SOREMA -それ、魔!- 23
SOREMA -それ、魔!- 23
「青よりもさらに蒼く」
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★ロスト・フロンティア編 現在の戦況★
〇メインストリート(LF中央)
麗美 vs 1000体のロボット
〇こどものへや(LF壁左側)
幸二 vs SAME
〇死のリングの塔(LF城壁右側)
はるか vs WANI
〇幻夢の森(LF城壁右側)
莉茉 vs HATO
〇地下道
ジャスティン vs HACHI , KANI , USHI
ジャスティン瀕死状態。
〇カジノの間
三太郎、先へ移動中。
〇廃工場
一善 vs TORA
美波が移動中。
〇LF近海
安西、犬飼らが潜水艦にて待機。
〇その他
榊、奥へ
ゼクシーザは地下に眠る。起動まであと3時間。
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第195話 「死のリング」
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《死のリング》
WANI「お姉ちゃんが1人トンズラかましたと思えば…また小娘が現れたなァ…!」
はるか「(こいつが莉茉っちが言ってた体術使いか…!)」
WANI「このリングに上がったってことは、俺との決闘を受け入れるって訳だ…男も女も関係ぇねぇぞ?」
はるか「問題ねぇわ。お前がオスかメスかもわかんねぇしな」ドン!
WANI「ハッハッ。俺様を舐めてると痛い目見るぜ?!」
はるか「黄のエレメント!獅子拳!!!」
WANI「アタックコマンド!ナイルラリアット!!」
ドゴォン!!
互いは衝撃でリングロープに跳ね返る。
WANI「アタックコマンド!オリノコフック!」
はるか「守護!!」ガコォン!!
WANI「なかなか骨のある小娘だなァ…!」バリバリ!
はるか「お前と違って哺乳類だからな!」
WANI「ハッハッ!馬鹿か?!爬虫類にも骨はあるんだぜ!!!アタックコマンド!インディアンファング!!」ガブリッ!!
WANIは、顔面が鰐のように伸び、大きな口ではるかに噛み付く!!
はるか「きめぇ!黄のエレメント!!特攻蹴徒(とっこうしゅうと)!!」バフッ!!
はるかは、WANIの攻撃を避け、下から蹴りを食らわす。WANIは宙に蹴りあげられた!
WANI「ぐはあっ!!」ブシャッ!
はるか「重いわ!!!」
WANI「クソがァ!!アタックコマンド!エクアドルプレスゥ!!!!」
WANIは、はるかを上からプレスした!はるかは、WANIの攻撃を受け、うつ伏せに倒れる。
はるか「がはっ!!」
WANI「どうだ、重いだろ…!」
はるか「くそっ…!どけ!」ジタバタ!
WANI「もう1発行くぜェ!エクアドルプレスゥ!!」
はるかは、間一髪で体を横に転がし躱した。
はるか「黄のエレメント!気愛ハンマー!!」
はるかの渾身の頭突き!!
WANI「ディフェンスコマンド!ペルーストッピング!!」
WANIは拳で受ける…!
はるか「ぬぉぉぉぉぉぉ!!!」バチバチバチィ!
WANI「うりゃぁぁぁぁぁ!!!」バチバチバチィ!!
はるか「吹っ飛べぇ!!!」バチバチバチィ!!
WANI「…!!!!!」バチバチバチィ!!
ドゴーーーーーーーン!!!
WANIは、リング外まで吹っ飛ばされた。
WANI「ハァ…ハァ…」
はるか「まだ死んでねぇだろ」
WANI「テメェやるなァ…普通に効いたわ…ゼェ…」
はるか「さっさとお前倒してダチのとこに行かねぇといけねんだ…はやくあがれよ」ドン!
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第196話 「ぶっちぎる」
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《死のリング》
WANI「仲間ねぇ…人間はくだらねぇ…もっと強え奴と組めばいいものを…一度情が入っちまうとすぐ弱くなるよなァ人間は」
はるか「あ?」
WANI「お前も、俺たちにつけよ。人間...しかも女とはいえよくやる。俺たちの役に立て」
はるか「やだ」
WANI「マスターの手にかかればもっと強くなれる筈だ。高みを目指せ。そして、喰われる側から喰う側へと生まれ変わるのだ!」
はるか「私は、私の大事だと思ったものを守るために、この力を使うって決めてる。自分より弱いやつだけを傷つける薄汚ぇ奴らと一緒にすんなよ…お前らとは違ぇんだ」
WANI「そんなくだらないモンの為に死ぬのか?バカだな」
はるか「…簡単だよな。くだらないって切り捨てるのはさ。友情ってのは、いつも楽しいってだけじゃねぇ。重いもんなんだよ。捨てたくなる時だってある。でもな、最後まで逃げずに向き合い、守り抜いた奴にだけ見える景色があんだよ」
WANI「…?」
はるか「私はそれを見たいんだ…!」ボワッ…!!
はるかの周りに黄色いオーラが集まる…!!
WANI「何だ?!」
はるか「早くこっちに来い…私は後3発でお前をK.O.する…!」
WANI「ハッハッ!3発?!なら俺は1発でK.O.してやるぜ!!アタックコマンド!!必殺…!!」
はるか「…」
WANI「クロコダイルドライバー…!」
はるか「…来い」
シュビン!!!!
WANI「脳天かち割ってやらァ!!」ビュン!!
WANIは、はるかの胴体目掛けて低い体制でタックルを仕掛ける…!
WANI「(ハッ胴体さえ掴めばこっちのもんだぜ…そのまま後ろ向きに脳天から地面に叩きつけてやらぁ!)」
はるか「…」
WANI「ぬぉぉぉぉぉ!!!!」
はるか「…!!!」スッ!
はるかは、WANIよりも更に低い体制で拳を構える。はるかの握った拳には黄色い棘のようなオーラが宿る…!!
WANI「!!!(更に低く…!)」ビュゥゥゥゥ!
はるかは更に、体を後ろ向きに捻らせる。
WANI「(けっ!怖くて目を逸らしたか…!これならば決められるぜェ!!!)」ビュゥゥゥゥ!!!
はるか「黄のエレメント…!」
WANI「死ねぇぇぇぇ!!!!」ビュゥゥゥゥ!!!!
はるかは捻った体を高速で逆向きに捻ると同時に、オーラを纏わせた右の拳でWANIの顔面を殴る…!
ガ コ ォ ン!!!!
WANI「ぐはぁっっ!!」
はるか「一発…」
はるかは、高速でもう1発、今度は左の拳で更に殴る。
バ コ ォ ン ン!!
WANI「がはっっ!!(速い…!!)」
はるか「二発…!」
そして、もう一度右の拳で、トドメの一撃を食らわす…!!!
はるか「メリケン仏恥義理(ぶっちぎり)ロールゥァァァ!!」
WANI「!!!!」
バ ッ ッ ッ コ ォ ン ン!!
WANI「…!!!!!!」グハッ…!
ドゴーーーーーーーン!!!
WANIは、リング外で、白目を剥いて倒れた。
はるか「ハァ…ハァ…」
するとWANIは、鰐の姿となって、ぐったりとした。
はるか「終わったか?休憩したいけど、先行かねぇとな!」
はるかは、リングの奥へ走り出した。
はるか、勝利──────!
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第197話 「幻夢の森」
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《幻夢の森》
莉茉 vs HATO
莉茉「青のエレメント!人魚の煌めき!」
HATO「ディフェンスコマンド!羽毛無望!」
カキィン!
莉茉「ハァ…(結構やり合ってマヂカラをかなり使ってしまった…!この暗い中、敵はこっちの動きが丸見えなわけ?かなりのハンディね…物陰に隠れながら翻弄するしかない…!)」
HATO「(この娘…頭が切れる。距離を近づけようとも思うように近づかない。この暗闇下で一定の距離を保ち続けられる距離感覚とスピード…面白い)」
莉茉「なら、これでどうかしら。運!」スチャ
莉茉は弓のような魔具を取りだした。
HATO「ホホぅ」
莉茉「(魔具なら、マヂカラの消費を抑えて戦える…!交換留学の時、伊藤ちゃんに教えてもらった魔具の使い方、今生かさないでいつ生かす!)」
莉茉「はっ!!!」スピッ!! スピッ!!
莉茉は、矢を至る所に放った。
HATOは、矢のいくつかを受けたが、ほぼ無傷。
HATO「ホホっ。痛くなければ意味無いですよ〜?」
莉茉「…!」
HATO「(あの娘…マヂカラが切れたな?なら!)」
HATOは、莉茉の至近距離に近づいた!
HATO「アタックコマンド!奈落の翼!」シャキン!
HATOは、脚を翼状にして蹴りで莉茉を切り裂いた!
莉茉「くっ!!」ズバッ!
HATO「まだまだァ!」ドゴン!
HATOは、莉茉を殴りつける!
莉茉「うっ…!」
莉茉は、地面に着地。
莉茉「猛魔クナイ!!」シュリンシュリン!!
HATO「!!!」
HATOの体を掠める…!
莉茉「(成程…もしかしたら…!)」
莉茉は脇腹からの流血を手で食い止めてその場に立つ。
HATO「あら、可哀想に。痛いでしょう?」
莉茉「あなたのせいじゃない」
HATO「私はマスターに与えられた任務を遂行しているだけ。あなた達がここにもし来なければ、あなた達は救われた…違うかな?」
莉茉「救われた…?」
HATO「小さな犠牲で、魔法は無くなる。マスターの手によって。あなた達も、これ以上戦いの惨禍に巻き込まれずに済んだのに」
莉茉「…小さな犠牲ですって?」
HATO「ホホっ。そう。”小さな”犠牲だよ」
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第198話 「コスト」
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《幻夢の森》
HATO「そう。君たちも、五百旗頭渚という、小さな犠牲を1つ払うだけで、楽になれたんだ。コスパ最高でしょう?だから私はね、君たちの幼稚な考えが全く理解できないんですよ」
莉茉「…そりゃあ、理解なんて出来ないでしょうね」
HATO「…?」
莉茉「だって貴方達、理解しようとしてないでしょ?その時点で遅れてるのを自覚しなよ」
HATO「ホホっ。理解?それは戦いにおいて一番持ち込んではならない概念では?敵に理解をしめしてどうする?いくら理解しようとも、勝てば官軍。勝者こそが真実…そう、弱肉強食なのさ」
莉茉「弱肉強食?私…その言葉大っ嫌い!私たちは獣じゃない、人よ!弱い人を守ってこその強き人よ。違う?」
HATO「ホホっ。ならなぜ人は力を求めるのだ?そんなことでは、強者が弱者のために損をするではないか。力は弱者を支配するためにある」
莉茉「いつから強い人が得する世の中になったのよ!私は...困ってる人がいたら力になりたい!そんな私を誇らしく思いたい!だから、弱い人のために戦うことを損だなんて思わない!」
HATO「ホホっ。薄々感じていたが、吐き気がするほどに詭弁だ。行き過ぎた偽善も自己陶酔ですね」
莉茉「偽善かどうかなんて、他人が偉そうにラベル貼ってるだけ。私がちゃんとわかってればそれでいい」
HATO「まぁいいですよ。行き過ぎた正義感は早かれ遅かれ自らの命を削る。それをとくと味わってもらいましょうか!!!」
莉茉「すぅぅぅぅぅぅ」
莉茉は突然深呼吸をした。
HATO「?!」
莉茉「私は間違ってない」
HATO「!」
莉茉「走!」 ヒュン!!
莉茉は高速で消えた。
HATO「…?(どこだ?見失った。さっきより動きが早くなったのか…?)」
莉茉「今だ!」
HATO「!!(死角から懐に!!なんてスピード…!)」
莉茉「桃のエレメント!キャンディバブル!!」
莉茉は、掌に浮かべた桃色の球体をHATOの懐にぶち込んだ!
HATO「...!」プッ!
莉茉「...」
HATO「ふっ。全然効かないなぁ。今、なんかしたかな?」
莉茉「...」
HATO「(恐らく、さっきまでの様子を見るに、この娘はマヂカラが限界を迎えている...今のは恐らく、最後に振り絞った最大打点の攻撃。だが、傷を負った私ですらこのダメージに抑えられている...!私の勝ちだ...!)」
ドキン!!!
HATO「ぐはっ!!(な、なんだ)」ブシャッ!
HATOが突然血を吐いた。
莉茉「...!」
HATOは膝をついて、倒れ込んだ。
HATO「...貴様...何をした?」
莉茉「私はお喋りが好きなの。あなたがちゃんと死ぬまで、少しお話をしてあげるわ。もうあなたは長くは生きられない...!」
HATO「?!?!」
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第199話 「お喋り」
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《幻夢の森》
パリィィン!
莉茉は、膝をついて動かないHATOの目のモノクルを叩き落とした。
莉茉「あなた、”それ”が無いと暗闇で私が見えないんでしょ?」
HATO「!!」
莉茉「しかも、私がマヂカラを纏っている時しか見えない...違うかしら?」
HATO「!!」
莉茉「そしてそれは、生き物にしか通用しない。マヂカラを宿した魔具の矢をあなたは見切れなかった」
HATO「...(あの時...!)」
莉茉「私はマヂカラを切らしたんじゃない。自分で切ったのよ。技の発動時以外、マヂカラを無にして行動した。そしたら、あなたは私の動きを追えなかった」
HATO「...(あの深呼吸の時か...!)」
莉茉「そして私の仮説は確信に変わった...そう、今あなたが体に纏ってる吸魔の札に気がついていないことでね!!」
HATO「なに?!」
HATOは、体を掻き毟ると、剥がれない吸魔の札が張り付いていることに気がついた。
莉茉「だいぶ前に仕込んであるから、もう取れないわよ」
HATO「貴様...!(あの時やたら放っていた弓矢やクナイはこのため...!暗くて全く気が付かなかった...!)」
莉茉「そして私の最後の一撃。あの攻撃は、貴方の内部から時間差でマヂカラを蝕む技。札とエレメント...この2つの効果であなたが辿る道はたった一つ...」
HATO「...」
莉茉「マヂカラが枯渇して死を迎える」
HATO「...!!」
ドキン!!
HATO「うわぁぁぁぁ」
莉茉「あなた達、マヂカラがなくなったら死ぬんでしょ?もうすぐ終わりそうね。さよなら」
HATO「...!!なるほど...よくやりますね...」
莉茉「...」
HATO「だが、貴様らは勝てない!絶対にだ!この先には絶望が待っている!ホホホホ!」
莉茉は、HATOが完全に死滅するまで死に際を見ている。
莉茉「...もう行きたいの。早くくたばって」
HATO「ホホホホ」
莉茉「私で良かったわね。他の人だったらもれなくもっと酷い目にあってたわよ」
HATO「ホホッ......」
シュウゥゥゥゥ...
HATOは、鳩となり、空へ飛んで行った。
莉茉「(これで良いのかしら...?とりあえず、先へ急がないと...!)」
莉茉は、森の出口を目指す!
莉茉、勝利──────!
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第200話 「ガキ」
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《こどものへや》
SAME「アタックコマンド!蛮鮫(ばんしゃく)!」シャキン!
幸二「青のエレメント!ミリタリー・THE・アサシン!」バァン!
SAME「アタックコマンド!廻鮫(かいしゃく)!」グルグルグル!
幸二「(刀を持ったまま回転して竜巻を発生させた...!巻き込まれたらやばい...!)」
SAME「はぁ!!!」ズバッッッ!!!
幸二「守護!!」キィィン!!
バリバリバリィ...!
SAME「そんな脆弱な盾では防ぎきれない!」
幸二「うわぁぁぁぁ!!」
幸二は飛ばされた!
幸二「ハァ...ハァ...」
幸二は額から流血、全身に傷を負い満身創痍の状態。
SAME「お前の数分後の生存確率を教えてやろう」
幸二「...」
SAME「1%」
幸二「...!」
SAME「お前はまだ1度も、まともに攻撃を当てていない。だがもう虫の息。差は歴然だろう。さっきまでいたお友達に助けを求める方が身のためだと思うが」
幸二「はっ。俺を心配してくれてるんだな。ありがとよ、でも心配ご無用。俺はお前に勝つ」
SAME「この状況を見たら、どんな者でも俺の勝利を信じるだろう。お前の親が、どちらが勝つか賭ける立場にあるとしよう。もしも外す代償が自らと家族の命だとすれば、間違いなく私にベットするだろう。それくらいの差はある」
幸二「ハァ...俺はまだ本気じゃねぇし...諦めてもねぇ。それにここはもうカジノじゃねぇぞ」
SAME「お前は切れ者でクレバーな人種だと思っていたが...頭がヒートアップしてショートしている様に見えるが?」
幸二「人間にはなぁ、斜に構えちゃあダメな瞬間ってのもあるんだよ...もっともっと強くなるために...己のケツを叩くんだよ」
SAME「...」
幸二「ハァ...お前らはただ人を殺したいだけの狂人だ。とっくに普通じゃないことを自覚しろ...人を殺したいために、平和の為とかハッタリかましやがって...順序をすり替えるな。普通の人間なら人1人殺そうとするだけで気が狂うもんだ」
SAME「追い詰められた鼠が、何をほざくかと思えば説教か。生意気だぞ」
幸二「...生意気って言葉はな、身分不相応な奴に言う言葉だ。この勝負に勝つのは俺だから、生意気なのはお前だよ」
SAME「まるでガキの様だな。たった一人の人間を失うだけで寂しがる、一人では何もなし得ない無力な者共の事だ...当然か。仲間?一人失って何がある?また補充すればいいだけだろう?」
幸二「...人の心の痛みを分かれねぇ奴はな、大人にはなれないぜ?クソガキ…!」
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第201話 「天堂幸二」
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《こどものへや》
SAME「笑止!お前の妄言はもう飽きた...これから繰り出す攻撃を受けて、生きていられるか見物だな」
幸二「来いよ」
SAME「アタックコマンド!断鮫(だんしゃく)!」
SAMEが思いっきり剣を振り下ろすと、空気が裂け、幸二は裂け目に引き寄せられる!
幸二「(なんていう吸引力...!)」
SAME「アタックコマンド!迫鮫(はくしゃく)!」
地面にサメの尾鰭の様なものが複数現れ、幸二を襲う!
シュパパパッ!!
幸二「うわぁぁぁ」ブシャッ!
SAME「驚く程に弱くてガッカリするよ」
幸二「...今はな」
SAME「いや、かれこれ何十分とみているが、一貫して弱い」
幸二「...まぁ、百歩譲ってそれは認めてやる...悪かったよ」
SAME「?!」
幸二「つまらねぇ思いをさせちまったなら...これから楽しくなるぜ?」
SAME「...何?」
幸二「俺は今、これまでの俺を超えていく...!」
ビュウウウウウ...!!!!
突然突風が吹く!
SAME「...!!(気配が変わった...?)」
幸二「(俺はならないといけない...もっと強く...もっと相応しく...気高く...誇り高き魔法使いに...!)」
SAME「...?」
幸二「(兄貴...力を貸してくれ...!)」
幸二の周りを、黒雲が渦巻く...!
SAME「?!」
幸二「”操天” 雷!!!!」
バリバリバリィィィィン!!!!
SAME「!!!!!!!」バリバリバリィ!
突如雷がSAMEに降り注いだ!
SAME「...何だ?!何が起こった」
幸二「雷!蒼龍鳴動!!」
幸二の操る雷は、青い龍の形に変化し、SAMEを襲う...!
SAME「うわぁぁ!!」バリバリバリィ
幸二「これだけじゃねぇぜ...操天!砂嵐」
砂塵が辺り一面に舞い始める。
幸二「エレメントと操天の力...今一つに!!」
SAME「?!」
幸二「蒼きこの星にて生まれし天の力...今この手に集え...!蒼き青のエレメント...」
幸二の掌に大きな円盤のような竜巻が現れ、砂嵐を巻き込みさらに巨大化する...!そしてそれを幸二は放り投げた!
SAME「!!!」
幸二「豪砂蒼葬(ごうさそうそう)!!!!!」ズザザザザァァァ!!!
ジュバシュザスューーーーーン!!!
SAME「ぬわぁぁぁぁぁ!!!」ブッシャァァ!!
幸二が投げた円盤は、地面を大きく抉りSAMEに大ダメージを与えた。
幸二「...!」
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第202話 「青よりもさらに蒼く」
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《こどものへや》
SAME「...」ポタッ ポタッ
幸二「...?」
SAME「...」ゴゴゴゴゴゴゴ...!
幸二「?!」
SAMEは、攻撃を受け、起き上がると、全身が黒くなり、体全体の筋肉が隆起し、ごつくなった。
SAME「...」 グヴィォ...!
幸二「なんだよ」
SAMEの持っていた刀は膨張し、3m以上はある程の巨大な包丁に変化した。
SAME「少し追い詰めた気になって舞い上がっているのは良いが...少々度が過ぎたな」
幸二「...?」
SAME「俺は今、心の底からお前を殺したがっている!!!」
幸二「...こっわ」
SAME「さぁ。選べ。俺に殺されるか、自ら死を選ぶか...」ギィン! ギィン! ギィン!
SAMEは、体を黒くしたまま、大きな包丁を地面に打ち付けながら言った。
幸二「ふっ。俺の選択肢は俺の中にしかない」
SAME「ほざけ...!!アタックコマンド!!」
幸二「!!!」
SAME「奥義!!薙鮫(なぐさめ)!!!!」
ズバッッッッッッ!!!!
衝撃で煙が立つ。
SAME「まともにくらったか。生存確率は0%...?」
すると、SAMEの目の前に謎の光を放つ壁が姿を表した。
幸二「操天 ”オーロラ”」
SAME「(俺の奥義を...防いだだと?)」
幸二「防いだんじゃない。消したんだ。このオーロラの壁にマジカラが触れると、この壁をすり抜けて、俺に届くまでには消える」
SAME「...!」
幸二「俺も急ぎなんでな...終わりにさせてもらう」
SAME「次々とよく御託が出てくるものだな」
幸二「さっきの技、お前の最強の技だよな?俺はまだ最強の技をいくつも隠している。次の技が効かなければその次がある。今やお前も満身創痍。この状況なら、俺の親もちゃんと俺にベットするだろうな」
SAME「...」
幸二「形勢逆転。天地がひっくり返るとはまさにこの事だな」
SAME「...だがお前...もう限界だろう...私の攻撃を防ごうと...攻撃を私に食らわせなければ、依然勝率は0。違うか...?」
幸二「へっ。負け犬の遠吠えってやつだな...よく周りを見てみろよ...!」
SAME「?!」
SAMEは、辺りを見回した。すると、2人を中心に猛烈な乱気流が渦巻いていた...!
幸二「ここは台風の目。お前は逃げられない。この乱気流はお前を飲み込み、骨の髄まで破壊し尽くす...」
SAME「...だが、巻き込まれているのはお前も同じようだが...?」
幸二「蒼き青のエレメント...天鎧無人(てんがいぶじん)。身体の表面に気圧の層とエレメントの層を重ねることで、己のマヂカラ攻撃を一時的に無効とする」
SAME「!!!」
幸二「(兄貴が生きてた頃からな...俺は何度も何度も魔導書を読んだ...もしも俺がこの力を使えたらと、想像を膨らませてな...まさか、本当に俺が使うとは思ってもみなかったがな。俺は兄貴の力を引き継ぎ、大きくする...この風のように...!!)」
SAME「!!!ディフェンスコマンド!!甚平羽織!!!!」
SAMEは、甚平模様のかまくらのようなもので、自らの身を守った。
幸二「(俺はもっともっと強くなって、強い魔法使いにならないといけない…これが、今の俺に出来る…最大限の......贖罪…!)」
SAME「…!!!」
幸二「全てを飲み込め...!蒼き青のエレメント!!絶渦繚乱(ぜっかりょうらん)!!」
バリバリバリィ...バ リ イ イ ィ イ ィ ィ ィ ン!!!!!
SAME「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
バクシュシューーーーーーン!!!
SAMEは、渦に巻き込まれ、宙にとんだ。
幸二「...」
ヒュゥゥゥゥゥ.........ボテッ!
そこには、1匹の鮫が地面に落ちてきた。
幸二「...ふぅ。海に返してやるか」
幸二、苦戦を制し勝利──────!!
SOREMA -それ、魔!- 24へ続く。
第195話 「死のリング」
第196話 「ぶっちぎる」
第197話 「幻夢の森」
第198話 「コスト」
第199話 「お喋り」
第200話 「クソガキ」
第201話 「天堂幸二」
第202話 「青よりもさらに蒼く」