【おまけ】草恋ロングインタビュー!

「草も生やせない、恋をした。」を読んで頂き誠にありがとうございます!

 

今回は、草恋についての色々なことを、インタビュー形式で書き連ねていこうと思います。

 

お時間ある方は是非読んでいってください!

 

 

 

──まずは、なぜ本作品を書こうと思ったのですか?

 


草恋を書く前に、友人とのメッセージのやり取りの中で偶然出来た物語があって、それを書くのを楽しんでたら、いつしか完結してしまったんですよね。そしたらなんか寂しくなっちゃって、なにか書きたいなって思ったのが最初です。

 


──なるほど。元々しっかりした文章を書いていた訳ではなかった感じですか?

 


そうですね。ちゃんと設定まで練って作ったのは草恋が初めてですね。それこそ小学生の時とかはコントや劇のネタを書いたりはしてましたけど(笑)

 


──話を書くのはお好きだったんですね。

 


まぁ多分そうですね。高校の時も、日直日誌とか誰よりもちゃんと書いてたと思います。中身はもちろんくだらないことだらけでしたが(笑)

 


──どうして話を書くことにハマったんですか?

 


んー。暇だからじゃないですか?(笑)普段一人で街を歩いてたり、休みの日にぼーっとしてると、めちゃくちゃストーリーが浮かんでくるんですよね。草恋とかSOREMAとかは、そこに色々と肉付けしてたまたま出来たってだけで、アイデア自体は氷山の一角ですね。

 


──イメージはぽんぽん浮かんでくる方ですか?

 


結構浮かびます。でもだいたい形になる前に消えてしまいますね。そこで気に入った設定とかがあれば、後発の作品のどこかしらにエッセンスとして取り入れるみたいなことはあります。

 


──例えば、どんな作品が浮かんでいたんですか?

 


一度死んだ人間が夢を追うために過去に戻って再挑戦する系の話とか、並行世界を守る特殊警察の話とか、まぁ普通に学生の恋愛群像劇とか、結構ありますね。

 


──草恋において、それらの作品から影響を受けた点はありますか?

 


草恋はあんまりないかもですね。草恋は、月9みたいな作品を作りたいと最初からコンセプトガチガチで作っていたので、今までの妄想フォルダは頭の奥にしまいこんで、1から作った記憶があります。

 


──月9みたいな作品というと?

 


2015年の「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」って月9作品があって、坂元裕二脚本のドラマなんですけど、それが物凄く好きで。草恋は我流のいつ恋だと勝手に思ってます(笑)

 


──いつ恋のどんな所に影響を受けましたか?

 


2つあって、1つはセリフ回しとか空気感ですかね。坂元裕二作品について詳しい訳では無いけれど、一度見たらずっと胸に突き刺さったままの言葉が多く散りばめられてるのが坂元裕二作品の特徴だと思ってて、草恋でも結構エッジの効いたセリフを書きたいなとは思ってました。

 


──なるほど、セリフ回しについて気をつけた点はありますか?

 


うーん。ないです(笑)

 


──すみません(笑)

 


あ、でも、セリフを読み返した時に、リズムが変だなとか、すっと入ってこないなみたいな時は、区切ったり入れ替えたりして、声に出しやすく変えたりすることもありますね。

 

 

──リズムですか。

 

 

小説とか漫画とかで頭に残ったり、流行るセリフって、だいたいリズム感が抜群なんですよね。言ってみたくなる、真似したくなるというか。もちろんそれが全てでは無いから、ある程度気をつけるって話なんですけど。僕はよく好きな作品のセリフ回しを暗記するのが好きで、暗記するとリズム感がいいなぁって気づくことが多々あって(笑)

 

 

──真似するんですか(笑)

 

 

はい(笑)いつ恋のとある場面のセリフ、結構長いセリフなんですけど未だに覚えてますね(笑)朝陽さんのセリフ(笑)

 

 

──凄いですね(笑)

 

 

だから草恋もSOREMAも、セリフに力を持たせるためにセリフにリズム感を生み出すことを頭の片隅に置いて書きました。セリフ回しで気をつけた点ありましたわ(笑)

 


──なるほど(笑)では2つ目は?

 


いつ恋も同じ男女6人の恋物語で、6人それぞれにちゃんとストーリーがあるんですよね。草恋の主役はソラではあるけれど、他の5人にもしっかりと人生はあって、それらをちゃんと描ききれるように頑張りました。

 


──なるほど。男女6人という構成はいつ恋に影響されているのですね。

 


間違いないです。ちなみに題名もいつ恋に影響されてます(笑)

 


──草恋といつ恋、確かに似てますね。

 


略すと〇〇恋って名前にどうしてもしたくて。で、割と長い名前にしようとは決めてて。でも、草恋から初めて色んな人に読んでもらうことになっていたので、題名にガチ感を出したくなかったんですよね(笑)

 


──ガチ感?

 


はい。なんか、ガッチガチに狙うと、構えられちゃうかなって思って。あとは初めてのラブストーリーだったので、内容にもあんまり自信がなくて、どこかしらに遊び心がないと最後まで読んでもらえないかなって思ってて。だからその時流行ってた「草」っていうスラングを取って、題名よりも先に「草恋」という愛称が決まりました(笑)なんか内容がアレでも、題名がネタならごまかせるかなって(笑)

 


──題名より先に草恋が決まったんですね。珍しいパターンですよね。

 


そうかもしれないですね。で、その後はスムーズに「草も生やせない、恋をした」って決まったんでけど、、

 


──けど?

 


同じく坂元裕二作品の「はな恋」と丸かぶりするって言う(笑)

 


──確かに。「花束みたいな恋をした」ですよね。

 


はい。草恋が出来る前から告知されてて、草恋の方が完全にパクリですね。

 


──影響されたんですか?

 


信じて貰えないかもしれませんが、実は草恋って名付けた時に、はな恋について知らなかったんですよね。まぁでも正直「はな恋」も「いつ恋」も好きな作品なので、パクリとか、ジェネリックって言われても、もういいかなと(笑)

 


──そんなことないですけどね。

 


正直物書きには色々な経験が大事かなって思うんですけど、僕自身そんな人生経験豊富なほうじゃないので、あの境地にはたどり着けないですね。

 


──草恋にも自身の経験が反映されているんですか?

 


ないです(笑)6人の恋愛を書いていてどうかと思うのですが、僕自身の経験から引っ張ってきた恋愛要素はゼロです。

 


──そうなんですね。逆にどうやって恋愛シーンを書いたんですか?

 


うーん。そうですね。僕普段から本も読まないので、、

 


──そうなんですか?珍しいパターンですね。

 


はい。すみません。本が嫌いって訳じゃないんですけど、読んでるとうずうずしちゃうんですよね。僕も書きたい!ってなっちゃって、読んでる途中なのに、頭の中に勝手に自分の妄想が溢れちゃうんですよ(笑)

 


──そんなことあるんですね(笑)

 


そうなんです。なんでもそうですね。教わったり、インプットするのが正直苦手で。もちろん中には見てて楽しい色んなコンテンツがあるんですが、真似したい!とか描いてみたい!ってなっちゃう。だから話逸れましたけど、草恋のシチュエーションとかは全部想像です(笑)

 


──想像でかけちゃうんですね。

 


想像というか...僕、どの作品でもそうですけど、割とキャラを大事にしてて、キャラの支柱を立ててあげることで、あとは割とキャラが勝手に動いてくれるというか。

 


──たまに聞きますが、そのタイプなんですね。

 


でも話の本筋ははみ出して欲しくないので、この展開でこいつにこのセリフを言わせるって、特徴的なセリフだけメモっとくんですよ。そしたら、ストーリーの導線にもなるし、キャラのキャラ付けにもなって一石二鳥なんですよね。「このセリフ言わせるにはこうやってストーリー運べばいっか」とも、「このセリフを言うくらいだから、このキャラはこういう性格なんだろうな」とも、この作業だけで割と簡単にストーリーが作れるんですよね。たまに事故ったりしますが(笑)

 


──なるほど。キャラをしっかり作る上で、注意してる点などありますか?

 


嫌われないキャラ作りですかね(笑)僕が想定する範囲外の要素で嫌われて欲しくないんですよ。例えば草恋ではヒビキがソラやハナに冷たく当たったりする場面がある。読者の中には、ヒビキの冷徹さが嫌いになる人もいる。これは想定内の嫌われ方です。でも、例えばヒカルって僕の中で嫌われる要素ないくらい完璧な男なんですけど、読者の中にはヒカルが嫌いな人もいる。これは想定外の嫌われ方ですね。

 


──なるほど。

 


キャラの好感度って物語の好感度に直結すると思ってて、主人公格やバトル物なら味方サイドのキャラは特に。でも僕が想定する範囲の外の要素で嫌われてしまうと、今後作品を書いていく中で好感度の高いキャラを書けなくなってしまう可能性がある。嫌われる要素が分かってない書き手ってことになるから。それが怖いから嫌われて欲しくないんですよね。

 


──まぁでも、読者だって色んな人がいるじゃないですか。嫌われてもある程度は仕方ないですよ。

 


もちろん。読者の人は色んな意見があると思いますし、全員に好かれるキャラはいないと思います。読者の意見もすごい参考になりますし。でも、重要キャラは、読者過半数には常に好かれて欲しいんです。じゃないと作品ごと沈んじゃうと思ってて。

 


──嫌われないキャラ作りって、なにを心がけてますか?

 


そうですね。僕は心の中に100人の2ちゃんねらーを飼ってて、そいつらに突っ込ませてます(笑)

 


──(笑)というと?

 


「僕はこのシーンで感動してもらいたい!」って思ってとあるシーンを書くとするじゃないですか。その時に心の2ちゃんねらーにそのシーンのキャラの言動を突っ込ませるんですよ。「偽善者乙」とか「嘘やん」とか「お前この間と言ってること矛盾してね?」とか。要はそのキャラのアンチスレを頭の中で作るんですよ。その結果僕が「確かにな...」と思えばセリフを変えたり、付け加えたりすることはありますね。でも、僕が「うるせー!!」となったらそのまま行きます。まとめると、完全に僕の主観です(笑)

 

 

──なるほど(笑)アンチスレを自分で作るって、なんか傷つきませんか?

 


今は傷つかないですね。将来的には分からないですけど。アンチって、やり方は汚いですけど、自分とか自分の作ったものをネタにして楽しんでくれてる訳じゃないですか。人生有限な時間を自分に費やしてくれてるって思うと、感謝とまでは行かないですけど、それなりにはどうも?って感じですかね(笑)

 


──独特な考えですね。

 


アンチがめちゃくちゃ多かったり、直接アンチコメを送られる立場になったらわからないですけどね(笑)

 

 

──気になったんですが、草恋にも感動を生むシーンがいくつかありますが、それを狙ってシーンを作るんですか?

 

 

はい(笑)僕はガチガチに狙い澄まして描きますよ(笑)僕そういうわざとらしいって言ったらアレですけど、ベタな演出とか、派手な仕掛けが大好きなんですよ。漫画とかも、泣かせに来てるなーってシーンで大泣きするタイプです。

 

 

──なるほど。私自身そういう裏の意図が透けてしまうと冷めてしまうタイプなのですが、そういった点はどうですか?

 

 

確かにそのタイプの読者さんも多いと思います。でも僕自身緩急のある作品が好きで、逆に自然なシーンが好きな人にとっては、派手なシーンがある事で余計自然なシーンが際立って見えるんじゃないかなって思うんですよ。

 

 

──なるほど。

 

 

自然な会話シーンは、読者の感情の動きを想定していないです。だからテンポ重視で書くことが多いんですが、そこにたまに意表を突くセリフを刺す。アサとかのセリフが特にそうですね。こうやって感情を揺さぶれる会話劇を作ろうとしてます。でもこれって反面読者は疲れやすいなと思ってて。だから、こういう自然な会話劇とは別に、わざとらしく感情のレールを敷く目玉シーンを準備しておきます。そうすると読後感良く、ストレスなく読めるようになるかなと僕は思うので、やっぱりわざとらしいシーンも書きますね。もちろん、感動して欲しいシーンで誰もが感動するとは限らないので、僕が想定した以外の意見が沢山貰えたりすると、面白いですけどね。

 


──なるほど。色々なアプローチを1作品で盛り込んでいるということですね。

 

 

わかりやすくまとめてくれてありがとうございます(笑)

 

 

──こちらこそありがとうございます。それでは、草恋のそれぞれのキャラについて教えてください。まずは主人公のソラ。

 


ソラは1番書いていて難しいキャラでした。というのもキャラキャラして欲しくないなって思ってて。本当に、その辺にいる普通の子を引っ張ってきて、キャラの固いメンツにぽつんと置いたらどうなるか、みたいなことを書きたかったので。

 


──なるほど。ソラは普通の子をイメージしていたんですね。

 


そうですね。でも普通過ぎると物語映えしないので、その駆け引きが大変でした。でももう2話位で主人公っぽく振る舞いだしたのでその後はそのままやっちゃえーって思いましたけど。

 


──ソラは適度に力の抜けたキャラですよね。

 


そう見えますか?そう思ってくれたら嬉しいです。でも実際は叱咤したりビンタしたり右往左往してるので、結構動かしちゃったと思ってて。反省点だったんですけど、そう思って貰えてるなら良かったです。

 


──ソラを語る上で欠かせないシーンは?

 


色々ありすぎてよく分からない!(笑)とはいえ、多分ビンタとか最後の方みたいなドラマチックなシーンよりかは、普段のなにげない会話シーンでいかに脱力系女子感を出すかってことの方が頑張った気がします。物語が動くシーンってどうしてもキャラの肩に力入りますし、ラブストーリーならその方が面白いですし。だからその分普段の、何気ないソラのシーンに注目してみてください。

 


──ヒビキは?

 


ヒビキはソラに比べたら書きやすかったですし、物語終盤まで自分の思惑通り動いてくれました。ヒビキって他のメンバーに比べて「成長」っていう側面が強かったので、その過程をなぞってたら、ちゃんとヒビキってキャラが出来たなぁと思ってます。

 


──ヒビキは序盤に比べてだいぶ変わりましたよね。

 


そうですね。変わって欲しかったので。でも10話という限られた期間で、6人も描くとなると、変わる過程を描く上でどこかでアクセルを強く踏まなきゃいけなくなる。でも徐々に成長してる感を出すためにも、そうはしたくなかったので、スタート地点を最初の想定より少しゴールに近づけて書き始めました。

 


──というと?

 


ヒビキの無言設定を消しました。もともとはもっと話さない奴だったんですけど、それだと間に合わないなってなって、2話の時点で、話す時は口達者というキャラにしました。そしたら間に合ったんで良かったです(笑)

 


──どうしてソラの相手にヒビキを選んだんですか?

 


これも次聞かれたら話そうと思ってたんですけど、草恋ってぶっちゃけヒカルありきで書き始めたんですよね(笑)

 


──ソラでもヒビキでもなくヒカルですか?

 


はい(笑)高校時代、少女漫画原作のスイーツ映画全盛の時を生きてたんで、当て馬キャラが本当に好きで。めちゃくちゃ魅力的な当て馬を書きたいと思った結果、ヒカルが生まれ、その対比になるのは未熟な男がいいなと思って、逆算的にヒビキが完成しました。

 


──なるほど。ヒカルは完璧な当て馬ということですね?

 


僕の中ではそうですね。でも、書いていく中で、完璧なんだけど、それは僕含め他人からの目線で完璧なだけで、ヒカル本人だけは自分の未熟さに気づいてるっていうギャップを書いた方が、よりヒカルってキャラが魅力的になるなと思って、ちょくちょくヒカルには闇っぽい描写を入れました。

 


──確かにヒカルってたまに余裕ない時ありますよね。

 


そうなんです。読者目線、第三者目線で見ると、ヒカルってそんなに余裕ないんですよ。でも登場人物には完璧人間に見えてて、ヒカルは頑張ってそれを演出してるみたいな。最後にそれを初めて吐露するシーンと、別れのシーンを合わせたら面白いかなって。

 


──最終話、別れのシーンは確かに印象的ですね。

 


1番頑張ったのでね!あのシーンは1話を書く前から元々出来てて、本編を書き進めていく度に試行錯誤してあーしてこーしてを繰り返して書いたシーンなので、あのシーンは割と自信ありですね。

 


──次はハナですね。

 


ハナは反省点が残るキャラですね。というのも、他のキャラが9話、10話で最大の見せ場を迎える中、ハナは6話?とか結構序盤に見せ場が来てしまった。もう少し掘り下げてあげたかったなと思います。今後に期待です。

 


──今後?もしや続編?

 


いや嘘です。今のところそのつもりはありませんが、もしも草恋の今後の追加DLCがあるなら、ハナじゃないですかね?でも期待しないでください(笑)

 


──でも、最終話のソラとハナの教室のシーンは凄く印象に残りましたよ。

 


あのシーン僕も好きですね。実はあのシーン最初の構成にはなかったんですよ。

 


──そうなんですか?途中で追加した感じですか?

 


そうなりますね。というのもうちの2ちゃんねらーが、「ソラ、親友の想い人奪ってね?」とか、「ハナ空気で草」とか言ってきたので、書き足しました。

 


──なるほど(笑)ここで2ちゃんねらーが活躍するんですね。

 


はい。でも確かにと思ったし、リアルではそういうの事後報告だったりするんでしょうけど、僕はまっすぐな作品が好きなので、しっかりソラから気持ちを伝えさせるべきだなと思って。

 


──あのシーンで一層友情が深まった気がします。

 


ハナはあの時点ではもうヒビキに想いを寄せている訳じゃないんですけど、人間って色んな所に自分の劣等感を引っ掛ける生き物だと思ってて。ハナの立場になったら、ヒビキを好きだから悔しいって訳じゃないけど、今好きじゃないからいっか!ともならないと思ったので。

 


──ソラと自分は違うっていう劣等感、たしかに私もそうなってしまうかもしれません。

 


でもハナは草恋六人衆の中で1番ポジティブな人間だと思ってるので、そこで病んだり落ち込みすぎたりはしないかなと思って、あの場は形だけでもソラの背中を押すだろうと思ったので、あぁなりました。もしかしたらソラが去った後、悲しんでいるかもしれない。

 


──アサは強烈なキャラクターですよね。

 


そうですね。でもアサは正直引き算の連続でした。

 


──引き算?

 


アサってあの6人の中では割と達観した意見を言う人で、自分が動くよりも他のキャラを動かす役割の方が多いキャラだと自分は思ってました。でもアサの見せ場を作る上で、アサ自身の未熟な点を描かないといけない。見せ場って、未熟さを克服するから見せ場なわけで。だから、アサの金言に説得力を持たせつつも、完璧過ぎない程度にダメな所も書かないとと。

 


──完璧からどんどん要素を引いていくってことですね。

 


そうですね。引きすぎると「お前が何エラソーにゆうとんねん」って2ちゃんねらーに言われるんで。まぁ1つや2つそういうのがあるくらいなら逆に味だとは思うんですけど。

 


──アサのセリフは刺さるセリフもあれば、遊びの効いたセリフもありますよね。

 


そうですね〜結構幅の大きい役回りでしたね。

 


──アクセルとブレーキと言いますか。アサというキャラの中でそのさじ加減は難しかったのでは?

 


いいえ。僕本人がそんな感じなので。

 


──そうなんですね(笑)ではアサのセリフは結構先生の代弁なんですか?

 


そんなことはないですね。中にはそういう時もあるかもですけど、基本的にはそのキャラが言いそうなことを想像して書くってことの方が多くて。だから僕の作品に出てくるセリフや思考って、必ずしも僕の意見って訳じゃないですね。

 


──アサや次のユメに関しては、「太陽と夢と月と朝」でも描写されてますが、こちらに関してもいつかお話できたらと思います。

 


そうですね。アサは特にそっちで話すことの方が多そうですね。

 


──最後、ユメは?

 


ユメも難しかったです。ソラは主人公なのに主人公ぽくないってので難しかったけど、ユメはその逆。話の真ん中にはいないんだけど、本人のヒロイン属性が強いっていう。

 


──確かに、物静かで優しい、でも肝心な時に言葉を飲み込んでしまう、そんな女性。まさにヒロインですね。

 


これは僕が男だからかもしれませんが、書き終わった今でもユメはどんな女性なのか、ちゃんと分かってないですね。ソラもです。一応ちゃんと最初にキャラの性格とかデータを色々と書き出すんですけど、実際に動き出すとその辺が滲んでくるんですよね。まぁ単純にキャラメイク不足だとは思うんですけど、でも、その不確定要素が6人の中で独特な雰囲気を醸し出していて、逆に良かったと思ってます。

 


──大人で子供、寡黙のようで頑固、ユメもアサ同様振れ幅が大きいですね。

 


ユメの方がアサよりも振れ幅が大きい、というか、扱いにくいですね。アサの振れ幅はどこか人工的で、アサ自身が演出してる部分もあると思うんですけど、ユメは多分自分でもその振れ幅をコントロール出来てない。それは最年少ということもあって、まだ不安定なのかなとも取れるし。やっぱりユメのキャラ付けはこれでいい気がしてきました(笑)

 


──気づきになったようなら良かったです。6人で1番好きなキャラは?

 


キャラとしてはヒカル。友達になるならソラかなぁ。

 


──なるほど。その理由は?

 


ヒカルに関しては、やっぱ僕は優しくて完璧に見える男が好きだから。僕と正反対なので、The・正義みたいなキャラには憧れますね。少し闇も抱えてますけど、ヒカルはそれに呑まれるタイプでは無いと思います。いや、呑まれそうになった所を呑まれずに克服したのが草恋のヒカルですね。多分今後ヒカルはもっと強く優しい男になることでしょう。

 


──ソラは?

 


消去法です。他の5人は実際に相手すると疲れそうなので(笑)ハナは元気すぎ、ユメは肝心な時にワガママそう、ヒビキはハラハラする、アサは居たら苦手なタイプの先輩ですね(笑)ヒカルはいい人そうだけど、深く仲良くなるかはわからないです。僕が多分ヒカルに嫉妬して、会いたくなくなるからです(笑)

 


──そうなんですね。苦手なキャラが多いのは以外です。

 


男3人には好かれる未来が見えない。唯一ヒカルは仲良くしてくれそうですが、結構です。

 


──(笑)

 


田中とか成田も無理そうですね。てか、苦手な奴しか居ないっすわ(笑)

 


──誰とも仲良くなれないじゃないですか。

 


はい。草恋には出たくないです(笑)

 

 

 

「太陽と夢と月と朝」のロングインタビューへ続く(?)

 

 

nbsrskniw.hatenablog.com