SOREMA -それ、魔!- 26
SOREMA -それ、魔!- 26
「1+1」
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第219話 「スピーチ」
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《砂漠》
TORA「成程な...少しは認めよう...お前は強い」
一善「...」
TORA「俺も、本腰を入れてお前を殺すとしよう...!」ゴゴゴゴ...!
一善「半殺しじゃなくていいのか?」
TORA「もう俺以外の”雑魚”は死んだ。俺はお前達を皆殺しにする義務がある。マスターからもお許しを貰えるだろう...!」
TORAはマヂカラを溜め込む...!
TORA「アタックコマンド!王・舞乱虎!!!」
ドゴォン!!!
一善「い!!!!!!」ゴボゥ!!!
TORA「まだだ!アタックコマンド!王・風螺面虎!!」ガァン!!
一善「...!!(全ての技が...強化されてる...!!)」ボコッ!
TORA「王・刃羅太虎!!!」
一善「くっ...!!(つのキング...!お願い!)」
つのキングは、TORAの攻撃から、一善を守る...!
つのキング「ウォーーーー!!」
TORA「貫いてやる...!!」グゥゥゥゥ!!!
一善「!!!!」
つのキングは、光の粒になって崩れた!
一善「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
一善は、吹き飛ばされた!
TORA「...強者が善。弱者が悪、それだけだ。周りの存在は俺が善人であることを証明するための駒に過ぎない」
一善「ハァ...ハァ...腕っぷしの強さでしか語れないなんて、寂しいね」
TORA「何?」
一善「俺の味方は強いよ。皆。でもそれは、力の強さだけじゃない...!」
TORA「ではなんだと言うんだ?」
一善「心(ここ)の強さだよ」
TORA「...?」
一善「ここに来るまで、たくさんの不安があったよ。でも誰一人揺らがなかった。それは、お互いに折れそうになっても、支えてくれる人がいたから」
TORA「...」
一善「俺たちが強いのは、一人一人が強いからじゃない!誰かと補い合って初めて、人は強くなれるんだ...!!」
TORA「...!!」
ププッ!!
一善「?」
『ジャ : 一善!!ナイススピーチ!!』
『三太郎 : お前、マイクのスイッチついてるぞ?』
『幸二 : わざとか?』
『美波 : 一善くん!渚ちゃんと会えたよ!』
『千巣 : 俺たちも来たぜー!』
一善「あ、え?本当?!恥ずかし!」
『三太郎 : ま、でも俺達もそう思うぜ!』
『莉茉 : 熱い男一善君!頑張って!』
『はるか : はやくやっつけて帰ろうぜ!』
『麗美 : こっちは任せて!』
『ジャ : いやぁ。ウケるなぁ。教科書に乗せたいよ...笑』
ゴニョゴニョゴニョ...
一善「ははっ」
一善は、笑った。
TORA「...なぜ笑う。この状況で」
一善「そんなの、決まってるだろ」
TORA「...?」
一善「人間だから」
────
第220話 「泣いて笑って」
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《砂漠》
『莉茉 : ジャスティンさん!今どこですか!』
『ジャ : 今そっち向かってる!地下道!』
『はるか : 結構まずい状況だ!早く来てくれ!』
『ジャ : 分かってる!急いでるから待ってて!』
『麗美 : 頼むよ!』
『千巣 : 美波ちゃん〜ちょっと来て欲しいかも。もう動けない』
『美波 : 分かりました!でも渚ちゃん一人には出来ないです』
『五百旗頭 : 私は大丈夫よ』
『美波 : でも...』
一善「俺が敵を倒して、五百旗頭さんの所に行きます。そしたら美波ちゃんに向かってもらいます」
『千巣 : 助かる〜』
ピッ...
一善は、マイクを切った。
TORA「人間...くだらん生き物だ」
一善「言っとけ。お前にどう思われようが構わない」
TORA「なかなか騒々しいようだが。早くお前を殺して、皆殺しにしてやらんとな」
一善「行かせるわけないだろ。俺がお前を倒す...!」
TORA「他の奴らとは違って、人間風情に倒される俺ではない。見てみろ、お前の体。傷だらけではないか」ゴキ ゴキ...
一善の体からは出血が止まらない。
TORA「惨めだな」
一善「笑って、泣いて、怒って...傷ついて。...それが”人間を生きる”ってことだ。俺は今、全身全霊で生きている...!!」
すると、散らばった光が地面から蛍の光の様に浮かび始めた...!
TORA「?」
一善は、エレメントで生成した剣を構える。
一善「イメージは現実を超える。そして、俺が見たい未来への架け橋となる...!」
浮かび上がった光が、エレメントの剣に纏わり、剣が黄金に光輝いていく...!!!
一善「光り輝く黄金の魂よ...今、我を導く聖剣とならん...!!!」
TORA「(なんだ、あの剣は...?!)」
ド ン !
一善のエレメントの剣は、黄金をまとって巨大な聖剣となった!!!
一善「(俺のイメージに、つのキングが応えてくれた...!ありがとう...!)」
つのキング「(俺たちは、一心同体だ!)」
TORA「!!!!!」
一善「つのキング...行くよ!」
TORA「まぁいい...ならば、俺も見せてやろう...この力の真髄を...!!!」
一善「!!!」 スゥゥゥゥ!!!
一善は、TORAに斬りかかる!!
TORA「アタックコマンド!!究極奥義!!!」
一善「!!!!!」
TORA「奮没虎(ふるぼっこ)!!!!」
バババババババババババババババ!!!
一善「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
TORA「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
一善「大剣豪!!!」ド ン !
ズ バ ッ ! !
TORA「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブシャーーーーー!!
────
第221話 「長期戦」
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《砂漠》
一善「ハァ...ハァ...」
TORA「くっ......」ポタッ ポタッ...
一善「!(まだ生きてる...!)」
TORA「まさか...ここまでやるとはな...敵ながら天晴れ...と言わざるを得ないな」
一善「...」
TORA「お前は類まれなる善人だ...!」
一善「そんなことないよ」
TORA「力こそ正義!強さは善!お前は善人のみにしか開かない扉の前に既に立っている...!」
一善「...」
TORA「誇れ!お前の力を誇るんだ!そして、正しく使うのだ!弱き者を喰らい、強くなれ!」ゴボッ...!
一善「俺の力の使い道は、俺が決める」
TORA「...!」
一善「お前みたいな外道を滅ぼすために、この力を使わせてもらうよ...!」ゴゴゴゴ...!!
一善は、黄金の剣を構える...!
TORA「なぜ分からない!!!アタックコマンドォ!!!神・奮没虎ォ!!!!!!!!!」
一善「大剣豪!!!!皇我(おうが)!!!!」
拳と剣がぶつかり合う...!!!!
バ キ バ キ ィ!!!!!
TORA「弱者は悪...!!!強者こそが善なのだァァァァァァ!!!!」
一善「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ド ッ カ ァァァ ン !!!!!!!!
ドゴーン!!!
ガァン!
ガァン!
ガァン!
TORAは、砂漠から、廃工場の壁を何枚も突き抜けた!!!
一善「ハァ...ハァ...」
TORAは、突き抜けた先で白目を向いて倒れた...!ドン!
一善「ハァ...ハァ...」バタン!
一善は、目を瞑ってその場に倒れ込んだ...!
────
《ゼクシーザの間》
榊「フフッ。お前達、いつまで無駄な抵抗をする気だ?」
幸二「くっ...!皆!攻撃の手を緩めるな!」
三太郎「言われなくてもやってるわ!!」
莉茉「こいつ、しぶとい!」
はるか「黄のエレメント!!羽根付き獅子拳!!!!」
ボガーーーーーン!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!」
榊「フフッ。大人しくしていれば、すぐ楽になれるものを...!」
メキメキメキ...!
三太郎「おい!見ろよ!」
幸二「...!?」
ゼクシーザの堕ちた翼が再生した!
幸二「翼が...!再生した...!」
千巣「(まずいな...!)」
最後の激戦──────!
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第222話 「1+1」
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《ゼクシーザの間》
莉茉「青のエレメント!スワンの翼!!」
三太郎「おいアニキ!起きてくれよ!」
千巣「かなりのマヂカラを食っちまった...もう少し待ってくれ...」
千巣は横たわっている。
幸二「ジャスティンさんはまだか!」
千巣「(四十六眼は人間相手に使ってこそ真価を発揮するもの。ここで使ってもあまり意味は無いだよう。このモンスターに痛みもクソもなさそうだしな。恐らく、概念攻撃では勝てない...!だが、弱点を探ることは出来るはず...!結合部以外にも、マヂカラの流れが遮断できる場所は無いか...?)」キュイイイン!
三太郎「おい!幸二!アレやるぞ!」
幸二「ここでか?」
三太郎「今やらずにいつやるんだよ!練習した合体技!」
幸二「...!なら遅れずについて来いよ!!!」
三太郎「へっ...!そう来なくっちゃ」
莉茉「?」
はるか「?」
三太郎「一人でダメなら二人で!」
三太郎と幸二は飛び上がった!!
そして、三太郎の右手の上に、幸二が左手をかざす。すると手の間に大きなエネルギーが集中する...!
莉茉「(すごい気迫...!)」
麗美「(2人のエレメントを混ぜた!)」
幸二「インパクトマグナム!!!」
三太郎「023(オーツースリー!!)」
ドォォォォォォンンン!!!!!!!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!!」ボガァン!
榊「...!!」
ゼクシーザは、バランスを崩して倒れた!
幸二「効いてる!効いてるぞ!」
千巣「ほほう...」
はるか「すげえ!すげえよ!」
三太郎「この調子でいくぜ!!!」
榊「立て!ゼクシーザ!」
莉茉「エレメントを混ぜる...!なら!」
ゴゴゴゴ...!
はるか「莉茉っち?」
麗美「???」
莉茉「これなら...どうかしら!」
榊「何?」
莉茉は、右手から桃、左手から青のエレメントを出し、胸の前で重ね合わせた...!
莉茉「くらえ!バイオレットホール!!!」
榊「飲み込め!ゼクシーザ!」
バクッ!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!」
莉茉「やっぱり...一人の攻撃じゃ効かない...?」
ゼクシーザ「...」
???「いや、そうでも無いみたいだよ?」
莉茉「!!」
ジャ「あいつをよく見てみろ!」
ジャスティン、合流!
三太郎「ジャスさん!!!」
はるか「生きてた!」
榊「最初の男か...!」
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第223話 「全力で」
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《ゼクシーザの間》
ドキッ!!
ゼクシーザの動きが一瞬止まった。
榊「何が起こった...!」
莉茉「!!!」
ジャ「あれは、リマリマの桃のエレメントの効果だ。ゼクシーザ(あいつ)のマヂカラ量は半端ない。だからこそ、マヂカラを持つものに持続的ダメージを与えられる桃は効果が高い...!」
莉茉「は、はぁ」
ジャ「青と組み合わせて持続距離を伸ばしたのは名案だったな」
莉茉「幸二くんと三太郎くんの合体技からインスピレーションを受けたんです」
ジャ「合体技か...(この子ら、もうそこまで...)」
莉茉「あと、”あの技”も、そのおかげで出来そうです!」
ジャ「そうか...!なら後で試そうか...!」
────
《砂漠》
一善は、目を閉じて倒れていた。
つのキング「起きろ!」
一善「...」
つのキング「起きろ!」
一善「...つの...キング?」
つのキング「仲間が危ない!起きろ!」
一善「仲間...?そうだ...!」
バッ!
一善は目を覚ました。
一善「痛っ...!体全体が痛い...!」
すると、目の前につのキングが現れた。
一善「つのキング、美波ちゃんの所へ連れていってくれるか?」
つのキング「ウォーーーー!」
一善「連絡するか!」
《ゼクシーザの間》
『一善 : 美波ちゃん!今どこ?』
三太郎「一善!」
幸二「無事か!」
『美波 : よかった!今渚ちゃんと一緒にいる!』
『一善 : 合流したい!場所教えて!』
『美波 : 廃工場近くの地下入口から降りて地下3階!部屋の前に7色玉置いとく!』
『一善 : ありがとう!』
千巣「美波ちゃん来れそ?」
『美波 : 行きます!』
千巣「さんきゅ!」
ジャ「俺が回復しましょうか?」
千巣「いや、実はもうすぐ回復する」
幸二「(早いな)」
三太郎「じゃあなんで美波ちゃん呼んだんだ?」
千巣「もう一度、”大技を出す”為だ...!」
三太郎「!!!」
幸二「持ちますか?」
千巣「皆もいるし、大丈夫だろ。慣れてないからどうなるか分からんけど...」
ジャ「(確かに、これは普通の魔者との戦いとは違う...周りに人は居ないし、マヂカラ切れで倒れてもこれだけの魔法使いがいる。ここは、千巣さんのフルパワーに期待するのが、最適かもしれない...!)」
千巣「あくまで俺は一撃を与えられるだけだ、その後の畳み掛けは頼む...!」
はるか「てか、一回休まないと技出せないの?アンタ強いんじゃないの?」
麗美「赤のエレメントは、他のエレメントと比べて一撃の威力が大きい。その分マヂカラ消費量も他とは比べ物にならないわ」
千巣「マヂカラさえ確保出来れば威力は青天井だ。だが、その分周りへの危害も大きいがな。あと俺はよw」
ジャ「ま、そういうことでーす!!」
千巣「(最後まで言わせて...)」
はるか「ふーん!ま、よろしく!」
千巣「やってみるぜ...」
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第224話 「縁の下の力持ち」
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《ゼクシーザの間》
榊「フッ。赤だの黄色だの、ゼクシーザにとっては大差ない...お前たちの非力な攻撃では体勢を崩すことが精一杯だ。やれ、ゼクシーザ」
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!」
ゼクシーザは、口に赤い閃光をチャージした。
三太郎「!!なんだあれ!!」
莉茉「まずい!!」
ジャ「凄まじい攻撃が飛んできそうだ...!」
榊「(この光線に触れてみろ...お前達はゼクシーザの生贄となるのだ...!)」
ゼクシーザ「ギュルルルル...」
すると、ゼクシーザの行動が収まった。
榊「...?!なんだ?!ゼクシーザのマヂカラが弱まった...?」
幸二「止んだな」
はるか「なんだよ!はったりかよ!」
榊は、腕についたモニタで確認する。
榊「(ゼクシーザに流れるマヂカラが弱まっている...?まさか?)」
《ゼクシーザ制御室》
ポチッ
五百旗頭「ハァ...ハァ...これで、一時的にゼクシーザの動きが遅延する...!」
五百旗頭は、パソコンをハッキングし、ゼクシーザに流れるマヂカラの流れを遅めた。
ガチャ!
五百旗頭「!!!(誰??)」
一善「ハァ...五百旗頭さん...!」
五百旗頭「一善くん!」
────
《ゼクシーザの間》
榊「(制御室に誰かいる...?まさか、ハッキングされた...?!だが誰が...?もしや...?)」
ジャ「千巣さん今ですよ(ウィスパーボイス)」
千巣「分かってる。今”核”を探してる...!」
榊「(こんなことを出来るのは...あの女しか...!百目鬼は何をしている...!)」
千巣は、四十六眼を発動し、ゼクシーザのマジカラの流れを見る。
千巣「(見つけた。左胸=心臓の位置。そこが核だ。あそこに最大出力の術をぶつける...!)」
榊「ゼクシーザ!」
ゼクシーザ「ギュルルルルルァ」
ゼクシーザは、羽ばたいて風を起こした!
ビュゥゥゥゥゥ...!!!!
莉茉「...!強い風!」
三太郎「飛ばされる...!!」
千巣「...どんな風に吹き飛ばされようとも...魔法使いはくたばらないぜ...!」
ジャ「...!」
幸二「...!」
千巣「爆ぜな...!」
榊「...!?」
千巣「赤のエレメント...終式...!」
榊「!!!!!!」
千巣「春紫菀...!!」
ゴゴゴゴゴゴ...!!!
────
第225話 「ハルジオン」
────
千巣「春紫菀...!!」
榊「?!」
千巣は、手の甲を空に向け、胸の下で腕をクロスさせた。そしてゆっくりと両腕を交差させ、外側へ開いた。
すると、千巣の目の前に赤白く凄まじいオーラが渦巻いた...!!
ゴゴゴゴゴゴ...!!!!!
ジャ「...!(あれはヤベェな...!)」
麗美「!!!(凄まじいマヂカラ量...!)」
ゼクシーザが起こした暴風も全て、千巣の術に吸い込まれる...!
榊「(まずい...!振り落とされる...!!)」
千巣「ぐはっ...!」ゴボッ
幸二「!!」
三太郎「アニキ!!!」
千巣「(流石に身が持たないか...?いや、多分大丈夫だ...!やるしかない!)」
ゴゴゴゴゴゴ...!!!
千巣「くらいやがれ...!!!!」
ドガァァァァァァァァァァァン...!!!!!!!!!!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!!!」
バ ッ コ ン !!!!!!!!!
榊「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
榊は、遠くへ飛ばされて見えなくなった。
三太郎「ゼクシーザが」
はるか「半分...」
莉茉「削れた...?!」
幸二「!!」
ド ン !
千巣の攻撃によって、ゼクシーザの体の半分が跡形もなく消えた!!
────
《メインストリート》
ドゴーーン! ズガーーーン!
第1支部の面々は、ロボット軍団と格闘中。
虎走「もうすぐ終わりだ!」
九頭龍坂「したら、下に加勢にいきましょ!」
伊藤「はい!」
ゴゴゴゴ...!
すると、地響きの音が辺りに響き渡る...!
ラキラキ「ワォーーーーーーン!」
村松静「...!」
九頭龍坂「...何か...音がせえへん...?」
直後、遠くから大きな爆音と共に謎の赤白い衝撃波が横切る...!
ズザザザサ...!
一同「?!」
ドガァァァァァァァァァァァン...!!!!!!!!!!
虎走「な、なによこれ!!!!」 ヒュン!
村松「!!!!」 ヒュン!
伊藤「凄まじい攻撃...敵?!!!!」 ヒュン!
九頭龍坂「いや、”アレ”のせいやろ。殺す気か!!!」ヒュン!
ロボット「ビビーーーーーー!!!」ドンガラガッシャーン!!
伊藤「ハァ...何とか避けきれた...!」
九頭龍坂「メカちゃん達も全部巻き込まれて壊れてはる」
虎走「てか...見てよ...!道が!」
ド ン !
メインストリートは、跡形もなく抉り取られ、更地となった...!
九頭龍坂「はぁ...んなアホな」
虎走「わらえねぇー...」
────
第226話 「スノードーム」
────
《ゼクシーザの間》
麗美「!!!」
千巣「ごはっ...!」グタッ
千巣は、倒れた。
幸二「千巣先輩!」
千巣「もう頑張ったから...あとは頑張れ...」チーン
バタッ!
美波「皆!!!」
美波が駆けつけた。
三太郎「あ!!」
麗美「美波!」
はるか「急病人急病人!!」
はるかは、千巣を指さした。
千巣「(急病人て...)」
美波「大丈夫ですか!!」
千巣「あぁ...ありがとう」
美波「今やりますね!」
千巣「大丈夫...?美波ちゃんは」
美波「あと1回は行けます!」
千巣「すみません...最低限だけでいいから、他は皆のために取っておいてくれ...」
美波「でも千巣さん無理し過ぎですよ...!他のみんな...もう怪我しないようにね...!」
はるか「大丈夫っしょ!」
幸二「...!」
三太郎「行くぜ!」
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!」
ジャ「(半分体を失ったとはいえマヂカラの量がバケモンだ。すぐに再生するぞ...!)」
莉茉「ジャスティンさん!あれを!」
ジャ「よし!」
莉茉「お願いします!」
ジャ「簡易エレメント構築、スノードーム...!」
ジャスティンは、右手を開き、手のひらの上で泡のような球体を作り出した。
ジャスティンは、その泡をゼクシーザに向かって放り投げると、泡はゆっくりと進み、どんどん大きくなり、やがてゼクシーザを包み込む。
三太郎「あれはなんだ?!」
幸二「簡易エレメント。攻撃力を持たない無色のエレメントだ。エレメントが流れている者なら鍛錬すれば使えるようになる。」
三太郎「それ、なんの意味があるの?」
幸二「攻撃を補助したり、守護のように、広範囲を守ることが出来る。壁になったり、膜になったりするんだ」
三太郎「ほえ〜よくわかんねえの」
ジャ「ま、見ててよ」
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア」
ジャ「リマリマ行くよ!」
莉茉「はい!」
ジャ「エレメンタルエクスプロージョン...!!」
ジャスティンは、スノードームの中に、白い球状の波動を投げ込んだ!波動弾は、ゼクシーザの頭上にミラーボールの如く浮いている!
莉茉「行け!!!!」バァン!!!!
莉茉は、指から桃のエレメントをジャスティンの放った波動弾に向けて発射する!
莉茉「(弾頭には桃、青のエレメントで飛距離を補う...!そして、白と混ざって...!)」
莉茉の一撃は、ジャスティンの波動弾にヒットした!
パァン!!!
波動弾は弾け、スノードームの中で、桃色のエレメントが吹雪の如く八方に散らばって、ゼクシーザを襲う...!
莉茉「これが、エレメンタルエクスプロージョン...」
ジャ「スウィーテスト・スノウ...!」
ザザザザァンッッッッッ!!!!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!!」
三太郎「す、すげぇ」
麗美「綺麗...」
はるか「あぁ...って、見とれてる場合じゃねぇ!三太郎!ウチらもあれやるぞ!」
三太郎「おう!」
はるか「構えろ!三太郎!」
三太郎「いつでも行けるぜ!!」
────
第227話 「黄金魂」
────
《ゼクシーザの間》
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!」
三太郎「ぬぉぉぉぉぉぉ!!」
はるか「うぉぉぉぉぉぉ!!」
バチバチバチバチィ...!!!
2人は空中に飛んだ。そして、はるかは、三太郎の足の裏に着地し、三太郎ははるかをゼクシーザの元へ蹴り飛ばす...!
三太郎「いっけーーーー!!!」ビリビリィ...!
はるか「いくぜぇぇぇぇぇ!!!」ビリビリィ...!
三太郎「おい怪物!黄色が2つ混ざるとどうなるか知ってるかー?!」
はるか「答えはな、ギランギランな黄金になるんだぜ!!!」
ジャ「(そうなの?)」
麗美「(突っ込んではいけない)」
三太郎「つらぬけぇ!!!!!!」
はるか「黄のWエレメント!!黄昏黄金魂(ソウル)ゥ...!!!!!!」
バ ッ コ ン!!!!!!
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア!!」
美波「...!」ホワホワホワ...
美波は、回復魔法で千巣を治療中。
千巣「あ、元気になった。ありがとう。凄腕ヒーラー美波ちゃん」
美波「はや!!!」
千巣「よし、俺達も久々にあれやるぞ、麗美、幸二」ムクッ
幸二「まじっすか?」
麗美「まぁ。いいけど」
千巣「行くぞ!」ゲホッ
麗美「失敗しても知らないよ!」ポララララン!
幸二「...!!」ビュン!!!!
千巣「大丈夫だろ...!」ビュン!!!!
幸二「喰らえ!!」
麗美「赤と青の円舞曲(ワルツ)...!!!」
ドゴーーーーーーン!!!!!!
莉茉「すごい!!」
ジャ「流石は”旧御三家”ボンボンズ!息ぴったりだね」
幸二「やめてください」
ゼクシーザ「ギュルァァァァァア...」
ジャ「(やったか...?!)」
ゼクシーザの目の光が消えかけたその時だった。
榊「貴様ら...気は済んだか?」
SOREMA -それ、魔!- 27へ続く。
次回、ロスト・フロンティア編、最終局面...!
第219話 「スピーチ」
第220話 「生きる」
第221話 「長期戦」
第222話 「1+1」
第223話 「全力で」
第224話 「縁の下の力持ち」
第225話 「ハルジオン」
第226話 「スノードーム」
第227話 「黄金魂」