SOREMA -それ、魔!- 33

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SOREMA -それ、魔!- 33

 

フィクサー

 

────


第282話 「死んでくれ」

 

────


《魔導結界・荒野》


エミリー「ふふっ。気持ちいいわね」

千巣「?」

エミリー「もっと考えて。私を殺す方法を」

エミリーは、千巣に近づく。


千巣「...」

エミリー「あなた程の男が、今私の事だけを考えている...」

千巣「ははっ。そうですね」

エミリーはしゃがみ、千巣の頬に両手を当てる。そして、千巣に顔を近づける!


エミリー「だからもっと考えて、その眼で?、そのナイフで?私をどう殺したい?ねぇ、千巣万之助君...!!!」


千巣「...いい匂いですね」

エミリー「?」

千巣「さっき俺が受けた弾は、あなた程の人間を手放した魔裁組の罪滅ぼしということで」

エミリー「...生意気ね。カッコつけてんじゃないわよ。私は自分の意思で抜けたのよ」

千巣「…すみません」

エミリー「…」


スッ


千巣は、左手でエミリーの両目を覆う。

エミリー「...?!」

そして、千巣は、そのままエミリーを地面に押し倒した。


ガン!


エミリー「…何の真似?」

千巣「あなたのことをずっと考えてたら、答えに辿り着きましたよ?」

エミリー「??」

千巣「さようなら、季彩先輩」


エミリー「?!」

そして、千巣は、顔をエミリーの左耳に近づけて囁いた。

 

千巣「”死んでくれ”」

 

エミリー「?!」

千巣は起き上がり、離れた。千巣は、エミリーに背を向けた。


エミリー「…」

エミリーは立ち上がった。

エミリー「さようなら」

エミリーは刀を取りだした。

 

そして、刀を自らの腹部に突き刺した…!!!


グサッ…!!!!


千巣「…」


やがて、エミリーは力尽きた。

 

 

 

────


第283話 「悪い予感」

 

────

 


四十六眼・奥義 ”空音(そらね)”


千巣万之助が自ら考案したオリジナルの術。

相手の視界から光を奪うことを条件に、相手の聴覚、そして”第六感”を支配する。

第六感を支配された相手にとって、千巣が発する命令は絶対となる。相手は命令に従ってアクションを起こす。なお、従う命令は、5文字以内と決まっている。

エミリーは「死んでくれ」と命令され、その通りに死んだ。

ちなみにこの術は、使うと一定期間この術のかかりが悪くなる。

 

────

 

《千葉某所》

午後6時頃。

 


千巣「…」

 

千巣はしばらく沈黙する。

 

エミリーの結界は崩れ、エミリーは結界の中で死に絶えた。

千巣「(遺体は結界と共に消えてしまった…ご愁傷さま)」


千巣は時計を見る。


千巣「やばい!支部の飲み会に遅れる!ニッカ飲まされる前に帰らねば!!てかここどこ!!」


千巣は、タクシーを捕まえ、第1支部へ急ぐ!

 

────

 

《第1支部


千巣は、第1支部へ到着する。そして、広間へ向かう。

千巣「…」


シーーーーーーン


千巣「…(誰もいないのか?)」

千巣は、支部の中を歩く。


千巣「…(どこか違うところで飲んでるのか?いや、だったら連絡くるよな)」

千巣は、食堂や、客間などを見る。

千巣「本当に誰もいないのか…?電話してみるか」

千巣は、九頭龍坂に電話をかける。


プルルル… プルルル…


千巣「(出ない…)」

千巣は、虎走に電話をかける。


プルルル… プルルル…

すると、どこかから、着信の音がする。

千巣「(この電話の音?近くにいるのか?)」

千巣は、電話をかけたまま、音を辿る。


千巣「虎走の部屋…」

千巣は、虎走の部屋の前で立ち止まった。

プルルル… プルルル…

コン  コン!

千巣「おい葉月。そこにいるのか?みんかも一緒か?」

シーーーーーーン

千巣は、扉に耳を当てる。

千巣「(電話の音は間違いなく中からだ)」

千巣は、強くノックする。

千巣「入るぞー」


ガチッ!!


千巣「?!」

ドアには鍵が掛けられていた。

千巣「(スマホ忘れて出ていっただけ…それともドッキリ…?いや、なんか嫌な予感するよな…?)」

千巣は、足の裏を扉に当てた。

千巣「5秒。返事がなければ、蹴破る」

 

1…2…3…4…

 

千巣「5。それじゃあ」


ドゴーーーーーーーーン!

 

千巣は、ドアを蹴破った。

千巣「?!!!?!?!!」


そこには、机に突っ伏したまま手足を謎の縄で縛られた虎走の姿があった!!!


千巣「葉月?!」

 

────


第284話 「血の匂い」

 

────


《第1支部 / 虎走の部屋》

千巣「葉月?おい、寝てるのか?葉月!!」

そして、千巣は、縄を見る。

千巣「(息はまだあるな…外傷もない。だが何があった?寝ているのか?それにこの縄……しかもマヂカラの気配がする…!)」


千巣は急いで他の部屋を見る!


すると、九頭龍坂と村松も同じ様に縄で縛られて寝ていた!


千巣「(何があったんだ…?伊藤は?鬼屋敷さんは?)」


千巣は、伊藤の部屋へ向かう。

千巣「(伊藤はいない…鍵もかかってない…)」

千巣は、奥の鬼屋敷の部屋へ向かう。


千巣「(誰かの仕業なのか?鬼屋敷さんは何してるんだ…?今日はずっと夜までいるはずだ…!)」

 

千巣は鬼屋敷の部屋へ急ぐ。


幾重もの扉を通り過ぎ、鬼屋敷の部屋へ入る。

すると、衝撃の光景が目に入る…!!


千巣「!!!!!鬼屋敷さん!!!!!!」

 


ド        ン         !

 


鬼屋敷は、何者かに襲撃され、血を流して椅子に腰掛けて息絶えていた。

千巣は、鬼屋敷に駆け寄る。

 


千巣「鬼屋敷さん…!鬼屋敷さん?!何があったんです!!ここで!!」

千巣は、鬼屋敷の脈をはかる。

千巣「!!(…ダメだ)」

千巣は動揺する。

千巣「(なんで…なんで鬼屋敷さんが…?!誰だ?!魔者か?!)」

そして、千巣は、部屋を見渡す。すると、手前の角に、伊藤が血みどろの姿で倒れていた!!

 


千巣「伊藤!!!!!!」

 


伊藤は、腹部を貫かれ、出血していた。

 


千巣「おい伊藤…!伊藤!!」

伊藤「…う…うぅ…千巣…先輩…!」

千巣「これ…どうしたんだよ!誰かにやられたのか!!ゆっくりでいい、話してくれ…!」

千巣は、傷口を治療しながら問いかける。


伊藤「ハァ…ハァ…鬼屋敷さん…は?」

千巣「…もう」

伊藤「…!ごめんなさい…私の…せいで…」

千巣「…?」

 

 

──時を遡ること半年前──

 


《都内某所》

伊藤「今日は…何の用ですか?」

X「今日はね、君にプレゼントをしに来たんだ」

伊藤「プレゼント?前に言ってましたけど、何なんですか?」

X「これだよ」

Xは、伊藤に1つの魔導書を渡した。

伊藤「これって?!」

X「蒼魔導書第四十章 ”催眠の書”。そう、君のお姉さん、凛さんが履術していた魔導書さ」

伊藤「…!」

X「君にあげるよ。君なら、この力を使いこなせると思う。魔裁組として生活する中で、少なからず魔法に耐性が出来ているだろうから」


伊藤「でも…これをどうしてあなたが?」

X「これはね…魔者を退治したら出てきたんだよ。私も驚いた。これは君にあげるべきだと思って、ずっと私が持ってたんだ。そして、この力を使って君に頼みたいことがある」

伊藤「…?」

X「鬼屋敷に話を聞きに行く。作戦の当日までに、この力に慣れて、下準備をしておいて欲しい…」

 

────


第285話 「フィクサー

 

────


──それから私(伊藤)は、催眠の書の力をこの手にした。

 

支部の皆には内緒にした。

 

鬼屋敷さんに、毎日微量の催眠をかけることで、私の催眠の術に落ちやすい様に仕立てた。「おやすみなさい」。これを毎日毎日、唱えると、どんどん鬼屋敷さんの体は、私の術にかかりやすくなっていく。


伊藤「どうして、毎日催眠をかけないといけないんですか?」

X「直接会いに行く時の為だ。第1支部に」

伊藤「どうして?」

X「鬼屋敷は、白鶯と繋がっている場合、口封じで私を殺すだろう。第1支部でそれが起きたとなれば、私がたとえ殺されても、奴の正体は白日の元に晒される」

伊藤「…」


X「本当は私も殺されたくはない…だが、あの女には敵わない。君の催眠の書の力で、少し大人しくさせて欲しいんだ」

 

────


《第1支部 / 鬼屋敷が殺される30分前》


そして、私は作戦当日、お酒に睡眠薬を仕込み、全員を眠らせた。そして簡単に起きないように、縄に催眠の力を混ぜこみ、術に落とした。鬼屋敷さんには、吸魔の札を仕込んだ。


伊藤「準備出来ました」

X「ご苦労。では向かうとしようか」

伊藤は、Xを支部に招き入れた。


Xは、伊藤を連れて、鬼屋敷の部屋へ向かう。

X「今日は革命の日だ…この世界が明るい未来へ向かう、その第1歩だよ…」

伊藤「は、はぁ…」


Xは、鬼屋敷の部屋に入る。

すると、鬼屋敷は目を覚まして待っていた。


伊藤「!!!」

X「催眠は?」

伊藤「え、あ、いや…」

鬼屋敷「これのこと?」

鬼屋敷は、切られた縄を持って言った。


X「ふっ。やはり化け物だな」

鬼屋敷「”久しぶり”ねぇ。いつ以来かしら」

X「さぁ。もうとっくにくたばってるかと思ってたよ」

鬼屋敷「声を変えて、マスクしてようが、私の目はごまかせないわよ?」

X「...」

Xは首に巻いていたボイスチェンジャーを外した。

伊藤「???」


鬼屋敷「伊藤ちゃんにその力を与えたのはあなた?」

X「あぁ」

鬼屋敷「やはり、私の見込みは間違ってなかったみたいねぇ…平均的なスコアの伊藤(あなた)を準特級に推薦したのは私よ。まぁ術のタネまでは分からなかったけど」

伊藤「…!!」


鬼屋敷「それしてもアンタ、悪趣味ねぇ。'自'分'で'奪'っ'て自分から返すなんて」

X「…」ニヤッ

伊藤「え…?!どういうこと」


X「伊藤蘭…君に言っておくべきことがある」

伊藤「…?」

X「君のお姉さん。伊藤凛を殺したのは…」

伊藤「??」

 

 

X「私だ」

 

 

伊藤「…え…今なんて?」

鬼屋敷「…」

 

────


第286話 「人間国宝、死す」

 

★────


《第1支部 / 鬼屋敷が殺される30分前》


X「はっはっ。改めて自己紹介が必要かい?」

伊藤「お前…まさか…?!」


鬼屋敷「もうよしなさい…それで?ここには何しに来たのかしら」

X「鬼屋敷蝶絵。お前がその年になっても未だに全盛期の水準の力を蓄えている理由。それはお前の魔導書の力だな?」

鬼屋敷「…」

X「蒼魔導書第五十章 ”時間の書”。時間を止めたり早めたりする能力の他に、その書の履術者は”ピークを迎えてからもマヂカラが衰えない”。違うか?」

鬼屋敷「ハッハッ。ビンゴよ」


X「俺は今持ってる'こ'の'力と、お前のその力を使って、永遠の時を生きたいのだ。そして、永遠にこの星の王であることを願っている」

鬼屋敷「ハッハッ。欲張りねぇ。あなた、これで何個目?」


X「3個目」


鬼屋敷「なるほどねぇ…」

Xが、デスクの向こうの椅子に腰掛ける鬼屋敷に迫る。

X「覚醒はしたとはいえ、体には催眠がかかったままのようだな」

ガッシャーーーーン!!

Xが、机を退かす。

伊藤「!!!」


X「これからは私たち”ノベル”の時代だ。その意味が、直に分かるだろう…」

伊藤「鬼屋敷さん!!!」

鬼屋敷「ハッハッハッ。ナメるんじゃないわよ。アンタらを超える程の逸材が今たくさんいるのよ。一筋縄では行かないわ」


伊藤「(こいつが…”そう”なら。こいつが…”そう”なら!!ここで!!!!)」

シャキッ!

伊藤はクナイを持って、Xの背中に走り込む!


伊藤「姉の仇!!!!!!」

鬼屋敷「!!!」

X「…!」


ボワッッッッッッ…!!!!!


Xから黒いオーラが突出し、伊藤は遠くへ弾かれた!


伊藤「…!」ドカーン!


X「雑魚は引っ込んでろ」

伊藤「!!!」


X「…!」

Xが一瞬フリーズした。


鬼屋敷「?」

X「(時間切れか…)」

伊藤「…?」


X「さぁ、人間国宝、鬼屋敷蝶絵。何か、言い残したいことは?」

鬼屋敷「…そうねぇ」

X「…」

伊藤「…」


鬼屋敷「今の子達はね…”新しい力”で未来を切り開いている。最初は胡散臭いと思ってたわよ…でもその研鑽…その努力…その全てに価値がある。私はずっと…時が止まっていたのよ。私はこれでおさらばするわ。後は若い力に…未来を託す…!」


X「終わりか?」


鬼屋敷「あんたも、そんな若い子を誑かして…必ず天罰がくだるわよ…あんたは今、魔法使い全員から殺意を向けられている。その重大さに気がついた方が身のためよ。人生の先輩として、それだけは言っておいてあげる」


X「…あばよ」

Xは、腕を”ドラゴンの様な腕”に変化させた。

 

グシャッ!!!!!

 

────


第287話 「第一事変」

 

────


《第1支部

鬼屋敷蝶絵 死亡。

75歳にして、最強の魔法使いと名を馳せた、魔法界人間国宝

その勇姿は、命の灯火を消されようとも、人々の記憶の中に…燃え尽きることは決してない。


X「…」


Xは、鬼屋敷の腹部に突き刺さった右腕を抜いた。


伊藤「!!!」

すると、Xの右手には、魔導書が握られていた!!


伊藤「…?!どうして?!(履術者が死んだら、魔導書はどこか他の場所に現れるんじゃ…?)」


X「はっはっ。はっはっはっは!!!!!これで、私は完璧な生命体となった!!!!感謝する!!感謝するぞ!!!!」

伊藤「な、なんで…魔導書が!!」

X「私は王であり、神である。神の元には、魔導書が強い引力によって引き寄せられるのだ」

伊藤「…?!」


X「まぁいい。私も急いでいる。もうすぐ”狂犬”が現れそうなのでな。ここで我々の下準備を水の泡にしては勿体ない。失礼することとしよう」

伊藤「貴様…!!私は用済みということか?!」


X「用済み?」


グシャッ!!!!


伊藤「!!!」

Xは、伊藤の腹部を貫いた!!!!


X「用済みの駒など存在しない。死んで初めて、用を全うするのさ…」

伊藤「!!!!」グハッ…!!!


伊藤は、地面に倒れ込んだ。

ドク…ドク…!

X「苦しんで死んでいけ。このババアを殺したのはお前と言っても同然だからな」

伊藤「お前が…!!ガハッ…お前が凛姉さんを!!!!」

X「馬鹿というのは、罪なものだ」

伊藤「貴様…!!!!!」

X「まぁ、いずれ来る大きな戦いに備えておくんだな。今日の所は、もう帰ることとする。私も元魔法使いだ。同じよしみの若い命には、少しの情けもかけよう...!どの道全ての魔導書は我々の手に堕ちるんだ...それまでせいぜい足掻いてみたまえ」

伊藤「ハァ...ハァ...」


X「死んでいくお前には関係の無い話か。はは」


伊藤「貴様…白鶯蓮源!!!!!!!!」


X「白鶯蓮源…ねぇ。その名前はもう捨てた」

伊藤「…?」


Xは、マスクを外した。

 

白鶯「”シェイクスピア”。これが私の新たな名前だ…!」

 


黒幕の正体──────!

 

────


第288話 「懺悔」

 

────


《第1支部 / 千巣が駆けつけた後》


千巣は、倒れる伊藤を抱き抱える。

千巣「白鶯が…現れた?!」

伊藤「ハァ…ごめんなさい…ごめんなさい…私のせいで…ごめんなさい!」グハッ

千巣「それ以上はもういい…!」


伊藤「私…こんなことのために…魔法使いになったんじゃ…ないのに」

千巣「伊藤…!」

伊藤「ノベル…それが白鶯の組織の名前…恐らくですけど…」

千巣「ノベル…何を企んでいる…!」

伊藤「気をつけて下さい…何か大きなことを…企てている…」

伊藤は、力の入らない腕で、千巣の手に触れた。

伊藤「どうか…お願いします…私と…姉の仇を…必ず取って…くれませんか…私には…もう…頼むことしか出来ないから…!」

千巣「おい…おい!!伊藤!!!しっかりしてくれ!!!」

伊藤「やっぱり…凛姉さんの言ってたこと。全部正しかった…」

千巣「…?」

伊藤「お世話になりました…」

千巣「伊藤ぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

伊藤蘭 死亡。

 

ダッダッダッダッ…!


ガラガラガラ!


眠っていた虎走らがやって来た。

虎走「ハァ…ハァ…!!!!」

村松「!!!!!」

九頭龍坂「姐さん!!!!伊藤ちゃん!!!!!」


千巣「…」

虎走「先輩…これ…何があったんですか?」

九頭龍坂は、鬼屋敷の元へ駆け寄る。

九頭龍坂「姐さん!!!姐さん!!!」

村松「…」

ラキラキ「クゥゥン…」


千巣「…」プルプル…

九頭龍坂「!」

虎走「!」

村松「!」


千巣「うぅ…!あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

────

 


ー回想 / 伊藤の走馬灯ー


《伊藤の家》


伊藤凛「それでね!冷蔵庫にあった千巣さんのプリンを、葉月ちゃんが勝手に食べてね!」

伊藤蘭「うんうん!」

凛「でも、本当はそのプリン鬼屋敷さんので!」

蘭「え!」

凛「葉月ちゃん呼び出し食らって、鬼屋敷さんに1時間説教されてるのを、小町ちゃんがインスタライブしてて」

蘭「ウケるww」

凛「でも村松ちゃんがラキラキ連れてったら鬼屋敷さん急に上機嫌になっちゃって!その時の写真がこれ」

凛は、蘭に鬼屋敷とラキラキのツーショットを見せた。

蘭「ラキラキかわいぃぃぃぃ」

凛「第1支部のアイドルだからね!」


凛は、第1支部の話を蘭によく聞かせていた。

 

────


第289話 「お姉ちゃん」

 

────


《伊藤の家》


とある日。

凛「ただいまー」

蘭「おかえりーって!凛姉ちゃんすごい傷!」

凛「今日はちょっと手こずっちゃってさ…!でも大丈夫!寝れば治るっしょ」

蘭「それならいいけど…あんまり無理しないでよ?」

凛「てか、なんかいい匂いするなぁ」クンクン

蘭「今日のご飯は手作りふわとろオムライスです!」

凛「うわぁ!めっちゃ好きなやつだ!!!」

 

とある日。

ガチャッ

凛「蘭!まだ起きてたの?もう夜の3時だよ?」

蘭「お姉ちゃん…明日バイト早いのに寝れないよ…いつものやつやってよ…」

凛「本当は魔法使いじゃない人に魔法をかけるのはダメなんだよ?いっつもいっつも…」

蘭「…だめ?」

凛「んーもう!仕方ないな…ベッド行って」

蘭「わーい!」


蘭はベッドで寝っ転がる。凛は、蘭の手を握り、子守唄を歌う。


蘭「むにゃむにゃ…なんか…眠くなって…きた…」

蘭は、眠りについた。

凛「…笑」

 

────

 

とある日。ショッピングモールにて。

凛「買い物だぁ!久しぶりだなぁ」

蘭「最近仕事で忙しかったもんね!」

凛「よぉし!今日は服買うぞ〜!あとピアスも新しいやつ欲しいね!」

蘭「まずは映画だよ!ずっと見たかったんだよねぇ鬼滅!」

凛「そうだった!」


〜〜〜〜〜


凛「ウォンウォン…!めっちゃ泣けた〜」

蘭「私も〜ウォンウォン…!」

凛「回想シーンとかやばかったよね…」

蘭「うん…もしお姉ちゃんがいなくなったらって考えたら…」

凛「考えすぎだよ蘭は〜」

蘭「私、ひとりじゃ何も出来ないからさ…ずっと一緒にいてね…お姉ちゃん」

凛「大丈夫だって。泣きすぎだよ蘭…笑」

凛は、蘭の涙をハンカチで拭った。


〜〜〜〜〜


凛「あぁご飯美味しかった〜」

蘭「あ、お姉ちゃんちょっとお手洗い行っていい?」

凛「行っておいで〜」

蘭「お姉ちゃんは行かない?」

凛「うん。まだいいかな。ここで待ってるね」

蘭はトイレへ向かう。


凛「…?」

凛は、異様な気配を察知する。

凛「(なんか…嫌な予感がする…行ってみよ)」


凛は、少し歩いた所に、1人の怪しげな男を発見する。

凛「(何…あの男。って!!)」

その男の隣には、魔者が立っていた!

凛「魔者?!なんでここに?」

男「ほう、こいつが見えるのか」

凛「(この顔…ポスターで見た…まさか!)」

男「魔裁組か?」


凛「わかった…!白鶯蓮源だな!指名手配犯の!」

白鶯「俺も有名になってしまったものだな。その通りだ。だが、それでどうする?」

凛「…!!」

 

SOREMA -それ、魔!- 34へ続く。

 

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第282話 「死んでくれ」

第283話 「悪い予感」

第284話 「血の匂い」

第285話 「フィクサー

第286話 「人間国宝、死す」

第287話 「第一事変」

第288話 「懺悔」

第289話 「お姉ちゃん」