SOREMA -それ、魔!- 37

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SOREMA -それ、魔!- 37

 

「守りたいから」

 

────


第315話 「セカンドステージ」

 

────


豊洲


千巣はデュマを追い続ける!

デュマ「いやぁ驚いたよ!君もしつこいねぇ!」

千巣「付き合ってやってんだよ!」

デュマ「あはは!」

千巣「(海を嫌わない...このクラスがゴロゴロいるのか?ノベルには...?)」


デュマは、動きを止めた。


千巣「(豊洲...ここで暴れたくはないな)」

デュマ「はい。ギブアップ。誰も殺せなかったよ...君の勝ち」

千巣「どうだっていい。お前を倒して初めて俺の勝ちだ」

デュマ「なるほどね。じゃあ...セカンドステージといこうか...!」

千巣「あ?」


デュマは、印を結んで、唱えた。


デュマ「魔導結界展開...!」

千巣「...!(季彩先輩の時と同じ...!!)」


ゴォォォォォォォ...!!!


辺りは眩しい光に包まれた...!


千巣「...!」

千巣が目を開けると、そこは古代文明の聖域のような街並みが広がっていた...!


デュマ「魔導結界...”神殿”!」


千巣「メキシコの次はギリシャかよ。旅行気分を味わえていいねってか」

デュマ「そっか。君は二回目か!ようこそ、俺の結界へ」

千巣「土足で上がって悪いな...!(サシなら問題ない...!むしろ好都合だ!)」


デュマ「セカンドステージのルールは簡単。この勝負に勝った方が勝ち」

千巣「...」


デュマ「早速いくよ!!大業魔具 弁慶!!」シャキン!

デュマは薙刀を繰り出した!

千巣「魔者が魔具を使う時代になったわけか」シャキン!

千巣は、妖刀 夜叉を繰り出す。


デュマ「いざ勝負...!!!」

千巣「...!!!」


キィィィィィィンッッ!!!!!!


2人は激しくぶつかり合う...!!!

 

────

 

《新木場付近》

一善は、豊洲方面に一直線に走る!

幸二「おい!!一善!!」

三太郎「どこ行くんだよ!!!」


プルルル... プルルル...!


幸二「(...電話?)」

三太郎「ったく!こんな時に誰だ?!」


ジャスティンさん から 着信があります”


幸二「ジャスティンさんだ!」

三太郎「マジか!」


幸二は、一善を追いかけながら電話に出る。


幸二「幸二です!なんですか!」

 

────


第316話 「錯綜」

 

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《新木場付近》


『ジャ : 幸二!今どこだ!』

幸二「スターリーランドから湾岸線沿いを東京方面に移動中です!」

『ジャ : なるほど!今こっちでは、豊洲付近で強いマヂカラ反応が確認されている!何か関係あるか?』

幸二「(豊洲...?)わかりません!でも、俺達もそっちに向かってます!」

『ジャ : まぁわかった!俺は今から豊洲に向かう!そっちには行けないから何とか頑張ってくれ!』

幸二「了解です!」


ピッ


三太郎「なんだって?!」

幸二「今豊洲に強いマヂカラ反応が出てるらしい!」

三太郎「豊洲?!ここじゃねえか」


幸二「?!」


豊洲


電話中に、2人は豊洲に着いていた。


三太郎「おい!幸二!前見ろ!一善が止まった!」

幸二「!!」


一善「うぅ...う...」


幸二「止まったな」

三太郎「なんだ?」


2人が一善を見ると、一善は、小さく浮いた白い水晶のようなものを見つめている。


三太郎「なんだこれ?すげえマヂカラを感じるぞ」

幸二「なんだ...?この玉は」


ジャ「おーーーーい!!」


幸二「!!」

三太郎「ジャスさん!!」


ジャ「住吉で魔者を狩ってた...近くて助かったよ」ハァ...ハァ...

三太郎「お疲れ!」

一善「うぅ...!」

ジャ「一善?具合悪いのか?」


幸二「ジャスティンさん!一善は操られてます。魔者に」

ジャ「操られてる?」

幸二「恐らく、魔者の術でしょう。その魔者は今スターリーランドに千巣先輩と居ます」

ジャ「千巣さん?!来てたの?」

三太郎「あぁ!」

ジャ「でも、俺が連絡を受けた時には、スターリーにはマヂカラ反応出てなかったぽいぞ?」


幸二・三太郎「え?」


一善「うぅ...うぁぁぁぁぁ!!」


ギィン!!!


一善は、白い玉を攻撃し始めた!!!

 

────


第317話 「反対の反対」

 

────


豊洲

幸二「一善!!」

三太郎「おい!どうした!!」


一善「うぁぁ!!うぁぁぁ!」

ギィン!! ギィン!!


ビリビリィ!!


一善「うぁぁぁぁ!!!」


幸二「一善!!」

ジャ「この玉、何なんだ?」

三太郎「丈夫だな...壊そうとしてもこっちがダメージを負う!」

幸二「そうだな...!」


三太郎「というか、アニキは?どこに?」

幸二「まさか...あの魔者に...」

三太郎「おいコラ!縁起の悪いこと言うな!アニキが負けるわけねぇーだろが!」

ジャ「(千巣さんが負けたなら研究班から報告があるはずだ...だから死亡確認はされてない...なら...消えた?)」

 

────

 

《魔導結界・神殿》

 

────


千巣「赤のエレメント...!!遊火!!!」ボワッ!!

デュマ「...!(ちっ...こいつ...強ぇ!)」

千巣「赤のエレメント...!雄叫火!!!」ボワァァ!

デュマ「ぐはっ...!!」


千巣「口ほどにもないな。赤のエレメント!血照天!!!」バコォォォン!!


デュマ「ぐわぁぁぁぁあ!!!」


ドゴーーーーーン!!


千巣「...」

デュマ「...?(さっきの虫の男...反転(リバース)のカラクリに気がついた...?外から攻撃されている...!)」

千巣「(四十六眼は相手にコピーされたらまずい...剣とエレメントはコピー出来ないみたいだが)」


デュマ「ちょっと容量がね...!」

千巣「は?」

デュマ「もういいや、解除」


デュマは、一善の反転を解く。

 

豊洲


パァァァァン!!


一善「!!!!」


幸二「一善!!」

ジャ「...!!」

三太郎「おい!!一善!!」


一善は後ろに倒れた。


三太郎は、一善を受け止める。


三太郎「おい...一善!!一善!!」

幸二「しっかりしろ!大丈夫か?」

ジャ「何があったか、話せるか?」


一善「二人とも...それに...ジャスティンさん...?」

ジャ「(一善のマヂカラはもう切れてる...これでは戦えそうにない...)」


一善「ごめんね...二人とも...傷つけて...」

三太郎「大丈夫だ!俺たちは!」

幸二「あぁ!」


一善「ハァ...操られてる時...ずっと魔者を倒そうと...抗ってたんだ...でも...体は二人に襲いかかった...」

三太郎「...!」

幸二「...!」


一善「だけど...途中で気がついたんだ...きっと...あの術は...俺の意思を反転させて行動に反映させるって...」

幸二「!!」

三太郎「?!」

一善「だから俺は...途中から幸二と三太郎を倒そうと考えたんだ...そしたら...魔者に向かって...体が動いた」


ジャ「なるほど...敢えて味方を攻撃するように念じる事で、その反対に体は敵を攻撃するようになるわけか」

幸二「そういうことか...!」

三太郎「お前、ほんとすげぇよ!」


ジャ「ってことはさ...」

ジャスティン、白い玉を見る。

 

────


第318話 「戯言」

 

────


豊洲

三太郎「この玉が、魔者...ってこと?」

幸二「どういう事だ...?」

三太郎「こんなとこで、何してんだ?魔者」ツンツン

ジャ「わからない。だが、かなりのマヂカラを感じるよね」

一善「恐らくこの玉が魔者に関係してることは間違いないと思います...でもこの玉が何かはわかりません」

三太郎「魔者の卵とか?」

幸二「絶対違うわ」

三太郎「絶対って証拠あるのか?あ?」

ジャ「まぁまぁ」


一善「もしかしたら...結界...?」

一同「?」


一善「俺が前にノベルの幹部と戦った時に...特定の人間のみ閉じ込める技を使ってました...それはその魔者の特性ではなく...ボスから与えられたものだと...」

三太郎「ふーん...って!お前ノベルと戦ってたのかよ!!」

ジャ「聞いてないよぉ!俺!」

一善「すみません...色々あった直前だったので...言う機会がなくて...」

幸二「倒したのか?」

一善「うん...でも、さっき出た魔者と同じ能力だった」

三太郎「なるほど...もうよくわかんねぇなノベル」


ジャ「とにかく、あらゆる可能性を考えて、周囲を封鎖しよう」

 

────

 

《魔導結界・神殿》


千巣とデュマは激しい戦いを繰り広げる!!


ガンッ!ガチャッ!ズバッ!ヒュン!バッ!キンッ!ビュン!スッ...!


デュマ「ハァ...君...強いねぇ」

千巣「俺は弱い」

デュマ「ははっ...何を言ってんだか...イヤミかよ」

千巣「...」

デュマ「君みたいな強い奴はさぁ...魔者になればいいんだよ」

千巣「...?」

デュマ「魔者は自由だよ...!人を殺すも生かすも自分次第。人間みたいに力以外のしがらみがな〜んにもないんだ!どんなに自由に生きても誰にも咎められない。何かあったら殺しちゃえばいいんだし」

千巣「...」ピキッ

デュマ「人間は、どう頑張っても魔者には勝てないんだからさ」


千巣「自由...?くだらねぇ」

デュマ「なんでよ。君も自由は好きでしょ?」

千巣「他人に害を及ぼす自由は自由とは言わない」

デュマ「...?じゃあ何?」


千巣「”勝手”」


デュマ「...ふふふっ。ま、どっちでもいいや」

千巣「...」

デュマ「OK。”足枷”は解いた...これでマヂカラをセーブしなくて済む...!

千巣「?」

デュマ「お前を殺すことだけに集中してやる...!!」ペロリ


千巣「...(来る!)」

デュマ「蒼魔導書第四十四章 鏡像ノ一 鏡分身...!!!!」


ババババババババ...!


千巣「分身か...芸がないな」

デュマ「ははっ!どれが本物かな!見破ってみなよ!その自慢のおめめで!」

 

────


第319話 「理想郷」

 

────


《魔導結界・神殿》


デュマは数十体の分身を作り、宙に舞った!

千巣「やってやるよ...四十六眼!!!!」

キィィィン!

千巣は、マヂカラの流れで、本物を見分ける。

千巣「?!」

デュマ「ふふっ」ニチャア


千巣「?!(マヂカラが...超高速で分身から分身へ移り渡っている...?!)」


デュマ「ほら!早くしないとこっちからやっちゃうよ〜?!」

千巣「(分身と本体は入れ替われるってことか...流石にこんなに早く入れ替わられちゃ当てらんねぇな...なら...!)」

デュマ「...?」


千巣「全部一発でぶった斬る...!」

デュマ「?!?!?!」


千巣「千紫万紅流・奥義...!!!」

デュマ「...?!」

千巣「紅・破壊王・画竜点睛...!」


ゴゴゴゴゴ...!!!


デュマ「!!!」

千巣「喰らえ!!!!」

千巣が、剣を振ろうとしたその時だった...!!


子連れの女が、目の前を横切った...!!


千巣「?!?!?!?!」


デュマ「あら、油断したね?」

デュマは、分身全員で千巣に薙刀を突き刺した...!!

デュマ「ヒャッハァァァ!!!血祭りだぁ!!!」


千巣「うわぁぁぁぁぁ!!!」グシャァァッ!!!


デュマは分身を元に戻し、地面に降り立った。


デュマ「驚いた?」

千巣「...(人だよな...?幻覚か?)」

デュマ「無理もない...本来結界内に普通の人は入れないからね」

千巣「...」

デュマ「僕はね、'人'を'飼'っ'て'るんだよ!ここで!」

千巣「?!?!」

千巣が辺りを見回すと、何人かの人間が歩き回っていた...!


デュマ「ほら、人間って弱いじゃん?だから、すぐ死のうとしたりするんだよ。だから、僕がここで飼ってあげてるの。みんなここを楽園だと勘違いして住み着いてるよ...!!僕の奴隷たちさ!!!」


千巣「...!」ハァ...ハァ...


デュマ「君もさっきの攻撃でかなり傷ついちゃったね。痛いよね?ここに住むかい?」

千巣「却下」

デュマ「そっか。つれない男だね。なら死んでよ!!!」


デュマは千巣に向かう...!!!!


シュゥゥゥゥ...!!!!!

────

───

──

 


〜〜〜〜

 


???”大切な人間を守れない男はなぁ、どんな奴より弱いんだぜ?”


千巣「...(俺は弱い...か)」

 

────


第320話 「燃える男」

 

────


12年前────


《とある郊外の村》

千巣(14)は、初めての単独任務にやって来ていた。


魔者「ギュリュゥァァァ!!」

魔者「ジュワァァァァ!!!」


千巣「(おいおい...魔者自体は大したことねえけど、2体いるなんて聞いてないぞ?!)」


魔者「ギュリュゥァァァ!!」

魔者「ジュワァァァァ!!」

魔者2体が、千巣を襲う!!


千巣「くっ...守護!!!」

千巣は、攻撃を受けとめた!

千巣「...!(パワーが...!やばい、押し負ける...!!)」


???「”遊火”!!!!!」


ボゥゥゥ!!!!


魔者「ギュリュゥァァァ!!」

すると、魔者の1体が突然燃えた!!

千巣「?!」


???「大丈夫か?そこの弱っちいの!」

千巣「?!は?」

???「ちょっとそこから離れな!今燃やす...!」

千巣「...?」

千巣は、その場から離れた!


???「行くぜ...!!叫火(さけび)!!!」


ボゥゥゥゥゥゥゥ!!!


魔者「ギュリュゥァァァ!!」

魔者「ジュワァァァァ!!!」


千巣「(なんか知らねぇけど助かった!!)今だ!!!」

千巣は、魔者2体を斬りつけて退治した!


スタッ


???「ん?なかなかやるじゃん?お前、何者?」

千巣「千巣万之助。魔法使いだ」

焔「魔法使い?俺は炎使いの、鳶焔(とび ほむら)だぜ!よろしくな」

千巣「お、おぅ」

 

────

 

《近くのカフェ》

焔「魔裁組ね。知ってるよ。たま〜に来るんだよ、ここよくバケモン出るからさ。アンタらは魔者って言うんだろ?」

千巣「焔だっけ?なんで魔法使えんの?」

焔「ガキの頃に拾った本を読んだらこうなっちまった。何とか第一章 炎の書的な?もう無くしちまったんだけどな」

千巣「(履術者か...)普段はここで魔者を狩ってるのか?」

焔「まぁな。そういえば、万之助だっけ?」

千巣「あぁ」

焔「俺と最強を目指さないか?」

千巣「は?」

 

────


第321話 「俺は弱い」

 

────


《近くの神社》


焔「俺はさ、この力で最強になりてぇんだ」

千巣「どうやって?」

焔「この村に出るバケモンを全て倒す。それが最強だ」

千巣「ここ、山近いのによく魔者でるんだな」

焔「昔から、この村のバケモンは人を襲ってるらしい。村長のじっちゃんによれば、魔導書の言い伝えがどうたらこうたらって言ってたけど、よく分からん」

千巣「ふーん」

焔「でも俺はさ、この村が好きで、この村の皆が好きなんだよ。だから、ここで誰かがバケモンに襲われるのを、これ以上見たくねんだ」

千巣「それが焔が言う最強ってわけね」


焔「あぁ!大切な人間を守れない男はなぁ、どんな奴より弱いんだぜ?だから俺はここで最強を目指す!万之助!俺と一緒にやってくれないか?」

千巣「お前が魔裁組に入ればいいんじゃねぇか?」

焔「悪いが俺はこの村を出るつもりはない。万之助は、ここにちょくちょく顔を出してくれればいい。な?どうだ?」

 

────


それから、千巣は、焔に乗せられて、何度かこの村に足を運んだ。千巣は、この村の任務は率先して受けた。

そして、2人は何度か魔者に遭遇し、それらを全て倒してきた。

焔「ははっ!!雄叫火ィ!!!」

千巣「千紫万紅流!月光狩り!!」


《村》

 

焔「やっぱさ、万之助は違ぇな!都会の魔法使いって感じだ!痺れるぅ」

千巣「お前も魔裁組(こっち)に来いよ。こっちでは村の魔者ハンターがいるって噂になってるぞ」

焔「ははっ!なんだそれ。面白いなぁ」

千巣「ははは」


焔は立ち上がった。


焔「もうお前と居れば、何も怖いものなんてねぇな!」

千巣「...」

焔「これまでも、これからも。俺達は最強だ!」

千巣「...お、おぅ」

焔「何萎縮してんだよ!お前もそう思うだろ?」

千巣「...あぁ!俺達は、強い!」

焔「だろだろ!俺達は最強!!!村は平和ぁ!!」

千巣「...笑」


焔「俺達は最強のバディだ。ありがとな。お前が来てから、村はより元気になった!」

千巣「...そうか?」

焔「...気がする!!笑」

千巣「なんだよそれ笑」

焔「これからもよろしくな。相棒」

千巣「...おぅ」

 

 

しかし、悲劇は起きた。

 

 

数ヶ月後の話、魔者が3体、村に現れた。

千巣が駆けつけると、焔は3体の魔者を相手取っていた。


戦闘中、焔は命を落とした。

千巣にとって、”初めての死別”だった。

 

《村の神社》

 

千巣「......」

千巣は座って俯く。握った拳には、大粒の涙が何滴も落ちる。

 


千巣「俺は......弱い!!!!」

 

────


第322話 「守りたいから」

 

────


《魔導結界・神殿》

 


焔。俺はお前を一度だって忘れたことは無い。

俺はお前を守れなかった。俺は弱い。

 


なぁ、焔...

 


あの日、俺がどうして、お前の夢についていこうと決めたか、わかるか...?

 


それは...

 


お前が、俺と同じ”戦う理由”を持ってたからだ...!

 


────

 


デュマ「死ねぇ!!!!!」ズバッ!!!!

 


キィィィン!!!


千巣は刀で受ける!

千巣「くっ...!!!」

デュマ「おいおい...お得意の術を見せてくれないのか...?!」

千巣「...!赤のエレメント!!唐紅!!」

ボワワァァァァァン!!

デュマ「...!」

デュマは後退する!


千巣「千紫万紅流!月光狩り!!」

デュマ「ヒャッハァ!!!」キィン!!


キィン!バキィン!カキィン!キィン!シャキン!バギィン!キィン!!!


デュマと千巣は高速で斬り合う!!

デュマ「張合いがないなぁ!もう終わりかい...?!」キィンキィンキィンキィンッッ!

千巣「ハァ...ハァ...!」キィンキィンキィンキィンッッ!!

デュマ「(こいつをここで殺せば...さっきのミスも帳消し...どころかお釣も来る...!何としてでも!!)」

デュマは、薙刀を千巣の腹部に突き刺す!!!

千巣「!!!!」グハッ!!

デュマ「ヒャッホゥゥゥーーー!!!」


グ    サ     ッ   !!


千巣「!!!!」


デュマの薙刀は、千巣の腹部を貫通した。


千巣「...」グハッ...!

ポタッ...ポタッ...


デュマ「はぁ...人間はこれだから...つまんないなァ」

千巣「...」

 


────

 


千巣は、京都での会話を思い起こす。

 


三太郎”あ、そう言えば、アニキはなんのために戦ってるの?”

 

 

戦う理由...俺がここまで、戦えてきた理由は一つだよ...

お前と同じなんだ...焔...!

 

 

ひえり”...お兄ちゃんが血を流した分だけ、この街の涙がひとつ減るんだよね”

 

千巣”...どうだろうな”

 


ひえり”お兄ちゃん...死んじゃ嫌だよ...?”

 

千巣”ふっ。安心しろ。俺は死なん。俺は弱いから、負けそうになったら逃げて帰ってくる”

 


ひえり”ははっ。ダサ笑”

 

 

俺が戦う理由...それは...

 


大切な人の...笑顔...!!

 

 

それだけなんだよ...!

 

 

千巣の脳裏に浮かぶのは、

”たった一人の家族”の笑顔────!

 

次回、スターリーランド編完結。

 

SOREMA -それ、魔!- 38へ続く。

 

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第315話 「セカンドステージ」

第316話 「錯綜」

第317話 「反対の反対」

第318話 「戯言」

第319話 「理想郷」

第320話 「燃える男」

第321話 「俺は弱い」

第322話 「守りたいから」