SOREMA -それ、魔!- 3

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SOREMA -それ、魔!- 3

「人助け」

 

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第20話 「邂逅」

 

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《魔裁組第2支部/研究班ルーム奥》

五百旗頭「まず、”赤のエレメント”。これは、マヂカラ消費が大きい代わりに、大技を出すのに長けたエレメント。近距離から中距離向きね」

三太郎「かっけぇ!」


五百旗頭「次に”青のエレメント”。全てのエレメントの中で一番遠くにマヂカラを飛ばすことが出来るわ。遠距離戦闘に適してるわ」

犬飼「ドーベルマンは青のエレメントだぞ」

安西「あっ!ドーベルマンって幸二くんのこと!」


五百旗頭「次に”黄のエレメント”。黄のエレメントは、あまり空気中では持続しないわ。その代わり体に纏う分にはすこぶる良くて、近距離や肉弾戦では多いに活躍するわ」

一善「(色々な戦闘スタイルに対応しているんだな)」


五百旗頭「”緑のエレメント”は、一言で言えば万能かしら。秀でたものはないけど、どんなスタイルにも柔軟に対応できて、戦局では役に立つことも多いわ」

三太郎「どれもすげえんだな」


五百旗頭「最後は、”紫のエレメント”ね。これは、癖があって扱い方が難しいけど、本人のイメージ次第で大化けする、上級者向けのエレメントね。使いこなせたらかなり重宝するわ。さぁ、説明終わったけど、どれにする?」


三太郎「なんか、ポケモンの最初みたいでワクワクするなぁ!」

一善「三太郎、決めた?」

三太郎「俺は決めてるぜ!!もちろん!!!赤だ!!!!!」

五百旗頭「赤、ね」

三太郎「やっぱ、ヒーローは赤だろ?!なぎちん!!赤打ってくれ!!!」

五百旗頭「わかったわ、上脱いだら犬飼に渡して。犬飼、赤と三太郎くんを連れてって」

犬飼「はい!」

五百旗頭「あなた、油木くん?だったわよね。どれにするの」


一善「...正直、なんでもいいかなと」

五百旗頭「あなた、確か履術者よね。エレメントが無くても戦えそうだけど。どうする?」

一善「あった方がいいですかね?」

五百旗頭「そうね。マヂカラに耐性があるあなたなら、特に副作用とかはないから、あってもいいかもしれないわね。魔導書のマヂカラがどれだけ戦闘に生かせるか分からないし。癖が強い魔法なら、エレメントは一番扱いやすい”緑”とかがいいんじゃない?」

一善「...じゃあ、緑お願いします」


五百旗頭「決断早いわね。あの子はともかく、あなたはもう少し打つか打たないかで迷うかと思ったけれど。恐怖はないの?」

一善「まぁ、もう魔法に呪われてるみたいなものですし、今更引き返せるわけもないので」

五百旗頭「...わかったわ。上脱いで、こっちに来なさい。安西、緑、持ってきて」

安西「はい!!(上脱いだら寒くないかなー?大丈夫かなー?)」

 

五百旗頭らは、隣の部屋へ移動し、注射の準備をした。

 

五百旗頭「まず、三太郎くん。あなたから打つわ、覚悟はいいかしら」

三太郎「おう!!やっちゃってくれ!!!」

 

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第21話 「新たな魔法使いの誕生」

 

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《魔裁組/研究班ルーム奥》


ピピッ!


プスッ!!


五百旗頭は、赤い注射を三太郎に打った。その様子をジャスティンと幸二は窓の外から見ていた。


ジャ「また新たな魔法使いの誕生だね」

幸二「俺はまだ反対しています。これ以上、犠牲者を増やしたくありません」

ジャ「犠牲者?」

幸二「魔法に触れなくても生きていけるなら、知らない方が良いでしょう」

ジャ「彼らはもう魔法から逃れられない。唯一逃れる術があるとすれば、それは魔法を消すことだ。俺たちは、前に進むしかないんだよ」

幸二「...」

ジャ「彼らの活躍で、街の犠牲者は減るかもしれない。そう思えば、悪くないじゃん?」

幸二「...」


三太郎「いってー!!!予防接種とかより痛かったわ!!てか久しぶりに打ったわ注射とか!」

五百旗頭「これでも、かなり痛みは収まってるはずよ、私、注射上手いから」

三太郎「そっか、さんきゅ、、って、、、なんか、、、、眠く、、、、なってきた、、、」バタン

一善「三太郎!」

五百旗頭「大丈夫よ。正常な反応だわ。エレメント注射は、適合のために最初体に大きな負荷がかかるから、麻酔薬も複合されているの。まぁ2人とも、マヂカラが既に流れてると思うから、直ぐに目を覚ますと思うけど。次、一善くん」

一善「は、はい」


ドキドキ...


ピピッ!


プスッ!!


五百旗頭は、緑の注射を一善に打った。


一善「...」

五百旗頭「どう?」

一善「大丈夫です」

五百旗頭「痛みに耐性があるほうね。じゃ、目が覚めたら、また会いましょう」

一善「は、、、はぃ、、、」バタン


2人は深い眠りについた。


ジャ「楽しみだなぁ。2人とも」

 

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第22話 「始まり」

 

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《魔裁組第2支部/ベッドルーム》


数時間後。


ーーーーー


一善「ううっ、、」

犬飼「あ!五百旗頭さん!柴犬目覚めました!」

一善が目を覚ますと、そこは、支部のベッドルームだった。


ジャ「おはよう。一善」

一善「おはようございます」

三太郎「一善!!おそかったな!!俺3分前には起きたぞ!!」

一善「そんな変わらんわ」

ジャ「(早い...普通の人間なら半日は寝込んでる所、この2人はたった3時間で適合を終えた)」

五百旗頭「体は大丈夫?」

一善「は、はい」


五百旗頭「それでは、始めましょうか。エレメントを顕現させるわ」


三太郎「よっしゃぁ!!赤のエレメント!技の名前とかあるのかなー?」

一善「...」

 

2人は五百旗頭らに連れられ、開けた広い部屋に案内された。

 

五百旗頭「2人とも、利き手を出して」

2人は右手を出した。

五百旗頭「そしたら、手のひらを上に返して、親指と薬指で輪っかを作って。他の3本の指はピンと伸ばすのよ」

三太郎「こうか?」

2人は言われた通りにした。


五百旗頭「そう。そしたら、いよいよ始まりよ」

一善「...」ゴクリ

三太郎「...!」ゴクリ

ジャ「...!」


五百旗頭「一度そのまま、手を拳にして、思いっきりさっきのポーズに手を戻しながら、”マ!”と唱える。行くわよ」


ドキドキドキドキ


五百旗頭「せーの」

一善・三太郎「 「マ!!」 」


ボッ!!!


ボッ!!!


2人の薬指と親指の先から、小さな炎のようなオーラが立った。

一善「うわ...!」

三太郎「ん?」

ジャ「ほほぅ...w」


五百旗頭「おめでとう。これであなた達も魔法使いよ」

 

────


第23話 「黄と緑」

 

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《魔裁組第2支部/大部屋》

五百旗頭「神野くん。どうかしら」

ジャ「2人ともいい感じだねぇ」

 

一善の指先からは、緑色に揺らめくオーラが立っていた。

一善「これが、”緑”のエレメント...」

 

三太郎の指先からは、同じように”黄色”のオーラが立つ。
三太郎「ちょっとー、なぎちーん。俺のなんか黄色くない?もっと赤いの想像してたんだけど」

五百旗頭「これは、黄のエレメントね」


三太郎「は?おい!犬飼!!俺赤って言ったよなア!言ったよなア!」

三太郎は犬飼の胸元を掴んで揺さぶりながら言った。

犬飼「俺は赤をちゃんと渡したわ!ボケナスクソブルドッグ野郎!!!」

三太郎「じゃあなんで俺のは黄色くなってんだよオ!!!」


ジャ「それは三太郎が”原色持ち”だったってことだね」

三太郎「げんしょくもち?お餅か?」

ジャ「ちがうわ!」

五百旗頭「原色持ちっていうのは、元々その人のマヂカラのポテンシャルに、色がついてる人の事よ。まぁ分かりやすく説明すると、原色持ちの人は、どんな色の注射を打っても同じ色のエレメントが発現するわ」

ジャ「つまり、三太郎は何を打っても黄のエレメント使いになる運命だったってことさ」


三太郎「そんな....俺の....赤のエレメントが.....」ドヨーン

ジャ「そんなに落ち込むなよ。原色持ちの場合、そのエレメントとの相性はMAXの状態から始まるわけだから、超超超お得だぞ」


五百旗頭「ま、これで2人とも晴れて魔法使いとしての第1歩を踏み出したわけだから。これからたくさん、頑張ってね」

一善「...はい」

三太郎「赤のエレメント.....赤のエレメント....」ドヨーン

ジャ「完全にメンタルやられてるなあれ」


一善「これ、どう扱うんですか?」

ジャ「それはこれから特訓で磨いていくんだよ」

一善「特訓ですか」

ジャ「そう、2人にも早く俺や幸二を始めとする実動班の先輩みたく、強い魔法使いになって欲しいからね〜。だから、明日から特訓だぜ!」

三太郎「よぉぉぉし...こうなったら...」

一善「?」


三太郎「このエレメントで、世界で一番強い男に、俺はなるぜ!!!」ド    ン!


ジャ「その意気だ!三太郎!」


こうして、一善、三太郎は、晴れて魔法使いとしての第一歩を踏み出した。彼らを次に待ち受けるものは、果たして────

 

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第24話 「ジャスティン先生の魔法特訓①」

 

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《とある廃校》

ジャスティン、一善、三太郎は、第2支部から魔法陣を通って、学校のグラウンドらしき場所にやってきた。


三太郎「ここ、なんすか?」

ジャ「ここは、森の奥深〜〜〜くにある廃校さ」

一善「廃校?」

ジャ「そう。ここにはちょびっとだけマヂカラが通っててね、支部からすぐに飛べるようになってるんだ」

三太郎「なんか不気味だぜ」

一善「ここで何するんですか?」

ジャ「ここは、魔裁組がいくつか持ってる修行場のうちの1つさ。ここなら強い魔者は現れないから、丁度いい訓練が出来るんだ」

一善「ってことは、弱い魔者は出るんですか?」


ジャ「出る」


一善「(マジかよ)」

三太郎「弱っちいやつより、俺は強いやつと勝負がしたいぞ!!」

ジャ「君たちはまだ、エレメントを使いこなせないだろう。街に出たら、一般の人に被害が出る。だから、誰もいないこの廃校で、コントロールを学ぶんだよ」

一善「でも、なんで魔者が出るんですか?」

ジャ「前にも言ったけど、弱い魔者は、土地に染み付くマヂカラが、その辺の物体に取り憑いて出来るんだ」

一善「なるほど、マヂカラが出てるこの廃校では、魔者が出る、と」

ジャ「そういうこと。んじゃ、まずはエレメントのコントロールから教えるね」

三太郎「おう!よろしく!ジャス先生!」


ジャスティンは、ふたつのブランコの前に、2人を連れてきた。

ジャ「まずは、あのブランコをよく見るんだ」

一善・三太郎「...」ジーッ


ジャスティンが右手を前に出す。すると、片方のブランコだけが後ろに弾かれた。


一善「...!」

三太郎「すげぇ!」


ジャスティン「今度、僕の手を見ながら見てみて」


一善・三太郎「...」ジーッ


ジャスティンは、同じように片方の手から、エレメントの流れを色つきで流し、ふたつのブランコを同時に弾いた。


三太郎「あれ?右側しか動かねぇ!」

ジャ「さっきも、動かなかった方のブランコにもエレメントを飛ばした」

三太郎「なんで左側はなんも反応しなかったんだ?」


ジャ「エレメントは、反応を受ける側の物体にもマヂカラが流れてないといけないんだ」

一善「じゃあ、片方のブランコにだけ、マヂカラが流れていたということですか?」

ジャ「そうではない。俺が対象にもエレメントを付与したんだ」

三太郎「なんか、マヂカラだのエレメントだの分からねぇぞ?!」


ジャ「ま、マヂカラも、エレメントも、チャクラみたいなものさ。エレメントってのは俺が体から練り出したチャクラで、マヂカラってのは、この世の全てのチャクラって感じだ。エレメントはマヂカラに含まれる」

三太郎「ぐぬぬぬ、少しわかったような、分からないような」

ジャ「まぁとにかく、チャクラはチャクラが流れている所にしか流せないから、チャクラの流れていない物体に外からチャクラでコーティングして、流せるようにした。こういうことだ、わかる?」

一善「わかりました」

ジャ「じゃあ、やってみよう!」

 

────


第25話 「ジャスティン先生の魔法特訓②」

 

────


《とある廃校》

ジャ「最初はチャクラを飛ばす広さにも限界があるから、近い距離で、このペットボトルを倒してごらん」

一善「やってみます」

三太郎「おうよ!」

2人は3m先のペットボトルに向けて、意識を集中させた。

 

ーーーー


1時間後

 

三太郎「ぐぬぬぬ、エレメントは出せるようになったけど、ペットボトルの前で消えちまう。なんでだ?」

ジャ「マヂカラが流れていない物体に近づくと、弱いエレメントは消えてしまうんだ。エレメントを飛ばすというイメージより、狙いの物体に意識を集中させ、引っ張られるようなイメージの方が上手く行くぞ」

 

パコーン...

 

ジャ「?!」

三太郎「?!」


一善「ハァ...ハァ...できた」

ジャ「一善、もう出来たのか?」

三太郎「なにーーーー?!?!?!」

一善「なんとか...」

三太郎「おいジャスさん!俺の黄のエレメントって確か近距離型だよな!!一善のやつの方がやりやすいんじゃないか?!?!不公平だ!!!」

ジャ「三太郎、この程度の距離なら色は関係ない。ファイトだ」

三太郎「このクソーーー!!!!!」

 

──そして、一善達は、その日から1ヶ月、エレメントの特訓をし、弱い魔者程度なら退治出来るほどに成長していた。

 

ーーーーー

 

2人はピロティの階段に腰をかけて、水を飲んだ。

三太郎「そろそろよ、俺たちも技考えようぜ!技!」

一善「はやいよ。もっとやらなきゃいけないことあるだろ」

三太郎「てか一善はさ、やっぱり前から魔法使える分コツ掴むの早いよなー。原色持ちの俺よりはえーじゃん」

一善「そうかな。魔法だって、印を覚えれば出来るし」

ドロン!

三太郎「わぁ!かっけー!!こいつさ、名前あんの?」

一善「つのキング」

三太郎「プーーーーwwwwwwつのwwwつのキングwwwwwwダサwwwwww」

一善「わらうなよ!」

三太郎「あーわりわり!いやwwwwwwつのキングはウケるわwww」

一善「...」プンプン

 

ーーーーー


裏でジャスティンは、電話をかけていた。


プルルル プルルル プルルル

ジャ「あーもしもし?あじゅにゃん?」

安西「はい!どうしました?」

ジャ「なぎちんいる?代わってもらえるかな」

安西「あ!はい!」


五百旗頭「もしもし」

ジャ「おつかれー。こっちのこと、報告しようと思ってさ」

五百旗頭「あの二人、どう?ちゃんと出来てる?」

ジャ「それがさ、」

五百旗頭「?」

 

ジャ「めちゃくちゃな成長速度だ」

 

五百旗頭「...というと?」

ジャ「俺が3ヶ月以上かかったようなことも、1ヶ月でマスターしてやがる。アイツらはやべえぞ」

五百旗頭「神野くんが言うなら、相当凄いのね、あの子たち」

ジャ「あぁ...」

 

ジャ「アイツらなら、”あの6人”を越えられるかもしれねぇ」

 

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第26話 「剣と拳とウインナー」

 

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《とある廃校》

一善と三太郎が修行を初めて半年が経った。7月。季節は夏。暑さと戦いながら、2人はかなりの成長を遂げた。


雑魚魔者A「キュララララァァ...!!」


一善「緑のエレメント!草枕!」


ジャキーーン!!!


ジャ「なるほど。エレメントを剣のように具現化し、切りつける。いい技だ」

三太郎「俺のも見てくれジャスさん!!行くぜ!」

雑魚魔者B「ジュルァァァアア!!!!」


三太郎「黄のエレメント!ガントレットバスター!!!!」


バリバリバリバリィィ!!!!


ジャ「雷のように相手の懐に速攻して、食らわす一撃。悪くないじゃん?」


三太郎「やったぜ!!」

ジャ「(そろそろ、頃合かな)」

一善「疲れた...」

三太郎「ジャスさん!飯にしよーぜ!飯!」

ジャ「そうだね!支部に戻ろうか!」


《魔裁組第2支部/ダイニング》


ジャ「ご飯作ってもらってるから、とりあえず待とうか」

三太郎「腹減ったーーー」


一善「ていうか、いつもここ、あんまり人いないですけど、皆さんどこいってるんですか?」

三太郎「確かに、半年もここと廃校行ったり来たりなのに、まだ幸二って奴しかあってねぇぞ!」

ジャ「本当はね、シクシク、最年長の俺が授業するんだけどね、シクシク、あの子たちは誰も出てくれないんだ、シクシク」

一善「僕たちみたいな新入り以外も授業とかあるんですか?」


ジャ「一応ね、協会の方から任命された担当が、他のメンバーに”日常訓練”をやらないといけないんだけどね、、みんな「必要ない」ってサボってて。まぁ今はあんまり大きな事件が街で起こってないし、魔者が出たら、その仕事はみんなやってくれるから問題はないんだけど、ハァ、寂しいな」

三太郎「かわいそ」

ジャ「ま、女の子だし、そりゃ年頃だったら遊びたいよね、シクシク」

一善「女の子が多いんですか?」

ジャ「実動班は俺たち入れて8人じゃん?幸二を除けば、残りの4人は全員女子だ」


三太郎「女の子!」

一善「女子も戦うんですか?」

ジャ「あったりまえじゃない!なんなら、女子の方が歴史に残るような魔法使いが多いよん。男も女も、対魔者では、あまり性差はないんだ。魔法業界は、割と女社会みたいな所もあるしね」

一善「そうなんですね」


安西「あ!皆さんお疲れ様です!3人分のカレー!召し上がってくださいね!(熱すぎないかな、辛すぎないかな、、)」

ジャ「お、ありがとう」

安西は、カレーの入った鍋をテーブルの真ん中に置いた。


三太郎「お!ウインナー入ってるじゃん!」

一善「...!」

ジャ「あ、ほんとーだ!」

 

”よーし、今日は、一善の大好きなウインナーカレーだ!”

 

一善「(お母さん...)」

 

三太郎「いっただっきまーす!」

ジャ「いっただっきまーす!」

一善「...」


三太郎「...どした?一善」

ジャ「具合悪いのか?」


一善「...なんでもありません...食べましょう!」

三太郎「わかった、唐辛子が目に入ったんだな?w」

一善「ちがうよ!」

三太郎「あはは!あはは!」

 

ーーーーー

 

────


第27話 「人助け」

 

────


《とある廃校》


一善「緑のエレメント!潮騒!」

三太郎「黄のエレメント!ダイナマイトクラッシュ!!」

一善「緑のエレメント!舞姫!」

三太郎「黄のエレメント!スクリューストライク!!」


一善「ハァ...ハァ...」

三太郎「今日も絶好調だなぁ!」

一善「もう疲れた、、帰りたい」

ジャ「もう少しだ。もう少しやったら帰ろうか」


プルルル プルルル プルルル


ジャ「もしもし」

自動音声「東京都世田谷区用賀砧公園1-1にレベル3相当のマヂカラ反応あり。繰り返す東京都世田谷区...」


ガチャッ


ジャ「(行くか)」

三太郎「ん?ジャスさんどした?」

一善「...?」


ジャ「君たち。行くぞ。とうとう”実戦”だ。」


三太郎「...!」

一善「...!」

 

《砧公園》


三太郎「なんか、久しぶりに普通の場所来たわー」

一善「魔者がいるんだぞ。緊張感もて!」

一善の足は少し震えていた。


ジャ「こっちだ、ついてこい」

一善と三太郎は、ジャスティンの後に続いた。


ジャ「いたなぁ」

開けた広場の真ん中に、マグマを全身に帯びたような魔者が立っていた。


三太郎「なんか、廃校の魔者より強そうだな」

一善「(落ち着け、落ち着け俺!)」

ジャ「まず君たちは、周りの人たちを避難させろ。爆弾が見つかったとでも言えばいい」

一善「(なんかの罪に問われそうだ...)苦笑」


三太郎「おいみんな!!!爆弾が出たぞ!!」

モブ「え、本当か?」

モブ「爆弾?まさか」

モブ「やばい!爆弾だ!逃げろー!!」

三太郎「本当だ!全員逃げろ!信じてくれよ!」


一善「本当に、あんな魔者が見えないんですか?」

ジャ「見えない。だがあいつの攻撃は人に当たる。魔者の周りには常に一定のマヂカラ反応がある。故に、俺たちがエレメントを飛ばす時みたいに、わざわざその対象にもエレメントを流さずとも、奴らは攻撃を当てられる」

一善「なるほど」


マグマの魔者「....」

モブ「ははっ、なにがマモノよ。あの子たち、頭がおかしいわ?」

女性1人が、マグマの魔者の近くに歩こうとしていた。

一善「まずい!あのままでは」

ジャ「魔者の”円陣”に入るな...」

一善「円陣?」


スゥゥゥ...


ジャスティンは、エレメントを纏った。この瞬間、ジャスティンは一般の人からは見えない存在となった。


ジャ「一善、君はここで待機だ」

一善「了解です」

そして、ジャスティンは、高速で魔者に近寄り、女性を攫って距離をとった。

ビュュュウン!

女性「!!!(何が起こってるの?!)」


そして、ジャスティンは魔者から高速で離れながら、振り返り、空中で技を繰り出す。

ジャ「白のエレメント!スノウジェム!」

マグマ「グゥツァァァァ!!」


戦闘開始...!!

 

────


第28話 「戦利品」

 

────


《砧公園》

ドガーーーン!!!


女性「きゃああああぁぁぁぁ!!化け物!化け物よ!!!!」


女性は、エレメントの流れたジャスティンに触れているため、その間、ジャスティンと同じように、マヂカラが見える状態となった。

ジャスティンは、女性を魔者から離れた位置に降ろし、逃げるよう促した。しかし、女性は、腰が抜け、恐怖で歩けなくなっていた。


マグマ「グツツッッ」

ジャ「ちっ、死なないか」

マグマの魔者は、ジャスティンの方へと向かっていた。

マグマ「グッツッツッツッ」ボコボコボコ...


ジャ「やるのか?ならこっちもやるぜ?」

マグマ「グツツツツ」

ゴトゴトゴト....


ジャ「白のエレメント...」


その時!小さな子供が、魔者の裏から走り込んできた。


子供「わーー」

母親「こら、まちなさーい!」


ジャ「...!(このままではあの子供は攻撃に巻き込まれる。巻き込まれた場合、マヂカラを脳にもろに受けて死ぬ!だがここを動けばこの女性が...!どうする...!)」


三太郎「うぉぉぉぉぉぉ!」

ジャ「!」


三太郎「黄のエレメント!スパークリングダッシュ!!」

三太郎は高速で子供を魔者から引き離した。

三太郎「一善頼む!!!」


一善「緑のエレメント!地獄の花!!」


バッカァァァァン!!!!


魔者は、一善の上からの攻撃で、地面にめり込んだ。


ジャ「お手柄だ、感謝する」

ジャスティンは元いた場所から高速で魔者に近づいた。

ジャ「終わりだ」


バクシュクシューーーン!

 

ジャ「白のエレメント 氷結のアリア!」

 

キィーーーーーーーン!


一善「すごい...」

三太郎「やっべぇ、、本当に凍ってるみてぇだ」

 

ジャ「イメージは時に、現実を超える」

 

パリパリパリパリ...

パリイーーーーン!!!キラキラキラキラ...


魔者「グッッッツァァァァァ!!!!」


凍りついた花が散るように、魔者は断末魔と共に消えていった。

シュゥゥゥゥ...

三太郎「綺麗だな...」


ジャ「さてと、報酬品は、、?お!」

一善「!」

三太郎「これが!」


ジャ「魔導書だ!!!」ド   ン!!!

 

 

 


☆ざっくり用語解説


ここまで専門用語が多くて難しかったと思うので、他の漫画さんでいうと、どんな感じなのか、分かりやすく説明します。


魔法 ≒ 忍術(NARUTO)、呪術(呪術廻戦)

マヂカラ ≒ チャクラ(NARUTO)、呪力(呪術廻戦)

魔導書 ≒ 悪魔の実(ONEPIECE)、個性(ヒロアカ)

エレメント ≒ チャクラをつかった呼吸(鬼滅の刃)的な?


魔導書とエレメントのそれぞれのマヂカラの違い。


メラメラの実(魔導書のマヂカラ)は本当に炎が出てますが、炎の呼吸(エレメントのマヂカラ)では炎はあくまでエフェクトなのと同じです!でもどっちもダメージは与えられます!


微妙に違うけど、こんな感じで分かってもらえたらいいと思います!

※読み進める上であまり重要では無いのでサラッと流してもらってもいいです。

 

SOREMA -それ、魔!- 4 に続く

 

第20話 「邂逅」

第21話 「新たな魔法使いの誕生」

第22話 「始まり」

第23話 「黄と緑」

第24話 「ジャスティン先生の魔法特訓①」

第25話 「ジャスティン先生の魔法特訓②」

第26話 「剣と拳とウインナー」

第27話 「人助け」

第28話 「戦利品」

 

 

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