SOREMA -それ、魔!- 45

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SOREMA -それ、魔!- 45

 

「曲者達」

 

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第377話 「曲者達」

 

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《東京某所》


皆藤「はい。私の勝ち」

白鶯「...」

皆藤「私の言うこと、聞いてくれるわよね?」

白鶯「...この俺が...お前なんかに...!」ガタガタッ!

白鶯は、寝転がりながら、体に絡みついた蛇をどかそうと体を動かしている。


皆藤「無駄よ無駄。君はもうマヂカラが切れてる。私の術を破るのは不可能よ」

白鶯「マヂカラ...?」ガタガタガタッ!

皆藤「暴れるな!男なのに往生際悪いね。女の私に負けるのがそんなに嫌?」

白鶯「...」

皆藤「そんなんじゃ、最強になんてなれないよ?」

白鶯「...!」

 


皆藤「だって、私にも勝てないんだから。当たり前でしょ?」

白鶯「...!」ブチィ!

皆藤「私が、本当の最強を教えてあげる。君を最強にしてあげる」

白鶯「...!」


皆藤は電話をかける。


皆藤「皆藤です。履術者の少年を保護しました。魔裁組に加入する意志があります」

白鶯「は...?!」

皆藤「これから連れていくので、よろしくお願い致します」


ブチッ


白鶯「どこまでも勝手だな」

皆藤「そもそも、君みたいな子を保護するのも、私達の義務なのよ。ほら、迎車が来るから、もう諦めな」

白鶯「...」


魔裁組の迎車が到着し、皆藤と白鶯は乗り込んだ。そして、第1支部へと向かう。


皆藤は、白鶯の身分証を車の中で見る。


皆藤「...(なるほど、私の1つ下か)」

白鶯「...」

白鶯は窓の外を見ていた。

皆藤「変な気を起こすんじゃないわよ?ま、どういう目にあうか、白鶯君なら分かるわよね」

白鶯「...(こいつ...いつか絶対殺してやる...!)」イラッ

 

車は、第1支部に到着する。

 

《第1支部 / 鬼屋敷の部屋》


皆藤「ただいま戻りましたー」


鬼屋敷は机に座っていた。

そして、3人の男女が皆藤らに背を向けたまま、鬼屋敷と向かい合わせで1列に立っていた。


鬼屋敷「おかえり〜理子ちゃん〜!遅かったわねぇ〜!」

皆藤「すみません!いろいろあって!その人達が...?」

鬼屋敷「ハッハッハッ!そうよ!今日からの新入り3人よ〜ほら、振り返って自己紹介なさい!」

皆藤「...!」

 


鬼屋敷の呼びかけに合わせて、3人は皆藤の方をむく。

 


皆藤「...!」

 


京金「...」ギロッ

東海林「...!」アセアセ...

粟生屋「...」ボーッ

 


皆藤「(この人達が...新しい仲間...!)」ドキドキ!

 

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第378話 「面」

 

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《第1支部 / 鬼屋敷の部屋》


皆藤「...じゃ、じゃあ、自己紹介しますね!私は皆藤理子、皆の教育係になります!16の代です!よろしくお願い致します!」

 

シーン


東海林「あ、あははは」パチパチパチ...

京金「...」

粟生屋「...」


皆藤「...(反応...薄!)」


鬼屋敷「じゃあ、新入りの子達も自己紹介してもらえる〜?」


まず、ピンク髪の女子が口を開く。


東海林唯(しょうじゆい)(15)

東海林「あ!じゃあ私から!東海林唯です...!戦ったことはないけど...魔法が!使えますっっ!!ちょっとだけ、、だけど。年は!15歳!好きな食べ物は、、クレープ!あと、、えーっと、、」

鬼屋敷「ハッハッハッ!元気ねぇ!」

東海林「あ!その、皆さんと、仲良くしたいなーって!思います、、!名前で呼んでくれたら、嬉しい、、です、、!い、以上ですっっ!!」


皆藤「唯ちゃんだね。よろしくね!」

東海林「は、はい!!!」


次に、紺のロングヘアの女子が口を開く。


京金ルカ(きょうがねるか)(15)

京金「京金ルカ。年はその子と一緒。以上」

皆藤「短っ!」

京金「他に言うこと、無いもの」

皆藤「あ、そ、そっか...!(冷た...!)」

鬼屋敷「京金ちゃんはね、ご実家が魔具職人の一家でね、魔具の使い方は誰よりも凄いのよぉ〜!」

皆藤「そうなんだ!私にも教えてくれたら嬉しいな...!」

京金「...」


最後に、眠そうな白髪の男子が口を開く。


粟生屋昴(あおやすばる)(15)

粟生屋「粟生屋昴。15歳。地元で魔者を狩ってたら、玉ねぎみたいな頭のおばさんに連れてこられましたー。程々に頑張ります。よろしくどうぞ」

皆藤「よ、よろしく...!(玉ねぎみたいな頭?善能寺さんか!)」

鬼屋敷「粟生屋君は元々履術者でね、即戦力よ〜期待してるわ〜」

皆藤「私も!一緒に頑張ろうね!」

粟生屋「ま、ぼちぼちで」


東海林「み、みんな!今日から仲間ってことで、よろしくね!ルカちゃん!ルカルカって呼んでいい?」

京金「は?」

東海林「粟生屋くんは、あおやん!うん!いい!」

粟生屋「はい?」

東海林「なんか、わくわくしてきたなー!本当は少し怖かったけど!みんな強そうだもん!私も頑張ろーっとっっ!!」

皆藤「うん!唯ちゃん!ルカちゃん!粟生屋くん!頑張ろう!」

東海林「はい!」

京金「...」ギロッ

粟生屋「僕は勝手にやるんで」ボーッ

鬼屋敷「ハッハッハッ!若くっていいわねぇ〜!」


皆藤「そして、皆さんにもう1人!紹介したい人がいます!もう少ししたら来るかな...?」

一同「...?」

皆藤「あ!足音がした!紹介するのは、もう1人の仲間です!」


コツ  コツ


ガチャッ...!

 

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第379話 「結成記念日」

 

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《第1支部 / 鬼屋敷の部屋》


一同「...?」


皆藤「来た来た!紹介します!新しい仲間の、白鶯蓮源君です!!」

白鶯「...」


東海林「(かっこいい...!!)」

京金「...」ギロッ

粟生屋「...」チラッ


鬼屋敷「...(なんか、凄まじい凄みがあるわね)」

皆藤「じゃあ、自己紹介してもらっていいですか?」

白鶯「断る」

皆藤「しなさい。私の言うこと何でも聞くって約束よね」

白鶯「...白鶯蓮源」

東海林「はくおう...」

鬼屋敷「れんげん...ね」


東海林「こんにー!私東海林唯!ゆいってよんでね!!この子がルカルカ!で、彼があおやん!!よろしく!!」

京金「ねぇ変なあだ名流行らさないでくれる?」

粟生屋「てか、その挨拶何...」

皆藤「あはは...」

白鶯「...しょうもな」


皆藤「彼も履術者で、さっき野良魔者を1人で退治してたんです!」

鬼屋敷「なかなかやるわね」

東海林「マモノ?」

京金「あんた、もしかしてシロート?」

東海林「え、魔法が使えるだけで、何も知らない...」

京金「はぁ...マジか...」

東海林「え、なにそれなにそれ!教えてよ!ルカルカ!!」

京金「だからそれやめて!」

皆藤「ま、ちゃんと勉強するから、大丈夫だよ!」

東海林「そうなんですね!よかっったー!」


粟生屋「魔者を1人で倒した?ふっ。それくらい、普通でしょ?」

白鶯「あ?」ピキッ!

粟生屋「何か?」ピキッ!

白鶯「口の利き方に気をつけろよ?魔法使いだかなんだか知らねぇけど、一緒立てない体にしてやろうか...?」

粟生屋「ははっ。出来るものならどうぞ?」

東海林「あわわわわわわ」

京金「はぁ...男って面倒くさ」

白鶯「...!!」

粟生屋「...!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ...!!!!


皆藤「ストップストップ!!!やめなよ!!てか白鶯君!!君はどうしてそんなに好戦的なの!!もっと大人になりなさい!!」

白鶯「は?殺すぞ?」

皆藤「さっき私に負けたくせに?」

白鶯「...!てめぇ!」


京金「ププッ」

粟生屋「何だって?もう一度いいかな?w」

白鶯「...!」ブチィ!

東海林「...!(負けた?あんなに大きくて強そうな白鶯君に、理子さんが勝った...?!)」


皆藤「ま、おふざけはここまで。今日から私たちは、平和を成し遂げる為のチームメイトです!お互いいがみ合いや取っ組み合いのないように。許可のない魔法を使った喧嘩や戦闘は、処罰対象になり、最悪死刑になります。気をつけてくださいね?」ニコッ


東海林「し、しけい?!?!」

粟生屋「マジ?」

京金「...!」

白鶯「...」

鬼屋敷「ま、平和にやってくれれば、それでいいのよ〜ん」


皆藤「と、いうわけで、同年代同士仲良く!目指すは平和!みんなで最強のチームになろう!!!」


東海林「おーー!!」ドン!

京金「...」ドン!

粟生屋「はわぁ...」ドン!

白鶯「ちっ」ドン!

 

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第380話 「皆藤理子の組手①」

 

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《格技場》


第1支部からワープできる格技場。廃校が使用出来るようになる前は、格技場が主な特訓場だった。


皆藤「今日は、4人の今の実力を見せてもらおうと思って。私と1体1の組手をします。魔法ありで」

東海林「え!魔法使った魔法使い同士のやり合いってサイアク死刑なんじゃ...」

皆藤「特訓としての戦闘は、協会に許可を取れば可能よ。もちろん、安全に配慮した上で、だけど」

粟生屋「でもさ、魔法なんて使ったら最悪相手を怪我させかねなくない?僕なんて、割と凄い能力持ってるからさ」

京金「...」イラッ

皆藤「大丈夫。相手は私だけだから、本気で来ていいよ」

粟生屋「ははっ。なるほど(舐められてるな)」

京金「...」


白鶯「じゃあよぉ」

皆藤「何?白鶯くん」

白鶯「間違えて、殺しちまってもいいか...?」ギラッ


東海林「え...?!」

京金「...!」

粟生屋「...」


皆藤「殺す気で来ていいよ。私、負けないから」

白鶯「あの時は負けたが、今回は俺が勝つ。俺が勝ったら、お前は俺に従え」

皆藤「いいけど、これは勝負じゃなくて特訓だから、実力がわかり次第中断するわ。いいわね?」

白鶯「ちっ」


皆藤「じゃあ、唯からいこっか」

東海林「あ...!はいっっ!!」


皆藤と東海林の戦いが始まろうとしていた。


京金「あの子...履術者なんだよね。どんな能力なんだろう」

粟生屋「強そうには見えないけどね」

白鶯「...」


皆藤「さぁ、かかってきな!」

東海林「えーっと、、その、、あ!!!」ビシッ!

東海林は、明後日の方向を指さした!

皆藤は、指された方向に目をやる。


東海林「隙ありー!!えい!!!」


トンッ


粟生屋「え?」

京金「は?」

白鶯「...」


東海林は、皆藤を強く押した。皆藤は、地面に倒れ込んだ。


東海林「ハァ...ハァ...どうですか!」

京金「いや、攻撃っていうかそれは...」

粟生屋「話にならなそうだね...」


皆藤「成程...唯、君はもしかして、戦ったこと、ない?」

東海林「はい、、ありません!」

皆藤「ふーん。そっか」


すると、皆藤は肘から出血していた。


東海林「あ!理子さん!!肘!!私のせいで!!ごめんなさいっっっ!!!」

東海林は、皆藤に駆け寄り、傷を癒した。

東海林「治れー!治れー!こうやってやると、傷が治るんですっ!」

皆藤「(回復魔法が使えるのか...しかもかなりの精度...!)」

京金「(あの子...どこであの技術を...?)」

白鶯「(傷が治っていく?なんだあれは...?)」


東海林「はいっ!治った!!」

皆藤「凄いね。これは、誰かに習ったの?」

東海林「いや!気づいたら出来てました!友達とかが怪我しちゃった時に、可哀想だなって思って祈ってたら!」

皆藤「(凄いな...)」


東海林「あ、あと!私は、空を飛べます!!」

 


バッサァァァァァ...!!!

 


皆藤「...?!」

京金「?!」

粟生屋「おぉ...!」

白鶯「...?」


東海林の背中から、白く輝く翼が...!!!

 

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第381話 「皆藤理子の組手②」

 

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《格技場》


東海林「私、昔魔法の本を読んで、その時から、空を飛べるようになったんです...!」


東海林は、その翼で宙を待った。


皆藤「蒼魔導書第二十章 白翼の書だね?」

東海林「???」

皆藤「君が読んだ本の名前だよ。多分そう」

東海林「昔のことだから、、覚えてないなぁ」

皆藤「その本はどこで?」

東海林「普通に!どっかに落ちてて!!」

皆藤「なるほどね」


東海林は、地面に降り立った。


東海林「私は!まだ戦いとか魔者とか分からないけど!特訓して!勉強して、皆に追いつきたいと思いますっっ!!よろしくお願い致します!!」

皆藤「うん。唯なら凄い魔法使いになれる!よろしくね!」

東海林「はい!理子さん!!」


東海林は格技場の隅に戻る。


皆藤「(東海林唯...戦いは未経験だが、魔導書の能力持ちというだけあって潜在能力は高い。そして何よりあの回復魔法の精度。少し基礎を教えれば、ポテンシャルは私よりも高いかも...!)」


京金が立ち上がる。


京金「次は私よね」

皆藤「うん。ルカ」

京金「悪いけど私は、素人とは違うわよ」ホワワァン!

京金は、魔法陣から斧のような魔具を取りだした。

皆藤「流石だね」

東海林「え?え?斧が出てきた!!何も無かったよね!」

粟生屋「落ち着きたまえ素人。あれは”運”。基礎中の基礎の技術だ」

東海林「凄いな...ルカルカ...!」


京金「理子さんだっけ?見せてあげる。私の強さ」

皆藤「来い...!」

 


ビュンッ!

 


東海林「消えた!」

皆藤「(速い...!)」


京金「喰らえ!」シュッ!!

皆藤「...!運!」チャキッ!


キィィン!!!

京金の斧と皆藤の剣がぶつかり合う!


京金「剣使いなんですね」キリキリキリ...

皆藤「えぇ。私の愛剣よ」キリキリキリ...


バッ!


2人は距離をとる!


京金「なら...」パッ

京金は、斧を投げ捨てた。斧は魔法陣に沈む。

京金「これならどう?」ジュパッ!

京金は、魔法陣からボーガンのような魔具を出して、構えた!

皆藤「...!」


京金「!!」

ビュンッ!! ビュンッ!!

京金は、矢を数発放った!!皆藤は、京金の攻撃をくぐり抜ける!

 

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第382話 「皆藤理子の組手③」

 

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《格技場》

ビュンッ! ビュンッ!

京金は、攻撃の手を止めない!

京金「避けるの上手ですねぇ」ビュンッ!

皆藤「...!(流石に魔具の扱い方に慣れてる...照準の合わせ方が正確無比!)」


京金「これでどう?」パッ

京金は、腰から爆弾の様な物を皆藤に投げつけた!

京金「爆ぜろ」


ドッカーーーーーン!!!!


粟生屋「派手だねぇ」

東海林「キャーーーーー!って、ここ壊れないの?」

粟生屋「ここはあらゆる魔法を吸収する丈夫なつくりで出来てそうだから、壊れないだろう」

東海林「ふーん」

白鶯「...」


爆煙の中から、皆藤の姿が浮かぶ。


京金「(守護で守ったのか)」

皆藤「流石ね。私が見てきた中で、魔具の使い方はあなたが一番よ。ルカ」

京金「あたりまえですよ。ていうか、手抜いてるんですか?1度も攻撃してこないなんて。なんかムカつくんですけど」

皆藤「まぁこれは勝負じゃないから。でも、そう思われたなら、悪かったわ」

 


サッ!

 


皆藤が消えた!

京金「!(消えた?)」


東海林「ルカルカ!後ろ!」

京金「!」バッ!

皆藤「もう遅い!!」

 


ガッッ!!!!

 


皆藤は、剣の※柄頭で、京金の背中を突いた!

京金「!!!」


※刀の持つ部分の先端

 


ガクッ

 


バタッ...

 


皆藤「...」

京金は、その場で気絶した。

東海林「ルカルカ!!!」

粟生屋「...(一撃で...)」

白鶯「...」


皆藤「見張りの人ー!ルカを医務室へお願い出来ますか?」

見張り「あ、はい!!」


京金は、医務室へと移動した。


東海林「ルカルカ...大丈夫かな」

皆藤「大丈夫よ。気を失ってただけだから」

東海林「ならいいんだけど...」


皆藤「(京金ルカ...履術者じゃないのに基礎魔法が使えるってことは恐らく、特殊体質の持ち主...元々体にマヂカラが宿っているのか、はたまた幼い頃から魔具に触れて、後天的に芽生えたのか...どちらにせよ、彼女の魔具の使いこなしは凄かった...)」

 


皆藤は、体についた埃を払った。

 


皆藤「じゃあ、次は粟生屋君」

粟生屋「すみません。始める前に、少しいいかな」

皆藤「どうしたの?」

粟生屋「僕の能力を正確に把握したいのなら、場所の変更をお願いしたい」

皆藤「...というと?」

 


粟生屋「僕からすれば、この格技場(フィールド)は狭すぎる...!」ドン!

 

────


第383話 「皆藤理子の組手④」

 

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《廃校》


皆藤、粟生屋、白鶯、東海林は、廃校に移動した。


白鶯「わざわざ場所を変えさせるなんて、それ相応の力を持っているんだろうな?」

粟生屋「見てれば分かるよ。君も指を咥えてそこで見ているといい」

白鶯「ちっ」


東海林「何ここ...学校?」

皆藤「魔裁組では、特訓する時にここを使うことが多い。この辺りにはマヂカラっていう、魔法の主成分みたいなものが強く染み付いてる。だから、魔法を使った特訓がしやすいんだ」

東海林「へぇー!!勉強になりますっ!」


粟生屋は、体を伸ばして皆藤に言った。

粟生屋「さ、準備が出来たら言ってよ」

皆藤「余程自信がある様ね。粟生屋君は」

粟生屋「ま、自分の才能を、客観的に理解してるだけだよ」


皆藤「なるほどね。じゃあ、好きな時に始めていいよ」

粟生屋「よろしくお願いします。皆藤理子さん」

粟生屋は、両手を胸の前で組んだ。

 


ゴゴゴゴゴゴ!!!

 


皆藤「?!」

東海林「な、何これ?!?!」

白鶯「...!」

 

 

ズ         シ          ッ          !!!

 

 

皆藤「...?!(体が...重い...!!)」

東海林「何これー!!動けない...!!!」

白鶯「...!!」


粟生屋「僕は強いよ〜?割と」

 

ビュゥゥゥゥ...!!!


強い風のような攻撃が皆藤を襲う!!


皆藤「...!守護!!!」


ギィン!!!


皆藤「...(何だこれ...?風?とは違う...?体に強い圧が!!)」

粟生屋「まだまだぁ!」

粟生屋は、拳にオーラを纏い、皆藤を殴り付ける!!


ガァン!!!


皆藤「!!!(今、直接触れた?!触れてないのに、まるで触れたかのように殴られた!!)」

粟生屋「これはどうだい?」

粟生屋は、空を足で切り裂いた。すると、空間に穴が空き、皆藤は引き寄せられる!!

 


粟生屋「ふっ。”Air-G”」

皆藤「...!!!!」

 


東海林「何あれ!!私も吸い込まれちゃいそう...!!」

白鶯「...!(周りの木くずや砂利まで吸い込んでやがる...!)」

 


シャキーーーーン!!!

 


皆藤は、空間の穴を剣で切り裂いた!

 


粟生屋「...!まさか、叩き斬られるとは」

皆藤「凄いマヂカラ量ね。そのマヂカラをコントロール出来るのは、その右目の”賢眼”のせいかしら」

粟生屋「ほほう。よくお気づきで」


東海林「けんがん?」

京金「賢眼(けんがん)。何万人に1人が持って生まれるという、特殊な能力。膨大なマヂカラのコントロールを可能とし、常人に比べて、強いマヂカラに耐えられる能力よ」

ルカがどこからともなく現れた。

東海林「へぇぇ、、って!!ルカルカ!!体は大丈夫なの?!?!」

京金「ちょっと寝てただけよ。てか、その呼び方いい加減、」

東海林「よかったーーー!!心配したんだよぉ!!?!」バッ!

東海林は、京金に抱きついた!

京金「!!!な、なによ!大袈裟よ!!」


皆藤「(ルカ、もう戻ったのか。体が丈夫ね)」

粟生屋「余所見してる暇があったら、攻撃してきなよ。まだ僕達は”あなたの能力”を知らない。勿体ぶっちゃってさ」

皆藤「...」

粟生屋「ほら、そんなことしてるうちに、もう王手だよ?僕は」

皆藤「...?」

 


ゴゴゴゴゴゴ!!!

 


すると、粟生屋と皆藤の上空に、巨大な黒い球体が浮かび上がっていた!!!


皆藤「!!!」

東海林「何あれ!!!」

京金「!!!」

白鶯「...!」


粟生屋「さぁ...おいで...!」

 

キラーン!

 

────


第384話 「派手」

 

────


《廃校》


粟生屋「さぁ...おいで...!」


キラーン! 

 

 

 

...シュゥゥゥゥウウウウウウウ!!!!!

 

 


皆藤「...!あれって!!」

京金「嘘...でしょ?」

東海林「あわわわわわわわ!死んじゃう!死んじゃう!!」

白鶯「...これは...?!」

 

 

 

一同「隕石?!?!?!」

 

 

 

粟生屋「そう。”Fall-G”。呼び出した隕石は、あのブラックホールに包まれ、大規模な重力波を放つ...!」

皆藤「!!!」

粟生屋「さぁ...立っていられるかな...?」

 


ゴォォォォォォ!!!

 


隕石が、黒い球体に激突する!!!


粟生屋「さぁ行け!!」


ゴゴゴゴゴゴ!!!!


隕石を取り込んだ球体は、辺りを破壊しながら皆藤に降り注ぐ!!


皆藤「!!!!!」

粟生屋「ふっ」

東海林「理子さーーーーん!!!!」

京金「...!!!」

 

 

 

ドォォォーーーーーーーーン!!!!!

 


辺り一面に爆風が吹き荒れる!!!

東海林「キャーーーーー!!!!」

京金「!!!!」

白鶯「...!」

ビュゥゥゥゥゥ!!!!!


爆風が止み、東海林は目を開ける。

東海林「!!!ねぇ!!!あれ!!!」

京金「?!」

白鶯「...?!」


すると、球体が落下した地点は、巨大なクレーターになっていた!!!


東海林「え?!あおやんやばくない?!?!え?!?!」

京金「...!」

粟生屋「流石に、やりすぎたかなぁ...」

東海林「理子さん大丈夫かな...」


すると、空から、鳥に乗って皆藤が現れた。


粟生屋「?!」

東海林「理子さん!!!」

京金「?」

白鶯「...」


皆藤は、地面に降り、絵で出来た鳥をしまった。

皆藤「ありがとう。逃がしてくれて」

粟生屋「なるほど、それがあなたの能力?」

皆藤「そう。描いたものを具現化できる」

粟生屋「地味な能力ですね」

皆藤「ふふっ。それは流石に想像力が足りてないわ」

粟生屋「言いますね」

皆藤「あなたの能力は、蒼魔導書第四十八章 重力の書ね?」

粟生屋「ええ。詳しいんですね、魔導書に」

皆藤「魔法協会の特待生だもの。当然よ」

粟生屋「どうです?僕の能力は」

皆藤「最高ね。上手く使いこなしてるし、魔者と戦ってた経験も随所に見られる。お見事よ」

粟生屋「それはどうも」


皆藤「でも、いくら賢眼の持ち主といっても、最後の攻撃は結構無茶したでしょ。足、震えてる」

粟生屋「...!」ピクピク...

皆藤「見せてあげる。私の能力の真髄...」


シャッシャッシャッ!!


皆藤は、宙に大きく筆を走らせた!


粟生屋「...!!」

皆藤「これでどう?曼荼羅魔神図...風神!!!」

 

皆藤の背後に巨大な風神が浮かび上がる!!!

粟生屋「!!!!!」

東海林「何あれ、、!」

京金「...(凄い圧...!!)」

白鶯「...!」


皆藤「派手か地味か、この攻撃を見てから決めてよ...!」

 

SOREMA -それ、魔!- 46へ続く。