいい所は吸収したい。それがスーパーヒーローに近づく第1歩だ」

幸二「なるほど」

三太郎「アニキ、ジャスさん。一善も。他にもすげえ人が沢山いるから、俺は頑張れる。自分もそうなりたいからさ」

幸二「...」

三太郎「お前だってすげえよ?幸二」

幸二「急に褒めるな。気持ち悪い」

三太郎「素直じゃねぇな。ま、いいけどさ!!」

 


三太郎は、幸二に言われたイメージで技を放った!

 


三太郎「...!!これって!!」

幸二「見たことないオーラ...!三太郎お前!」

三太郎「へへっ。少し掴めたぜ...!これならいける!」

 


《魔導結界・雷》

 


ウルフ「行くぞ...!!」

 


ビュンッ!!!

 


ウルフは幸二の顔面に殴りかかる!

 


ウルフ「”大蛸殴り”...!!」

幸二「...!」

ウルフ「入ったな...!くらいな!」

 


バッ!!!

 


幸二は一瞬で避ける!!幸二の頬には切り傷が浮かぶ!

 


幸二「...!(間一髪!)」

ウルフ「避けたか...だがこれは避けられまい!」

ウルフは、幸二の腹目掛けて再び拳を振るう!

 


ガンッ!!!!

 


すると三太郎がウルフの肋に飛び膝蹴りを食らわせる!

 


ウルフ「グハッ!」

三太郎「俺も忘れんなよ...!」

 


ドゴーーーーーン!!

 


ウルフは吹き飛ばされる!!

 


ウルフ「チッ...この俺をここまで吹き飛ばすか。やるな」

三太郎「まぁな。早く本気出さねぇと。死ぬぞ?」

ウルフ「フハッ。デケェ口叩くじゃねぇか」

幸二「お前の能力はなんだ」

ウルフ「フハッ。お前、俺が教えると思ったか?敵に己の能力を」

三太郎「確かに」

幸二「納得するなバカ。一応聞いてみただけだ」

ウルフ「気に入った。教えてやるよ。どうせ教えたところで関係ないからな」

三太郎「?」

 


ウルフ「俺の能力は、蒼魔導書第四十二章 入魂の書だ」

三太郎「ほーん。で、どんな能力だ?」

すると、幸二の顔が青ざめていく。

三太郎「ん?どした?顔色悪いぞ」

幸二「四十二章...?」

 


蘇る記憶...!

 

 

 

 

 

 

 


第493話 「四十二章」

 


《魔導結界・雷》

 


幸二「四十二章...だと?」

ウルフ「どうかしたか?」

幸二「どこで手に入れた?」

ウルフ「シェイクスピアに貰ったよ。何だ?」

幸二「...」

三太郎「おい、その四十二章がどうしたんだよ?」

 


幸二「四十二章は...俺の兄貴が魔裁組を抜ける原因になった事件で、兄貴が燃やした本なんだよ...!」

三太郎「...!」

ウルフ「?」

 


幸二「俺はその本を1回手に取った。元々その本は魔裁組で保管されてたんだ。こいつが今その力を持っているのは、俺のせいなんだ」

三太郎「...なるほど?」

ウルフ「何の話だ?」

幸二「なんの運命だろうな...こいつは俺が倒さないといけないみたいだ...」

ウルフ「フハッ。面白れぇ」

三太郎「おい、俺じゃねえ。俺”達”だ」

幸二「...!」

三太郎「お前の運命も、俺の運命も、今は同じだ。運命共同体ってやつだ」

幸二「お前」

三太郎「ここを出て、こいつらを倒すまではな。ま、昔のことはよく知らねえけど、こいつを倒さないといけねぇってのだけは本当だし」

幸二「...」

三太郎「人の運命を背負えないような奴は、ヒーローになんてなれないからな」

幸二「...!」

 


三太郎「で、どんな能力だ?」

幸二「俺はこの本の能力を知ってる。かなり強力だ、注意しろ」

三太郎「だから、どんな能力、、」

 


ウルフ「グダグダうるせぇ!!!」

 


バッコーーーーーーン!!!

 


ウルフは、三太郎を殴り飛ばした!!!

 


三太郎は、ふらつきながらも立ち上がる。

 


三太郎「へっ。効いてねぇなぁ」

ウルフ「マジか...!俺の能力で強化した打撃でそんなにピンピンしてる奴ァ初めてだ」

幸二「ん?」

 


ウルフ「おい、ヒョロい方。お前がどんな能力を知ってるかは知らねえが、もうこの力はお前が知ってる四十二章じゃねぇぞ?」

幸二「...そうっぽいな」

 


三太郎「あのさぁ、さっきから俺だけ置いてけぼりなんだが。もっと分かるように説明してくれん?」

 


幸二「四十二章、入魂の書は本来、無機物に魂を注いで操る能力」

三太郎「ビッグマム的な?」

幸二「多分そうだ。だが、あいつの言うことを信じるならそれは違う」

三太郎「ほう」

幸二「三太郎、お前今、攻撃を受ける時、何かしてたか?」

三太郎「ん?マイティガイ※は常中してるけど?」

※守護を全身に纏わせる能力。22巻参照。

幸二「成程な、だからダメージが少ないんだ」

 


ウルフ「だからさぁ。能力はバラそうが関係ないっつったろ?うだうだ分析してんじゃねぇよ。オタクかよ」

 


幸二「こいつは恐らく、自分の四肢に入魂して、実際の打撃よりも大きなダメージを稼ぐことが出来るんだ」

三太郎「ほう、要は殴ると強いってことよね」

幸二「...まぁそうだな」

三太郎「でもあれだろ、その元々の能力にも注意した方がいいんじゃ、」

 


そこにウルフが間髪入れずに両手で地面にチョップを入れる!!

2人は横に躱す!

 


スタッ...

 


幸二「これは最近分かったことだが、元々魔導書に書いてある能力をベースに、ある程度自分のイメージで能力を書き加えることが出来るんだ」

ウルフ「!!!」

 


ドゴーーーンン!!!

 


2人は、ウルフの攻撃を避けながら会話を続ける、

三太郎「お前も出来るのか?」

幸二「まぁ。だがそれをやるにはかなりの労力と、それを可能にする解釈の足し引きが必要だ」

 


ドゴーーーンン!!

 


三太郎「どゆこと?」

 


幸二「あの魔者の能力は、元々の魔導書の能力から割と発展している。解釈の足し引きっていうのは、元々の能力から離れた能力を使えるようにする代わりに、元の解釈通りの能力の効果を少し弱めることを指すんだ」

三太郎「要は、自分用にアップデートしていくと、その分元々の能力も解釈が変わって使えなくなっていくってことね」

幸二「あぁ。だから、必要最小限の警戒は解かずに、まずはあいつの超パワーに対抗する術を考えるんだ」

 


三太郎「成程ね。それは俺に任せな」

幸二「?」

 


ビュンッ!!!

 


三太郎は、ウルフの寸前に迫る!!

 


三太郎「超パワーに対抗するには、超・超パワーだ!!!!!!」

ウルフ「...!!!!」

 


バコーーーーーーーーン!!!!

 


三太郎「黄のエレメント...テラボルトフィスト...!!!」

ウルフ「...ぐはっ...!!!!」

 

 

 

 

 

 

 


第494話 「入魂」

 


《魔導結界・雷》

 


ウルフ「フハッ...中々やるじゃねぇか」

三太郎「へへっ。こんなの序の口だぜ?」

ウルフ「言うじゃねぇか...!」

 


ゴリッ...!

 


ウルフは右腕の筋肉を隆起させた。右腕はウルフ本人の半身分までに膨れ上がった。

 


ウルフ「これは俺の”魂の叫び”さ...己の肉体を強化してこそ魔法。ちょこまかとまやかす奴らと俺は違ぇ...」

三太郎「...」

ウルフ「俺はお前達を捻り潰し、不死の肉体を手に入れる。どうだ?最強の肉体の完成さ」

幸二「不死の...肉体?」

三太郎「そんなの、全然良くねぇよ!」

ウルフ「それはもう人間の古い価値観なのさ。老いや死が崇められる価値観はもう終わる。それは人間の時代が終わるってこった」

幸二「...!」

三太郎「...!」

 


ウルフ「”たった今”伝達が入った...お前らにとっていい知らせと悪い知らせがある。どっちから聞きたい?」

三太郎「...?」

幸二「早く話せ」

 


ウルフ「いい知らせ、6つある結界が3つ壊されたそうだ」

三太郎「...!」

幸二「皆...!」

ウルフ「直にシェイクスピア本人が後片付けをするそうだ」

三太郎「白鶯...!」

幸二「...で、悪い知らせは?」

ウルフ「魔法使いに死者がでたそうだぞ?」

幸二「!!」

三太郎「!!」

ウルフ「人間ならば仕方あるまい。最後まで戦い抜いての死ならば讃えよう。さぁ、続きを始めるぞ」

 


三太郎「...俺は信じない」

幸二「?」

三太郎は唇を真一文字に閉じて、押し殺すように言った。

 


三太郎「早くこいつ倒して、皆のとこ行くぞ!」

幸二「三太郎...(恐らく犠牲者が出てしまったのは本当だろう。魔者の話を信じ込むのも良くないが...だが今は、三太郎の言う通り、早くこいつを倒すこと、そしてここから出ることだ!)」

 


幸二は魔導書ゲッターを手にはめた。

 


ウルフ「それが妙な手袋ってやつか、注意しねぇとな」

幸二「...(こいつら、遠隔かテレパシーで情報共有してるのか...)」

 


三太郎「終わりがあるから、人は輝ける。そして、終わりがあるからこそ、人は守る価値がある」

ウルフ「どうせいつか死ぬもんをちまちま守って、本当に価値があるのか?」

幸二「限りある時間を互いのために使える。この誇らしさ、素晴らしさは、お前達には分からなくて当然だ」

ウルフ「...!」

三太郎「覚悟しろ...魔者!」

ウルフ「来いよ...!魔法使い!」

 

 

 

 

 

 

 


第495話 「雷の下で」

 


《魔導結界・雷》

 


三太郎は、気を溜める。

 


ゴゴゴゴゴゴ...!!

 


幸二「...(三太郎...特訓の成果を見せつけてやれ...!)」

三太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

ウルフ「凄まじいマヂカラだ...!面白い!!!」

 


三太郎「うぉぉぉぁぁぁ!」

 


三太郎は拳にマヂカラを溜めて、ウルフに殴りかかる!!

ウルフ「!!!」

 


ガチン!!!!

 


ウルフは三太郎の攻撃を両手で受け止めた!!

ウルフ「こんなもんか...?」

三太郎「うぉぉぉぉぉ!!!」

すると、三太郎のマヂカラは更に増し、赤みを帯びて、燃えるように三太郎を包む!!そして、受け止められた右の拳に更にマヂカラを溜め込み、ウルフごと押し込む!!!

 


三太郎「ぬぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ウルフ「!!!!!」バキバキバキバキィ!!!!

 

 

 

ドッカーーーーーーーーーーーン!!!!!!

 

 

 

ウルフは、壁を何枚も貫通し、飛ばされた!!!

 


幸二「まだ終わりじゃないぞ...!!(この雷、利用してやる...!!)」

幸二「蒼き青のエレメント!!!飛雷禍哭(ひらいかない)!!!!」

 


幸二は、結界内の雷を束ねる!!ヤマタノオロチの様な姿に変貌した雷がウルフを焦がす!!!

 


ウルフ「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」ゴロゴロピッカーーーーン!!

 


幸二「...」バチバチィ...

三太郎「やるな!幸二」

幸二「いや、まだ終わってない。見ろ...!」

 


ウルフは立ち上がり、手の甲で口元を拭う。

 


ウルフ「効いたぜ...!」

 


ウルフは宙に飛び、左足に入魂する!!

左足は大きく膨れ上がり、その左足を大きく振り上げる!!

 


ウルフ「これでも立っていられるかな?!」

幸二と三太郎の頭上に大きな影が被さる。

 


幸二「あれ受けたら」

三太郎「やべぇな」

幸二「避けるぞ!」

三太郎「いや...!」

幸二「?」

ウルフ「避ける暇があるなんて、俺は言ってねぇぞ!」

幸二「...!」

ウルフ「”白鯨落とし”!!!」

 


ドゴーーーーーン!!!!

 


ウルフは高速で巨大な左足を振り下ろした!!

 


しかし、三太郎はウルフの足裏に右の拳をぶつけてガードしていた!三太郎はウルフの足裏で食いしばる!幸二は間一髪、三太郎に助けられた。

三太郎「くっっ...!」ギギ...ギギ...

幸二「三太郎!!!」

三太郎「お前も手伝え!!」ギギギギ...!

三太郎は、今にも潰されそうな勢いだ!

幸二「...(このままじゃ潰される...!)」

ウルフ「終わりかな?」

幸二「...!操天!竜巻!!」

 


ヒュゥゥゥ!!!

ウルフは一瞬体制を崩す!その隙に幸二は三太郎を抱えて横に避ける!!

 


ドゴーーーーーン!!!!!!!

 


ウルフの攻撃は誰もいない地面に大きな穴を開けた。

 


三太郎「ハァ...くっそ...あともう少しで弾き返せたのに...!」

幸二「あいつと力比べするのは厳しいぞ」

三太郎「わかってる!でももうすぐ完成しそうなんだ...!俺の新しいエレメントが...!!!」

 

 

 

 

 

 

 


第496話 「朱(あか)の力」

 


《魔導結界・雷》

 


三太郎は痺れる右手を抑えながら、ウルフに立ち向かう。

 


ウルフは三太郎の攻撃を避けながら、高速で攻撃返す!

 


ヒュッ!バッ!ガッ!ドカッ!ガチッ!ドゴッ!

 


幸二は遠くから隙を見て攻撃を放つ!!

 


幸二「青のエレメント!ハート・THE・トリガー!!」

ウルフ「!!」

ウルフは幸二の放った弾を握り潰そうと手を伸ばす!

幸二「今だ!アクセラレイト!!」

幸二がそう言うと、弾は2つ、4つと分裂し、動きを早めてウルフを四方から攻撃する!!

ウルフ「弾が割れた?!」

三太郎「よそ見してんじゃねえぞ!!!」

 


三太郎は再び拳を赤く光らせ、ウルフにアッパーを食らわせる!!!

三太郎「...(この感覚だ...!やっと出来た!!)」

ウルフ「!!!」

 


ドッカーーーーーーーーーーーン!!!!!

 


三太郎のアッパーと幸二の弾が同時にウルフに命中した!!!!

 


ウルフ「ぐわぁぁぁ!!!!」

 


ウルフは、後方に頭から倒れる。

 


幸二「今のは」

三太郎「あぁ...俺出来たぞ、黄のエレメントの進化系、俺だけのエレメント、名付けて...」

幸二「?」

 


三太郎「オレンジのエレメント!!!!」

 


幸二「ちょっとださい!!!」

 

 

 

三太郎「今の感覚を応用すれば、もっと沢山の戦い方が出来る...!間違いない!」

幸二「...(確か三太郎が打ったエレメントの色は赤だったよな。原色の黄色と混ざってオレンジか...まぁ悪くないが...)」

三太郎「このオレンジの、」

幸二「”朱”(あか)のエレメントってのはどうだ?朱色の朱で」

三太郎「朱のエレメント...かっけぇ!流石厨二病重症患者!貰うぜそのネーミング!!」

幸二「誰が重症患者やねん」

 


ウルフが立ち上がる。

 


ウルフ「エレメントだっけか...?その色がなんだよ。魔導書の魔法こそが魔法...お前達のそれはハッタリだ」

三太郎「あ?お前なぎちんの研究を悪く言ったな?許さねぇぞそれは」

幸二「...!」ギロッ

ウルフ「まぁなんだっていい...そろそろ、飽きてきたな。終わりにすっか」

三太郎「望むところだ」

幸二「...!」

 


ウルフ「超入魂!!!!」

 


ウルフは自らのみぞおちに自ら拳を突っ込む!!

 


グギッ...ゴボゴボゴボ...!!!

 


ウルフの肩から隆々な腕が2本映え、背中には肉々しい羽が2つ生えた!!

全体的に体もごっつく大きくなった!

 


ウルフは右2本の腕で宙を殴った!

 


すると、その衝撃が地面をめり込み2人を襲う!!

 


三太郎「!!」

幸二「!!」

 


幸二らは後ろに後退する。

 


ズザザザ...

 


ウルフ「これが今の俺の最善の肉体...そして不死の力を手にいれ、更なる高みへ進むのさ...!」

 

 

 

 

 

 

 


第497話 「右腕」

 


《魔導結界・雷》

 


三太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

ウルフ「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 


ウルフと三太郎は、突進する!!

 


ウルフ「叩き潰してやる!!”雲丹剛拳”...!」

三太郎「朱のエレメント!!!ブレイズキャノン!!!」

 


ガチッ!!!!!!

 


2人の拳がぶつかり、空が割れる!!!

 


幸二「今だ!!」

幸二は、魔導書ゲッターを付けた手を伸ばす!!

 


バチバチバチィ...!!!

 


しかし、幸二の手は謎の波動に阻まれてしまった!

 


幸二「...くっ。まだ早いか。五百旗頭さんが言っていたな...まだ削り足りない...!」

ウルフ「あっぶねぇな!!」

ウルフは幸二に裏拳をくらわす!幸二は弾き飛ばされた。

三太郎「ブレイズキャノン!!!」

ウルフ「!!!」

三太郎とウルフは何度も殴り合う!!

そこへ幸二も参戦する。

幸二は距離を取りながら、隙を見て攻撃を図る!

三太郎「幸二!あれやるぞ!」

幸二「...!」

 


三太郎「くらえ!インパクトマグナム!!023!!」

三太郎と幸二の合体技が、ウルフを襲う!!

ウルフは、4本の手で攻撃を受け止め、受け流す!!

三太郎「くそ!」

幸二「まだだ!蒼き青のエレメント!!豪砂蒼葬!!」

ウルフ「無駄無駄無駄無駄ァ!!!!」

ウルフは幸二の攻撃をかき消す!!

三太郎「幸二行くぞ!!朱のエレメント!!イグナイトストライカー!!!」

三太郎は、両手で火球のようなエレメントを作り、足蹴にして飛ばす!!

ドゴォン!

ウルフ「ぐわぁぁぁぁ!!!」

三太郎「いてぇだろ!!もう1発くらえ!!」

ドゴォン!!

ウルフ「くっ...!」

幸二「ハート・THE・トリガー、アクセラレイト!!」

ウルフ「ぐわぁぁぁぁ!!!」

 


三太郎「朱のエレメント!!!!ブレイズキャノン!!!」

三太郎はウルフに右の腕を伸ばす!!

 


ガシッ!!

 


ウルフは三太郎の腕を4本の腕で掴んだ!

三太郎「...!」

ウルフ「貧弱な腕だな...」

 


ゴ          キ          ッ          !

 


三太郎「!!!!!!!!」

幸二「三太郎!!!!!」

 


三太郎の腕は波打つ様に複雑に折れた。

 


ウルフ「お前はもう終わりだ」

ウルフは三太郎を思い切り蹴飛ばした!!!

 


ブシューーーーーーーーーーー!!!!

 


三太郎はロケットの様に勢いよく壁に激突した!

 


幸二「三太郎!!!!!!!」

 


ウルフは高速で幸二の後ろに回り、後頭部をがっちりと掴む。

 


幸二「!!!」

ウルフ「お前も再起不能にしてやらァ」

幸二「...!蒼き青のエレメント!!絶渦繚乱!!」

ウルフ「...何!」

 


幸二とウルフの周りを暴風が覆う!

 


ウルフ「うわぁぁぁぁ!!」バキバキバキバキィ!!

 


幸二は三太郎の元へ駆け寄る。

 


幸二「三太郎!腕は!」

三太郎「...悪ぃ、右腕はもう使えねぇかも」

三太郎はだらんと下がった右腕に左手をやりながら言った。

幸二「...後は俺がやる。お前の攻撃であいつの蓄積ダメージも大きい筈だ...!」

三太郎「俺だってまだ戦える!」

幸二「だが腕の使えないお前に何が出来る?お前はもう十分役割を果たしてくれた。もう用済みだ」

三太郎「...冷たいんだか、優しいんだかわかんねぇな」

幸二「マヂカラもほとんど使い果たしてる。腕でマヂカラを練るお前は残念だが、ここから先は足でまといだ...だから」

三太郎「...?」

 


幸二「俺がお前の、右腕になる...!」

 

 

 

 

 

 

 


第498話 「異形」

 


《魔導結界・雷》

 


ウルフ「まぁいい...その金髪のガキはもう戦えまい。お前を殺してから絶望の中で殺すとしようか」

幸二「...」

ウルフ「確かにお前達は中々いいものを持っていた。だが腕1つ失った位でがたつく力に価値はない」

幸二「...言っただろ。俺がこいつの右腕になるって」

ウルフ「見たところお前は近距離戦闘に適さないように見えるが。さっきからちょこまかと、遠くから小細工を仕掛けてるだけじゃねぇか」

幸二「その小細工が地味にお前を追い込んでるとも知らずにな」

ウルフ「...」

 


幸二「今逆算した結果、お前を倒すのに必要な手順は、後二手」

ウルフ「...ほぅ?」

幸二「分からなくていいさ。もう今から終わらせる」

ウルフ「フハッ。どいつもこいつも...」

幸二「操天・濃霧」

 


幸二は辺りを霧で覆った。

ウルフ「...!見えん。ならばマヂカラの気配を感じ取るのみ!!」

 


ウルフは幸二のマヂカラを探知する。

 


ウルフ「?!離れている?」

 


幸二は、走を使って、ウルフから極限まで距離を取っていた!

 


ウルフ「成程...敵前逃亡ってやつか」

三太郎「幸二?!どこだ?!」

ウルフ「ならばこの金髪から殺してやろう!友に裏切られる最期なんて、悲しいなァ!」

三太郎「幸二ー?!」

ウルフ「死ねぇ!!!!」

 

 

 

すると、ウルフの首を青いオーラの弾丸が貫いた!!!ウルフの首は吹き飛んだ!!!

 

 

 

幸二「成功したか...青のエレメント、ヘヴン・THE・ディメンション」

 


オーラに切り裂かれ、濃霧は消え去る。

 


ウルフは首を飛ばされながらも、意識を保ち言葉を吐く。

 


ウルフ「...何が起こった?」

幸二「この技は、”距離が離れれば離れる程”威力が増す技。瀕死のお前の首を飛ばすのなんて、わけないっていう話さ」

ウルフ「成程...負けたっつぅわけか。なんか、気持ちわりぃなァ...味気なさすぎだろ」

幸二「...(三太郎との特訓が生きたな。この技は三太郎のそれと真逆の発想から生まれた技...!)」

幸二「知らない間に背後にいるものだ、敗北というものは」

 


ドボッ!

 


幸二はウルフの残された胴体に手を突っ込み、魔導書を取りだした!

 


三太郎「やった...のか...!」

幸二「あぁ」バタッ...

三太郎「幸二!」

 

 

 

その時、ウルフの落ちた首の断面から手が生え、幸二の手から魔導書を奪い返した!!

幸二「しまった!!!」

三太郎「あ!!」

 


ウルフの首は、魔導書を持った腕ごとウルフの胴体に吸収され、首を失った胴体から再び首が生え始めた!

 


ウルフ「ゴボホビビボ...」

 


幸二「何なんだ...?!こいつ?!」

三太郎「復活しやがった...!!」

ウルフは、未完成の首を大きく揺さぶりながら、4本の腕をぶん回し、幸二と三太郎に襲いかかる!!

幸二「魔導書本体のイメージが暴走してるんだ!!」

三太郎「言ってる意味が全然分からねぇ!」

幸二「とにかくこいつを倒す!!!」