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人助けの動機には大雑把にわけて3種類あると思っていて

 

①助けた人に感謝されたり必要とされたい

②人を助けて英雄になりたい

③単純に周りの人に助かって欲しい

 

こんな感じ。

 

まぁ僕は②が7割で③が3割って感じなんですけど。

 

そしてSOREMA -それ、魔!- 35~38では、③に全振りした現役最強の魔法使い・千巣万之助が活躍する小編”星屑の哀歌(スターダストエレジー)”が描かれます。

 

彼の活躍を是非、大スクリーンで見たいところはありますが、頭の中でIMAXやら4DXを思い浮かべながらお楽しみください。

 

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乞うご期待。

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ジェイヒップホップはいいゾ〜

 

ということで、普段あまりヒップホップ、ラップを聞かない人でも聞きやすいオヌヌメラップソング9選やっていくゾ〜

 

あくまで、普段ラップを全く(それかほとんど)聞かない人対象なので、もっとドープ(?)でコア(?)なヒップホップを知りたいって人はブラウザバックでおなしゃす。

 

今回紹介する曲たちはあなたのJPOPプレイリストにぶっ込んでもさほど違和感なく溶け込む曲でござんす(レベル差あり)

 

ラップが苦手な人がよく言う苦手なポイントって、無音程感?とかバイオレンスな言葉選びとか曲自体の単調な感じとかだと思うので、今回はそれらが比較的薄いものを選びました。

 

下に行けば行くほどヒップホップ要素(個人的主観)強め。

 

また僕の好みが100%適用されています。有名すぎる曲多めなのでディグりにはほぼ使えないかと。

 

それではいってみヨーカドー。

 

 

①earth meal feat. asmi / Rin音

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スノージャムでお馴染みのリンネとソーイヤッサ(ヨワネハキ)でお馴染みのアスミのコラボソングである。

 

隕石衝突目前の地球が舞台で、避難のための宇宙船に乗り遅れたカップルによる、2人きりの地球上のんびりスローライフを描いたラブソング。

 

大仰なテーマではあるけれど、中身は普遍的なラブソングでいい感じ。

 

恋人や想い人がいようといなかろうと幸せで落ち着いた気分になれるほっこりソング。

 

恋人気分に酔いすぎてない感じが良きです。

 

ちなみに隕石×恋愛×ラップだと、パンピーのOperation : Doomsday Loveもいいよね。

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隕石×恋愛×ラップ=神作

 

なんやそれ。

 

 

②space shuttle / 空音

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ハグの空音。

 

空音はラブソングのイメージが強いような気がしますが、そうじゃない曲も良いのです。

 

その中でもこのスペースシャトルは個人的にかなり好きで、テンションあげたい時とか無理でもやる気が欲しい時に聞いたりする。

 

イデアが浮かばなくて~辺りが特に好きかな。

 

フック(というかサビ?)も好き。

 

ラップというよりポップを聞く気持ちで楽しめる1曲。

 

 

③DRUG / SUSHIBOYS

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SUSHIBOYSは高スキルな上にポッピーで音楽的スキルが高いと素人並に思うよ!

 

DRUGは一応すしぼーいずの代表曲なのかな?

 

上記2曲と比べるとラップラップしてるけど、それでも数あるヒップホップの中ではか〜な〜り〜ポップ。

 

聞き心地がいいし、歌詞も前向きになれて、上記のスペースシャトルと同じくやる気が欲しい時に聞くね。

 

ちなみにさっきの空音とすしぼのfeat.もめっちゃいいので聞いて欲しい。これもポップ。

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④Sekai feat. Koedawg / VaVa

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馬場さん。

 

この曲はね、一言で言うと神っすね。

 

めちゃくちゃテンション上がる。

 

今年のアップルリプレイ現時点で2位。普通に1位も有り得る感じ。

 

どんな時でも聞きたくなるし、無条件で明るくなれる歌。歌詞もいい。

 

もし野球選手になったらこの曲(とのびしろ)を登場曲にしたいくらい。

 

VaVaはラップ嫌いが苦手なダークな要素が割と少ないので、優しい気持ちで聞ける曲が多いお。

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個人的に今年1番聞いてるラッパーだと思う。

 

 

⑤Real Time (feat. JiROMAN & ove) / BLOOM BASE

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ブルマトランチでお馴染みのブルームベース。

 

最近は結構攻めた曲作ってるイメージですが、個人的にブルームベースはクソガキ感溢れるポップな曲が好きだったりする。

 

ヒップホップ嫌いに勧めるには少しウェイウェイしすぎなブルームベースですが、この曲は割といい感じに落ち着いてていいのよ。

 

ブルームベース節溢れる軽いリリックに、優しくポップなビート。

 

チルとまではいかないけどふんわりしててそのバランスがいい。

 

個人的にはリリックが凄い好き。空音とか変態紳士好きな人は好きそう(偏見)。

 

 

⑥Fruit Juice / BIM, VaVa

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ビムとババ。

 

大人の軽快な遊びって感じの歌。

 

とにかくオシャレで都会的、その中に遊び心もあり、テンポ感もなんかいい。

 

この曲を聞いて晴れた銀座とか歩いてみた日にはもういい男いい女よ。

 

BIMは割と楽曲の幅広い気がするけどこの曲は結構ポップ寄り。すこ。

 

 

⑦by her feat. 茂千代 / KID FRESINO

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上記の歌とは打って変わって落ち着いた曲。

 

キッドフレシノといえば最近スタッツ達と出した大豆田とわ子のプリセンスが有名なのかな。

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あの中で英語でバチバチカマしてた人ね。

 

(ちなみにプリセンスはラッパー勢ぞろいバージョンも良いから見てほしい)

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話を戻すと、by herはこの中では1番ポップとは遠いけど、オシャレな感じで、ヒップホップ特有のギラギラ感がないので聞きやすい気がして選出。

 

この曲もめちゃくちゃ好き。優しい気持ちになれる。

 

歌詞は半分くらい何言ってるか分からないけど調べたらなんかいいこと言ってた(小並感)。

 

最近明るい曲ばっか聞いてるけど、落ち着いた曲を聞きたい時はこの曲も聞くな〜。

 

 

⑧Heaven's Drive (feat.vividboooy) / (sic)boy、KM

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この曲はビジュアルロック的要素が少し折混ぜられているような気がするけど一応ヒップホップの枠で語っで良いのかな?

 

これもまた都会的で、今まで上げてきた曲の中ではヒップホップ的主張が強めかな。

 

とはいえ曲全体を通して殆どがメロディパートなので、ラップ特有の話してる感じが苦手な人にとっては聞きやすいかも。

 

夜のドライブにピッタリな感じ。ドアの窓開けて風を浴びながら首都高爆走してぇぇ。

 

僕は運転しないけどね?

 

この曲も狂ったようにきいてましたわ。

 

ビビッドボーイはメロディアスな音源多くて好きよ。

 

 

⑨すきにやる / 変態紳士クラブ

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一応今回のラスト(なんか要望あればいやなくてもまた第2弾やるかもです)を飾るのは、yokazeでお馴染み変態紳士クラブのすきにやる。

 

ファーストテークにも出てたし有名ですよね(なんならここに挙げた曲だいたい有名だわ)。

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この笑顔です。

 

ビガーマンとタカの2人フックがいいんですよねぇ。

 

これもなんかクソ喰らえって時に聞くとなんか俺かっけ〜ってなって生きる心地が出てきて良きです(?)。

 

「周りの目には価値もねぇから当然どうでもいいよ」

 

と思ってもなかなか行動には移せないよね。。でもこう歌ってくれてることが励みになったりするよねぇ。

 

人生バカになることも大事さ。勢いとノリよノリ。

 

変態紳士クラブの曲はほぼ一貫してすきにやるって感じの曲が多くてすき。

 

でも最近出した溜め息もそれはそれでいい感じよ?

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品行方正感が無いので一応1番最後に紹介しましたけど、楽曲自体はかなりポップ寄りで聴きやすい。まぁ結構ガッツリラップしてるけど。

 

 

 

というわけで、ミーハーヘッズ代表O様によるポップスリスナーでも取っ付きやすいオヌヌメジェイヒップホップソング9(?)選いかがでしたか?

 

パンピーとかクリーピーナッツも入れようと思ったけど今回は割愛(既に知ってそうだから)。

 

今度やる時はもう少し踏み込みたい人用のオヌヌメラップ紹介しようかしら。

 

今回紹介した曲はジャンル関係なくポジティブな気持ちになれる曲が多いので、良ければチェックしてみてねーん。

 

以上、O様でした。

 

 

最近ハマってる曲。

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※微閲覧注意

 

俺やっぱ...

 

ENFPがいいよぉ...

 

ENTPの嫌われっぷり半端ないし、サイコパス呼ばわりされるしさ...

 

サイコパスって言われるの嫌なんだよねぇ。

 

合理的判断を下すのと、サイコパスとは違うだろうお!

 

だって確かに五条もいろはすもしのぶもENTPみあるっていうけど、他のメンツ見てみろよ...

 

ヒソカぞ?

 

童磨ぞ?

 

真人ぞ?

 

大蛇丸ぞ?

 

こんな奴らとおなじとか嫌でしょ!

 

挙げ句の果てにスリザリンとか言われる始末。

 

確かに悪役でもかっこいいのはいるけどさ、俺は主人公側の人間がいいんだよぉ!

 

ENFPが恋しいよぉ。

 

でもENTPの説明がなんやかんや今は当てはまってしまう。

 

なぁ皆。一緒にENFPへ行かないか?

 

悟「何言ってんの?僕達仲間じゃん?」

 

僕「でもここ居心地悪くない?」

 

ヒソカ童磨真人大蛇丸ドフラミンゴセル「フフフ...」

 

悟「大丈夫、僕最強だから」

 

僕「そ、そうかもだけどさぁ、そうだ、しのぶちゃん!一緒にここを出よう!」

 

しのぶ「突然何の話ですか?」

 

僕「だから、ここを出て、他のタイプの所へいこう!」

 

しのぶ「お言葉ですが、頭、どうかしましたか?」

 

僕「俺たちここにいちゃダメだ!他のグループに行こう!」

 

しのぶ「そんなこと言われても困りますよ。第一、私自分のタイプに納得してないですし」

 

僕「じゃあ尚更!」

 

しのぶ「でも残念ながら性格なんてものは簡単に変えられるものでは無いですよ。他人に判断された結果私たちはここにいるんですよ。それを先ずは理解しましょうね。というか、同族の彼らを見て怖気付くなんて、情けないですね。もう少し骨のある方だと思っていましたが、私の勘違いだったようです」

 

僕「ぐぬぬ...」

 

しのぶ「顔色が悪くなってきていますが、大丈夫ですか?もしもーし」

 

僕「あぁ...もうわかったよ。そうだ!いろはす!一緒にENFPに戻ろう!」

 

いろは「げっ。ちょ、私ですか?てか、今更何言ってるんですか」

 

僕「いろはすもサイトによってはENFPって言われてるだろ!だから一緒にENFPに行こう!向こうに行けば楽しい友達沢山できるぞ!みんな明るいし!」

 

いろは「はぁ.....(心底軽蔑の眼差し)」

 

僕「...ダメ?」

 

いろは「ダメです。だいたい、自分で1番分かってるんじゃないですか?間違いなく先輩はENTPです」

 

僕「でもサイコパスじゃないし」

 

いろは「私も違いますよ。はぁ。つーかぶっちゃけFだろうがTだろうがどうだっていいんです。でもこっちに居た方が色々とお得ですよ?戦うってなったらあの人たちが盾になってくれそうだし、周りの第一印象悪いおかげで私達に対するハードルも下がって何かと便利じゃないですか☆変なオタクも簡単に近づけないセキュリティ付きですし」

 

僕「(君が一番の悪魔だお)」

 

怪盗キッド「ま、気楽に行こうぜ?こんな所で争っていても、お宝は見つからないぜ」

 

僕「俺別にお宝に興味無いし」

 

怪盗キッド「ふーん。じゃ、俺はこの辺で。ここにいると、そろそろ名探偵に嗅ぎつけられそうなのでね」

 

僕「お、ちょ、ま、俺も乗せてくれよぉ!」

 

怪盗キッド「お先に失礼♡」

 

僕「お、おい!!!!」

 

...

 

僕「ふふっ」

 

しのぶ「?」

 

いろは「先輩?」

 

僕「はぁ。もういい」

 

悟「ん?どしたの」

 

僕「おい。リューク。いるんだろ?」

 

ゾゾゾ...

 

僕「リューク...リューク!!!どこにいる!!」

 

リューク「あいよ」

 

悟「!」

 

”O様”「あは...あはははは!!!もうなんだっていいさ...こんな使えねぇバカ共とはおさらばだ...!なぁリューク...!」

 

リューク「どうした?」

 

O様「お前に面白いものを見せてやる」

 

リューク「面白いもの?」

 

O様「あぁそうだ。それはそれは面白いものさ。それを今から見せてやる。だから」

 

リューク「?」

 

O様「ここにいる全員の名を、そのノートに書け」

 

悟「!」

 

しのぶ「?」

 

いろは「げっ。マジですか先輩」

 

リューク「書けばいいんだな?」

 

O様「あぁ。そのノートに書くんだよ。1人残らずなァ。呪術師だろうと鬼だろうと関係ない。死神...いや、神の前では全て無力なのさ...!ギャッハッハッハッハァ!!!!くだらねぇ!!!サイコパス?!知らねぇよ!!!そんな矮小な存在!!どんなにとち狂った奴も、名前を書かれただけで死んじまうんだからよォ!!アッハッハッハッハッ!!!」

 

しのぶ「流石に言葉が汚すぎますよ、もう少し言葉を選んでください」

 

O様「蟲柱、俺はお前のそういう所が大っっ嫌いなんだよなぁ!!!ENTPの癖に体裁を保ちたがるその外面!!見ててイライラするんだよなぁ!!」

 

しのぶ「イラッ」

 

O様「亡きお姉様になりたかったんだよねぇ?!悲しいねぇ?!でも一つだけ教えてやるよ。お前は姉にはなれない...!お前では姉の次元には到達できないんダヨォ!!剣技も精神も何もかも...!!」

 

しのぶ「おしゃべりが過ぎますよ」

 

O様「お前の姉もさほど大したことのない姉のようだったが、姉が姉なら妹は妹だなぁ...!!」

 

しのぶ「...!!お前!!」

 

O様「ふふっ。アッハッハッハッハッ!ごめんごめん。冗談だよ。君もお姉様も素晴らしいよ」

 

しのぶ「は?!何の真似ですか?」

 

O様「でも良かったぁ。君のそういう顔が見られて!君みたいに外面良くして仮面被った女がその感情を乱されて血相を変えて醜く憤る姿を見るのが僕はだァいすきなんだァ!!!!本当に最高だよ!!まさに”人間”って感じでさァ!!!!!」

 

しのぶ「...!!!」

 

いろは「ちょ、マジでドン引きなんですけど」

 

O様「いろはちゃん。君も可哀想な子だよねぇ。本当の友達っていろはちゃんにはいるのかなぁ?!僕は君の事が大好きだよ?!だって君、役に立つからねぇ!!でも他のみんなはどう思ってるかな?君が周りを道具扱いするのと同じで、周りの皆も君を道具...いや、それよりも更に下に見てたかもしれないよねぇ!だって君役に立つからさ...!!でも、それだけだよねぇ?!結局君もさ、人にこき使われて、ボロ雑巾みたいに捨てられていくだけのちっちゃな存在なんだよ?!憧れの先輩にも振り向いて貰えず」

 

いろは「...」

 

悟「それ以上言うと、本気出すよ」

 

O様「大丈夫、君達と本気でやり合うつもりは無いよ」

 

悟「...」

 

O様「だって、もうすぐ死ぬんだからさァ!!」

 

悟「...」

 

O様「呪術師最強?!でも、死神相手では何も出来ないよねぇ?!つまり、僕...神の前では無力な存在...!名前を書かれただけで死んじゃうんだからさ...!」

 

リューク「ふふふ」カキカキ

 

新一「お前の目的はなんだ」

 

O様「目的...?!この世のENTPを皆殺しにして、ENTPという概念を消すのさ。そして俺は他のタイプに生まれわかるのさ。オマケに俺をENTPと認定した連中も全員殺してしまおうか...?!」

 

ドフラミンゴ「フッフッ。中々面白そうなことするじゃねぇか」

 

大蛇丸「そんな世界も少しだけ見てみたいわね」

 

童磨「僕は死んでしのぶちゃんと一緒に居られたらそれでいいかな」

 

O様「おいリューク。そろそろ書けたか?」

 

リューク「あぁ」

 

O様「見せてみろ」

 

 

”O様”

 

 

 

 

fin.

 

 

 

 

※この物語はフィクションです。事実とは異なる部分しかありません。しのぶといろはごめんね。

 

追記

 

なに?MBTIガチで流行ってんの?

 

僕が一番好きなYouTuberの人が最近診断やってて、ENTPと最高の相性のタイプということらしいので、やったー!

 

SOREMA -それ、魔!- 34

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SOREMA -それ、魔!- 34

 

「復讐の炎」

 

────


第290話 「差」

 

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《ショッピングモール(回想)》


凛「ここであなたを捕まえます!」

白鶯「ほう」

凛は、指で輪っかを作った。そして、シャボン玉を吹くように、白鶯に飛ばした!

凛「催眠泡!」

ポワワワワァン…!

白鶯「…」


パチッ!


シャボン玉は、白鶯に当たって割れた!

凛「(よし…決まった!)」

白鶯「…」

凛「(…?この技がヒットすれば、相手は眠りにつくはず...でも起きてる)」

白鶯「何かしたか?」

凛「…!!(効いてない?!)」


白鶯は、凛に歩み寄る。

凛「(大丈夫、まずは相手に攻撃を…!)」

凛は、レイピア型の剣を取り出して、白鶯に突き刺す!白鶯の腕に剣先が刺さった!

白鶯「…」

凛「このまま切り裂いてやる…!!」

白鶯「!!!」ゴゴゴ…!!


すると白鶯は、剣の刺さったまま腕を龍の腕に変化させた!

凛「…!!(腕が、鱗だらけに…!!)」

そして、白鶯は、腕を思いっきり振り切った。剣は折れてしまった。


凛「(そんな…折れた?!)」

白鶯は、刺さったままの剣先を抜き、投げ捨てた。

白鶯「術の種は分からんが、履術者か。いいだろう」

凛「…!」

白鶯「魔導書ってモンは、強い者が使って初めてその真価を発揮するものなんだ…よく覚えておけ」

凛「!!!」

 

 

グシャッ!!!!

 

 

白鶯の腕が、凛の腹部を貫く…!!

凛「!!!!」

白鶯「俺が正しく使ってやる…!」

ブシャッ!!


白鶯は、凛から魔導書を抜き取った!

凛「魔導書が…?!どうして…?!」

白鶯「引力だよ。金と同じさ。金はより金が集まるところに集まる。魔導書も同じ」

凛「?!?!」


白鶯「!(何か別のマヂカラの気配が近づいているな?しかも”妙な馴染み”がある...面倒だ)」

凛「待ちな…さい!」ゲボゥッ!

凛は出血の止まらない腹部を抑えながら、膝をついた。

白鶯「待たない」


ボウゥゥゥゥゥ…!!!


白鶯はその場から姿を消した。


魔者「ビュギュゥァァァァァ!!」

その場にいた魔者が雄叫びを上げる!

凛「(周りの人が…逃げ…て…)」


ズバッ!!!!!!


すると、どこからともなく1人の女性が現れ、魔者を一撃で退治した。


???「…」

 

────


第291話 「錯乱」

 

────


《ショッピングモール(回想)》

凛「(…あな…たは?)」

???「(…この傷は…手遅れね)」

凛「…妹…妹は…?」

???「…大丈夫(知らないけど)」

凛「そう…ですか…」


凛は、その場で息を引き取った。


???「(この子、魔法使いね。マヂカラが流れていた形跡がある)」

通行人「うわ!人が倒れてる!」

通行人「流血してるわ!キャーーーーー」

???「(野次馬ね。うるさいわよ!早く魔裁組に連絡を…)」

ピポパ...


────


蘭はお手洗いを終えて、凛のいた場所へ戻る。

蘭「(お姉ちゃん、どこかな?)」

蘭は電話をかける。

蘭「(出ないなぁ…)」

すると、奥で人だかりが出来ているのを見つける。


蘭「なんだろう?」

蘭は人だかりに近づく。真ん中で凛が倒れているのを見つける。


蘭「え…?お姉ちゃん…?!」

蘭は人だかりをかき分けて、凛に話しかける。

蘭「お姉ちゃん!!!ねぇ!!お姉ちゃんってば!!」

???「…(この子か…殺された子が言ってた妹ってのは)」

蘭「どうしたの?!何?!魔者が出たの?!なんで…なんでよ!!!」

???「(魔者の存在を知っている…でも恐らくこの子は魔法使いでは無いんだな…)」


蘭「お姉ちゃん!!!お姉ちゃん!!!」

???「もうその子は助からないわ」

蘭「?!」

???「あなた、魔法について分かるのね。なら話が早いわ。恐らく彼女は殺された」

蘭「誰に…ですか?」

???「わからない」

蘭「…!あなたは…何者ですか?」

???「通りすがりの元魔法使いよ」

蘭「!!!」


研究班員「はい、通して通して〜」

???「こっちよ」

蘭「!?」

 


研究班員「久しぶりに京金さんから連絡があったから、何かと思えば、事件ですか」

 

京金ルカ(きょうがねるか)

自称・元魔法使い

京金(=???)「私も、たまたま遭遇して驚いたわよ。もうこういうのうんざり」


研究班員「派手にやられちゃったねぇ…よし、運ぼう」

京金「よろしく」

蘭「待ってください!!!私の姉なんです!!!」

研究班員「京金さん、この子は?」

京金「死んじゃった子の妹よ」

研究班員「そうか。それは気の毒だ…じゃ、運ぼう」

蘭「待って!!!待って!!!」


ガッ!!


京金は、蘭を掴んだ。

蘭「待って!お姉ちゃん!!!」

 

────

 

第292話 「姉の願い」

 

────


《ショッピングモール》


蘭は一人泣きわめいていた。

京金「あのさ。いつまで泣いてるわけ?もう行くわよ?」

蘭「うぇぇぇぇぇぇん」

京金「…」

蘭「お姉ちゃん…!!お姉ちゃん…!!」

京金「ま、あんただけでも生き延びたことを幸運に思いなさいよ…」

蘭「…」

京金「死んだ人間は戻らないんだから」


蘭「…あなた…さっきから冷たすぎませんか…?」

京金「…は?」


蘭「あなたには関係無いかもしれないけど!!私は!!お姉ちゃんが大好きで!!!ずっと一緒にいたんです!!!なのに…なのに…!!お姉ちゃんが魔法使いじゃなかったら良かったのに…」


京金「…」

蘭「私だけでも生き延びたことが幸運…?!私はひとりぼっちにしておいて…?ひどいよ…お姉ちゃん…」

京金「…」


蘭「だったら…私もお姉ちゃんと死にたかった!!!!」

京金「…!!!!」


パシィン!!!!


京金は、蘭をひっぱたいた。

蘭「…?!」

京金「あんたさ、あの子がどんな魔法使いだったか知らないけどさ、魔法使いになる人間がどういう思いで魔法使いやってるかわかる?」

蘭「…?」

京金「死にたくて魔法使いやってる奴なんて一人もいない…でも人を守るために自分の命をかけてる。この意味がわかる?!

蘭「…」

京金「死なせたくないんだよ!!自分の命を危険に晒そうと!!アンタみたいななんも出来ない、魔法も見えない弱い人間を守りたいんだよ!!だから日頃から血の滲むような努力をしてやってんだよ!!!」

蘭「…!」


京金「死にたいなら勝手に死んどけ!もう二度と魔法使いに守って欲しいだなんて思わないことね!死にたい奴に命かけるほど、魔法使いは暇じゃない!!」

蘭「…」


京金「私は…そういう魔法使いを一人知ってる」

蘭「…?」

京金「大事な人の為に戦う魔法使い。私はもう辞めちゃったから、そういう魔法使いがすごく眩しい。私にはそういうの無理だった」

蘭「…」

京金「きっとあんたのお姉さんも、そういう魔法使いだったと思う」

蘭「……!」


京金「私はもう行くわ。もう好きなだけ泣いていいわよ。でも」

蘭「…」

京金「死にたいなんて、二度と口にするな。お姉ちゃんが泣くわよ」

蘭「…!」

 

────


第293話 「私も」

 

────


後日、魔裁組の人が、私の家にやって来て、凛姉さんの死因や事件現場で起こったことなどを報告しに来た。


鬼屋敷「凛ちゃんは、素敵な子だった…もっと長生きして欲しかったけど…」

蘭「…」

鬼屋敷「では、私達は、これで失礼するわ」


蘭「…待ってください!」

鬼屋敷「?!」

蘭「私…私を…魔法使いにしてください!!!」


鬼屋敷「いやぁそれはちょっと厳しいわよねぇ。まず、あなたは履術者でもなんでもないわよね?」

蘭「知識は多少あります。姉さんから教えてもらいました。お願いです。どんな仕事でも構いません…どんな特訓もします…!私を魔裁組に入れてください…」

鬼屋敷「そう言われても…ねぇ」


蘭「今、もし私がこのまま普通に生きていったら…ずっと無力なまま生きていったら…」

鬼屋敷「…?」

蘭「自分を…情けない自分を、殺してしまいそうで…」

鬼屋敷「…!!」

蘭「このまま魔法について知らない顔したまま生きていくなんで出来ません。お姉さんが目指した”魔法のない世界”。その夢を、私が叶えたいんです。お姉さんが生かしてくれた命で…!」

鬼屋敷「...」


鬼屋敷は、背中を向けた。


蘭「お願いします!!!!」


鬼屋敷「死ぬより辛いわよ。わかったならついてきなさい」


蘭「!!!」

 

────

 

《第1支部

蘭「今日からお世話になります!!!伊藤蘭です!!!よろしくお願い致します!!!」

千巣「おう、よろしく〜」

虎走「うわー!凛ちゃんとそっくり!!!」

九頭龍坂「かわええなぁ」

村松「…!」


鬼屋敷「みんな〜ビシバシ鍛えてあげてねぇ〜ん」

蘭「よろしくお願いします!!」

虎走「ま、楽しくやろうよ」

九頭龍坂「ヤバくなったら、先輩(コレ)呼べばええんやし」

千巣「セコムかよ」

村松「www」

 


蘭「(お姉ちゃんが言ってた通り…みんな優しい人達だ…!)」

 

────


第294話 「表彰」

 

────


そして、私は唯一、”魔法が使えない魔法使い”として、先輩達に必死に食らいついた。魔具を勉強し、誰よりも魔具を使いこなそうと特訓した。そして、魔者が1人で退治できるようになり、魔具をたくさん扱えるようになり…

 

《緑の孤島 / 紅白魔法合戦の夜(回想)》


千巣「伊藤も随分強くなったな」

虎走「伊藤ちゃん、マジでMVP級の活躍だったよ!」

九頭龍坂「うちら遊んでただけやしなぁ」

千巣「それは問題発言」

村松「w」


蘭「ありがとうございます。でも、私はお姉ちゃんの仇を取りたい…お姉ちゃんの夢を叶えたい。まだ沢山やりたいことがあるんです。弱いままでは、やりたいことが叶えられませんから」

一同「…」

蘭「そのためには、もっともっと強くなって、沢山経験を積みたいんです。だから、これからもよろしくお願い致します!」

虎走「ぎゃは!伊藤ちゃん真面目w」

九頭龍坂「私も見習わんと」

千巣「ま、これからもよろしくな」

村松「…」コクリコクリ

────

───

──

 


それなのに…なんで、こんなことに…


これじゃあ私は、死に損じゃないか…!


お姉さん…お姉ちゃん…!


ごめんね…!私はお姉ちゃんが大切にしてきたものを壊した…お姉ちゃんの仇もとれなかった…夢も叶えられなかった…誰の役にも立てなかった…

 

無念……!!!


そして、大事な人の命を奪ってしまった...私は仲間を...鬼屋敷さんを裏切った...!


あぁ…私は…どうしようも無いクズだ…魔法使いの汚点だ…

 

 

”そんなことないよ、蘭”

 

 

どこからか、声が聞こえる。


蘭 ”?!”


”だから、もう自分を責めないで?”


蘭 ”お姉ちゃん…?”


凛 ”蘭、よく聞いて。蘭に救われた人はたくさんいる。蘭は魔法が使えないのに、誰よりも一生懸命頑張ったじゃない。私はちゃんと見てたよ…!”


蘭 ”…!”


凛 ”ありがとう。私の夢を叶えようとしてくれて。蘭が自分で考えて、努力して、叶えようとしてくれたこと。それは、私の夢であり、蘭自身の夢でもあったんじゃないかな。私はね…それが嬉しい。いつも私の後を追いかけていた蘭が、一人でもこんなに頑張ってくれた事が、嬉しい”


蘭 ”お姉ちゃん…!”


凛 ”寂しい思いさせてごめんね…!もうこれからは、一人にはしないから”


蘭 ”……!”


凛 ”私たちの仕事は、残念だけどここでおしまい。後はきっと皆が、私たちの分まで頑張ってくれる…!”


蘭 ”う……うん………”

 

凛 ”おかえり、蘭”

 

蘭 ”うぅ…うわぁぁぁぁぁぁん!!お姉ちゃぁぁぁん!!!”


凛は、優しく、全てを包み込むように微笑んだ。

 

────


第295話 「復讐の炎」

 

────


《第2支部 / 実働班ルーム》


幸二「…」

莉茉「そんな…伊藤ちゃんが…なんで…!」


第2支部のメンバーは、鬼屋敷と伊藤の訃報について聞かされた。涙を流す者、顔を曇らせる者、言葉を詰まらせる者、決意する者…それぞれ思いをつのらせた。


美波「…」

ヒメ「…」

三太郎「…くそ!!!!」

はるか「マジで、許せねぇな」

麗美「ちょっと、怖くなってきた」

ジャ「皆もわかったよね。きっと脅威は、もっと大きくなって、俺たちに迫ってくる」


ジャスティンは立ち上がった。

 

ジャ「魔法は…俺たちの代で殲滅せねばならない…!!」

 

────

 

《ノベルの拠点》

白鶯「…」

白鶯=シェイクスピアの手には、魔導書が二冊握られていた。

”蒼魔導書第二十八章 封印の書”

”蒼魔導書第三十三章 硬度の書”


ズズズズ…


デュマ「あれれ、2人とも死んじゃったんだ」

白鶯「あぁ。残念だよ。大事な駒が無くなった」

デュマ「じゃあ次の駒を探さないとねーシェイクスピア様」

白鶯「そう簡単に見つからないだろう。我々は選ばれた者達。故に、勝手に危険を冒す行動は慎んでもらいたいものだ」


デュマ「ねーねー。俺も少し遊びたいんだけど」

白鶯「ダメだ。お前の能力は作戦決行の鍵になる」

デュマ「もしかして、僕が負けるって思ってる?」

白鶯「…」


デュマ「俺がどれだけの人間を葬ってきたか、知ってるよね?多分シェイクスピア様より多いよ?」

白鶯「…」


デュマ「ま、とりあえずその魔導書片方貸してよ。新しい駒見つけてきてあげるから」

白鶯「...まぁ、いいだろう。俺は今鬼屋敷(かこのぼうれい)を葬ることが出来て気分がいいんだ」

白鶯は、デュマに魔導書をひとつ渡した。

デュマ「いぇーい」

白鶯「抜かるなよ」

デュマ「ホント、心配症だよねーシェイクスピア様!了解!」


ズズズズ…


デュマは消えた。

白鶯「…」

 

────

 

《第1支部


五百旗頭は、第1支部にやってきた。

五百旗頭「こんにちは」

虎走「あ、どうも…」

九頭龍坂「お久しぶりです」

五百旗頭「(皆表情が暗い…無理もないわ…)千巣君は?」


五百旗頭は、千巣の部屋へ行く。


ガチャッ!


千巣「あ、五百旗頭さん」

五百旗頭「悪いわね。取り込み中に」

千巣「大丈夫です。こちらこそ、ご苦労さまです」

五百旗頭「心配になってね。この間、昔魔裁組(ここ)にいた魔導師?とやり合った時の傷。とはいえ、心の傷の方がだいぶ重症そうね」

千巣「まぁ…」


五百旗頭「彼ら、何なのよ」

千巣「白鶯の作った組織らしいっす。魔導師ややばい魔者がゴロゴロいるらしい」

五百旗頭「…」


千巣は、拳を強く握りしめた。

 

千巣「もう、全員皆殺しにしてやりますよ。俺達が」

 

────


第296話 「それぞれの正義」

 

────


《とある路地裏》


天気は雨。

一善は、とある街にやってきている。人が一人通れるかどうか程の、ビルとビルの間を通り抜ける。すると、ビルに囲まれた狭い十字路に突き当たる。

一善は、一つの角の壁に寄りかかる。


そこへ、百目鬼が現れる。百目鬼は、一善と同じ角の、もう一つの壁に寄りかかる。2人は、顔を見ずに話を始める。


百目鬼「聞いた。死者が出たらしいな。あの日の夜」

一善「あぁ」

百目鬼「俺はそれについて聞かされてなかった…何も知らなかったんだ」

一善「…」

百目鬼「知ってたら伝えたさ…」

一善「シェイクスピアが、白鶯蓮源ということも?」

百目鬼「…!」

一善「(知らなかったのか…)まぁ、わかったからいいけど」

百目鬼「…」


ザーーーーーー

雨は少しずつ強くなる。


百目鬼「俺のことは、もう信じなくてもいい…」

一善「…?」

百目鬼「俺はもうノベルを辞める。魔法使いも辞めようと思う。この力も、お前達に渡すよ」

一善「…」

百目鬼「記憶を失って、人生清算するのも、悪くないかな…とか」

一善「…」

百目鬼「もう色々忘れてくれ。邪魔したな」


百目鬼は、その場を後にしようとした。


一善「待ってよ」

百目鬼「?」

一善「君が逃げてどうするんだよ」

百目鬼「…?」

一善「君も魔法使いの端くれだろう?この状況で匙を投げられるのか?本当に」

百目鬼「…」


一善「やりたいことがあるんだろ?」

百目鬼「…」

百目鬼は、唇を噛み締める。


一善「君も、魔裁組に来なよ」

百目鬼「!!」

一善「今の俺達には力が必要だ。そして奴らに対抗するための作戦や知識。君の力があれば、奴らを倒す希望が見えてくる」

百目鬼「…裏切ったらどうする?俺が」

一善「問題ないよ。君は俺に勝てないだろう?」

百目鬼「ふっ…言うねぇ」


一善「でも、君は奴らを倒すのに必要な存在だ。だからどう?やらないか?」


百目鬼「…なるほどねぇ」

一善「…」


百目鬼「ま、それはやめておこう」

一善「…!」


百目鬼「俺の立場でしか出来ないこともある。また連絡するよ」

一善「!!!」


百目鬼「それまでお互い、生きていようぜ」

一善「…当たり前だよ」

 

────


第297話 「消えない憎しみ」

 

────


《第2支部

一善が支部に戻る。

三太郎「あ、一善おかえり!」

幸二「おかえり」

一善「ただいま...」

幸二「...」

三太郎「...?」

 

────

 

《東京某所》

 


ガァン!!!!

 


ジャスティンが、2人の男をフェンスに押し付ける。


ジャ「おい...さっきの地下駐車場の魔者、お前らが作ったんだろ?その紙で」

男A「は、はぁ?な、何言ってんだァゴラ?(こいつ...!隠れてたのにすぐに見つけやがった!)」

男B「ら、乱暴は良くないぜ?!兄ちゃん...!」


パキパキパキィ...!

ジャスティンは、エレメントを地面から発生させ、男達の脚を折った。


バキッ!!!


男達「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ジャ「死にたくなければ3秒で話せ」

 

男達「!!!」

ジャ「ノベルとは何だ。何が目的だ。その中に、”ガスマスクの魔者”はいるか?」

男A「お、おぃ...!お前、俺を殺してみろ?!ボスが...シェイクスピア様が黙ってねェぞ?!」

男B「お前も死にたくなければ...やめとけよ!今なら許してやるから!」


バキッ!


男達「!!!!!!!!」

ジャ「聞こえなかったのか?話せ」

男達「...!!」

ジャ「シェイクスピア、お前らの上の名前か。本名か?」

グサッ!!!

ジャスティンは男達の肩にナイフを突き刺す。


男A「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」

男B「わかったわかった!!!話す!!話すから!!!殺さないで!!!」

男A「お、俺達は、この紙をエミリーって言うナンバー2の女に渡されて!それで遊んでただけだ!!シェイクスピアの顔も何も知らねぇんだよ!」

男B「他の幹部たちもそうだ!!顔を知ってるのはエミリーだけで、その女はもう死んだ!だから俺達はこの紙パクって、トンズラしようと思ってたんだよ...!」

ジャ「...」

男A「俺達は下っ端だから、魔者が見える程度の力をエミリーに貰っただけで、だから他には何も...!」


ジャ「...」

 

────

 

《第2支部

三太郎「ジャスさんおっそいなー」

幸二「...」

一善「...」


三太郎「って!なんだよ!流石に暗すぎるぞ!お前ら」

幸二「俺は暗いんじゃない。デフォルトだ」

三太郎「確かに」

幸二は、一善に目をやる。


一善「今日は、魔者の出没もほぼなかったね」

幸二「雨だしな」

三太郎「一善、今日一応オフだよな?休めた?」

一善「まぁね」

三太郎「ま、この雨だしなー」

幸二「...」

一善「明日は、もっと手がかりを見つけないと...」

三太郎「?」

幸二「...?」

一善「これ以上...魔導師(クズども)にのさばらせる訳にはいかない...!」


三太郎「...そうだな」

幸二「ちょっと、買い物」


幸二は外へ出た。

幸二「ふー」

 

────


第298話 「誰が為」

 

────


スカイツリー


幸二「...」


最近、支部の雰囲気が悪い。


ノベルの暗躍...


第1支部の一件...


こういう状態になる理由としては十分すぎることが、立て続けに起きた。


三太郎は、皆を少しでも元気付けようと、気丈に振舞っている。

一善は、一刻も早く事態を収束させるために、任務に没頭している。


どちらも、皆の為を思って、自分に出来ることを模索している。


俺は...?


俺は、皆の為に、今何が出来る?何をやっている?


三太郎。辛いよな。きっと笑顔の裏には、沢山の苦悩や、不安があるんだろ...?お前はそういうやつだもんな。


一善。お前は本当に逞しくなったよ。あの時、ここへ来て泣いていたお前のことを俺は忘れない。俺は、あの時のお前みたいな人を助けたくて、魔法使いをやっている。

 


だけど、今の一善からは、簡単に自分の命まで投げ捨ててしまいそうな怖さを感じる。まるで、憎悪に取り憑かれたような...


俺はお前たちを...守りたいんだ。一人の人間として、しっかりと生きていく人生を、守りたいんだよ...!


なのに...


...今のままじゃ、ダメだろ...!

 

────

 

《第1支部 / 検査室》


この日、伊藤と鬼屋敷の追憶調査が行われた。

ヒメ「やはり、千巣さんが伊藤さんから聞いたことは、だいたいその通りでした」

千巣「そっか」

五百旗頭「2人ともありがとう。2人の証言を元に、研究を進めるわ」


ヒメ「魔導書を奪う方法が分かれば、私たちが魔導放棄せずに、魔導書を放棄する方法が分かりそうですよね」

千巣「”魔導書は、引き寄せ合う”。白鶯が残したこの言葉が鍵になると思うんだが」

ヒメ「どういう意味なんですかね」


五百旗頭「...なるほどね」

千巣・ヒメ「?」

五百旗頭「少しわかったかも」

千巣「まじっすか?」


五百旗頭「ええ。必ず成功させてみせる。この研究を!」

 

次回、新章突入──!

 

SOREMA -それ、魔!- 35へ続く。

 

nbsrskniw.hatenablog.com

 

第290話 「差」

第291話 「錯乱」

第292話 「姉の願い」

第293話 「私も」

第294話 「表彰」

第295話 「復讐の炎」

第296話 「それぞれの正義」

第297話 「消えない憎しみ」

第298話 「誰が為」

SOREMA -それ、魔!- 33

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SOREMA -それ、魔!- 33

 

フィクサー

 

────


第282話 「死んでくれ」

 

────


《魔導結界・荒野》


エミリー「ふふっ。気持ちいいわね」

千巣「?」

エミリー「もっと考えて。私を殺す方法を」

エミリーは、千巣に近づく。


千巣「...」

エミリー「あなた程の男が、今私の事だけを考えている...」

千巣「ははっ。そうですね」

エミリーはしゃがみ、千巣の頬に両手を当てる。そして、千巣に顔を近づける!


エミリー「だからもっと考えて、その眼で?、そのナイフで?私をどう殺したい?ねぇ、千巣万之助君...!!!」


千巣「...いい匂いですね」

エミリー「?」

千巣「さっき俺が受けた弾は、あなた程の人間を手放した魔裁組の罪滅ぼしということで」

エミリー「...生意気ね。カッコつけてんじゃないわよ。私は自分の意思で抜けたのよ」

千巣「…すみません」

エミリー「…」


スッ


千巣は、左手でエミリーの両目を覆う。

エミリー「...?!」

そして、千巣は、そのままエミリーを地面に押し倒した。


ガン!


エミリー「…何の真似?」

千巣「あなたのことをずっと考えてたら、答えに辿り着きましたよ?」

エミリー「??」

千巣「さようなら、季彩先輩」


エミリー「?!」

そして、千巣は、顔をエミリーの左耳に近づけて囁いた。

 

千巣「”死んでくれ”」

 

エミリー「?!」

千巣は起き上がり、離れた。千巣は、エミリーに背を向けた。


エミリー「…」

エミリーは立ち上がった。

エミリー「さようなら」

エミリーは刀を取りだした。

 

そして、刀を自らの腹部に突き刺した…!!!


グサッ…!!!!


千巣「…」


やがて、エミリーは力尽きた。

 

 

 

────


第283話 「悪い予感」

 

────

 


四十六眼・奥義 ”空音(そらね)”


千巣万之助が自ら考案したオリジナルの術。

相手の視界から光を奪うことを条件に、相手の聴覚、そして”第六感”を支配する。

第六感を支配された相手にとって、千巣が発する命令は絶対となる。相手は命令に従ってアクションを起こす。なお、従う命令は、5文字以内と決まっている。

エミリーは「死んでくれ」と命令され、その通りに死んだ。

ちなみにこの術は、使うと一定期間この術のかかりが悪くなる。

 

────

 

《千葉某所》

午後6時頃。

 


千巣「…」

 

千巣はしばらく沈黙する。

 

エミリーの結界は崩れ、エミリーは結界の中で死に絶えた。

千巣「(遺体は結界と共に消えてしまった…ご愁傷さま)」


千巣は時計を見る。


千巣「やばい!支部の飲み会に遅れる!ニッカ飲まされる前に帰らねば!!てかここどこ!!」


千巣は、タクシーを捕まえ、第1支部へ急ぐ!

 

────

 

《第1支部


千巣は、第1支部へ到着する。そして、広間へ向かう。

千巣「…」


シーーーーーーン


千巣「…(誰もいないのか?)」

千巣は、支部の中を歩く。


千巣「…(どこか違うところで飲んでるのか?いや、だったら連絡くるよな)」

千巣は、食堂や、客間などを見る。

千巣「本当に誰もいないのか…?電話してみるか」

千巣は、九頭龍坂に電話をかける。


プルルル… プルルル…


千巣「(出ない…)」

千巣は、虎走に電話をかける。


プルルル… プルルル…

すると、どこかから、着信の音がする。

千巣「(この電話の音?近くにいるのか?)」

千巣は、電話をかけたまま、音を辿る。


千巣「虎走の部屋…」

千巣は、虎走の部屋の前で立ち止まった。

プルルル… プルルル…

コン  コン!

千巣「おい葉月。そこにいるのか?みんかも一緒か?」

シーーーーーーン

千巣は、扉に耳を当てる。

千巣「(電話の音は間違いなく中からだ)」

千巣は、強くノックする。

千巣「入るぞー」


ガチッ!!


千巣「?!」

ドアには鍵が掛けられていた。

千巣「(スマホ忘れて出ていっただけ…それともドッキリ…?いや、なんか嫌な予感するよな…?)」

千巣は、足の裏を扉に当てた。

千巣「5秒。返事がなければ、蹴破る」

 

1…2…3…4…

 

千巣「5。それじゃあ」


ドゴーーーーーーーーン!

 

千巣は、ドアを蹴破った。

千巣「?!!!?!?!!」


そこには、机に突っ伏したまま手足を謎の縄で縛られた虎走の姿があった!!!


千巣「葉月?!」

 

────


第284話 「血の匂い」

 

────


《第1支部 / 虎走の部屋》

千巣「葉月?おい、寝てるのか?葉月!!」

そして、千巣は、縄を見る。

千巣「(息はまだあるな…外傷もない。だが何があった?寝ているのか?それにこの縄……しかもマヂカラの気配がする…!)」


千巣は急いで他の部屋を見る!


すると、九頭龍坂と村松も同じ様に縄で縛られて寝ていた!


千巣「(何があったんだ…?伊藤は?鬼屋敷さんは?)」


千巣は、伊藤の部屋へ向かう。

千巣「(伊藤はいない…鍵もかかってない…)」

千巣は、奥の鬼屋敷の部屋へ向かう。


千巣「(誰かの仕業なのか?鬼屋敷さんは何してるんだ…?今日はずっと夜までいるはずだ…!)」

 

千巣は鬼屋敷の部屋へ急ぐ。


幾重もの扉を通り過ぎ、鬼屋敷の部屋へ入る。

すると、衝撃の光景が目に入る…!!


千巣「!!!!!鬼屋敷さん!!!!!!」

 


ド        ン         !

 


鬼屋敷は、何者かに襲撃され、血を流して椅子に腰掛けて息絶えていた。

千巣は、鬼屋敷に駆け寄る。

 


千巣「鬼屋敷さん…!鬼屋敷さん?!何があったんです!!ここで!!」

千巣は、鬼屋敷の脈をはかる。

千巣「!!(…ダメだ)」

千巣は動揺する。

千巣「(なんで…なんで鬼屋敷さんが…?!誰だ?!魔者か?!)」

そして、千巣は、部屋を見渡す。すると、手前の角に、伊藤が血みどろの姿で倒れていた!!

 


千巣「伊藤!!!!!!」

 


伊藤は、腹部を貫かれ、出血していた。

 


千巣「おい伊藤…!伊藤!!」

伊藤「…う…うぅ…千巣…先輩…!」

千巣「これ…どうしたんだよ!誰かにやられたのか!!ゆっくりでいい、話してくれ…!」

千巣は、傷口を治療しながら問いかける。


伊藤「ハァ…ハァ…鬼屋敷さん…は?」

千巣「…もう」

伊藤「…!ごめんなさい…私の…せいで…」

千巣「…?」

 

 

──時を遡ること半年前──

 


《都内某所》

伊藤「今日は…何の用ですか?」

X「今日はね、君にプレゼントをしに来たんだ」

伊藤「プレゼント?前に言ってましたけど、何なんですか?」

X「これだよ」

Xは、伊藤に1つの魔導書を渡した。

伊藤「これって?!」

X「蒼魔導書第四十章 ”催眠の書”。そう、君のお姉さん、凛さんが履術していた魔導書さ」

伊藤「…!」

X「君にあげるよ。君なら、この力を使いこなせると思う。魔裁組として生活する中で、少なからず魔法に耐性が出来ているだろうから」


伊藤「でも…これをどうしてあなたが?」

X「これはね…魔者を退治したら出てきたんだよ。私も驚いた。これは君にあげるべきだと思って、ずっと私が持ってたんだ。そして、この力を使って君に頼みたいことがある」

伊藤「…?」

X「鬼屋敷に話を聞きに行く。作戦の当日までに、この力に慣れて、下準備をしておいて欲しい…」

 

────


第285話 「フィクサー

 

────


──それから私(伊藤)は、催眠の書の力をこの手にした。

 

支部の皆には内緒にした。

 

鬼屋敷さんに、毎日微量の催眠をかけることで、私の催眠の術に落ちやすい様に仕立てた。「おやすみなさい」。これを毎日毎日、唱えると、どんどん鬼屋敷さんの体は、私の術にかかりやすくなっていく。


伊藤「どうして、毎日催眠をかけないといけないんですか?」

X「直接会いに行く時の為だ。第1支部に」

伊藤「どうして?」

X「鬼屋敷は、白鶯と繋がっている場合、口封じで私を殺すだろう。第1支部でそれが起きたとなれば、私がたとえ殺されても、奴の正体は白日の元に晒される」

伊藤「…」


X「本当は私も殺されたくはない…だが、あの女には敵わない。君の催眠の書の力で、少し大人しくさせて欲しいんだ」

 

────


《第1支部 / 鬼屋敷が殺される30分前》


そして、私は作戦当日、お酒に睡眠薬を仕込み、全員を眠らせた。そして簡単に起きないように、縄に催眠の力を混ぜこみ、術に落とした。鬼屋敷さんには、吸魔の札を仕込んだ。


伊藤「準備出来ました」

X「ご苦労。では向かうとしようか」

伊藤は、Xを支部に招き入れた。


Xは、伊藤を連れて、鬼屋敷の部屋へ向かう。

X「今日は革命の日だ…この世界が明るい未来へ向かう、その第1歩だよ…」

伊藤「は、はぁ…」


Xは、鬼屋敷の部屋に入る。

すると、鬼屋敷は目を覚まして待っていた。


伊藤「!!!」

X「催眠は?」

伊藤「え、あ、いや…」

鬼屋敷「これのこと?」

鬼屋敷は、切られた縄を持って言った。


X「ふっ。やはり化け物だな」

鬼屋敷「”久しぶり”ねぇ。いつ以来かしら」

X「さぁ。もうとっくにくたばってるかと思ってたよ」

鬼屋敷「声を変えて、マスクしてようが、私の目はごまかせないわよ?」

X「...」

Xは首に巻いていたボイスチェンジャーを外した。

伊藤「???」


鬼屋敷「伊藤ちゃんにその力を与えたのはあなた?」

X「あぁ」

鬼屋敷「やはり、私の見込みは間違ってなかったみたいねぇ…平均的なスコアの伊藤(あなた)を準特級に推薦したのは私よ。まぁ術のタネまでは分からなかったけど」

伊藤「…!!」


鬼屋敷「それしてもアンタ、悪趣味ねぇ。'自'分'で'奪'っ'て自分から返すなんて」

X「…」ニヤッ

伊藤「え…?!どういうこと」


X「伊藤蘭…君に言っておくべきことがある」

伊藤「…?」

X「君のお姉さん。伊藤凛を殺したのは…」

伊藤「??」

 

 

X「私だ」

 

 

伊藤「…え…今なんて?」

鬼屋敷「…」

 

────


第286話 「人間国宝、死す」

 

★────


《第1支部 / 鬼屋敷が殺される30分前》


X「はっはっ。改めて自己紹介が必要かい?」

伊藤「お前…まさか…?!」


鬼屋敷「もうよしなさい…それで?ここには何しに来たのかしら」

X「鬼屋敷蝶絵。お前がその年になっても未だに全盛期の水準の力を蓄えている理由。それはお前の魔導書の力だな?」

鬼屋敷「…」

X「蒼魔導書第五十章 ”時間の書”。時間を止めたり早めたりする能力の他に、その書の履術者は”ピークを迎えてからもマヂカラが衰えない”。違うか?」

鬼屋敷「ハッハッ。ビンゴよ」


X「俺は今持ってる'こ'の'力と、お前のその力を使って、永遠の時を生きたいのだ。そして、永遠にこの星の王であることを願っている」

鬼屋敷「ハッハッ。欲張りねぇ。あなた、これで何個目?」


X「3個目」


鬼屋敷「なるほどねぇ…」

Xが、デスクの向こうの椅子に腰掛ける鬼屋敷に迫る。

X「覚醒はしたとはいえ、体には催眠がかかったままのようだな」

ガッシャーーーーン!!

Xが、机を退かす。

伊藤「!!!」


X「これからは私たち”ノベル”の時代だ。その意味が、直に分かるだろう…」

伊藤「鬼屋敷さん!!!」

鬼屋敷「ハッハッハッ。ナメるんじゃないわよ。アンタらを超える程の逸材が今たくさんいるのよ。一筋縄では行かないわ」


伊藤「(こいつが…”そう”なら。こいつが…”そう”なら!!ここで!!!!)」

シャキッ!

伊藤はクナイを持って、Xの背中に走り込む!


伊藤「姉の仇!!!!!!」

鬼屋敷「!!!」

X「…!」


ボワッッッッッッ…!!!!!


Xから黒いオーラが突出し、伊藤は遠くへ弾かれた!


伊藤「…!」ドカーン!


X「雑魚は引っ込んでろ」

伊藤「!!!」


X「…!」

Xが一瞬フリーズした。


鬼屋敷「?」

X「(時間切れか…)」

伊藤「…?」


X「さぁ、人間国宝、鬼屋敷蝶絵。何か、言い残したいことは?」

鬼屋敷「…そうねぇ」

X「…」

伊藤「…」


鬼屋敷「今の子達はね…”新しい力”で未来を切り開いている。最初は胡散臭いと思ってたわよ…でもその研鑽…その努力…その全てに価値がある。私はずっと…時が止まっていたのよ。私はこれでおさらばするわ。後は若い力に…未来を託す…!」


X「終わりか?」


鬼屋敷「あんたも、そんな若い子を誑かして…必ず天罰がくだるわよ…あんたは今、魔法使い全員から殺意を向けられている。その重大さに気がついた方が身のためよ。人生の先輩として、それだけは言っておいてあげる」


X「…あばよ」

Xは、腕を”ドラゴンの様な腕”に変化させた。

 

グシャッ!!!!!

 

────


第287話 「第一事変」

 

────


《第1支部

鬼屋敷蝶絵 死亡。

75歳にして、最強の魔法使いと名を馳せた、魔法界人間国宝

その勇姿は、命の灯火を消されようとも、人々の記憶の中に…燃え尽きることは決してない。


X「…」


Xは、鬼屋敷の腹部に突き刺さった右腕を抜いた。


伊藤「!!!」

すると、Xの右手には、魔導書が握られていた!!


伊藤「…?!どうして?!(履術者が死んだら、魔導書はどこか他の場所に現れるんじゃ…?)」


X「はっはっ。はっはっはっは!!!!!これで、私は完璧な生命体となった!!!!感謝する!!感謝するぞ!!!!」

伊藤「な、なんで…魔導書が!!」

X「私は王であり、神である。神の元には、魔導書が強い引力によって引き寄せられるのだ」

伊藤「…?!」


X「まぁいい。私も急いでいる。もうすぐ”狂犬”が現れそうなのでな。ここで我々の下準備を水の泡にしては勿体ない。失礼することとしよう」

伊藤「貴様…!!私は用済みということか?!」


X「用済み?」


グシャッ!!!!


伊藤「!!!」

Xは、伊藤の腹部を貫いた!!!!


X「用済みの駒など存在しない。死んで初めて、用を全うするのさ…」

伊藤「!!!!」グハッ…!!!


伊藤は、地面に倒れ込んだ。

ドク…ドク…!

X「苦しんで死んでいけ。このババアを殺したのはお前と言っても同然だからな」

伊藤「お前が…!!ガハッ…お前が凛姉さんを!!!!」

X「馬鹿というのは、罪なものだ」

伊藤「貴様…!!!!!」

X「まぁ、いずれ来る大きな戦いに備えておくんだな。今日の所は、もう帰ることとする。私も元魔法使いだ。同じよしみの若い命には、少しの情けもかけよう...!どの道全ての魔導書は我々の手に堕ちるんだ...それまでせいぜい足掻いてみたまえ」

伊藤「ハァ...ハァ...」


X「死んでいくお前には関係の無い話か。はは」


伊藤「貴様…白鶯蓮源!!!!!!!!」


X「白鶯蓮源…ねぇ。その名前はもう捨てた」

伊藤「…?」


Xは、マスクを外した。

 

白鶯「”シェイクスピア”。これが私の新たな名前だ…!」

 


黒幕の正体──────!

 

────


第288話 「懺悔」

 

────


《第1支部 / 千巣が駆けつけた後》


千巣は、倒れる伊藤を抱き抱える。

千巣「白鶯が…現れた?!」

伊藤「ハァ…ごめんなさい…ごめんなさい…私のせいで…ごめんなさい!」グハッ

千巣「それ以上はもういい…!」


伊藤「私…こんなことのために…魔法使いになったんじゃ…ないのに」

千巣「伊藤…!」

伊藤「ノベル…それが白鶯の組織の名前…恐らくですけど…」

千巣「ノベル…何を企んでいる…!」

伊藤「気をつけて下さい…何か大きなことを…企てている…」

伊藤は、力の入らない腕で、千巣の手に触れた。

伊藤「どうか…お願いします…私と…姉の仇を…必ず取って…くれませんか…私には…もう…頼むことしか出来ないから…!」

千巣「おい…おい!!伊藤!!!しっかりしてくれ!!!」

伊藤「やっぱり…凛姉さんの言ってたこと。全部正しかった…」

千巣「…?」

伊藤「お世話になりました…」

千巣「伊藤ぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

伊藤蘭 死亡。

 

ダッダッダッダッ…!


ガラガラガラ!


眠っていた虎走らがやって来た。

虎走「ハァ…ハァ…!!!!」

村松「!!!!!」

九頭龍坂「姐さん!!!!伊藤ちゃん!!!!!」


千巣「…」

虎走「先輩…これ…何があったんですか?」

九頭龍坂は、鬼屋敷の元へ駆け寄る。

九頭龍坂「姐さん!!!姐さん!!!」

村松「…」

ラキラキ「クゥゥン…」


千巣「…」プルプル…

九頭龍坂「!」

虎走「!」

村松「!」


千巣「うぅ…!あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

────

 


ー回想 / 伊藤の走馬灯ー


《伊藤の家》


伊藤凛「それでね!冷蔵庫にあった千巣さんのプリンを、葉月ちゃんが勝手に食べてね!」

伊藤蘭「うんうん!」

凛「でも、本当はそのプリン鬼屋敷さんので!」

蘭「え!」

凛「葉月ちゃん呼び出し食らって、鬼屋敷さんに1時間説教されてるのを、小町ちゃんがインスタライブしてて」

蘭「ウケるww」

凛「でも村松ちゃんがラキラキ連れてったら鬼屋敷さん急に上機嫌になっちゃって!その時の写真がこれ」

凛は、蘭に鬼屋敷とラキラキのツーショットを見せた。

蘭「ラキラキかわいぃぃぃぃ」

凛「第1支部のアイドルだからね!」


凛は、第1支部の話を蘭によく聞かせていた。

 

────


第289話 「お姉ちゃん」

 

────


《伊藤の家》


とある日。

凛「ただいまー」

蘭「おかえりーって!凛姉ちゃんすごい傷!」

凛「今日はちょっと手こずっちゃってさ…!でも大丈夫!寝れば治るっしょ」

蘭「それならいいけど…あんまり無理しないでよ?」

凛「てか、なんかいい匂いするなぁ」クンクン

蘭「今日のご飯は手作りふわとろオムライスです!」

凛「うわぁ!めっちゃ好きなやつだ!!!」

 

とある日。

ガチャッ

凛「蘭!まだ起きてたの?もう夜の3時だよ?」

蘭「お姉ちゃん…明日バイト早いのに寝れないよ…いつものやつやってよ…」

凛「本当は魔法使いじゃない人に魔法をかけるのはダメなんだよ?いっつもいっつも…」

蘭「…だめ?」

凛「んーもう!仕方ないな…ベッド行って」

蘭「わーい!」


蘭はベッドで寝っ転がる。凛は、蘭の手を握り、子守唄を歌う。


蘭「むにゃむにゃ…なんか…眠くなって…きた…」

蘭は、眠りについた。

凛「…笑」

 

────

 

とある日。ショッピングモールにて。

凛「買い物だぁ!久しぶりだなぁ」

蘭「最近仕事で忙しかったもんね!」

凛「よぉし!今日は服買うぞ〜!あとピアスも新しいやつ欲しいね!」

蘭「まずは映画だよ!ずっと見たかったんだよねぇ鬼滅!」

凛「そうだった!」


〜〜〜〜〜


凛「ウォンウォン…!めっちゃ泣けた〜」

蘭「私も〜ウォンウォン…!」

凛「回想シーンとかやばかったよね…」

蘭「うん…もしお姉ちゃんがいなくなったらって考えたら…」

凛「考えすぎだよ蘭は〜」

蘭「私、ひとりじゃ何も出来ないからさ…ずっと一緒にいてね…お姉ちゃん」

凛「大丈夫だって。泣きすぎだよ蘭…笑」

凛は、蘭の涙をハンカチで拭った。


〜〜〜〜〜


凛「あぁご飯美味しかった〜」

蘭「あ、お姉ちゃんちょっとお手洗い行っていい?」

凛「行っておいで〜」

蘭「お姉ちゃんは行かない?」

凛「うん。まだいいかな。ここで待ってるね」

蘭はトイレへ向かう。


凛「…?」

凛は、異様な気配を察知する。

凛「(なんか…嫌な予感がする…行ってみよ)」


凛は、少し歩いた所に、1人の怪しげな男を発見する。

凛「(何…あの男。って!!)」

その男の隣には、魔者が立っていた!

凛「魔者?!なんでここに?」

男「ほう、こいつが見えるのか」

凛「(この顔…ポスターで見た…まさか!)」

男「魔裁組か?」


凛「わかった…!白鶯蓮源だな!指名手配犯の!」

白鶯「俺も有名になってしまったものだな。その通りだ。だが、それでどうする?」

凛「…!!」

 

SOREMA -それ、魔!- 34へ続く。

 

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第282話 「死んでくれ」

第283話 「悪い予感」

第284話 「血の匂い」

第285話 「フィクサー

第286話 「人間国宝、死す」

第287話 「第一事変」

第288話 「懺悔」

第289話 「お姉ちゃん」